ヴァシュロン・コンスタンタンとルーヴル美術館のコラボレーションに新シリーズ「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –」誕生~偉大な文明へ敬意を表する4本
From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )2019年から続くルーヴル美術館とヴァシュロン・コンスタンタンとの、芸術と文化のパートナーシップ「メティエ・ダール -偉大な文明へ敬意を表して-」の新コレクション
「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –」コレクションに新たな一章を刻みます。ルーヴル美術館とのパートナーシップから生まれた本コレクションの第一弾は、2022年に発表されました。その軌跡を継承し、メゾンの文化的冒険の精神を体現する4つの新作タイムピースを発表します。ルーヴル美術館の館長たちと緊密に連携し、同館の古代美術部門が所蔵する傑作から着想を得た、ファラオ時代のエジプト、アッシリア帝国、古代ギリシャ、ローマ帝国の、古代の偉大な文明に敬意を表します。
現代の思想や政治・社会構造の起源とされる古代文明。その芸術的・建築的偉業を通じて、今なお人々を魅了しています。こうした異文化や古代文化に対する関心は、長きにわたりヴァシュロン・コンスタンタンに探求心と創造性を育んできました。19世紀初頭から始めたアメリカ大陸、中東、アジアへの事業拡大は、メゾンに尽きることのない芸術的・文化的インスピレーションをもたらしました。

4つの新作「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –」は、ルーヴル美術館が所蔵する古代の傑作と、それらに結び付いた装飾芸術を讃えるものです。その製作は、史実に基づいた正統な解釈に基づいて注意深く進められました。同館の協力を得て、作品の再現においてはオリジナルの素材を考慮し、原産地や特性を同じくする石を使用。

また、グリプティック(石への彫刻)、マイクロモザイク、エングレービング、エナメル装飾、マルケトリー、金箔、ミニアチュール・ペインティングなどの伝統技法を保護し、世に広めるメゾンの取り組みを反映し、タイムピースにはこれらの装飾技法が駆使されています。

芸術的デザインのダイヤル
ダイヤルはその装飾の複雑さゆえに、いくつものパーツを組み合わせて構成する必要があり、パーツごとに異なる技法で装飾を施しています。ゴールドのベースプレートは、その文明の象徴となる彫像を中央に配し、その文化特有の装飾芸術を再現したアップリックをあしらっています。さらに、縁にはフリーズ(帯状の装飾)を施しています。そして、ダイヤルの装飾を担当した職人一人ひとりの仕事を損なうことがないよう、部品は細心の注意のもとで完璧に調整され、パズルのように組み付けられます。

中央の彫像は、グリプティック(石への彫刻)によって作られています。エングレービングや彫刻を組み合わせ、素材に浮き彫りを施すこの技法は、古くからカメオに用いられてきました。彫像の石は、膨大な調査を経て、ルーヴル美術館が所蔵する作品と性質や産地が同じ石を使用しています。

中央の4つの彫像を引き立てるモチーフと縁のフリーズは、どちらも同館の所蔵作品から着想を得ています。石の選定と同様に、これらも同館の専門家と綿密な調査を行い、4つの文明を象徴する伝統装飾を再現しています。
伝説的ムーブメント:キャリバー2460 G4/2~芸術表現を可能にする技術
ダイヤルにあえて針を配置しないことで、キャリバー2460 G4/2は、熟練職人たちに広々としたキャンバスを提供しています。237個の部品で構成されるこの自社製自動巻きムーブメントは、時・分、曜日、日付のペリフェラル表示を特徴とし、ダイヤルの上部と下部に配置した4つの小窓からディスクの表示が現れます。ディスクの色はダイヤルの装飾と調和するよう、位置によって異なる色が選ばれました。

ムーブメントは4Hz(毎時2万8800回振動)で動作し、双方向巻き上げ式により約40時間のパワーリザーブを実現。その厚さはわずか6.05mmです。
ムーブメントの裏側のローターには、ルーヴル美術館へ敬意を表し、ルイ・ル・ヴォーとクロード・ペローが設計した同館の東館ファサードと列柱を施しています。18世紀の彫金を再現したこのデザインは、原型となる素材を手作業で彫り上げ、ローターへスタンプ加工を施しています。

細部へのこだわりは、高級時計製造の伝統を守り、ムーブメントに施された仕上げにも見てとれます。これらの仕上げは、ジュネーブ・シールの基準を満たすものです。

サファイアクリスタルのケースバックを通して、面取り仕上げとコート・ド・ジュネーブ装飾を施した受け、ペルラージュ仕上げの地板、円形仕上げの歯車を眺めることができます。

