シチズンが 視覚障害者対応の、さわって時間を知る腕時計を発売~すべての人に腕時計の楽しさを!

 From : CITIZEN (シチズン )


「すべての人に腕時計の楽しさを」というシチズンの姿勢はとても素晴らしい考えだと思う。
自分も、病で半身が不自由となって時計趣味を辞められた知人や、金属アレルギーのため時計が好きでも着けることができないでいる方など、時計趣味という共通点で胸を痛めるような機会が多々あった。なので、視覚に障害を持つ方にも腕時計の楽しさを知ってもらえたらというシチズンの開発方針にはとても共感する。
この発想をよりわかりやすく伝えるために、プレスリリースのほかに、シチズンの特設サイト の記事も参考にして、その二つの記載を合わせたNewsに編集し掲載しています。(WATCH MEDIA ONLINE編集人KITAMURA(a-ls)
 





すべての人に腕時計の楽しさを!
誰もが利用できる時計を実現するために、

視覚障害者対応の、さわって時間が知れる腕時計を発売


シチズン時計では、この度、新たな視覚障害者対応の腕時計(AC2200-55E)を発売いたします。この時計は、企画・開発の段階からあらゆる使用者と一緒に商品を考えていく「インクルーシブデザイン」の考え方を取り入れ、タイのロッブリー県にあるロッブリー複合視覚障害者学校の教員、生徒の皆さんのご協力のもと開発された視覚障害者対応の腕時計です。


※インクルーシブデザインとは
インクルーシブデザインは、高齢者や障害者を持たれている方々など、これまでの商品開発プロセスにおいて、経済的・身体的な理由で主要ターゲットに含まれてこなかった方々や、製品・サービスの使用を想定されていなかった方々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで(Include)、あらゆる人が快適に使えるデザインや機能を持つ商品を、一緒につくり上げていくデザイン手法です。


シチズン時計では、AC2200-55Eの発売を記念して、タイのロッブリー県のロッブリー複合視覚障害者学校へ、本製品を100本寄贈いたします。また2020年以降、同校を卒業される生徒の方々への寄贈など、同校への継続的なサポートを行ってまいります。
※本製品は、タイ・ロッブリー県にあるロッブリー複合視覚障害者学校(正式名称:School for the Blind and the Blind with Multiple Handicaps Lopburi)の在校生や教職員の意見を元に、実用性やデザインの向上を図りました。


【開発の経緯】
「市民に愛され、市民に貢献する」という企業理念のもと、シチズンは1960 年に国産で初めて視覚障害者対応の腕時計『シチズン・シャイン』を発売。その生産を60 年にわたって続けてきました。そして2020 年、SDGsの達成を含む社会課題の解決に寄与する企業として、あらゆる人が快適に使えるよう、健常者だけでなく視覚障害を持つ方、弱視の方など、使用を想定される人が企画・開発段階から関わるというインクルーシブ(包摂的)なデザインアプローチを採用した新たな視覚障害者対応腕時計を発売いたします。



これまでの視覚障害者対応の腕時計への不満な点として、

「健常者と同じ様に時計をファッションとして楽しみたい」
「一目で視覚障害者用とわからない時計であってほしい」 といった課題がありました。
※ロッブリー複合視覚障害者学校 インタビューより




【すべての人にフィットする腕時計を】
シチズンが目指すのは、視覚障害者はもちろん、障害の有無に関わらず世界中の誰もが使える腕時計。視覚障害者の方々から意見をいただきながら、そこにシチズン独自の工夫や技術を盛り込むことで、実用性とデザイン性を高いレベルで両立する視覚障害者対応の腕時計を設計しました。




【商品特長】
障害の有無にかかわらず、あらゆる人が快適に使えるよう、健常者だけでなく視覚障害を持つ方、弱視の方など、使用を想定される人が企画・開発段階から関わるというインクルーシブデザインの考え方を取り入れています。

◆すぐに時間を確認できる高い判読性
実際に視覚障害を持つ方のアドバイスを取り入れ、文字板を触っての時分針の形状を判読しやすくするために、12時・3時・6時・9時のポイントを三角形にしたり、時針の先端を矢印にしたりするなど、指で触れたときに明確でわかりやすい工夫を施しています。合わせて、時針用の凸部を内側に、分針用を外側に配置しています。
また弱視の方でも判読しやすいよう、黒い文字板にイエローのインデックスを組み合わせ、コントラストを際立たせました。




