ヴァシュロンコンスタンタン 270周年を祝うオープンフェイスの 周年モデル～メゾンの歴史に敬意を表する3作品

トラディショナル・オープンフェイス～270周年を祝う3つの周年モデル、メゾンの歴史に敬意を表して

ヴァシュロン・コンスタンタンは、1755年の創業以来、時計製造の卓越性を追求し続けてきました。270年にわたって一度も途切れることなく受け継がれてきた創造性を称え、3つの「トラディショナル」周年モデルが登場。メゾンの歴史を物語る上で欠かせないオープンワークの文字盤とレトログラード表示は、スタイルの創造性と技術的な卓越性を絶え間なく探求するメゾンの姿勢を象徴しています。



【ヒストリー】手首を彩る伝統と遺産
ヴァシュロン・コンスタンタンは、創業270周年を記念し、メゾンが強みとするレトログラード表示とオープンワークの文字盤に新たな解釈を加え、その豊かな伝統を現代的に表現しています。
1918年、ヴァシュロン・コンスタンタンで初めてオープンワークを部分的に施した文字盤が採用されました。それは天体カレンダーを搭載した懐中時計で、当時としては極めて革新的なデザインでした。

初のオープンワーク懐中(左・裏／右・表)。Ref. 10937_Montre de poche double face ajoure(1918年製）

2002年に発表されたリファレンス47247は、このタイプの文字盤がメゾンのコレクションに復活したことを示すもので、複雑なレトログラード日付表示機構が織りなす美しい表示が文字盤を彩ります。

リファレンス47247(2002年製)

2019年には、現代的なスタイルと伝統的な洗練が巧みに融合した「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」を発表しました。そのオープンワークの文字盤は、パーペチュアルカレンダーキャリバーの複雑な構造をあらわにしています。


「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」(2019年製)

このアプローチは、2年後に発表された「トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス」で再解釈され、2023年には「トラディショナル・トゥールビヨン」が登場しました。

「トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス」(2021年製・画像左)と「トラディショナル・トゥールビヨン」「(2023年製・画像右)

ヴァシュロン・コンスタンタンの創業270周年は、メゾンのもうひとつの象徴ともいえるレトログラード表示に焦点を当てる機会でもあります。メゾンが初めてレトログラード日付表示を備えた腕時計を発表したのは1940年のことです。技術的な偉業を達成し、「ドン・パンチョ」の愛称で親しまれたこのリファレンス3620は、2019年のオークションで再び姿を現すまで、60年近く沈黙を守り続けていました。
このリファレンス3620が長年の時を経て再び公の場に現れたことは、1994年に「メルカトル」を発表し、トレーリングアワーとトレーリングミニッツを備えたダブルレトログラード表示を再導入したメゾンにとって、極めて重要な出来事となりました。2000年代初頭に創業245周年を迎えたヴァシュロン・コンスタンタンは、優れた視認性と卓越した技術力を示すレトログラード日付表示を備えたリファレンス47245を発表しました。

メゾンを象徴する一つの複雑機構と洗練されたモダンなデザインを、「トラディショナル」コレクションのクラシックなスタイルコードと融合させたのが、今回発表する270周年記念限定モデルです。



プラチナ製のケースは、「トラディショナル」コレクションの特徴である段差を付けたラグ、コインエッジの模様を刻んだケースバック、細身のベゼルを備えています。



時計製造の伝統を反映した文字盤には、レイルウェイミニッツトラック、ファセット加工を施したドーフィン型針、コレクションの象徴であるゴールドのバトン型アプライド・インデックスが配されています。




洗練さを極めた複雑機構
時計製造の優れたノウハウ：ヴァシュロン・コンスタンタンが得意とするオープンワークの文字盤とレトログラード表示を再解釈し、「トラディショナル」コレクションから、3つの370本限定プラチナ950製モデルを発表。

洗練された機械式時計への挑戦：パーペチュアルカレンダーとレトログラード日付表示を組み合わせた新しいマニュファクチュールムーブメントを含む、モダンなデザインの自社製キャリバー。

細部にまで宿る創造性：270周年記念のギヨシェ彫りをあしらった文字盤や、「コート・ユニーク」仕上げと記念モチーフを施したキャリバーなど、エレガンスに捧げられた卓越した技術。


「トラディショナル・パーぺチュアルカレンダー・レトログラード・デイト・オープンフェイス」
ヴァシュロン・コンスタンタンは、この3つの新作周年モデルの文字盤にオープンワークを施すことで、内部機構の美しさを余すところなく明らかにしています。