装飾芸術を讃えて~9つの装飾技法
• グリプティック、彫刻
グリプティックは、石やクリスタル、宝石などの硬質な素材に、インタリオ(沈み彫り)やレリーフ(浮き彫り)を施す技法です。この技法では、手先を極めて正確にコントロールすることはもちろん、素材に関する深い知識も求められます。石の層や内包物、硬度が一つひとつの彫りに影響を与えるためです。

時計製造でのグリプティックは、厚さわずか数ミリという極小の装飾要素を対象に、双眼顕微鏡を用いて手作業で施されています。これと関連性の高い技法である彫刻は、ボリュームをより豊かに表現する手法です。彫刻職人は立体感、質感、光を生み出し、人物、情景、象徴的モチーフに命を吹き込みます。
• マイクロモザイク
マイクロモザイクは、極小のピースを組み合わせる芸術です。ピースの多くはガラスペースト、エナメル、石を素材とし、サイズが1mm以下という場合もあります。小片は一つひとつ色と形状によって選び出され、模様を描くように双眼顕微鏡を用いて配置されます。その作品は、鉱石の絵具で描いたような、印象的で具象的な美しさを表現することができます。

• マルケトリー、クロワゾネ・マルケトリー
マルケトリーは、箔や木片を組み合わせてモチーフや情景を描き出す技法です。パーツには希少な木材のほか、マザーオブパール、藁、貴金属、軟石、レザーに至るまで、さまざまな素材が用いられます。各パーツは、入念にカットと調整を施したのち、ベースへと嵌め込んでいきます。着色やエングレービングを施したり、ミニアチュール・ペインティングによってディテールを加えたりするものもあります。

一方のクロワゾネ・マルケトリーは、クロワゾネ・エナメルに着想を得た技法で、金属細工と木工細工を組み合わせた独創的な手法です。まず細い金属線によってデザインの枠を描き、その間に各パーツを挟み込んでいきます。土台の素材を彫ってくぼみを設けるシャンルヴェ技法でも、同様の技法が使用されています。

• エナメル、ミニアチュール・ペインティング
「火の芸術」と言われるエナメルは、着色したガラス粉末をゴールドの表面に塗布したのち、高温で焼き付けることで、光沢と耐久性のあるガラス質の層が生まれます。今回のタイムピースには、シャンルヴェ・エナメル、フランケ・エナメル、ミニアチュール・エナメル・ペインティングなど、複数のエナメル技法が用いられています。どの技法でも、素材の膨張係数に習熟し、顔料を万全の状態に準備することが求められます。シャンルヴェ・エナメルは、まず金属の下地にくぼみを彫り、そこにエナメル粉を何層にも重ねて塗布する技法です。焼成は一層ごとに行われます。
フランケ・エナメルは、エングレービングやギヨシェ彫りを施した金属の下地を、半透明のエナメルで覆う技法で、より均一な仕上がりや深みをもたらすことができます。

ミニアチュール・エナメル・ペインティングでは、職人はまさにキャンバスに向かう熟練画家のように、焼成のための特殊な準備を施した下地にモチーフや装飾を直接手で描いていきます。
• エングレービング
ダイヤルに施されるエングレービングは、金属の表面を直接切削する技法で、ゴールドのほか、マザーオブパールやハードストーンにも用いられます。

職人はビュランやマイクロミルなどの工具を使い、左右対称の連続するモチーフを一定間隔で描いていきます。作業は双眼顕微鏡の下で行われます。厚さわずか数ミリの表面に、一定の深さで鋭い角や均一なレリーフを生み出すには、手先に熟練の技が求められます。また表現する美学に合わせ、職人はサテン仕上げ、グレイン仕上げ、ポリッシュ仕上げなど異なる質感を巧みに使い分け、コントラストや反射を際立たせます。
• 金箔
ダイヤルに施される金箔は、極めて繊細な技法です。極限の薄さにまで延ばした純金の箔をダイヤルの表面に貼り付けることで、純金ならではの輝きと風合いを演出するものです。緻密な工程を経て金箔を施した面は、輝きと洗練を放ちます。また、光沢仕上げからマット仕上げまで、さまざまな仕上がりが実現可能で、ダイヤルに気品と永続的な美しさを添えます。

