Nomosが提唱する「At Work」シリーズの代表モデル「メトロネオマティック39 シルバーカット」がiFデザイン賞2018を受賞

 By : KITAMURA(a-ls)

ノモス・グラスヒュッテが昨年秋に提唱した新しいコンセプトを持った「At Work」シリーズ。
この度、その「At Work」シリーズの中核モデルである「メトロネオマティック39 シルバーカット」が、iFデザイン賞2018を受賞した!


とはいえ、このわが陣営の快挙を祝うためには、いくつか整理しなければならない点がある。
まず、"「At Work」シリーズって何?"という点だ。

知っている人は知っていると思うが、現在のノモスには、タンジェント、メトロ、アホイ、テトラ、タンゴマット、ラドウィッグ、ラムダなど、モデル別のファミリーと呼ばれるラインがある。しかしそれらとは別に、ノモスにはひとつのコンセプトのもとにファミリーを縦断的にカテゴライズした"シリーズ”という概念があるのだ。

これまでにも、「Serie 33 champagne」「neomatik」「Gold collection」「33 series」「NOMOS for Doctors Without Borders」などのシリーズが発表されている。シリーズとはつまり、あるひとつのテーマに添って、ファミリーの中から選んだモデルをトータライズして提唱するというのが、大まかな概念のようだが、さらなる詳細を知りたい方は、英語ではあるが、こちらのページを参照して欲しい。
https://www.nomos-store.com/en/Series/At-Work/

ちなみに、昨年のバーゼルで発表された新作、「キャンパス」も「アクア」も、扱いはファミリーではなく、シリーズなのだ。
(Aqua)   https://watch-media-online.com/news/550/
(Campus) https://watch-media-online.com/news/549/


では、その「At Work」シリーズとはどのようなコンセプトなのかと言えば、ブランドのHPにはこう書かれている。

「国連の総会ホールやベルリンのエンジニアリングオフィス、あるいは、ブリュッセルのスタジオで働いているような人々――この秋はそんなプロフェッショナルたちのものです。ノモス グラスヒュッテがそんなプロフェッショナルたちに提案する新しいウォッチシリーズ。 スタイルと精度の二要素にこだわったこの新しい時計は、船旅や飛行機で飛び回るよりもむしろ、ほとんどの時をオフィスでのビジネスに費やす男性のために完璧な時計です。」

つまり、働くプロフェショナルのため、独特なシルバーグレー文字盤をフィーチャーした薄いけれども目を惹くシリーズで、こうしたコンセプトのもと、タンジェント、メトロ、オリオン、テトラからファミリーを超えてデザインされたのが「At Work」シリーズなのである。

(以下、再びブランド資料より引用)
直径39mm(Tangten, Metro, Orion)/対角46mm(Tetra)のAt Workのモデルは、より筋肉質で力強い手首のために用意されました。より見やすく、丈夫に。そして今までよりずっと水にも強い5ATMに進化したこれらのモデルは働く男性たちの手首にすんなりとなじむでしょう。 
ノモスのおなじみのシルバープレートのホワイトとミッドナイトブルーの文字盤に加え、今回、複雑な9つの工程を経て作られた、目を惹くシルバーグレーの文字盤が加わりました。
さらに、針やインデックスのカラーリングもユニークです。


Tangente - 青焼きの時・分針とレッドのスモールセコンド針
Metro - レッドドットインデックス
Orion - レッドスモールセコンド針
Tetra - 青焼きの時・分針とレッドのスモールセコンド針
あなたの腕元にさらなるセンスを加えてくれる一本です。
(「At Workシリーズのさらなる詳細) http://www.josawa-watch.com/nomos_atwork.html
https://nomos-glashuette.com/ja/watches/series/at-work


さらにもうひとつ、"iFデザイン賞って何?"という話であるが、
iFデザイン賞というのは1953年に制定された世界的にも非常に権威のあるデザイン賞のひとつで、「デザイン界のオスカー賞」ともいわれている。
ドイツのハノーバーにある国際的なデザイン振興組織、インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーバー(iF)が、毎年全世界の工業製品等を対象に優れたデザインを選定するもので、コミュニケーション部門、プロダクト部門、コンセプト部門という3つのカテゴリから優秀デザインを選定、各分野の年間優秀デザインを表彰する。過去、日本では車の「レクサス」などが受賞(2007)しているが、ノモス・グラスヒュッテにとっては、今回の受賞は通算7回目に当たるという、これまたスゴイことなのである!