「トラディショナル・パーぺチュアルカレンダー・レトログラード・デイト・オープンフェイス」は、2つの複雑機構を備えた新しい自社製自動巻きムーブメント、キャリバー2460 QPR31/270を搭載しています。



1つ目の複雑機構はパーペチュアルカレンダーです。閏年を考慮した曜日、日付、月、年を表示し、2100年まで一切の調整を必要としません。このカレンダー表示を補完するのが、実際の月の周期である29日12時間45分を正確に追跡する、6時位置の窓に表示されるムーンフェイズです。この高精度ムーンフェイズ表示では、月が見事に表現され、調整は122年に1度だけです。



2つ目の複雑機構は、文字盤上部にあるレトログラード日付表示です。 オープンワークの文字盤が、機構の美しさと技術的な洗練さを際立たせています。時刻表示の読み取りやすさを確保しながら、キャリバーの軽快な外観を際立たせるため、日、月、閏年の表示が施されたサファイアディスクがディープブルーの背景にセットされています。このスリムな新しい自社製キャリバーは、厚さわずか5.45mmです。 




「トラディショナル・トゥールビヨン・レトログラード・デイト・オープンフェイス」
「トラディショナル・トゥールビヨン・レトログラード・デイト・オープンフェイス」を駆動するのは、自動巻きキャリバー2162R31/270。72時間のパワーリザーブを備え、242個の部品からなる自社製ムーブメントです。



毎時18,000振動の速度で作動し、ゴールド製ペリフェラルローターによって厚さわずか6.35mmという薄さを実現したこのムーブメントは、6時位置のトゥールビヨンと、オープンワークの文字盤上部からその複雑な仕組みを見ることができるレトログラード日付表示を組み合わせています。


キャリバー2162R31/270の裏(左)と表(右)



「トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス」
「トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス」を駆動するためにヴァシュロン・コンスタンタンが選んだのは、自社製キャリバー2460 QCL/270です。自社一貫体制で設計・開発された初の自動巻きコンプリートカレンダームーブメントは、キャリバー2450をより現代的に解釈したものです。



曜日、日付、月のトリプルカレンダー表示に加え、122年に1度しか調整の必要がない高精度ムーンフェイズ表示を備えています。オープンワークの文字盤からは、312個もの部品で構成される自動巻き機構の一部を垣間見ることができます。



視認性向上の目標を掲げ、メゾンの時計師とデザイナーたちは、ブルー仕上げの針を使用して文字盤の外周に日付を表示することを選択する一方、曜日と月はサファイアディスクで表示し、窓のブルーとのコントラストを効かせています。




細部にまで宿る卓越性
これらの周年モデルは、1880年以来ヴァシュロン・コンスタンタンを象徴し続けているマルタ十字のシルエットから着想を得たシグネチャーパターンをあしらったオープンワークの文字盤が特徴です。
メゾンの専門職人による長年の研究の成果であるこの緻密な手彫りギヨシェ技法は、1955年に創業200周年を記念して発表されたリファレンス6068の文字盤を彷彿とさせ、手首の動きに合わせて光と影の繊細な戯れを生み出します。



文字盤から見えるキャリバーからはさらに、メゾンの時計師たちのディテールへのこだわりも伝わります。部品それぞれが、キャリバー構造の美しさを高めるために、手作業で丁寧に仕上げられ、面取りされ、磨き上げられ、丸みを帯びた形に整えられています。



このスタイルの洗練さへのこだわりは、ケースバックの眺めにも続き、ブリッジには「コート・ユニーク」仕上げが施されています。ヴァシュロン・コンスタンタンがこの伝統技法を生み出したのは1世紀以上も前のことですが、改めて使われるようになったのは、2021年に「ヒストリーク・アメリカン 1921」を復刻させたときでした。一見シンプルに見える仕上げですが、この仕上げを施すには、ムーブメント全体にわたって、複数のブリッジ上で途切れない流れるようなラインの印象を与えるために、非常に高い精度と技術を要する、慎重に制御された機械加工と手作業の組み合わせを必要とします。



この技巧を完成するために500時間以上費やしましたが、そこには、ヴァシュロン・コンスタンタンが世代を超えてそのサヴォアフェールを守り育て、伝えていくことへの取り組みが明確に反映されています。
「トラディショナル」コレクションの美的コードに則り、各モデルに付属するラージスクエア・スケールの手縫いアリゲーターレザーストラップは、同系色のサドルステッチが施され、半マルタ十字を象ったピンバックルが付いています。