【1】アクエンアテンの胸像
エジプト新王国(紀元前1500~1000年)
ルーヴル美術館に展示されているアクエンアテンの巨大な彫像は、エジプト史の転換点を物語る作品です。紀元前1355~1337年にわたりエジプトを統治したこの型破りなファラオは、政治、宗教、芸術の再構築を導きました。アメンホテプ3世の息子として生まれたアクエンアテンは、アテン神(太陽神)信仰を推し進める宗教改革を行いました。アテン神を中心に据え、王とその家族を人間と神の世界をつなぐ唯一の仲介者としたのです。

この改革は成功に至りませんでした。アクエンアテンの息子・ツタンカーメンは、のにその治世で伝統的な信仰を早急に復興させています。「アマルナ時代」と呼ばれるアクエンアテンの統治期間は短命であったものの、現在でも歴史上最も興味深いエピソードのひとつとされています。そして、このアクエンアテンの胸像には、アマルナ時代を特徴づける新たな美術様式を鮮明に見てとることができます。
19世紀のアマルナで発見され、ルーヴル美術館に収蔵されているアクエンアテンの胸像は、全体の一部です。元をたどれば、この胸像はアクエンアテンの治世初期に建造された列柱の一部で、カルナック神殿の東側にその建物はありました。儀式用の長いつけ髭と、現在では持ち手のみが残る2本の王笏が、ファラオの証しです。砂岩を彫ったこの胸像は、顔が細長く、切れ長の目や厚い唇、とがった顎など抽象的な造形が印象的です。この中性的な風貌は、アクエンアテンが起こした宗教と芸術の改革を映し出すものです。

アクエンアテンの姿をダイヤル中央に再現するため、ヴァシュロン・コンスタンタンのデザイナーは横顔をやや下から見上げる角度を選び、謎に満ちた雰囲気で描き出しています。肖像はグリプティック(石への彫刻)によって描き出されました。オリジナルに忠実に、この再現には、本来の胸像に使われているのと同じ、エジプトのシナイで採取された石灰質砂岩を使用しています。また、手作業によるパティーナ仕上げが写実性を高め、ボリュームと立体感をもたらしています。

それと向き合うようにして、カルナック神殿壁面のレリーフ(浮き彫り)にちなんだファラオのカルトゥーシュが、同じ石灰質砂岩へのエングレービングによって描かれています。ダイヤル中央を構成するこの2つのモチーフは、約60時間をかけて製作されました。

ファラオの周りは2つのフリーズによって囲まれています。外側のフリーズは、エジプト第12王朝の神官ナクトが身に着けていたとされるチューブ型ビーズの襟飾りから着想を得て、リング状の単一のターコイズにドライポイント技法でエングレービングを施しています。ゴールドの境界線によって隔てられた内側のフリーズは、石を用いたシャンルヴェ技法で製作され、精巧にエングレービングが施されたゴールドの糸で形作られたモチーフの中に装飾が埋め込まれています。レッドマザーオブパール、クリソプレーズ、オパーリン、ソーダライトによる極小のピースを組み合わせた構成は、ルーヴル美術館の古代エジプト美術部門が所蔵する紀元前7世紀の胸飾りから着想を得ています。2つのフリーズは約150時間をかけて製作されました。
【技術データ】
メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して – アクエンアテンの胸像
リファレンス: 7620A/000G-H078
価格:お問い合わせください
限定:15本限定モデル、シリアルナンバー入り
・ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル
ジュネーブ・シール取得

ムーブメント:キャリバー2460 G4/2(機械式自動巻き)
・ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造
・ルーヴルの東側ファサードを彫金で描写した22K(916/1000)ゴールド製ローター
・直径31mm(11 ¼リーニュ)/厚さ6.05mm
・パワーリザーブ 約40時間
・4Hz(毎時2万8800回振動)
・部品数:237
・石数:27
・表示:時間、分、曜日、および日付を窓で表示
ケース: 18Kホワイトゴールド
・ケースサイズ:直径 42mm./厚 12.9mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能:3気圧(約30m)
文字盤:18Kゴールド製のベース
・シナイ産石灰質砂岩にグリプティックと手作業のパティーナ仕上げを施した中央のモチーフと背景
・糸状の18K(3N)ゴールドにシャンルヴェ技法で石(レッドマザーオブパール、クリソプレーズ、オパーリン、ソーダライト)をセットした内側のフリーズ
・エングレービングを施したターコイズと糸状のホワイトゴールドによる外側のフリーズ
ストラップ:ブルーのミシシッピアリゲーターレザー、アリゲーターレザーのライナー
・同系色のハンドステッチ、サドルステッチ、ラージスクエア・スケール
・バックル 18Kホワイトゴールド製フォールディングクラスプ
・ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字
【2】サルゴン2世のラマッス
サルゴン2世のラマッス
翼と人の頭部を持つこの巨像は、コルサバード宮殿で発見され、ルーヴル美術館の古代近東美術部門が所蔵する作品の中でも、圧巻の作品です。高さは5メートルに及ぶラマッス像は、雄牛、鷲、人間が融合した姿をしています。この像は、現在のイラク北部にあたるアッシリアの王・サルゴン2世の宮殿と街を守護する存在でした。

