ローマン ゴティエ Baselworld2018新作は、インサイト・マイクロローターのナチュラルチタン&ブラックチタン~素材の競演

 By : KITAMURA(a-ls)

インサイト・マイクロローター ナチュラルチタン&ブラックチタン

超高級時計としての魅力を有しつつ
軽く、頑丈、視認性に優れる時計




バーゼル新作中、個人的に非常に注目していたローマン・ゴティエの新作は、インサイト・マイクロローターをベースにした2種の対比的な作品、ナチュラルチタンとブラックチタンであった。


工作機械の鬼であり、そして仕上げの鬼でもあるローマン・ゴティエが、チタンという素材にこだわり、同じ金属でありながら鏡面仕上げとサテン仕上げ、グレインとフロスティングという加工の違いから生じるグロス感とマット感など、様々な面で2つのコントラストを追求した、まさにローマン・ゴティエならではの作品であった。




ナチュランチタン&ブラックチタン、なぜこの2本が必要だったのか、それは同じ素材に秘められた可能性を別々の方向で引きだし、メカニックと仕上げでその明瞭なコントラストを見せるという、ローマン・ゴティエ工房の経験値と技術がなければ成し得ない作品を提示するためだ。そしてそれはおそらく、ローマン・ゴティエの考える美しい時計の未来像へと帰結していくのではないかと思う。



※以下、プレスリリースを一部編集して掲載する。

美しい仕上げ、22Kゴールド製両方向回転マイクロローター、自社製自動巻きムーブメントを内包し、自動巻き自体をコンプリケーションとした恐るべき精密ピースであるインサイト・マイクロローター。
今回はそれを39.5㎜径のグレード5チタンケースに収め、要素、軽く、頑丈で、そして視認性に優れるという、近年重視されている高級機械式時計の優雅なトレンドとスタイリッシュな雰囲気を纏う時計だ。


【仕上げの対比と素材の競演】
インサイト・マイクロローター ナチュラルチタン
ケース側面とベゼルは鏡面仕上げ。

一方でラグとケースバックはサテン仕上げ。
ブラックNAC処理のほどされたメインプレートはパラジウム処理のされたブリッジを浮きだたせ、そして文字盤横のブリッジのストレートグレイン仕上げは、メインプレートの手作業によるフロスティングと対をなす。焼成されたエナメル文字盤はグロスで、艶やかな光を放つ。

インサイト・マイクロローター ブラックチタン
ラグとADLCチタンのケースバックはサテン仕上げ。


ケース側面は鏡面仕上げ。
ブリッジとメインプレートは共にブラックNAC処理が施されており、ブリッジのストレートグレイン仕上げは、手作業によるフロスティングの施されたメインプレートと美しいコントラストを織りなす。手作業によるフロスティングは、焼成されたエナメル文字盤上にも施され、目を惹くマットな輝きを放つ。







【チタンケース高級時計の先駆者として、愛好家の支持を待つこと】
ローマン・ゴティエが2005年にブランドを設立した際、最初の6年は、スイスの伝統的な時計作りの技巧を革新的なエンジニアリングと美しい仕上げを自社製のムーブメントに施し、ゴールドやプラチナといった貴金属に収める形で表現した。 これらの作品はローマン・ゴティエの会社の礎であり、2011年、初めてチタンケースのプレステージHMSナチュラルチタンを発表した時、高級時計愛好家の反発があったのも事実だ。

ローマン・ゴティエは語る。
「愛好家の方々は私がジュウ渓谷の伝統的な時計作りの体現者であると考え、貴金属ケースのモデルを望んでいました。プレステージHMSナチュラルチタンを発表したとき、人々は『なぜローマン・ゴティエのような伝統的な時計作りと、チタンケースを一緒にするんだ?』と言いました。それらの反応に対し私は『この件については私にお付き合い願いたいのです』とお答えしました。」