[インタヴュー]
クリスチャン・セルモニ(スタイル＆ヘリテージディレクター)

――オープンワークの文字盤への現代的なアプローチは、どのような考え方に基づいていますか？
『今回の周年モデルでは、オープンワークの文字盤へのアプローチを新たな方向に展開させています。メカニカルなレース編みのようなものを作り出すために可能な限り多くの素材を取り除くスケルトン化とは異なり、オープンフェイス文字盤は、文字盤構造を強固なまま維持しながら、その内部機構を見せるものです。その作業は繊細で、機構の構造を一切隠すことなく、ムーブメントの複雑さと内なる美しさを明らかにします。ヴァシュロン・コンスタンタンは、歴史的に見ても、オープンフェイス文字盤をほとんど製造していません。メゾンが1918年に製作した懐中時計が1つ存在することは分かっていますが、この種の文字盤が再び脚光を浴びたのは、私たちがリファレンス47245の限定モデルでレトログラード機構の洗練された魅力を披露した2002年になってからです。今回、私たちは、こうした270周年記念モデルで、私たちのムーブメントが持つ構造的な強みを際立たせるとともに、仕上げに関する私たちの高いノウハウを強調することによって、その内なる美しさを見せたいと考えたのです。』



――270周年記念のギヨシェ彫りで装飾されたオープンワーク文字盤にはどのような特徴がありますか？ また
この文字盤を製造するにあたり、どのような技術的課題がありましたか？
『マルタ十字が、メゾンのギヨシェ職人が今回の装飾を考案する際の出発点となりました。その装飾は、スタイルにおいては現代的でありながら、1世紀以上前の機械を使用して伝統的な方法で製作されています。バーリーコーンやバスケットウィーブなどの伝統的なモチーフのバリエーションとは異なり、ヴァシュロン・コンスタンタンの芸術的工芸技術に対するアプローチの典型であるこの装飾の具象性が、この装飾をとりわけ複雑で洗練されたものにしています。』



『熟練のギヨシェ職人が、1/10mm単位の精度を要するエングレービング作業によって、こうした複雑なパターンに命を吹き込み、それぞれのタイムピースに独自の個性を与えます。こうしたオープンワークのゴールド製文字盤にサファイアクリスタルをはめ込むのも、また別の技術的偉業ですが、それは、このクリスタルが文字盤上に単に置かれているのではなく、実際にはゴールドに組み込まれているからです。この組み込みを示す細部へのこだわりは、文字盤の上部側面に見ることができます。この作業では、ギヨシェ彫りとサファイアクリスタルを収めるために正確に区切られた箇所を文字盤から極めて慎重に切り抜かなければなりません。こうした技法が相まって、私たちの時計製造に関するノウハウが稀有なレベルにまで達していることを証明しています。』



――ヴァシュロン・コンスタンタンの270周年を記念して製作されたこの3つのタイムピースは、メゾンの技術性と美しさへの探求をどのように反映しているのでしょうか？
『この3つの周年モデルは、1755年の創業以来ヴァシュロン・コンスタンタンを突き動かしてきたメカニカルな卓越性と美的な魅力への探求を明確に示すものです。こうしたタイムピースはまた、伝統的な時計製造のノウハウを伝承し、永続させ、遺産と革新、技術的な熟練と大胆な美学の絶妙な融合を表現する新たなレベルへと高めていくという私たちの価値観も体現しています。』




【技術データ】
トラディショナル・パーぺチュアルカレンダー・レトログラード・デイト・オープンフェイス 
リファレンス 4030T/000P-H054
価格: 17,336,000 円(税込み)
発売：2025年07月発売予定
370本限定モデル

キャリバー：2460 QPR31/270(機械式自動巻き)-ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造
・「コート・ユニーク」仕上げ
・270周年記念シグネチャー
・直径29mm（11 ¼リーニュ）／厚さ5.45mm
・パワーリザーブ：約40時間
・4Hz（毎時28,800回振動）
・部品数 312
・石数 27
・ジュネーブ・シール取得
・表示 時、分
・パーペチュアルカレンダー（曜日、日付、月、閏年表示）
・高精度ムーンフェイズ
・レトログラード日付表示針
ケース：プラチナ950
・直径41mm／厚さ10.94mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能 3気圧（約30m）
文字盤：オープンフェイス、2つの部分：
・18Kゴールド製オープンワーク文字盤
・手作業によるギヨシェ彫り、マルタ十字に着想を得た270周年記念モチーフ
・ムーブメントの地板に垂直ストレート加工の装飾
・18Kゴールド製のアプライド・インデックスとドーフィン型時分針
・ブルー仕上げ18Kゴールド製レトログラード日付表示針
・ブレスレット ダークブルーのミシシッピアリゲーターレザー
・アリゲーターレザーのライニング、ハンドステッチ
・ラージスクエア・スケール
バックル：プラチナ950製フォールディングバックル
・ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字を象ったデザイン