アッシリアは征服を繰り返し、紀元前1千年紀の間に巨大帝国となりました。メソポタミアの中心地からエジプト、アナトリア、ペルシャへと領土を拡大していったのです。統治者たちは壮大な宮殿を作らせました。紀元前721~705年に在位したサルゴン2世が建造したドゥル・シャルキン(現在のコルサバード)はそのひとつです。そこでは、街の守護神であるラマッス像を含め、あらゆるものが壮麗につくり上げられていました。

アラバスターの巨石から彫り出されたこれらの彫刻は、ハイレリーフ(高浮き彫り)による胴体と、丸彫りによる頭部が組み合わされています。編み込まれたひげと大きく広げた翼、そして角度によって動いているかのように見える5本の彫刻の足を備えたラマッス像は、アッシリアの宮殿を彩るすべてのレリーフ(浮き彫り)同様、当初は彩色が施されていました。サルゴン2世の宮殿の遺跡は、フランス人考古学者のポール=エミール・ボッタが1843年から開始した先駆的な採掘調査で発見されました。これが、それまで主に聖書や古文書でしか知られていなかったアッシリア世界に考古学的再発見をもたらすきっかけとなったのです。遺跡の一部はルーヴル美術館に展示されているほか、現地の遺跡やイラクのバグダッド、モースルの博物館でも見ることができます。今日、ルーヴル美術館内にある『コルサバードの中庭』には、この宮殿が再現され、出土品と2つの石膏像が展示されています。

ダイヤルは、ゴールドのベースに石を用いたシャンルヴェが施されています。エナメル装飾から着想を得たこの技法では、土台となる素材に直接枠を彫り、その中に極小のピースを嵌め込みます。細い棒状のレッドアゲートとブルーデュモルチェライトを組み合わせた極めて具象的な構成は、ティル・バルシプ(シリア)で発見された翼を持つ人面の雄牛の壁画から着想を得ています。紀元前8世紀のものとされるこの壁画は、巻物形式で再現され、ルーヴル美術館に収蔵されています。
ベースには、さらにエングレービングとフランケ・エナメルが施され、深みが表現されています。この技法では、まず素材にエングレービングを施してラマッスの翼を描き、その上からレッドに着色した半透明エナメルを何層にも塗布しています。145時間をかけて背景の装飾を完成させたのち、ルーヴル美術館にあるラマッスを再現したモチーフが加えられます。グリプティック(石への彫刻)により描き出されたラマッスは、石膏よりもわずかに硬質なイタリア産の石灰質砂岩を素材としています。また、半人半獣のラマッスの特徴を強調するため、彫金師が手作業でパティーナ仕上げを施しています。ゴールドにエングレービングを施した外側のフリーズは、ルーヴル美術館の所蔵絵画『コルサバードの発掘現場を訪れるモースルのパシャ』(1863年)に登場するモチーフに着想を得ています。

【技術データ】
メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して – サルゴン2世のラマッス
リファレンス 7620A/000G-H080
価格:お問い合わせください
限定:15本限定モデル、シリアルナンバー入り
・ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル
ジュネーブ・シール取得

