H.モーザー 「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®」~技術的な卓越性と革新的な素材で伝統に新たな魅力

 From : H. Moser & Cie. (H. モーザー)


技術的な卓越性と革新的な素材で伝統に新たな魅力




H. Moser & Cie.(H. モーザー)は、コントラストをより引き立たせ、高級時計において最も複雑で最も伝統的な複雑機構のひとつであるトゥールビヨンの本質に立ち返るべく、主に天体物理学や航空宇宙の分野で使用されている革新的な素材を選びました。アルミニウムのパーツに囲まれた、インデックスもロゴもない Vantablack® ダイアルにはトゥールビヨンが配され、洗練されて超現代的でありながらタイムレスなデザインでその美しさを強調します。H. モーザーが贈るエンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®です。



6時位置に配されたミニッツ フライング トゥールビヨンは、文字どおり、ブラックホールの中央を飛んでいるかのように浮き上がって見え、そこには光の反射もインデックスもロゴも、あなたの気を逸らすものは何ひとつありません。H. モーザーは、2012年に誕生したこの革新的な素材を扱うことで培った専門技能を注ぎ込み、エンデバー・トゥールビヨン コンセプトに Vantablack® ダイアルを採用しました。



現存する物質の中では最も暗いことで知られる究極のブラック コーティング Vantablack® は、天体物理学の分野では望遠鏡、軍事分野では特定の装備のステルスレベルを向上させるための熱迷彩、シビルエンジニアの分野ではソーラーパネル、さらに最近ではコンセプトカーにも使用されています。人間の髪の毛の 1 万分の 1 と極めて細いカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)で構成されています。
このVantablack® に当たるとその 99.965% は吸収されてしまいます。人間の目で対象物を認識するには光の反射が必要なため、Vantablack® は物質として認識されないブラックホールのような存在になります。





Vantablack® は衝撃や振動には耐性がありますが、非常にデリケートで扱いに注意を要します。この素材を適切に加工するには、H. モーザーでも構造を整備して特殊な工程を開発する必要がありました。


このダイアルをサプライヤーに搬送するためだけに特殊なケースが開発され、ケーシングに至るまでの取り扱いや針の取り付けのための専用工具も製造されました。サファイアクリスタルの奥に収まれば、 Vantablack® は金庫に保管されているかのように保護された状態になります。このようにして、存分に存在感を放ち、完璧な黒の持つパワーを遺憾なく発揮するデザインに仕上がりました。

エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック® で、H. モーザーはミニマリストへの賛歌を捧げます。厳選された素材の複雑さや搭載された自社製 HMC 804 ムーブメントを引き立てるシンプルなデザイン。



シャフハウゼンを拠点とするマニュファクチュールは、Vantablack® に加え、ガンギ車、テンプ ブリッジ、脱進機ブリッジを含むトゥールビヨンのケージにも航空宇宙の分野で用いられるアルミニウムを採用しました。このアルミニウムも従来よりも剛性を高めた革新的な素材で、真鍮よりも軽量性に優れているという利点があります。これにより、慣性が軽減されてエネルギーバランスが向上し、最適な動作や長期にわたってより安定した等時性が確保されたことで、パフォーマンスの強化にもつながり、さらに振幅も約 10% 増大しました。



H. モーザーならではのディテールへのこだわりで、トゥールビヨン ブリッジおよびテンプ ブリッジにはブラック PVD コーティングが施され、Vantablack® ダイアルの底知れぬ淵を思わせるブラックを引き立てます。

創意の極致ともいえるこの自動巻き HMC 804 キャリバーには、自社で設計および製造したダブル ヘアスプリングが使用されています。このヘアスプリングのペアにより、拡張時の各ゼンマイの重心の動きが補正、摩耗が軽減され、精度と等時性が大幅に向上し、継続的な完成度が実現されます。



エンデバー・トゥールビヨン コンセプトは、努力に値する時計です。その秘密はすぐには明かされるものではなく、時間をかけて解き明かされるべきものです。このように大胆なデザインの純粋なモデルは、設計するだけでなく、身に付ける人も、自信にあふれた大人である必要があります。疑う余地のない H. モーザー社スタイルの高級時計です。




【技術仕様】

エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®
リファレンス 1804-0212
ホワイトゴールド製モデル、Vantablack® ダイアル、ブラック アリゲーター レザーストラ ップ

[ケース]
18K ホワイトゴールド、3 パーツ構成
直径:42 mm
厚さ:11.6 mm
サファイアクリスタルのシースルー ケースバック

[ダイアル]
Vantablack®
リーフ型針の時針および分針

[ムーブメント]
自社製自動巻きキャリバー HMC 804
直径:32.0 mm(14 1/4 リーニュ)
厚さ:5.5 mm
振動数:21,600 振動/時
パワーリザーブ:約 3 日間
ラチェット式両方向自動巻きシステム、18K レッドゴールド製ローター、H. Moser & Cie. ロゴの刻印
オリジナルのダブルヘアスプリング
6 時位置のミニッツ フライング トゥールビヨン、ブラック PVD コーティングのスケルトン加工ブリッジ
トゥールビヨン ケージ、ガンギ車、テンプ ブリッジ、脱進機ブリッジはアルミニウム

[機能]
時、分

[ストラップ]
手縫いのブラックのアリゲーター レザーストラップ
Moser ロゴが刻印された 18K ホワイトゴールド フォールディング バックル



H.MOSER & CIE.(H. モーザー)
H.モーザーは Heinrich Moser により1828年に創設されました。ノイハウゼン アム ラインファルを拠点とするこのブランドは現在、約60名の従業員を擁し、14つの自社製キャリバーを開発し、年間に 1,500 個以上の時計を製造しています。
H.モーザ ーは自社製品に使用する調速機構やヒゲゼンマイなどといった部品を自社内で製造する希少なマニュファクチュールです。それらの部品はパートナー企業にも供給されています。H.モーザーはモーザー家の人間を名誉会長とし、Heinrich and Henri Moser 基金の代表に迎えるという栄誉に浴しています。Heinrich Moser の子孫たちに設立された Moser 基金は、一族の歴史を維持するために機能しており、Heinrich Moser 家が住まうシャルロッテンフェル城に併設の Moser 博物館に収蔵すべき昔のモデルの収集といった役目も担っています。時計製造に関するノウハウとこの分野での専門技術に裏打ちされた MELB Holding はH.モーザー、Hautlence という企業を擁するに至っています。MELB Holding は伝説的なジュウ渓谷を拠点とする家族経営の独立系グループです。