それから5年の歳月が流れた後、ロジカル・ワンにおいてナチュラルチタンとブラックチタンを発表した。その時、ローマン・ゴティエ自身、超高級時計の愛好家たちは、やはりゴールドやプラチナ、ステンレススチールのモデルが今も欲しいと思っているのではないかと感じた。チタンは多くの人の現状からとてもかけ離れたもののように思えたのだ。

「超高級の時計の愛好家はチタンを選ぶのにいまだに抵抗があるかもしれません。しかし、私には彼らがチタンケースの超高級時計を選ぶようになるということに対して確信を抱いていました。そして、私自身が先駆者になり、愛好家の支持を待つことを決意したのです。」

そしてその時はやってきた。2017年以来、ロジカル・ワン ナチュラルチタンやブラックチタンに多くの愛好家が注目し、プレステージHMS ナチュラルチタンやブラックチタンにも多くの関心が寄せられるようになったのである。 

ローマンは言う。
「時計愛好家の中で、オートオルロジュリ(高級時計)は貴金属やステンレススチールケースのモデルでなくてもいいということを考えている人が増えてきていると感じていました。巧みに加工されたチタンは、単なる既存の素材の代用品ではなく、好みにおいて選択肢になり得る素材なのです。」
「既成概念を覆す私の決意が証明されてきました。思い立った時、皆で協力しあいその実現を目指すのです―オートオルロジュリ(高級時計)であり、美しい仕上げが施され、どこからでもよく見えるムーブメントをチタンケースに収めるということを。」

チタンケースに一番合うローマン・ゴティエの時計がインサイト・マイクロローターだ。自動巻きの効率の良さと、シンプルな美、チタンの着け心地との相性は抜群といえる。

39.5mm径のケースは手首の収まりがよく、チタンの軽さは快適さをさらに高め、時計の美しいデザインも細部にまで及ぶ。ケース側面は曲線を描きベゼルと出会う。
手首の動きを妨げないよう、リューズは2時位置に配される。
そして風防のボンベサファイアクリスタルにつけられた傾斜は、オフセンターに配された時・分の文字盤の上(ローマン・ゴティエの考える文字盤の中心)で一番高くなるように設計されている。

「インサイト・マイクロローター ナチュラルチタンは、カジュアルであることや、スポーティーさからインスピレーションを得ましたが、ドレスウォッチとしての品格も有します。そしてスーツにネクタイといったスタイルでも合わせられます。おそらくほとんどの人がこの時計がチタンケースであることに気付かないでしょう。」そして「インサイト・マイクロローター ブラックチタンはスポーティーさとカジュアルなスタイルに一層強めたものです。しかし同時に、控えめでもあり、一見しただけでは、時計内部がどんなものか想像もつかないかもしれません。」と、ローマンは語る。

 
【素晴らしいメカニズムと卓越した仕上げ】
ローマン・ゴティエは、この時計を鑑賞する人々がその壮観な構造と洗練された仕上げを瞬時に堪能することができるよう、インサイト マイクロローターのムーブメントの視認性を極限まで高めた。
この作品が「インサイト(洞察力)」と名付けられた理由はそこにある。手作業による面取りおよびポリッシュ、渦巻き模様、ストレートグレイン仕上げ、サーキュラーグレイン仕上げ、そして穴石用の穴まで手作業でポリッシュされているのだ。

「ムーブメントが文字盤側面やシースルーバックなどあらゆる角度から見えるということは、インサイト・マイクロローターのムーブメント全体に手作業による仕上げを施さなければなりません。」


文字盤中央を囲むように、スモールセコンド、12時位置には時分表示用サブダイアル、6時位置には鼓動を刻むテンプが配置され、そして地板を丸くくり貫いて特徴的な空間が用意された9時位置では、マイクロローターがスイングしている。その動きは滑らかで、音を立てない。二つのブリッジの間を回転するそのマイクロローターはルビーベアリングを使用し、摩擦を最小限にし、耐摩耗性に優れたものだ。両方向巻きのマイクロローターの繊細な動きは、効率良く二つの香箱を巻き上げ、フルに巻き上げた状態で80時間のロングパワーリザーブを有すのだ。