ムーブメント:キャリバー2460 G4/2(機械式自動巻き)
・ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造
・ルーヴルの東側ファサードを彫金で描写した22K(916/1000)ゴールド製ローター
・直径31mm(11 ¼リーニュ)/厚さ6.05mm
・パワーリザーブ 約40時間
・4Hz(毎時2万8800回振動)
・部品数:237
・石数:27
・表示:時間、分、曜日、および日付を窓で表示
ケース: 18Kホワイトゴールド
・ケースサイズ:直径 42mm./厚 12.9mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能:3気圧(約30m)
文字盤:18Kゴールド製のベース、シャンルヴェ技法で石(レッドアゲート、ライトデュモルチェライト)をセットし、エングレービングに半透明のレッドエナメルを施した翼のモチーフ
・イタリア産石灰質砂岩にグリプティックと手作業のパティーナ仕上げを施した中央のモチーフ
・18K(3N)イエローゴールドにエングレービングを施した外側のフリーズ
ストラップ:バーガンディのミシシッピアリゲーターレザー
・アリゲーターレザーのライナー、同系色のハンドステッチ、サドルステッチ、ラージスクエア・スケール
・バックル:18Kホワイトゴールド製フォールディングクラスプ、ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字
【3】ヴェッレトリのアテナ
古代ギリシャ(紀元前480~323年)
ルーヴル美術館が所蔵する壮麗な『ヴェッレトリのパラス』は、アテネの守護女神が持つ力と戦いの知恵を体現しています。高さ3メートルを超えるこの大理石像は、1797年にローマ南部のヴェッレトリ近郊で発見されました。
紀元前430年頃にギリシャで作られたものを、ローマ時代に模刻した作品です。原型となった作品は、フィディアスと同時代の彫刻家クレシラスによるもので、彼は有名なペリクレスの肖像でも知られています。アテネがこのパラス像を構想したのは、ギリシャ・ペルシャ戦争で強大なペルシャ帝国に勝利してからわずか数十年後のことでした。勢力を伸ばしていたアテネは、艦隊の強さと効率性を武器に、ギリシャ世界の広範囲で覇権を握っていました。「アテネの黄金時代」と呼ばれたこの時代、都市国家 アテネにはかつてない繫栄が訪れ、知と政治、芸術の分野もその恩恵を受けます。

ルーヴル美術館が所蔵するパラス像は、兜をかぶり、ペプロスを纏っています。この像は波乱に満ちた歴史をたどってきました。著名なローマの彫刻家・修復家ヴィンチェンツォ・パチェッティ(1746–1820)の手を経て、総裁政府期のフランスによって購入され、ヴィラ・メディチで展示されましたが、1798年のローマ占領の際にナポリ王フェルディナンド4世の軍によって接収されています。そして、この知恵と戦いの女神の象徴性に魅了されたナポレオンが、敗れたナポリ王国とフィレンツェで1801年に講和条約を締結する際、取得を交渉。2年後、この像はルーヴル美術館のコレクションに加わりました 。
『ヴェッレトリのパラス』が持つ壮麗さは、エーゲ海北部に浮かぶギリシャ・パロス島で採取された大理石のグリプティックによって表現されています。
オリジナルの像でも使用されているこの石は、まばゆいほどの白さと大きな結晶構造で知られています。ダイヤル上のアテネの女神は、斜め前方から見た姿をやや下から見上げる角度で描き、世界を司る堂々とした佇まいを表現しています。

陰影とレリーフ(浮き彫り)を際立たせるため、手作業でパティーナ仕上げを施したモチーフは、エナメル職人に先行して託されたゴールド製ダイヤルに取り付けられます。エナメル職人による工程では、イエローゴールドのベースに、レースのように精緻なブラックのシャンルヴェ・エナメルによるフリーズが施されています。

フリーズは、紀元前460年頃にアイギストスがティテュオスの殺害の場面を描いたルーヴル美術館所蔵の甕(かめ)に着想を得ています。さらに、ディオニュソス的情景に着想を得て、ホワイトゴールドにエングレービングとパティーナ仕上げを施した2つ目のフリーズがそれを囲んでいます。
ダイヤル中央には、紀元前5世紀後半にミロ島で作られたギリシャの壺に着想を得て、ストーンマルケトリーの装飾が施されています。

元となった壺には、巨人と馬が牽く戦車に乗った神々の戦いが描かれています。タイムピース中央のマルケトリーは、オニキスと、クリーミーホワイトとオレンジのムーカイトを用いてこの馬の姿を再現。ストーンマルケトリーにミニアチュール・ペインティングを施し、オリジナルに忠実に、馬の躍動感と豊かな表情を描き出しています。このパーツは、約60時間をかけて製作されました。

【技術データ】
メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –ヴェッレトリのアテナ
リファレンス 7620A/000R-H081
価格:お問い合わせください
限定:15本限定モデル、シリアルナンバー入り
・ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル
ジュネーブ・シール取得

