レゼルボワールの新作 「ソノマスター クロノグラフ 」~ヴィンテージのオーディオアンプからインスピレーションを得て、音の計測を時間の計測にアレンジ

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新作コレクション《 SONOMASTER CHRONOGRAPH 》ソノマスター クロノグラフ~「VU」に注目:レゼルボワールの新作《 ソノマスター クロノグラフ 》 はヴィンテージのオーディオアンプからインスピレーションを得て、音の計測を時間の計測にアレンジした時計


音響の世界、なかでもハイファイ(Hi-Fi)機器の世界で広く利用されている計器からインスピレーションを得て、レゼルボワールの新しいコレクションが誕生しました。新作《ソノマスター クロノグラフ》は、2 本のレトログラード針がアナログステレオアンプの音量計「VU メーター」の針を忠実に再現しています。レゼルボワールにとって新たな一歩となるこの力強い新作が、ピュアなサウンドの創出を目指す人々の探求、そして大胆さと激しさに満ちた音楽の探検を祝福します。




新しく登場するバイ・レトログラード方式(120 度の範囲で針が進んでは戻る日付と秒の表示法)の時計は、レゼルボワール初のクロノグラフモデルとなります(ダイヤル中央での秒表示、12 時位置の30 分積算計、6 時位置の12 時間積算計)。そして新しいキャリバー「RSV-Bi120」(バイ・レトログラード クロノグラフムーブメント、機械式自動巻、コラムホイール:LJP-L1C0 ベース)が採用されます。


測定値の表示方法:デジタル対アナログのジレンマ
レトログラード針:レゼルボワールが得意とする独創的な時間表示法は、実用的メリットをもたらすだけでなく、針がアーチの終点からゼロ地点に戻る瞬間の視覚的なスリルを楽しませてくれるものでもあります。これは極めて「アナログ」な技術であり、デジタル表示の機器よりもこうした計器を好む懐古主義者が大好きなものの典型と言えるかもしれません。「デジタル対アナログ」の戦いは、かつて少なくとも3 つの業界で同時に巻き起こりました。

自動車メーカーは、スピードメーターとタコメーターのいずれに関しても、数字だけの表示より、針が目盛りを指し示す形式の方がドライバーの感覚に訴えやすいということをいち早く察知しました。
液晶ディスプレイ上の「70kph(km/時)」や「4500rpm(回転/分)」といった表示には、針と目盛りの文字盤(丸形、三日月形、長方形など形状は様々です)に感じられる瞬間的なインパクトがないのです。したがって、現代の最先端のハイパーカーでさえ、アナログの(「本物の」ゲージではなく画面上に表示されるタイプですが)スピードメーターとタコメーターを搭載しています。

腕時計業界では、アナログとデジタルの隔たりはそれほど明確ではありません。それは、置時計や掛け時計に関してアナログ離れが進み、デジタル化が進む一方で、最新のスマートウォッチに飛びつくわけでもない少し前の世代からの消費者が、デジタルとアナログのどちらにも納得しているという現状があるからです。このことは、見た目が昔ながらのアナログ時計のようなスマートウォッチが製造されていることからもわかります。

つまり、「見せかけ」だけのアナログであっても、そのイメージには実際の針と文字盤に近い、人を惹きつける魅力があるということです。一方で、機械式時計の熱心なコレクターにとっては、ダイヤルと針の存在が鉄則です。
デジタル技術を受け入れてはいるものの、アナログ計測を継続してきた第3 の業界は音楽業界です。これには専門業者と一般ユーザーの両方が含まれます。ラジオ放送が開始され、電子技術を用いて録音した音楽を家庭で再生できるようになった1920 年代から、音響技術者には、電気信号を計測する必要がありました。計測の目的は録音機器の過重負荷を避けることです。機器にかかる負荷が過剰になると、歪み(不快な音のアーチファクト)が生じ、録音された音が人工的なものに聞こえてしまいます。


