ブレゲ2019新作プレヴュー① 「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」&「クラシック 9068 マザーオブパール」

 From : BREGUET (ブレゲ )

クラシック トゥールビヨン
エクストラフラット スケルトン5395


ブレゲは、新しい「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」のために、厚さ3㎜の極薄型トゥールビヨン・ムーブメントを選びました。時計技術と芸術的な手仕事による工芸美の偉業では、まさにブレゲがその第一人者の地位を占めます。



作品に内在する素晴らしい特徴が人々を驚嘆させるオブジェというものがあります。新しいブレゲの「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」は、そうしたオブジェに属す時計です。ブレゲ・マニュファクチュールは、すでにキャリバー581において極薄型に挑み、その技術的成果をこれまでに完成させた先行モデルで大胆に披露してきました。とりわけトゥールビヨンの設計では、独自の新たな形態を生み出すべく、全面的に見直さなくてはなりませんでした。その上今回は、ムーブメントの素材の約50パーセントをいっさい妥協せずに削減する必要もありました。このようにスケルトン化された18Kゴールドのムーブメントは、文字通り物理的限界への挑戦になり、その過程でブレゲの時計職人自身が本物のメティエダール、すなわち芸術的な手仕事を実践して、エングレービングやギヨシェ彫り、面取りを加えて比類ないムーブメントへと仕上げました。


極薄型ムーブメント
極薄型のキャリバー581は、時計製造における傑作に数えられます。厚さわずか3㎜というこのキャリバーは、自動巻トゥールビヨン・ムーブメントでは世界で最も薄いものの一つです。このような技術的偉業の達成には、複雑に絡み合う要素の調整が求められました。自動巻ローターを地板の外周に置くペリフェラルのスタイルを選んだのは、隅々までムーブメントの機構を見渡すことができ、それとともに薄さも実現するためでした。トゥールビヨン自体については完全に再構築され、チタン製のキャリッジが地板に据えられたカナを介してではなく、輪列と直接つながって動くように変わりました。さらに、この特殊な構造に用いられるシリコン素材の脱進機も重要な役割を担っています。このような極めて珍しい構造のムーブメントをシリーズ生産するのはブレゲだけです。


軽やかさと透明感
すでに極薄型モデルの「5377」と「5367」に搭載されているキャリバー581は、トゥールビヨン・キャリッジの全重量が0.290グラムと非常に軽く、《ハイエナジー》香箱から供給される動力によって、新型トゥールビヨン用に4Hzに高振動化されたテンプが作動し、なおかつ80時間というずば抜けて長いパワーリザーブも備わります。ブレゲでは、古くからのスケルトン技法に現代的なアレンジを加え、全面的にスケルトン化したモデルを発表するのは今回が初めてです。このモデルでは、ゴールド製の地板と受けに透かし彫りを施してムーブメントの機構を露わに見せていますが、スケルトン仕様ならではの困難もあります。それはすべて、各部品がもつ機能的役割を保持しながら、素材をどれだけ多く削ぎ落とせるかにかかっています。これに付随して、時計づくりの複雑な問題は、ゴールド素材を選択したことによるリスクです。選ばれたゴールドの合金が硬い場合、特殊な専門技術や極めて高度な加工が必要になり、最終的な仕上がりを保証するのもこうした技術や加工に他なりません。ブレゲは、ゴールド素材を最高レベルの技術で扱える最後のメゾンの一つなのです。


メティエダール、芸術的な手仕事
ムーブメントの一つ一つが個性的なのは、その比類ない仕上げや装飾のおかげです。まずはじめは、くり抜かれた地板の残り部分の表面に施された、ユニークな手法のギヨシェ彫りです。ここでは《クル・ド・パリ》のモチーフが、ダイヤモンド粒子を使った手動旋盤を使って刻まれています。この手法は特別な輝きをもたらしますが、いかなる不正確さもあってはなりません。この種の部品に施すこうした処置は、ブレゲでは基本を成します。鋭角のエッジについては、ヤスリを使い、45度の角度で面が完璧に平滑で規則正しくなるまで丹念に仕上げます。最後に重要なエングレービングの仕事は、さまざまな文字を手で彫る作業です。ネジ穴やネジ溝の仕上げも同様です。