ディスプレイバックからは、ムーブメントをより良く鑑賞することができる。ブリッジは職人の手によって見事に磨き上げられ、様々な装飾や穴石用の穴が施されると同時に、ローマン・ゴティエならではの審美性に優れるS字スクリューでしっかりと固定されている。さらに、ブリッジ類が描く曲線は、それらに取り付けられた4枚の直線状のプレートと完璧なバランスを見せている。

「インサイト・マイクロローターは着けている時も時計を堪能するという、私が描く現代の時計の在り方を実現するものです。これは当たり前のことかもしれません。ただ、私が言っているのは、腕から外して、機構や仕上げを鑑賞するということではないのです。時間を確認した時に、機構や仕上げを鑑賞する喜びを感じられるということなのです。」
 


インサイト・マイクロローター ナチュランチタン&ブラックチタンは共に、焼成されたエナメル製ダイアル(ホワイト・ブラック・ブルー)を各3種類ずつの展開となり、それぞれ10本の限定となる。
ベルトはカジュアルなマットブラック・アリゲーターストラップや、柔らかなブラックナチュラルラバーを用意。

工芸品とも、工業製品とも異なる、まったく新たな地平から生まれてきた“時計”。しかし、ここにこそ、スイス伝統の時計作りのパッションが息づいているという奇跡。

ぜひぜひ、一度体感していただきたいのである!!



 【技術仕様】

ローマン・ゴティエ「インサイト マイクロローター ナチュラルチタン & ブラックチタン」

◆インサイト
マイクロローター ナチュラルチタン
・グレード5ナチュラルチタンケース、
・ブラックNAC処理及びパラジウム処理を施したムーブメント
(3種類×各10本の限定エディション)

- ホワイトエナメル製ダイアル(18Kゴールド製のベース)に青焼き針:10本
- ブラックエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kホワイトゴールド製針:10本
- ブルーエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kホワイトゴールド製針:10本

 
◆インサイト マイクロローター ブラックチタン

・ADLCグレード5ナチュラルチタンケース、ブラックNAC処理を施したムーブメント
(3種類×各10本の限定エディション)

- マットホワイトエナメル製ダイアル(18Kゴールド製のベース)にガルバニック処理18Kゴールド針:10本
- マットブラックエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kホワイトゴールド製針:10本
- マットブルーエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kホワイトゴールド製針:10本

 

機能 および 表示
オフセンター時表示、分・スモールセコンド表示、自社製自動巻ムーブメント、22Kゴールド製両方向回転マイクロローター、80時間パワーリザーブを実現するダブルバレル 

文字盤 および
焼成されたエナメル製ダイアル(18Kゴールド製のベース)、18Kゴールド製 または 青焼き針(エディションによる)

ムーブメントおよび仕上げ
サイズ:32.1mm × 6.8mm

パワーリザーブ:80時間
石数:33
部品数:206
振動数:毎時28,800回/4Hz
部品の素材:22Kゴールド製マイクロローター、スティール、ステンレススチール、ベリリウム銅、真鍮、洋銀
仕上げ:オートオルロジュリレベルの手仕上げ

 

ケース

サイズ:39.5mm × 12.9mm (最も高い位置)
防水性:50m/5気圧
風防ガラスおよびディスプレイバック:内側にも反射防止加工をしたサファイアクリスタル
2時位置に巻き上げおよび時刻調整用リューズ

 

ストラップ および バックル

マットブラック・アリゲーターストラップもしくはブラック・ナチュラルラバーストラップから選択可能
ナチュラルチタンもしくはADLCチタンのピンバックル、ナチュラルチタンのDバックル

 


【ローマン・ゴティエ お問い合わせ先】
スイス・プライム・ブランズ 03-4360-8669
http://www.romaingauthier.com/