実機レポート ~ザ アワーグラス ジャパン 20周年記念モデル

 By : KITAMURA(a-ls)

すでに既報だが、ザ アワーグラス ジャパンが同社の創立20周年記念モデルとしてA.ランゲ&ゾーネとコラボレーションしたのは、PTケース+バゲット・ダイヤモンド+黒文字盤という非常に特別な3本を一組とした限定ボックス・セットであった!




知らせを聞いて、さっそくアワーグラス銀座に駆けつける。

なぜなら、これはかなりの”事件”であったからだ!

一昨年のランゲ1の20周年、昨年のアドルフ・ランゲ生誕200周年記念、そして今年のランゲの新作など、最近は限定モデルが多かったので、あまりお気づきではないかもしれないが、ランゲが特定の正規店のために限定モデルを作るのは、実に7年ぶりの”快挙”なのである。

かつてのランゲはショップ限定に非常に寛容で、そのため世界各地に、通常のカタログにはないランゲ1や1815のヴァリエーション・モデルがひょっこり出現し、それはある意味”宝さがし”のようで、マニアックなファンはその発見を楽しんでいたような面もあったのだが、2010年に限定モデルは本社のみの専権事項とされて以来、(ま、今回は特例中の特例なのかもしれないが)、長く封印されてきたあの愉しみが還ってきたのだ。






さらにもうひとつ、これは個人的な話なのだが、10年前の2006年、同じくアワーグラス銀座が世界限定8セットで日本マーケット用にプロデュースした『ドレスデン建都800年記念セット』という限定ボックスセットがあり(間違っていたらごめんなさいなのだが、これもまたアワーグラス ジャパン創立10周年記念の意味もあったのではなかったと思う)、実はそのドレスデン・セットこそが、わたしの”ファースト・ランゲ”だったりするのである。

※ドレスデン・セットの2本





時計趣味に目覚めた年に初めて手にしたランゲ・ウォッチの限定セット、そしてそれからちょうど10年を経て、時計趣味が極まってニュースサイトなんてものを開設したその年その月に、またもや出逢ったアワーグラスの限定ボックス・セット。





これは何かの運命ではないか・・・・と思えるような、プライベートな”事件”でもあったわけだ。

そこで、「これも何かの縁だから、よし、買っちゃおっか~」とはならないのが今回の限定セットの悩ましいところ(笑)。
実家の床下からメタンハイドレートとか遮光式土偶とかがザクザク出てくるような環境であれば話は別だが、この3本セットはさすがに手に負えない・・・・。


気を取り直して、1本ずつ触れていこう。
まずはダトグラフUP&DOWN



特筆すべき最大の点は、アウトサイズデイトとサブダイヤルまでもが黒化されていること。
これこそ長年夢に見た、いわゆる”オール・ブラック”のダトグラフの勇姿。実に引き締まった精悍さが素晴らしい。



いつ拝見しても美しいバックフェイス。積み重ねられたこの階層には”建築美”に近い概念があるような気さえする。



次にランゲ1 デイマティック



ランゲ1のプラチナケース+黒文字盤は”Darth”と呼ばれ、語源となったスターウォーズばりに長期的な支持を得ていたが、デイマティック初の黒文字盤設定が”Darth顔”だったということ、そしてその重厚にして静謐な黒の世界に、レトログラードによる週表示という動的な、まるで正反対の要素が同居するというのが、なかなかに面白い。

また、表の”漆黒”に対して、裏の”華美”なシャトンの嵐(笑)の対比。



一本でいろいろなパラレルワールドが味わえる、これもまたマニアックな心を刺激する1本だ。




最後は、ランゲマティック・パーペチュアル

ロングセラーモデルであるランゲマティック・パーペチュアルの歴史上、意外にもこれが初のPT+ブラック・ダイヤル。
最近のWGケースやシンシアの限定RGなど、黒文字盤は何度か作られたが、アウトサイズデイトはもちろんのこと、閏年のサブダイヤルまでが黒という”オールブラック”へのこだわりが嬉しい。




ランゲの黒というと、光の加減で濃紺にも見えたりすることがある。これはこのセットの3本ともに言えることだが、ランゲの通常の黒よりも黒いというか、深く艶めいた黒に見える。
ま、気のせいなのかもしれないが、新工場内にはエナメル・セクションなど未だ非公開の技術革新セクションもあるというし、各2枚という極小ロットであれば、何か特別な工法が加えられている可能性も充分あり得るかもしれない。









世界限定2セット。

その希少性と言い、ラグジュアリー性と言い、芸術性と言い、これはもうわが国にもたらされた”お宝”みたいなものだから、国外流出だけは避けていただき、よろしければ、柱の陰からでいいから、ぜひとも納品の場に一枚加えて下されまし。
お礼の印に、”ランゲ昔語り”とか、何時間でもするからさぁ(笑)。。。。










 
 
 
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