VU メーターの誕生について振り返る

速度、エンジン回転数、時間と同様に、音響レベルの測定と表示は細い針が目盛りを指す方法で行うのが最適です。
しかし、かつてレコード業界および放送業界で用いられていた機械式の計器は、音そのものほど「速く」反応しないため、ピーク(音に歪みが生じないままで、超えてはならない最高レベル)をリアルタイムでとらえることができませんでした。ベテランのエンジニアは熟練の聴力に助けられ、計器の読み取り方を熟知していましたが、より速く、より正確で、より情報量の多い計器を必要としており、そうした計器が業界のスタンダードとなることが待ち望まれていました。そして何よりも求められたのは、音の信号と同じくらい速く読み取れる機能です。

1940年、無線学会、ベル電話研究所、放送局のNBC やCBS を含む米国の多くの組織による努力が実を結び、「VU メーター」と呼ばれる機器が誕生しました。「VU」は「Volume Unit(ボリュームユニット)」の略語で「音量単位」を意味し、レコーディングスタジオのミキシングデスクやテープデッキに流れ込む音、ラジオ放送信号の強度、アンプの出力、リスニングスペースでの音圧レベル(「ボリューム」または「ラウドネス」とも呼ばれます)を含むすべての様式の電気信号を計測できるように開発されました。

1942 年までに、VU メーターは電話設備およびラジオ放送局用に標準化され、その後、すべてのタイプのオーディオ機器に搭載されるようになりました。VU メーターの外見は、明らかに技術者の美学と機能的な「格好良さ」を感じさせるものですが、そこにはレトロなイメージが伴います。結局のところ、VU メーターは、完全な電子装置であるデジタルディスプレイとは異なる電気機械装置であり、どのVU メーターも、デジタルが出現する以前の時代を彷彿させます。


動きがよく似たレトログラード針とVU メーター
VU メーターの形状は様々ですが、すべてに共通する基本的な要素は、弧を描くように、または直線状に配列された目盛りの上を細い針が旋回するという仕組みです。目盛りが直線状に並んだVU メーターは、1950~1960 年代の米国車に見られた水平スピードメーターを想起させます。VU メーターの針は時計のレトログラード針と同じような動きをします。どちらの針も一般的な時計の針のように360 度回転することはなく、一定の範囲で弧を描きながら進んだり戻っりするのです。

VU メーターの役割は、信号の強度を示すデシベル、アンプの出力を示すワット数、電圧、その他の電子情報の測定値を目盛と針で示すことです。ドライバーにエンジンを酷使しないよう警告するための赤いラインがタコメーターに入っているのと同様に、VU メーターの目盛りの端の部分には、歪みや過剰負荷など、不具合が生じ始めた場合にそれを知らせるためのレッドゾーンが設けられています。



VU メーターの形は円形から長方形へと進化しましたが、どちらも人気を維持しています。背景の色については、目盛り部分と針の色が対照的で見やすければそれでよく、特別な規則はありません。目盛り部分が黒でダイヤル部分が白またはクリーム色の配色が最も一般的ですが、VU メーターの大半は点灯するため、目盛り部分が白、ダイヤル部分が黒でも問題はありません。
ハイファイメーカーの多くが自社のメーターをカスタマイズし、自社製品であることが一目でわかるようにしています。
ミキシングデスク、テープデッキ、アンプのデザイナーがよく言うように、VU メーターがオーディオ関連のすべての分野で今でも使用されている理由は、VU メーターがアナログ時計と同様に、感覚に訴える機器であるためです。
これは、音楽プロデューサーやエンジニアやオーディオマニアがハイテクを嫌っているということではありません。ミキシングデスクやテープデッキに、音のレベル変化に素早く反応する色のついたLED バーによる表示や高解像度の液晶ディスプレイ表示を用いることはずっと以前から可能だったのですが、平行に並んだ水平のバーが安全ゾーンでは緑で、危険ゾーンでは赤で伸び縮みする方法による音響レベルの伝達には、自動車や時計の場合と同様に、針が目盛り上をキビキビと動く時に感じられる印象の強さがないのです。