洗練されたミニマムデザイン
この並外れたスケルトンの舞台装置は、縦溝のフルート装飾を側面に刻むケースに収められ、その上にムーブメントを隅々まで覆うボックス型ガラスが乗せられています。ダイヤルはサファイアで作られ、ブルーに彩ったゴールド製のアプライド・インデックスが配されています。時間のチャプターリングは、ガルバニック処理で生成し、ミニッツトラックは、レーザーで彫り込んだあとにブルーの塗料を充填しています。洗練されたミニマムデザインを完成させるのは、ブルー・スティールの《ブレゲ針》やロウ付けされたラグといったブレゲスタイルを最も純粋に語る伝統的な要素です。「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット 5395」は、30mの防水性が備わり、グレー仕上げのムーブメントをローズゴールドのケースに搭載したモデルと、ローズ仕上げのムーブメントをプラチナのケースに搭載したモデルの2種類があります。



ブレゲの傑作、トゥールビヨン
トゥールビヨンは、技術的な発明の歴史において独自の地位を占める特別な事例です。誕生から220年以上も絶えず人々を魅了してきただけでなく、それどころか、ブレゲ・マニュファクチュールを語る上で欠かせない代名詞になっているのです。トゥールビヨンを腕時計に搭載することが再び流行になってはいても、ブレゲのトゥールビヨンには、その正当性を主張するにふさわしい特別な力、一歩も譲らぬ力があります。そしてこれこそが、そこに宿るブレゲのエスプリを代弁します。シングルもしくはダブルトゥールビヨン、あるいはトゥールビヨン単体か他のグランドコンプリケーションとの組み合わせ、また伝統的な素材や新素材で作られたものなど、これほどまでにトゥールビヨンが活況を呈していることはかつてありません。その発明者に最も近いブレゲの場合もそうです。ブレゲは、モデルによっては重さが1グラムを下回るトゥールビヨン機構をほぼ全コレクションに渡って搭載することで、メゾンの時計製作における途轍もない熟達ぶりをアピールし、この伝説の機構の権威になりました。



トゥールビヨンの起源
アブラアンールイ・ブレゲが生前販売したトゥールビヨン・ウォッチは、35個にすぎません。この内密の数字は、ブレゲに限った個数ではあっても、トゥールビヨンという特別な機構を実現するのがいかに困難だったかを物語ります。1801年に特許登録されたとはいえ、開発に必要な実験と研究には、少なくとも1795年から1805年までの10年が費やされました。当時の精密時計は、縦の姿勢すなわち垂直の状態で携帯されていましたが、ブレゲが発明に努めていたのは、テンプの機能に悪影響を及ぼし、ひいてはムーブメントの精度を乱す重力の影響を相殺する手段でした。そこで彼がたどりついたのは、ひげゼンマイ付きのテンプと脱進機(アンクル及びガンギ車)一式を回転する枠の中に格納するという考え方でした。アブラアン-ルイ・ブレゲは、このキャリッジという枠と脱進機の二つが回転する仕組みから《トゥールビヨン》という名称を思いつきましたが、そこに《一つの中心軸の周りで回転する天体系》という、この言葉の忘れ去れていた意味を反映させようとしました。天才的な仕組みと心を奪う機能をもったこの発明に対する人々の尊敬の念は、発表当時から今日に至るまでやむことがありませんでした。



【仕様】
BREGUET CLASSIQUE TOURBILLON EXTRA-PLAT SQUELETTE 5395
クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン5395
REF. 5395BR/1S/9WU
Case: 18K ローズゴールド、ケースバンドに繊細なフルート装飾。 ドーム 型ガラス。サファイア・ケースバック(透明裏蓋)。ケース径 41mm 、厚さ 7.70 ㎜。ケースにロウ付け されたラグとネジ留め式バー。 3 気圧( 30m )防水。

Dial: サファイアクリスタル、 Breguet のサイン、ローマ数字を配したオフセンターのチャプターリング。ブルー・スティールのブレゲ針。

Movement: 自動巻、スケルトン、手作業による面取り、エングレービング、ギヨシェ彫り。番号と Breguetのサインを刻印。キャリバー 581SQ 、極薄ムーブメント( 3 ㎜)。部品数 325 個。径 16 リーニュ(36.10mm 、 33 石。ペリフェラル・ローター。 80 時間パワーリザーブ、ボールベアリング上に据えた香箱。シリコン製ホーンのインバーテット・ラテラルレバー脱進機。シリコン素材のひげゼンマイ。振動数4Hz (毎時 28,800 振動)。チタン製キャリッジのトゥールビヨン、トゥールビヨン上にスモールセコンド。

Strap: アリゲーターストラップ、ゴールド製フォールディングバックル。

Ref. 5395BR/1S/9WU :18KRGケース 税込予価¥26,341,200/本体予価¥24,390,000
Ref. 5395PT/RS/9WU :プラチナケース 税込予価¥28,134,000/本体予価¥26,050,000
(今秋以降入荷予定)