◆着用場所を選ばないデザイン
プレーンなデザインの上蓋(ガラス部)や直接指で触れる文字板には、指紋や凸部を目立たせないようにするためマット加工を施し、カジュアルなフォントを組み合わせることでタウンユースに最適なデザインに仕上げています。
ケースはヘアライン仕上げ、ガラス部分の上蓋や直接指で触れる文字板にはマット加工を施し、指紋や凸凹部分が目立たないようにしています。

◆耐久性と機能性を備えた腕時計
ひんぱんに開け閉めする風防ガラス付きの上ぶたは、自社基準による入念な開閉試験を実施。


バンドは、自身での調節が可能なフリーアジャスト構造を採用してベルトの長さ調整を自由にできるようになっており、中留め部にはバンドが意図せず抜けることがないようリベットを配して、不意の落下も防ぐ仕様になっています。




視覚障害者対応腕時計
AC2200-55E

発売日:2020年3月19日発売予定
希望小売価格:14,000円(消費税非課税対象商品)

ケース / バンド:ステンレス/ステンレス
ガラス:クリスタルガラス
文字板:ブラック
ケース経 / 厚み:34.9㎜ / 7.5㎜
駆動方式 :電池式
主な機能:Cal.6029 (アナログクオーツウオッチ) / 月差±20秒 / 非防水
付属 :点字取り扱い説明書・CD音声取り扱い説明書





STORY

視覚障害者と共に、世界中の誰もが使える腕時計をつくり上げる。

シチズン時計は「市民に愛され市民に貢献する」を企業理念に掲げ、お客様の立場に立ったモノづくりを常に志してきました。今回、新たな視覚障害者対応の腕時計の開発にあたり、「視覚障害者の方が本当に求める腕時計とはどのようなものなのか?」を突きつめるべく、タイのロッブリー県にあるロッブリー複合視覚障害者学校の皆さんにご協力いただきました。

ロッブリー複合視覚障害者学校を訪問したシチズンのメンバーが目にしたのは、学校生活を心から楽しむ生徒たちの姿。それは、私たちが思い浮かべる学校生活となんら変わりない日常の光景でした。メンバーは開発の過程において、何度も学校へ足を運び、生徒や学校関係者と意見を交わしました。

文字板を触ったときの判読性の高い構造や、弱視の方でも見やすい色など、視覚障害者対応時計としての要件はもちろんのこと、デザインに対する要望として「普通の腕時計と変わらない見た目のものが欲しい」「ファッションとしても楽しめる時計をつくってほしい」といった声が多く聞かれました。

視覚障害者対応の腕時計には、音で時刻を判別するタイプのものがあります。時計に耳を近づけなければいけないため、その動作がどうしても周囲の気をひいてしまう。またデザインのバリエーションも少なく、一目で視覚障害者用の時計だとわかってしまうことを気にする人も多かったのです。

視覚障害者の方々の意見に耳を傾けたことで、目指すべき方向性が明確になりました。すべての人のスタイルにフィットする腕時計。こうして形になったのが、「触って時間を知る時計(AC2200-55E)」です。視覚障害者の方々はもちろん、すべての人に分け隔てなく、時計をすることの楽しさと快適さを提供します。

【参考】
過去販売されたシチズンの視覚障害者対応腕時計の例


●左から、1960年製、1967年製、1986年製、2014年製

シチズン時計は1918年の創業以来、「お客様の立場に寄り添ったモノづくり」を方針に掲げ、100年以上もの長きに渡って、時計の開発に取り組んできました。
私たちシチズンが日本で初めて視覚障害者対応時計を発売したのは1960年のこと。以来、時代やニーズの変化にあわせて、時代ごとに視覚障害者対応モデルを開発してきました。その根底にあるのは、世界中の多くの市民によりよい時計を届けたいという想いです。
今後も、すべての人が分け隔てなく楽しめる時計のあり方を追求しながら、世界中の市民に愛される時計を作り続けます。





【お問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
フリーダイヤル 0120-78-4807
〔受付時間 9:30〜17:30 祝日除く月〜⾦〕