A.ランゲ&ゾーネ、エナメルダイヤル仕様の1815トゥールビヨンを発表!

 By : a-ls


先日、銀座ブティックでみたツァイトヴェルク・トゥールビヨンの記事を書いた際、「近々に、A.ランゲ&ゾーネからなんらかの発表があるかもしれません!」と予告したが、その正体がコチラである!


エナメルダイヤル仕様の1815トゥールビヨン リミテッドエディション!




まずは以下、A.ランゲ&ゾーネからのプレスリリースを。


ストップセコンドおよびゼロリセットを搭載した

A.ランゲ&ゾーネ初のトゥールビヨンモデルに
特別エディションが登場。


2014年にA.ランゲ&ゾーネが発表した1815トゥールビヨンは、トゥールビヨンにストップセコンド機構と秒針位置合わせのためのゼロリセット機構を初めて同時搭載した時計です。特許技術であるこれらの機構により、時計を停止して秒単位の正確さで時刻合わせができます。この度、このモデルに100本限定製作のエナメルダイヤル仕様の特別エディションが登場します。


1815トゥールビヨンのこの100本限定の特別モデルは、伝統の工芸技術と最先端技術を駆使した複雑機構を融合した、究極の精密時計です。一見したところ、白色のエナメルダイヤルを備えた明晰なデザインのこの時計は、控えめで飾り気のない印象を与えます。しかし、6時位置の大きな開口部をのぞくと、この時計が複雑な作りになっていることが分かります。



この開口部からは、ブラックポリッシュで仕上げた受けの下に取付けられたワンミニッツトゥールビヨンの動きを見ることができます。このトゥールビヨンは、重力の影響を相殺するだけではありません。A.ランゲ&ゾーネの設計技師たちは、この繊細な複雑機構と特許を取得した二つのメカニズムを連動させる技術を開発しました。1997年に発表されたランゲマティックに初搭載されたゼロリセット機構を、2008年に特許を取得したストップセコンド搭載トゥールビヨンと組み合わせることにより、秒単位での時計の停止と時刻合わせを可能にしたのです。


●ゼロリセットの略図(秒針につけらえたハート状のカムをハンマーが叩くことで秒針が帰零する)と、トゥールビヨンを止めるパーツ、"ハックレバー”


サファイアクリスタルのシースルーバックからは、自社製キャリバーL102.1の丹念に手作業で施された仕上げ装飾だけでなく、その精巧な動きもよく見えます。ムーブメントの精緻な装飾を締めくくるのは、ハンドエングレービング入り秒針車受けにビス留め式ゴールドシャトンで取付けられたダイヤモンド受け石です。



完璧に仕上げられたエナメルダイヤルにぴったりのフレームであるプラチナ製ケースは直径39.5ミリで、限定製作のシリアル番号001/100~100/100が刻まれています。このモデル1本を仕上げるのに要する手作業の工程は、約30におよびます。別途プリントして焼成した赤い「12」の数字には、A.ランゲ&ゾーネの真の時計を作ることへのこだわりが反映されています。

青焼きしたスチール製針、アラビア数字、線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りをあしらったダイヤルデザインは、19~20世紀に名声を誇ったA.ランゲ&ゾーネの懐中時計を彷彿とさせます。

この1815トゥールビヨンは、ブラックの手縫いのアリゲーターベルトにプラチナ製フォールディングバックルを組み合わせ、落ち着きを感じさせる装いで登場します。




1815トゥールビヨン (Ref. 730.079F)

ムーブメント
ランゲ自社製キャリバーL102.1、手巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、ハンドエングレービング入り秒針車受け


ムーブメント部品数 :262
石数 :20石、うち1石はダイヤモンド受け石
ビス留め式ゴールドシャトン :3石
脱進機 ;アンクル脱進機
調速機 :耐震機構付きチラネジテンプ、自社製ヒゲゼンマイ、毎時21,600振動
パワーリザーブ :完全巻上げ状態で72時間
機能 :時、分およびストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示/特許技術ストップセコンドおよびゼロリセット機構付きワンミニッツトゥールビヨン

操作系 :ゼンマイ巻上げ、時刻合わせおよびゼロリセット機構操作用リューズ
ケース寸法 :直径:39.5 mm、高さ:11.3 mm
ムーブメント寸法 :直径:32.6 mm、高さ:6.6 mm

風防ガラスおよびシースルーバック:サファイアクリスタル(モース硬度9)
ケース :プラチナ
ダイヤル :ホワイトエナメル仕上げのブロンズ
針 :ブルースチール
ベルト :手縫いアリゲーターベルト、ブラック
バックル :プラチナ製フォールディングバックル
限定数 :100本
(※参考価格 :198,000ユーロ)


以上がリリースからの引用である。
多くの方が感じるのは、なぜこの時期にこの作品が出されたのかという点ではないだろうか。これは非常に興味深いところであるが、個人的な推察としては、数年前に設置された自社エナメル工房の量産に、ようやく目途がついたことを実証するためのトライアルではないかとみている。