ムーブメント:キャリバー2460 G4/2(機械式自動巻き)
・ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造
・ルーヴルの東側ファサードを彫金で描写した22K(916/1000)ゴールド製ローター
・直径31mm(11 ¼リーニュ)/厚さ6.05mm
・パワーリザーブ 約40時間
・4Hz(毎時2万8800回振動)
・部品数:237
・石数:27
・表示:時間、分、曜日、および日付を窓で表示
ケース:18K(5N)ピンクゴールド
・ケースサイズ:直径 42mm/厚 12.9mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能 3気圧(約30m)
文字盤:18Kゴールド製のベース
・パロス産大理石にグリプティックと手作業のパティーナ仕上げを施した中央のモチーフ
・ストーンマルケトリー(オニキス、ムーカイト)とミニアチュール・ペインティングを施した背景
・ブラックのシャンルヴェ・エナメルを施した内側のフリーズ
・18Kホワイトゴールドにエングレービングを施した外側のフリーズ
ストラップ:グレーのミシシッピアリゲーターレザー
・アリゲーターレザーのライナー、同系色のハンドステッチ、サドルステッチ、ラージスクエア・スケール
・バックル:18Kピンクゴールド製フォールディングクラスプ、ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字
【4】イシス神殿のテベレ
ローマ帝国(紀元前27年~西暦476年)
1512年のローマにて、エジプトの神々イシスとセラピスに捧げられた神殿の跡地から、高さ1.76メートルの堂々たるテベレ神の大理石像が発見されました。年老いて、髭をたくわえたテベレ川の神は石の寝台に横たわり、果実や穀物の穂であふれた豊穣の角を手にしています。その側には、ロムルスとレムスに乳を与える雌狼の姿があり、ローマ建国の神話を想起させます。

この寓意に満ちた壮大な作品は、ローマの起源の物語を讃えています。大動脈であるテベレ川がなければ、下流に位置する永遠の都・ローマはこれほどの発展を遂げることはなかったでしょう。紀元前27年にアウグストゥスが帝国を築いた時代には、ローマの人口は約100万人に達していました。ロンドンやパリがこの数字に並ぶのは、19世紀に入ってからのことです。
ナポレオン・ボナパルトが1797年のトレンティーノ条約締結後にイタリアで接収し、ルーヴル美術館へ運ばれた数多くの作品のひとつが、このテベレ像です。1815年の帝国崩壊後、イタリアやドイツから持ち去られた作品の一部
は返還されましたが、テベレ像はローマ教皇ピウス7世から新国王ルイ18世に贈られたため、フランスにとどまることとなりました。
ダイヤル中央には、斜め前から見たテベレの頭部と豊穣の角が、大理石へのグリプティック(石への彫刻)によって描かれています。これには、オリジナルの像と同じイタリア産の石が使用されています。細部を際立たせるため彫刻とパティーナ仕上げを施し、写実的に描き出された川の神は、像が持つ穏やかな力強さを湛えています。

その対向には、石のマイクロモザイクで製作された2つ目のモチーフがあしらわれています。これはチュニジアのウティカ(シャトゥール遺跡)で発見された、ルーヴル美術館が収蔵する西暦2世紀後半のモザイクに着想を得たもので、花々の装飾をジャスパー、クリソコラ、オパーリンの無数の小片によって再現しています。石と石の隙間はつなぎ目として構図に生かし、石の色に合わせた複数の色彩でミニアチュール・ペインティングを施しています。

2つのモチーフを支えるゴールド製のベースは、金箔によって表現した繊細な粒状の質感を、半透明のエナメルで覆っています。この構図を囲むのは、ドライポイント技法でエングレービングを施したマザーオブパールのフリー
ズです。紀元前1世紀に作られたルーヴル美術館所蔵のカンパナ板(テラコッタの浮き彫り)に着想を得て、ディオニュソスの舞踏の情景が描かれています。このダイヤルは、彫金師、エナメル職人、マイクロモザイク職人の緊密な連携によって完成へと至りました。
【技術データ】
メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –イシス神殿のテベレ
リファレンス 7620A/000R-H079
価格:お問い合わせください
限定:15本限定モデル、シリアルナンバー入り
・ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル
ジュネーブ・シール取得