レゼルボワールの《ソノマスター クロノグラフ》と バイ・レトログラード表示の誕生物語
レトログラード表示を専門とするレゼルボワールにとって、ブランドを象徴するこの技術を、クロノグラフの複雑な文字盤上に再現したいという思いはジレンマとなりました。クロノグラフに典型的なサブダイヤルをすべて搭載したいと思うものの、丸いカウンターが無秩序に集まっている状態になることを避け、整然と収容するにはどうすればいいのだろう? 妥協してサブダイヤルを2 つまたは3 つに減らしたとしても、それらを配置した後、どれくらいのスペースが残るのだろう?
こうした疑問が沸き起こったのです。

《ソノマスター クロノグラフ》には、リアルタイムの時間、分、秒表示に加え、ストップウォッチ機能のために中央に配する秒針、12 時位置の30 分積算計、6 時位置の12 時間積算計、そして日付表示を組み入れる必要がありました。
悩みの種となったのは日付表示窓です。左右対称のデザインにしたいという希望は譲れなかったため、サブダイヤルを6、9、12 時位置に、日付表示窓を3 時位置に配置したクロノグラフにする訳にはいきませんでした。
そこでまず、43mm サイズでブラッシュ仕上げの316L ステンレススチール製ケース、アンプの調節ツマミから着想を得たリューズ、ベース(低音をコントロール)およびトレブルツマミ(高音域をコントロール)から着想を得たプッシュボタンをデザインすることから始め、針にはスーパールミノバ加工を施しました。そして裏蓋はシースルー仕上げとし、コラムホイール式ムーブメントと大ぶりの約60 時間のパワーリザーブを鑑賞できるようにしました。
この時点では、決定的な要素であるレトログラードに関する機構は、まだ登場していません。
《ソノマスター クロノグラフ》には、より多くの機能を搭載する必要がありましたが、既に確立しているレゼルボワールのデザインの特徴を犠牲にすることはできませんでした。

その後、《ソノマスター クロノグラフ》に、一般的な時計と同じ長針(時間)と短針(分)を採用し、伝統的なサブダイヤルを用いた30 分と12 時間のカウンターを配置したところ、文字盤の左右部分に広々とした「敷地」が残っていることがわかりました。2 つの半月型エリアには日付とリアルタイムの秒を表示するための十分なスペースがあったのです。この気付きから生まれたのが、レゼルボワールが「バイ・レトログラード」と呼ぶようになった表示法です。視認性を最大限に高め、時計の世界に新しい美学を創出するために、レゼルボワールは、腕時計という枠組みと、そのインスピレーション源となることの多い自動車の世界の枠組みを超えた、その先に目を向けました。




レゼルボワールは、典型的なヴィンテージ・ハイファイアンプのフロントパネルに解決策を見出しました。そうしたアンプの一例に、多くの人が憧れる高級オーディオ機器の代表とも言える伝説的なパワーアンプがあります。このアンプには、針が黒で、ダイヤルはクリーム色、そして「危険ゾーン」を示す赤い部分が目を引く大型VU メーターが2 つ搭載されています。そこからインスピレーションを得たレゼルボワールは時計デザインの発想を転換し、ダイヤルを左右に分け、それぞれ下から上に数字を並べるという方法を思いつきました。左側のダイヤルはレトログラード方式で秒を表示します。目盛りは0 から30 までで、秒針は30 秒ごとに0 地点に戻ります。右側のダイヤルは日付を表示し、0から31 までの目盛りが配され、月が替わる瞬間に針が出発点に戻ります。

レゼルボワールは、デザインのアイデアを授けてくれた女神であるVU メーターに敬意を表し、どちら側のダイヤルにも(危険ゾーンではありませんが)赤い部分を作りました。背景の配色もダイヤルにはクリーム色を、目盛り部分にはダイヤル部分とのコントラストが鮮やかな、混じりけのない黒を採用しました。どちらのレトログラードカウンターもメインダイヤルの中に沈み込む形になっており、そこに生じる高低差から、アンプのフロントパネル内に設置されたVU メーターの様子がありありと連想されます。

