コンスタンチン・チャイキン 新作「マスク」「コロボック2」の展示受注会をGWに開催～世界最薄の「Thinking」も"来日"

道化師の顔にように見えるユニークなレギュレーター表示の「ジョーカー」で有名なリストモン(リストモンスター)コレクションを展開するAHCI所属の独立時計師コンスタチン・チャイキン。

今回、銀座日新堂のサロンに新作が到着し、拝見することができました。
更にゴールデンウイークに合わせてイベントが行われる、という事で速報でレポートします。 



向かって左から、レギュラーのジョーカー、新作のコロボック2・アイアンマスク・ゴールデンマスク、そして現在は非売品の最薄時計Thinkingです。

ディスク表示のレギュレーターを両目に、6時位置のムーンフェイズを口に見立てた「ジョーカー」は2017年のバーゼルで発表されて大きな反響を得て、現在ではコンスタンチン・チャイキンの「アイコン」とも呼べる存在になっています。

ジョーカーはさまざまなキャラクターの意匠を取り込み、リストモンズ(リストモンスター)コレクションに成長しました、コロボックはロシアのおとぎ話に登場するキャラクターで、2023年のコロボックの反響から2が作られました。



コンスタンチン・チャイキンの時計のオーナーにはスーツスタイルのビジネスマンも多く、「ジョーカーは派手過ぎる」「スーツに合うリストモンズが欲しい」という声から作られたのが新作の「マスク」シリーズで、ジョーカーのシステムとスケルトンを組み合わせて一見しただけでは顔に見えないがよく見ると仮面のようにも見える、というバランスに仕上げています。
シルバーのアイアンマスクとゴールドのゴールデンマスクの2種類。



「口」の部分にはムーンフェイズに代わってレトログラード表示の曜日インジケータが。
スケルトンによってレトログラードを制御するカムとレバーを眺めることができます。

リストモンズの特徴である「耳」のような2つにリュウズの内、右側は通常のリュウズ、左側は曜日のコレクターになっています。

そして大手ブランドによる「最薄」競争に突如として参戦し、世界最薄の座を勝ち取った「ThinKing」も今回来日しました。



こちらもリストモンズとの連続性を感じさせるレギュレーター表示、超薄型1.65mm厚を実現しました。
この時計は薄型時計も集めていたあるコレクターからチャイキン本人へのリクエストで開発がスタートし、「薄型記録のための時計ではなく、実用に耐える時計」というコンセプトで開発したそうです。

実用性を高めるために様々な工夫が盛り込まれました。

まずコレクター氏へのヒアリングの結果、薄型であることにより、手首をひねるとストラップにねじれが加わり、それが時計本体を曲げそうになる、という問題が発覚、対処する必要が出ました。



その方法はコロンブスの卵で、「ストラップの一部を弾性のある素材にして力を逃がす」という方法。
これにより手首の動きは弾性部分の伸縮で吸収、時計本体には伝わりません。



手首においてみるとなるほど、と効果を納得できる感じです。



また、重なりが多く厚みが大きくなってしまうテンワに関してはヒゲゼンマイがついているテンワとアンクルが噛みあう振り座がついているテンワに分割、外周に切った歯で噛み合わせる、というアプローチで3階層以上必要なテンワを他の歯車と同じ2階層に抑えて厚みを減らしました。
↑の写真でガンギ車から伸びているアンクルに噛みあっているのが振り座のテンワ、隣にあるのがヒゲゼンマイがついているテンワになっています。

香箱の構造も見直し、カバーがない香箱がケースに直接埋め込まれている？という事でしたが、ここは「ふんわり」なので、詳細は確認中です。

そして最後はケース構造の改善で、ThinKing単体でも防水性は確保されており、’専用の鍵で巻き上げと時合わせが行えます。
しかしさらに使い勝手を良くし、日常の利便性を上げるためにリュウズ部分とマイクロローターによる自動巻き機構を備えたオプションユニット「PalanKing」が用意されており、これを裏面に取り付けるとリュウズによる時合わせ・手巻き、そして自動巻き機能も追加することができ、これをつけた状態でも厚みは5.4mmだそうです。

以上のストラップ、テンワの構造、香箱の構造、ケース構造の改良についてはロシア特許及びPCT出願による国際的な特許を取得、とのこと。



ThinKingは去年のジュネーブウォッチデイズでも拝見していましたが、ちゃんと書けていなかったので今回改めて…



今回、改めてThinKingについてのお話を直接伺えたのは良かったです(GWDの時は実機を拝見しただけで細かいところまでは聞けなかった)。



ゴールデンウィークに合わせて、以下のスケジュールで展示および受注会も行われます。

5月2日（金）｜日新堂 銀座本店@ginza_nisshindo

5月4日（土）～ 5日（日）｜日本橋高島屋ウオッチメゾン@takashimaya_watchmaison

公式情報も合わせてご覧ください。
https://konstantin-chaykin.jp/blogs/press/ゴールデンウィーク特別展示のご案内



【お問い合わせ】
コンスタンチン・チャイキン日本総代理店
株式会社ANDOROS
03-6450-7068



[コンスタンチン・チャイキン]
コンスタンチン・チャイキンは、世界的に著名なロシア人独立時計職人であり、ユニークで革新的な時計を数多く生み出してきました。彼の作品は、機械式時計の伝統と最先端の技術を融合させた独自のデザインが特徴です。特に「Wristmons（リストモン）」シリーズは、時計の文字盤にキャラクターを取り入れ、機械的な精度とユーモアを兼ね備えたコレクションとして高く評価されています。コンスタンチン・チャイキンは、細部へのこだわりと創造力で、時計業界において唯一無二の存在感を放っています。