ムーブメント:キャリバー2460 G4/2(機械式自動巻き)
・ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造
・ルーヴルの東側ファサードを彫金で描写した22K(916/1000)ゴールド製ローター
・直径31mm(11 ¼リーニュ)/厚さ6.05mm
・パワーリザーブ 約40時間
・4Hz(毎時2万8800回振動)
・部品数:237
・石数:27
・表示:時間、分、曜日、および日付を窓で表示
ケース:18K(5N)ピンクゴールド
・ケースサイズ:直径 42mm/厚 12.9mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・防水機能 3気圧(約30m)
文字盤:質感のある金箔と半透明のエナメルを施した18Kゴールド製のベース
・イタリア産大理石にグリプティックと手作業のパティーナ仕上げを施した中央のモチーフ
・5つの石(ライトブラウンジャスパー、ダークブラウンジャスパー、クリームジャスパー、クリソコラ、オパーリン)でマイクロモザイクを施した2つ目のモチーフ
・マザーオブパールにエングレービングを施したフリーズ
ストラップ:ブラウンのミシシッピアリゲーターレザー
・アリゲーターレザーのライナー、同系色のハンドステッチ、サドルステッチ、ラージスクエア・スケール
・バックル 18Kピンクゴールド製フォールディングクラスプ、18Kピンクゴールド製フォールディングクラスプ
芸術と文化のパートナーシップ
ヴァシュロン・コンスタンタンとルーヴル美術館は、2019年に芸術と文化における分野でパートナーシップを正式に締結しました。芸術と職人技の保護と継承を共通の使命として、2つの組織はさまざまなプロジェクトで協働
してきました。そのプロジェクトのひとつが、2020年の「Bid for the Louvre」です。このオークションは、同館の文化的支援活動を支援する資金調達を目的として開催されました。ヴァシュロン・コンスタンタンは唯一無二となる体験を出展しました。
それは、落札者がルーヴル美術館の所蔵作品の作品を一点選び、メゾンの熟練職人がその作品をビスポークでダイヤルに再現するというものです。こうして2023年に、「レ・キャビノティエ – ピーテル・パウル・ルーベンス『アンギアーリの戦い』(La lutte pour l’étendard de laBataille d’Anghiari )へのオマージュ」が誕生しました。
2022年に発表した「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –」シリーズは、過去が紡いできた輝きと、それを後世に伝える方法を称えるべく、メゾンと美術館が協力し誕生しました。最近では、2025年のメゾンの創業270周年を記念し、2,370個の部品と22の複雑機能を備え、オートマトンを組み込んだ「ラ・ケットゥ・デュ・タン(時の探求)」の発表と展示をルーヴル美術館で行いました。本作は、18世紀に作られ、2016年にヴァシュロン・コンスタンタンが修復を支援した精密時計の傑作「La Création du Monde(天地創造)」など他の作品とともに、館内に特別展示されました。

[インタビュー]
サンドリン・ドンガイ(プロダクトマーケティング&イノベーションディレクター)
――なぜ最初のシリーズと同じ文明を選んだのですか。
『最初のシリーズでは、古代の偉大な文明に焦点を当てました。ルーヴル美術館にはこれらの文化に特化した3つの部門があり、類を見ない豊かなコレクションを保有していることが理由のひとつです。また、これらの時代の作品が普遍的な共鳴をもたらすことも理由です。アッシリア帝国、ファラオの時代のエジプト、古代ギリシャの黄金時代、そしてローマ帝国。これらの文明は驚くべき勢いで領土を拡大し、かつてない文化的、芸術的影響を与えました。今回の新作は、こうした象徴的な文明を、より鮮明に浮かび上がらせることを目指しました。

――原作品の持つオーラや力強さを、どのように再現しましたか。
『ルーヴル美術館の古代美術部門から選定した作品は、いずれも壮大な傑作ばかりです。それを時計のダイヤルという小さな空間に表現することは大きな挑戦でしたが、ヴァシュロン・コンスタンタンが好んで挑む類の挑戦でもあります。この時計の開発には3年を要しました。同館の学芸員と緊密に連携しながら作業を進め、4つの文明を代表する象徴的な作品を選定するとともに、ダイヤルの他のパーツの着想源となる芸術作品の選定も行いました。実現可能性を検証した上で、主題とする作品の視認角度、周辺の装飾、使用する装飾技法を決める必要がありました。創作意図を確認し、適切なプロポーションを設計し、光と影の効果を調整するため、デザインごとに3Dモデルを作成することも不可欠でした。これにより、熟練の職人たちは明確な設計プランに基づいて作業を進めることができました。各ダイヤルの製作時間は、複雑さによって異なりますが、120時間から220時間の作業時間を要しました。』