この2点を踏まえると、今回のニュースがよりリアルに理解できるのではないだろうか。

では、前置きが長くなってしまったが、以下、プレスリリースを編集して引用する。



バウハウス調のシンプルさが美しい、ドイツを代表する時計ブランド「NOMOS」
現代のビジネスパーソンのために生まれた「At Work」シリーズの代表モデル
「メトロネオマティック39 シルバーカット」がiFデザイン賞2018を受賞



ドイツ・グラスヒュッテの時計ブランド「NOMOS(ノモス)」が、2017年の新シリーズ「At Work(アットワーク)」の代表モデル「メトロネオマティック39 シルバーカット」にてiFデザイン賞2018を受賞したことをお知らせいたします。
●NOMOS初となるシルバーカットのダイアルとレッドドットがクールな新しいNOMOSデザインのスタンダードが誕生。
写真は「メトロネオマティック39シルバーカット」。


ドイツの時計作りの聖地・グラスヒュッテにて、1990年の創業当時からデザインと性能にこだわった時計作りを続ける「NOMOS Glashütte」が、通算七度目になるiFデザイン賞を受賞しました。
2017年11月に発売された「At Work」シリーズは、現代のビジネスパーソンに向けたシリーズで、力強い男性の腕にぴったりな、大振りながら極めて薄いケースと、精緻なムーブメントDUW3001を搭載したネオマティックの新シリーズであると同時に、今まで「NOMOS」が扱ったことのないシルバーカットの文字盤が加わった、「NOMOS」のデザイナーにとってもチャレンジのシリーズでした。

その代表モデルとも言える「メトロネオマティック39 シルバーカット」が、デザインの世界で最も栄誉があり、長く続いているiFデザイン賞を受賞したことは、「NOMOS」がプロダクトデザインの分野において、最も成功している機械式時計のメーカーであり、際立つデザイン力を持っているという事実を改めて世界に証明する、大きな意味のあることです。

デザインのベースとなるメトロコレクションは、世界的デザイナーの「マーク・ブラウン」氏が「NOMOS」のためにデザインしたもので、同氏は「ニューヨークのエンパイアステートビルをイメージした針とダイアモンドローレット加工のリューズはグラスヒュッテの偉大なる時計メーカーへの贈り物です」と述べています。

また、そのメトロをベースに、複雑な9段階のプロセスを経て生み出される横目の模様のシルバーカットダイアルと、レッドドットというクールなデザインを生み出し、「At Work」シリーズの顔として昇華させた「NOMOS」のクリエイティブディレクター、ジュディス・ブロウスキー氏は「デザインの専門家達がメトロに強い印象を受け、それを選んでくれたということは、私達にとっては大きな誇りです」とコメントしています。

ブランド代表モデル「タンジェント」を通して、ドイツの伝統的な機械式時計作りをベースとしたマニュファクチュールと、バウハウスデザインを継承するブランドとして世間に認知されてきている「NOMOS Glashütte」。創業から今日までに、iFデザイン賞を含め140を越えるデザインと品質の賞を獲得してきている「NOMOS」の歴史に、2018年の更なる躍進が期待できる、大きな一歩が刻まれました。

iFデザイン賞は60年以上続く、デザイン界では最も長く栄誉ある賞で、デザイン分野において際立った実績を残した製品、サービスに与えられる賞です。
「Hallmarks of Modernity(モダンデザインの認証刻印)」として、「NOMOS」は多くのiFデザイン賞を獲得しています。

【NOMOS GlashütteiFデザイン賞受賞暦】
2017年–タンジェントネオマティックミッドナイトブルー
2016年–ミニマティック
2015年–メトロ(パワーリザーブ)
2014年–アホイ
2013年–タンゴマットGMT
2012年–チューリッヒ