ブレゲ クラシック 9068 マザーオブパール
ブレゲのエレガンス


マザーオブパールの虹彩がデザインに澄み渡る新しいモデル「クラシック 9068」は、フェミニンな演出を凝らしてブレゲ・スタイルを表現する時計です




「クラシック 9068」は、ダイヤルにナチュラルマザーオブパールを初めて採用し、ブレゲの時計に息づく《デザイン・コード》に焦点を当てたモデルです。アブラアン-ルイ・ブレゲは、1775年にパリで開業しました。当時流行していたバロック様式に対して反対の立場をとったブレゲの簡潔で控えめな時計デザインは、驚きをもって迎えられ、人気を博しました。ネオクラシック様式を追求したブレゲ・スタイルの時計は、メカニズムの高い信頼性に支えられ、多くの著名な顧客たちを魅了しました。そこにはマリー・アントワネットをはじめ、後の時代のジョゼフィーヌ皇后、マリー・ルイーズ皇后、ウェリントン公爵などが名を連ねています。同様にシンプルを追求する新しい「クラシック 9068」のダイヤルはホワイトマザーオブパールで作られ、小ぶりなローズゴールドやホワイトゴールドのケースで精彩を放っています。その表情を一段と輝かせるのは、ベゼルやラグにセットされた88個のブリリアントカット・ダイヤモンドです。このモデルで時を刻む自社製の自動巻ムーブメントも、時針と分針、センターセコンドによる時刻表示と3時位置の日付表示という基本的な機能に絞られています。


パリで誕生したブレゲ・スタイル
スイス出身の若き時計師アブラアン-ルイ・ブレゲは、1775年にパリのケ・ド・ロルロージュに住居兼工房を構えました。金銀細工師をはじめ、ダイヤルや針、ケースを作る職人たちが集う界隈に至近のこの場所が、彼の時計づくりにとって理想的なのは明らかでした。啓蒙の時代に、ブレゲの才能は余すところなく発揮されました。今もなおアブラアン-ルイ・ブレゲとその子孫の存在を語る場所がパリに数多くあります。「ブレゲ通り」は、この天才的な時計師とブレゲ姓を称えて名付けられたもので、エッフェル塔に名を刻む著名人の一人がブレゲなのはとりわけ有名です。他にも、ヴァンドーム広場のブレゲ・ミュージアムをはじめとして、パリ工芸博物館や装飾美術館、ルーブル美術館にはアブラアン-ルイ・ブレゲが製作した時計の数々が展示されています。


ブレゲの紛れもないしるし
ルーブル美術館では、1817年にウェリントン公爵に販売された小型のクォーター・リピーターウォッチ「ブレゲ No.3023」を鑑賞することができます。それから2世紀も経た現在、この時計と同じ《デザイン・コード》が、ブレゲの「クラシック」コレクションにインスピレーションを与えています。アブラアン-ルイ・ブレゲは、1783年に読みやすさを向上させる目的で、中をくり抜いたリンゴを思わせる丸いモチーフを付した、いわゆるブレゲ針を導入しました。この独特の形をした針は「クラシック 9068」のダイヤルにも登場し、モデルによりブルー・スティールまたはローズゴールドの2種類があります。常に視認性を第一に考えるブレゲは、インデックスにローマ数字を選びました。また、ローマ数字を配したチャプターリングは、ブレゲが得意とするギヨシェ彫りの繊細なリズレ(縁飾り)で強調されています。そしてダイヤルにBreguetのサインと時計の個別番号が記されます。時計のオーナーは、ブレゲにおいて1780年代から途切れることなく続く台帳に、自身の名前と時計の詳細を書き入れることもできます。


自動巻ムーブメント
ブレゲの「クラシック 9068」を動かすキャリバー591Aは、自動巻の機械式ムーブメントです。腕の動きによってゼンマイを巻き上げることができるこのキャリバーは、アブラアン-ルイ・ブレゲが考案した自動巻時計「ペルペチュエル・ウォッチ」の系譜に属します。当時は何人もの時計師が自動巻の問題に取り組んでいましたが、振動する錘を実用化して技術的な解決を図った最初の人物がまさにブレゲでした。新しいモデルの透明なサファイア・ケースバックからは、その巧妙な巻き上げ機構が望めます。ローターは、モデルによりローズゴールドもしくはホワイトゴールドで作られ、手作業でギヨシェ彫りが施されています。このキャリバー591Aは、面取りやペルラージュ、コート・ド・ジュネーブなどの装飾に熟達するブレゲ・マニュファクチュールの職人の素晴らしい技量によって完璧に仕上げられます。
このムーブメントを収納するのは、ブレゲの《デザイン・コード》に則りケースバンドにフルート装飾を施した薄型ケースです。ブルーサファイアまたはルビーのカボションを戴くリューズは、指でつかみやすいように溝が刻まれています。レザーストラップを固定するラグは、強度に配慮してケースにロウ付けされ、腕への装着感を考えて丸みを帯びた形にデザインされています。
「ブレゲ クラシック 9068」は、シンプルでエレガントなデザインにブレゲ・スタイルが体現されています。アンリ・ミュルジェールが1848年に『ボヘミアン生活の情景』で述べているように、ブレゲらしい特徴は真似のできないものです。


