東京・台東区のブランド品販売会社ロレックスなど密輸ならびに消費税不正還付で刑事告発

 From : Others (その他)


報道によりますと、

「高級時計密輸で4000万円脱税=容疑で買い取り会社告発-東京国税局」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019012900565&g=soc (時事ドットコム)



東京・上野のブランド品買い取り会社「ネクサス」と三浦綱康社長(49)は、ロレックスなど高級腕時計を密輸して消費税約4000万円を脱税したとして、東京国税局より消費税法違反容疑で東京地検に告発されたことが分かりました。


「密輸」というと、何やら恐ろしい悪行のように聞こえますが、要は、プリーポート(消費税や物品税や関税がかからない)香港で商品を仕入れて日本に持ち込む場合、日本の税関に8%相当の消費税の支払いが必要なのですが、無申告で税関を通過したということです。


香港でない場合、たとえばスイスで時計を購入した際には、皆さんも出国時に税金還付や免税申請をすると思います。それは日本で使用する時計であるから、スイスへ消費税(₌物品税・VAT)を払う必要がないため、売価にあらかじめて含まれているスイス政府へ納められる税金を返してもらう手続きなのですが、その見返りとして、帰国時には日本の税関に申告して、日本での消費税を支払うことが必要となります。
お土産や自分用に時計1本を買って、うっかり腕に着けたまま帰国して税関をスル―してしまうと、それもいわゆる"密輸"となるわけですが、通常のケースでは消費税を支払えば罪にはまず問われません。

しかしこの「レクサス」のように、
「消費税がかからない香港に従業員を渡航させてロレックスなどを大量購入し、税関で申告せずに国内に持ち込ませていた」となると、相当に計画的であり、犯罪性が高いとみなされます。

また、「レクサス」にはもうひとつ別の容疑がかけられています。

日本の消費税は、商品やサービスが日本国内で流通する際にかかる税金ですので、これが海外に持ち出される場合、簡単な例で言えば、海外からの旅行者が購入した場合などは、消費税が還付されます。

今回刑事告発された「レクサス」は、この制度を悪用して、もともと消費税の支払いを逃れて密輸したロレックスなどが外国からの観光客に売れた際に、その時計が国内で仕入れたように書類を偽装し、払ってもいない8%の消費税の還付を受けていたという、2つの犯罪によって告発されたようです。


■その他の報道

ブランド品販売店脱税容疑で告発(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20190129/1000024682.html


ロレックス密輸で消費税不正還付 4,000万円脱税で刑事告発(FNN)
https://www.fnn.jp/posts/00410807CX



東京国税局は、2016年10月~17年9月9月までの1年間におよそ4000万円を脱税したとしていますが、以前に当サイトでも報道した不正還付事件では、約6億円の不正という大規模なものがありました。

下記の記事をご記憶でしょうか?
https://watch-media-online.com/blogs/212/


その後、この事件がどう処理されたか調べてみましたら、不正の総額はなんと18億円にまで膨らみ、今からちょうど一年ほど前、この時計販売会社社長に、懲役7年6ヶ月の実刑判決が下っていました。

(以下、https://www.tabisland.ne.jp/news/tax/2018/0126_2.html より抜粋)

高級腕時計を海外に輸出したように装うなどの手口で総額約18億円を脱税した罪に問われた宝飾店社長に対し、大阪地方裁判所は懲役7年6ヵ月を言い渡しました。

消費税法違反などの罪に問われているのは、「ジュピター宝飾」の社長・長谷川彰被告(50)と法人としてのジュピター宝飾など4社です。
長谷川被告は、高級腕時計を香港に輸出したように装って消費税約7億円の不正還付を受けるなど総額約18億円を脱税したとされます。これまでの裁判で、長谷川被告は起訴内容を認めていました。

判決で大阪地裁の村越一浩裁判長は、「犯行には計画性と常習性があり、相当長期間の懲役は免れない」として長谷川被告に対し、懲役7年6ヵ月・罰金6000万円を、法人4社に対してもあわせて3億4100万円の罰金刑を言い渡しました。

起訴状などによると、長谷川被告は2010年~16年にわたって香港からの高級腕時計の架空仕入れを計上する手口で、ジュピター宝飾が消費税11億円の支払いを免れたほか、輸出免税制度を利用して4社合わせて約6億8千万円の不正還付を受けたという。

消費税は、「国内で消費される財貨やサービスに対して課せられる税」であるため、国外との取引には原則的に課税されない。しかし、国内の事業者から商品を仕入れる際には消費税分が上乗せされている。そのため国外取引を行う事業者は、仕入れにかかった消費税額を申告することで、その分の還付を受けることができる。
架空の海外取引を計上して消費税の還付を受ける手口は、国税庁が毎年まとめる法人による脱税事案でも常に取り上げられ、いわば消費税脱税の“花形”とも言えるスキームだ。



異例ともいえる重刑ですが、時計を悪事に利用した罰でしょうか。。。。

皆さんも、海外で時計を購入したら申告をお忘れなく!!