【受賞商品概要】

ケース:ステンレススチール、2ピース構造、
直径38.5mm、厚み8.35mm
風防:球面サファイアクリスタルガラス(内側無反射コーディング)
サファイアクリスタルガラスのシースルーバック
ダイアルロジウムメッキ、ヘアライン仕上げ、
3時、9時、12時レッドインデックス
針ロジウムメッキ時・分針、レッドスモールセコンド針
ムーブメント:DUW3001 自社製自動巻きムーブメント
防水性:5気圧日常生活強化防水
パワーリザーブ:約43時間
ストラップ:ホーウィン社製ブラックシェルコードバン、
ラグ幅19mm、クイックチェンジストラップ


メトロネオマティック39 シルバーカット MT130014SC239
¥480,000円 税



【Nomosとは】
1990年、ドイツ時計産業の中心地グラスヒュッテに創業。創業以来、一貫して研究開発およびムーブメントの製造・組立をグラスヒュッテで行う一方、デザインに関してはすべてベルリンで生み出している。ドイツ工作連盟やバウハウスの理念を色濃く反映したデザインは、今日では世界的にも認められ、これまで140以上の賞を受賞している。そんな「NOMOS」は「バウハウスウォッチ」と呼ばれることも多く、原点にはドイツ工作連盟と、その理念を継承して設立された造形学校「バウハウス」の精神がある。
※現在「グラスヒュッテ」を時計に謳うには、「ムーブメントの価値の50%以上をグラスヒュッテ内で生み出さなければならない」というルールが存在する。そして「NOMOS」は95%以上の価値をグラスヒュッテ内で生産し、上記ルールに該当するため、ブランド名は「NOMOS GLASHÜTTE」となっており、ドイツ製品としての品質を保証している。

(以上、プレスリリースより引用)

【お問合せ先】
株式会社大沢商会
時計部
TEL: 03-3527-2682



というわけで、ノモスのデザイン力の高さというのは、グラスヒュッテ・ブランドの中でも特筆されるものであり、そのルールはコンテンポラリー・アートにも通じるものなのである。

製品のみならず、広告のデザインにおいても、そのセンスは素晴らしく、個人ブロクで何度か紹介したこともある。
蛇足ながら、そのブログも引用しつつ、このNomosの快挙を祝福したいと思う!!



“Mit Liebe in Glashütte gefertigt”


Nomosの素敵なところは、宣伝写真や広告制作にも、専門のアートディレクターがいることです。
今回のLambdaとLuxにも、こんな可愛いデザインの宣材写真が作られています。

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グラスヒュッテ・ブランドによく見られる、歴史的で重厚なプロモーション写真とは全く異なるポップかつコンテンポラリー・アートなセンスはすごいです。

しかしそればかりではないのです。
それが、先日のブログにいただいた、かのじさんのコメントにあった、LambdaとLuxのテンプ受けに彫られた文字のお話です。

前述のデザインの話から、同じグラスヒュッテ・ブランドとはいえどでも、
ランゲ等とは一線を画した現代ブランドかと思っていると…

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そこに彫られている言葉は
“Mit Liebe in Glashütte gefertigt” (ノモスの英訳は=lovingly produced in Glashütte)

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グラスヒュッテのブランドであること心から誇っているわけです。

たしかにムーヴ裏にあるのは、メイド・イン・グラスヒュッテのDNAを見事なまでに受け継いだ世界。

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時計作りにおいて、グラスヒュッテという土地が紡ぐ強い絆と矜持に、
なにか、そこはかとなく感動してしまうわけです・・・。




広告センス


わがグラスヒュッテ陣営の一員ながら、無駄をそぎ落としたバウハウス的な方向性や、センスのある広告や写真などで、他社とは一線を画しているNomosですが、またまたやってくれています。

今度は「Metro」というライン。

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ご想像ください、

これをどう処理したか………













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なるほどね(笑)。




”メトロ”

さすがでございます。