″ルドルフは、逢引きの場にマドモワゼル・ロールの姿を認めた。
「時間ぴったりとは、ブレゲのような女だ」と彼は言った。″






【仕様】
BREGUET CLASSIQUE 9068
クラシック 9068
REF. 9068BB/52/976 DD00
Case: 18K ホワイトゴールド、ケースバンドに繊細なフルート装飾。ベゼルとラグにブリリアントカット・ダイヤモンド 88 個(約 0.606 カラット)。リュウズにブルーサファイアのカボション。サファイア・ケースバック(透明裏蓋)。ケース径 33.5 ㎜、ケース厚 7.55㎜。ケースにロウ付けされたラグとネジ留め式バー。 3 気圧( 30m )防水。

Dial: ホワイトマザーオブパール、個別番号と Breguet のサイン。ローマ数字のチャプターリング。センターセコンド。 3 時位置に ホワイトゴールド製の窓枠と日付表示 。ブルー・スティールのブレ ゲ針。

Movement: 自動巻。番号と Breguet のサインを刻印。キャリバー 591A 。径 11 1/2 リーニュ、 25 石。部品数 187 個。 38 時間パワーリザーブ。振動数 4Hz (毎時 28,800 振動)。シリコン製ホーンのインライン・スイスレバー脱進機。シリコン製ひげゼンマイ。 6 姿勢で調整済み。

Strap: サテン仕上げのミッドナイトブルーアリゲーターストラップ 、ホワイトゴールド製バックル付き。
Ref. 9068BB/52/976 DD00:18KWG 税込予価¥3,110,400/本体予価¥2,880,000
(今夏入荷予定)

REF. 9068BR/52/976 DD00
Case: 18K ローズゴールド、ケースバンドに繊細なフルート装飾。ベゼルとラグにブリリアントカット・ダイヤモンド 88 個(約 0.606 カラット)。リュウズにルビーのカボション。サファイア・ケースバック(透明裏蓋)。ケース径 33.5 ㎜、 ケース厚 7.55 ㎜。ケースにロウ付けされたラグとネジ留め式バー。 3 気圧( 30m )防水。

Dial: ホワイトマザーオブパール、個別番号と Breguet のサイン。ローマ数字のチャプターリング。センターセコンド。 3 時位置にローズゴールド製の窓枠と日付表示 。 ローズゴールド製 のブレゲ針。

Movement: 自動巻。番号と Breguet のサインを刻印。キャリバー 591A 。径 11 1/2 リーニュ、 25 石。部品数 187 個。 38 時間パワーリザーブ。振動数 4Hz (毎時 28,800 振動)。シリコン製ホーンのインライン・スイスレバー脱進機。シリコン製ひげゼンマイ。 6 姿勢で調整済み。

Strap: サテン仕上げのトープカラーアリゲーター ストラップ、ローズゴールド製バックル付き。
Ref. 9068BR/52/976 DD00:18KRG 税込予価¥3,110,400/本体予価¥2,880,000
(今夏入荷予定)



【お問い合わせ先】 ブレゲ ブティック銀座
東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター 3階 /TEL 03-6254-7211

ブレゲについて
1775年に創設されたブレゲは、傑出した時計づくりの第一人者となり、ヨーロッパの文化遺産の一部を成してきました。ブレゲの時計は、世界で最も著名な数々の人々の手を飾り、ブレゲが保存する有名な台帳には、18世紀の終わりからのあらゆる時計の販売記録が残されています。現在のブレゲ・マニュファクチュールから世に送り出される時計は、ブレゲのアルティザンによって、ブランドの豊かな歴史を語る唯一無二の芸術作品に仕上げられています。
www.breguet.com



(※WMO編集部より)
ブレゲクラシックの2019年新作については、プレで発表されたコチラのモデルもご参照ください。
https://watch-media-online.com/blogs/2069/