また今回A.ランゲ&ゾーネからは製品開発ディレクター、アントニー・デ・ハス氏のインタヴューも配信されており、それによってこの作品に関するいくつかの注目点が語られているので、そちらも見てみよう。


ーーこの作品について。

 アントニー・デ・ハス(以下A):ある意味、「1815トゥールビヨン」はA.ランゲ&ゾーネの神髄を一番体現する時計かもしれません。ブランドの伝統性と時代の先駆者的発明の両方がバランスよく共存しているからです。大きく設計されたトゥールビヨンに、ゼロリセット機構とストップセコンドという2つの特許技術が搭載されています。これらの機構は派手ではないですが複雑で難易度が高く、我々の実直で高品質な時計作りの姿勢を象徴しています。時計の表からは見えない「縁の下の力持ち」として、精度、機能とパフォーマンスを向上させる隠れた英雄たちです。
時計のクラシックさを際立たせるエナメル素材のダイヤルは、かつてのランゲの懐中時計にもみられたアラビア数字のインデックス、レイルウェイ風の分目盛やブルースチール針といった要素が盛り込まれています。我々の根底にあったのは、古典的な時計作りを現代に継承する橋渡し役としての使命感でした。


―― 特許取得のストップセコンド搭載トゥールビヨンの特徴、そしてゼロリセット機構との連結について:

A: ストップセコンド機能が付いた腕時計はよくあります。でも、トゥールビヨンに搭載されることは長年ありませんでした。理由は、常に回転するトゥールビヨンケージ内のテンプを止めることは技術的に不可能と されていたからです。しかしA.ランゲ&ゾーネは不可能を可能にしました。リューズを引くと“ハックレバー”と呼ばれるV字型のバネを携えたレバーが作動します。Vを構成する2つのアームの一方がケージの3つの支柱のひとつに接触、もう1つのアームがテンプに接触し、トゥールビヨンの回転を停止させます。さらに、「1815トゥールビヨン」ではストップセコンド機構のハックレバーがゼロリセット機構と連結して、 トゥールビヨンケージの停止とあわせて秒針がクロノグラフのように瞬時にゼロ位置に戻ります。これによって、秒単位での時刻合わせが容易になります。


●1815トゥールビヨンについて語るアントニー・デ・ハス開発部長(2014年のオリジナル発表当時の映像より)


ーー12時のインデックスを赤色にした意図について

 A:昔の懐中時計の文字盤でもよく見られたデザイン手法で、赤は差し色として効果を発揮します。昔からの正統的な時計作りへのこだわりはA.ランゲ&ゾーネの特徴ですが、その分手間がかかります。赤いインデックスを焼きつけるために別工程が必要になるのです。

ーーエナメルダイヤルの製作で最も困難だった点。

A:エナメルは気まぐれで時間がかかります。製作に数日を要し、さまざまな工程を何度も何度も繰り返さなくてはなりません。ダイヤルの表面を完璧に仕上げるためにクリーンな環境も必要で、極小のちりやほこりも許されないのです。


いかがだろうか。
ここでエナメルに関して少し補足しておく。昔の懐中時計で12時の色を換える(多くが赤だが、まれに青などもある)のは、エナメルの焼成技術の高さを誇示するために始まったという歴史があり、この点からも今回の作品がエナメル技術にスポットが当てられていると想像できる。

 そしてエナメル文字盤を優先しているもう一つの証拠が、この作品のケース厚だ。 
通常の金属文字盤に対し、同じく金属をベースにしつつも、その表裏に油で溶いたガラス質を何層か塗布してその都度に焼成するエナメルは、通常の金属文字盤よりもコンマ数ミリ程度多くの厚みを必要とする。
「この時計、文字盤をエナメルにして特注できないかなぁ~」などというマニアの不埒なカスタマイズ欲望は、このコンマ数ミリの壁に阻まれ、断られることが多い(笑)。
今回のエナメルの1815トゥールビヨンもその例外ではなく、2014年のオリジナル発表時には11.1㎜厚だったケース厚が、このエナメル・ヴァージョンでは11.3㎜厚となっている。腕時計にとって0.2㎜のプラスは重大である。通常のケースに収めるとj時分針の長さが足りなくなるか、針のカシメ部分が風防に接触してしまうなどの不都合が生じるからだ。そのため、この作品は風防もしくはケースに設計変更を行っているはずだ(キャリバー番号の末尾の枝番が1のままなのでムーブメントの設計変更はなかったとみている)。つまりさらなるコストをかけても完成させたかったという、この作品の持つ伏線が、ここにもうかがえるのである。

1815トゥールビヨンとえばデザイン面でも賛否あった作品だが、ホワイト・エナメルというある意味清廉な素材を得て、ダイヤルの凝縮感、静謐さなどがどのように時計の表情を構築しているのか、すなわちそれこそがA.ランゲ&ゾーネのエナメルセクションの現在の実力と直結するのであるが、それらはやはり、実機を見てから判断したいと思う!


ちなみにこれはブティック限定ではなく、正規店であれば問合せ可能とのこと。
いずれにしても、世界100本限定となれば、いつまでも残ってはいまい。
実機レポート前に"完売”してしまったら、ごめんなさい、である(笑)。



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