トラディショナル・トゥールビヨン・レトログラード・デイト・オープンフェイス 
リファレンス 6010T/000P-H055
価格: 30,360,000 円(税込み)
発売：2025年07月発売予定
370本限定モデル

キャリバー：2162 R31/270 ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造(機械式自動巻き)
・「コート・ユニーク」仕上げ
・270周年記念シグネチャー
・直径31mm（13 ½リーニュ）／厚さ6.35mm
・パワーリザーブ：約72時間
・2.5Hz（毎時18,000回振動）
・部品数 242
・石数 30
・ジュネーブ・シール取得
・表示 時、分
・レトログラード日付表示
・トゥールビヨン上にスモールセコンド
ケース ：プラチナ950
・ケースサイズ：直径41mm／厚さ11.07mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能 3気圧（約30m）
文字盤：オープンフェイス、2つの部分
・18Kゴールド製オープンワーク文字盤
・手作業によるギヨシェ彫り
・マルタ十字に着想を得た270周年記念モチーフ
・ムーブメントの地板に垂直ストレート加工の装飾
・18Kゴールド製のアプライド・インデックスとドーフィン型時分針
・ブルー仕上げ18Kゴールド製レトログラード日付表示針
ブレスレット：ダークブルーのミシシッピアリゲーターレザー
・アリゲーターレザーのライニング
・ハンドステッチ
・ラージスクエア・スケール
バックル：プラチナ950製フォールディングバックル
・ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字を象ったデザイン



トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス
リファレンス 4020T/000P-H038
価格 : 10,384,000 円(税込み)
発売：2025年04月発売予定
370本限定モデル

キャリバー：2460 QCL/270(機械式自動巻き)
・ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造
・「コート・ユニーク」仕上げ、270周年記念シグネチャー
・直径29mm（11 ¼リーニュ）／厚さ6.35mm
・パワーリザーブ約40時間
・4Hz（毎時28,800回振動）
・部品数 312
・石数 27
・ジュネーブ・シール取得
・表示 時、分
・コンプリートカレンダー（曜日、日、月、高精度ムーンフェイズ表示）
ケース：プラチナ950
・直径41mm／厚さ11.05mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能 3気圧（約30m）
文字盤：オープンフェイス、2つの部分：
・ホワイトゴールドに手作業によるギヨシェ彫り
・マルタ十字に着想を得た270周年記念モチーフ
・ムーブメントの地板に垂直ストレート加工の装飾
・18Kゴールド製のアプライド・インデックスとドーフィン型時分針
・ブルー仕上げゴールド製日付表示針
ブレスレット：ダークブルーのミシシッピアリゲーターレザー
・アリゲーターレザーのライニング、ハンドステッチ、ラージスクエア・スケール
・バックル：プラチナ950製フォールディングバックル
・ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字を象ったデザイン



【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755（フリーダイヤル）



[ヴァシュロン・コンスタンタン]
1755年、ヴァシュロン・コンスタンタンの探求の旅はジュネーブで始まりました。創業以来、一度も途切れることなく受け継がれてきたこの探求心は、今日に至るまでメゾンの独自性を形づくる原点となっています。卓越した技術への探求は、複雑機構、計時精度、小型化、独創的な表示、精巧な仕上げ、そして常に革新的であり続けるという確固たる意志によって表現されています。芸術性への探求においては、エレガントなデザインや複雑な装飾の創造を育むだけでなく、芸術や文化、工芸品や職人への長期的な支援へとつながっています。またこの探求心は、人とも結びついています。メゾンは絶えず学びを深め、改善の余地を探ると同時に、知識やサヴォアフェールの継承にも力を注いでいます。「できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である」。1819年に、フランソワ・コンスタンタンが記したこの言葉が表す探求の精神こそが、270年間、メゾンの創造と革新の歴史を導いてきたのです。
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