――この新たなシリーズにおける、芸術面での最大の挑戦を教えてください。
『ひとつは、石に彫刻を施すグリプティックです。今回の場合、大理石や石灰質砂岩が素材となります。グリプティックは微細彫刻とも言えますが、研磨によって形を作っていくこの技法は、ビュランで金属を切削するエングレービングとは全く異なります。第一弾の「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して–」では、4つのアップリックはいずれも金で制作されました。それが今回は石材を使用しています。これはヴァシュロン・コンスタンタンとして初の試みであり、オリジナル作品と同じ種類、さらには同じ産地の石灰質砂岩や大理石を用いています。また、異なる技法で作られたパーツを、ひとつのダイヤル上に組み合わせることも課題でした。パーツの組み付けにはミクロン単位の精度が求められました。なぜならば、わずかな誤差によって、長時間を費やした作業が無駄になってしまうからです。これらのタイムピースに、キャリバー2460 G4を採用した理由を教えてください。
キャリバー2460 G4の利点は、ダイヤル周縁部に配置した4つの小窓とディスクを使った表示にあります。ディスクの色をダイヤルの各パーツと調和させることで、この表示は装飾とシームレスに溶け込みながらも、高い視認性を保っています。言い換えれば、針を持たないムーブメントの構造によって、ダイヤル全体を芸術的な装飾に充てることが可能となったのです。これは、時計製造の技術を芸術的表現のために活用するこの種のタイムピースにおいて、不可欠な要素なのです。

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Vacheron Constantin
TEL:0120-63-1755(フリーダイヤル)
ヴァシュロン·コンスタンタンの今年のテーマ
“EXPLORE ALL WAYS POSSIBLE”~あらゆる可能性を探求して
「できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である」
フランソワ・コンスタンタンが1819年に記したこの言葉は、メゾンのモットーとなり、その先にどのような景色が待ち受けていようとも、絶えず卓越性と創造性の限界を押し広げる原動力となっています。
機械式時計の限界を超え、文化と芸術に新たな地平を切り拓き、伝統と遺産を解き明かすこと。それは、あらゆる可能性を探求する冒険へとメゾンを突き動かし、より遠くを見据え、異なる発想、創造的エネルギーをもたらしています。
世界に対して開かれた姿勢を通して、メゾンは自らの意義を見いだしました。それは計時を、技術的、歴史的、文化的な側面を含む広範な研究開発分野として捉えることです。
「Explore All Ways Possible - あらゆる可能性を探求して」:中国人アーティストでイラストレーターのシャン・ジアンとのコラボレーションが、探求を驚きと革新、知識の源とする驚きと詩情にあふれた旅へと誘います。
世界的に高い評価を得ているイラストレーターのシャン・ジアンは、故郷である上海から得たインスピレーションを作品に注ぎ込んでいます。彼が手掛ける作品は、超高層ビルと平屋住宅、古くからの習わしや伝統、そして現代的な概念や思想、さらには活気に満ちたサブカルチャーが融合されています。その芸術的インスピレーションの源は、中国の伝統技法である工筆画から、浮世絵、バウハウス、デューラー、ジャン・ジロー、エドゥアルド・パオロッツィまで、時代や国境を越えて多岐にわたります。細部への徹底したこだわりと無限の想像力に裏打ちされた彼の芸術的アプローチは、探求を通じて、卓越性と革新を追求し続けるメゾンの価値観と深く共鳴しています。
[ヴァシュロン・コンスタンタン]
1755年に設立されたヴァシュロン・コンスタンタンは、270年以上にわたり継続して生産を行っている世界最古の時計マニュファクチュールであり、何世代にもわたる熟練の職人を通じて、時計製造の卓越性と洗練された様式の誇りある伝統を忠実に受け継いでいます。
メゾンが製造する時計は、控えめで気品豊かなスタイルに高級時計の素晴らしい価値が体現され、その一つ一つに、最高峰の職人技と極めて高度な仕上げを施し、ヴァシュロン・コンスタンタンならではの技法や美意識が表現されています。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、コレクションを通じて、比類ない伝統と革新の精神を実現しています。「メティエ・ダール」、「パトリモニー」、」「トラディショナル」、「オーヴァーシーズ」、「フィフティーシックス」、「ヒストリーク」、「エジェリー」はメゾンを代表するコレクションです。また、「レ・コレクショナー」のヴィンテージウォッチや、「レ・キャビノティエ」部門を通じてユニークピースを提案する貴重な機会を時計愛好家に提供しています。
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