時計とオーディオ機器のように、2 つの全く異なる業界から生まれたものが融合する機会は滅多にありません。レゼルボワールは、それが実現したことへの感謝の気持ちをこの時計の名称に表しました。ソノマスターの「ソノ」は、「音」を表す言葉です。



【仕様】
ソノマスター クロノグラフ
Ref. RSV04.SN/136.BL (ブラック & ベージュ) / Ref. RSV04.SN/136.SI (シルバー & ブラック)

[ケース]
・径:43mm、316L ステンレススチール製、ブラッシュ仕上げ
・ダイヤル:ブラック & ベージュ、または シルバー & ブラック
・針:スーパールミノバ加工
・ベゼル:タキメーター
・リューズ:アンプのコントロールツマミをイメージ
・プッシュボタン:ベースツマミ、トレブルツマミをイメージ
・5 気圧防水
・シースルーバック360 度
・ドーム型無反射加工サファイアクリスタル



[ムーブメント]
・クロノグラフ(12 時位置:30 分積算計、6 時位置:12 時間積算計)
・バイ・レトログラード(左:30 秒秒針、右:カレンダー)120 度
・Cal.RSV-Bi120 バイ・レトログラード クロノグラフ、自動巻コラムホイール〈LJP-L1C0 ベース〉
・39 石、28,800 振動/時、パワーリザーブ約60 時間、スイス製

[ストラップ]
・ブラック カーフ製/ホワイトステッチ、幅:22mm
・ステンレススチール製バタフライフォールディングバックル

発売時期:2022 年6 月予定
価 格:¥866,800(税込)予価






【お問い合わせ】
一新時計株式会社
TEL:03-6854-5802



[レゼルボワール]
計測器からインスピレーションを得て製作されるレゼルボワールの時計には、自動車の世界、航空機の世界、海洋の世界で躍動するするカウンター、マノメーター、ゲージの機能性と審美的魅力が反映されています。そうしたレゼルボワールの時計から思い起こされるのは、精密機械が人のために大いに役立った時代や、ドライバーやパイロットが、勇気と高いパフォーマンスを求められるレースや旅を控えて鼓動の高まりとみなぎるアドレナリンを感じる瞬間です。腕に纏ったレゼルボワールの時計が、集中力と自己肯定に代表される根本的な真実を体現するストーリーを語り、魂を掻き立てます。
レゼルボワールの時計は非常に革新的で、タコメーターを想起させる240 度の範囲で動くレトログラードミニッツ、距離計を連想させるジャンピングアワー、燃料計を彷彿させるパワーリザーブという3 つの複雑機構を組み合わせた斬新な時間表示を特徴としています。コレクションは9 種類(自動車シリーズのGT ツアー、スーパーチャージド、ロングブリッジ、バトルフィールド、カニスター/航空機シリーズのエアファイト/海洋シリーズのティーフェンメッサー、ハイドロスフィア/パートナーシップによるブレイク&モルティマー)で展開し、全てのモデルにETA-2824 ムーブメントに合わせた124 個の部品で構成されるカスタムメイドで特許取得済みのモジュールが搭載されています。また、すべての製品がスイスのラ・ショー・ド・フォンにある高名な時計メーカーで組み立てられています。レゼルボワールの創業は2017 年。現在はオンライン及び70 店以上の高級百貨店と専門ディーラーで構成されるネットワークを通して米国、日本、フランス、中国を含む20 ヶ国以上で販売しています。また、スイスで開催されるバーゼルワールドや米国のクチュール、メキシコのSIAR といった国際的なウォッチフェアに毎年出品し、その斬新さが世界のメディアから絶賛され、これまでに4 回(2018、2019、2020、2021 年)スイスのGPHG(ジュネーヴ・ウォッチメイキング・グランプリ)にノミネートされています。また、レゼルボワールの独創的な腕時計「カニスター パラジウム」がオンリーウォッチの2021 年チャリティーオークションで落札されました。