Chopard Academy
By : CC Fan出張から帰ってまいりました。
色々書きたいことはあるのですが、まずは出張直前の11月12日にKIHさんの代理として参加した雑誌Chronos主催のChopard Academyについて書きたいと思います。
ショパールジャパン 代表取締役 トーマス ドベリ氏
イベントは2部構成で、前半はChronos編集長の広田雅将氏によるChopardのすごさを紹介するプレゼンテーション、後半は新作を含む既存コレクションを拝見しながら歓談という構成でした。
プレゼンテーションは追ってChronosにも掲載されるでしょうし、広田さんが消されそうなオフレコのお話も多かったため割愛し、主に新作と気になっていたタイムピースについて記したいと思います。
ただ、プレゼンの中でKantharosで謎だった部品の機能が判明した事があったので、これは追って紹介したいと思います。
新作としてGMTのL.U.C GMT One、ワールドタイムのL.U.C Time Traveler One、そしてミニッツリピーターのL.U.C Full Strikeが発表されています。
今回はこのうち、前者の二つについては実際に実機を、後者についてはスイスにて実機を見てこられた広田さんにお話を伺うことができました。
しかし、GMTとワールドタイムについては実機を拝見したものの、機構についてまだ不明な点を問い合わせ中ですので、今回はFull Strikeについてのみをまとめたいと思います。
Full Strikeを最も特徴づけているのは何といってもサファイヤ塊から風防一体で削り出したサファイヤのゴングです。
風防一体型のサファイヤゴング
サファイヤは硬い反面非常に割れやすく(靭性が低い)、この形に加工するだけでも大変な労力を要すると考えられます。
また、ゴングによる衝撃も150万回のテストに合格しており、割れる心配はまずないとのことです。
今までも音をダイレクトに響かせるために風防に"接着"した構造のゴングはありましたが、結晶がつながった一体型というのは前代未聞です。
音を乱す継ぎ目をなくすことで、振動がロスすることなく響きわたり、良い音を奏でるということのようです。
またゴングや付け根が透明なため、ハンマーやリピーター輪列が表面に可視化されているにもかかわらず、ゴングだけが見えないという不思議な光景を目にすることができます。
フロントビュー
目を凝らすとハンマーの根元にゴングの付け根が見えますが、ぱっと見では何もないように見えます。
リピーターの輪列に関しても新機軸が投入されており、構造としては旧来のスライダで起動するリピータよりもむしろグラン・ソヌリから自動起動機能を取ったような構造になっているそうです。
旧来のリピーターは動作エネルギーをチャージするためのスライダにつながるレバーとエネルギー放出先のリピータ輪列が同じ場所につながっており、両者はスライダのワンウェイクラッチ相当の機構で分離しているだけなので、エネルギー放出中に引こうと思えば再びスライドを引くことができました。
しかし、再び引くとレバーの位置などが想定外の状態で無理やり押し込んでいるようなものなので、たいてい壊れます(二度引き)。
これに対しソヌリベースであれば巻き上げ(リュウズ→ソヌリ香箱芯)と放出(ソヌリ香箱→ソヌリ輪列)は分離しているため、動作中に巻き上げても直接破たんには至りません。
また、起動もクラッチを切り離すボタンによって行いますので、スライダに比べれば動作中のブロックもやりやすい構造です。
実際にはボタンとリュウズをリピータ動作状態に合わせて切り離す機構を追加し、さらに安全にしています。
バックビュー
バックビューを見るとクアトロのような2重香箱×2の構造に見えますが、片方が計時用香箱、もう片方がストライク用香箱になっているそうです。
リュウズの回転方向で巻き上げる香箱が切り替わる仕組みで、パワーリザーブインジケータも同軸で2本分備えられています。
また、パワーリザーブインジケータに連動し、パワーリザーブが少ない場合はそもそもリピーターが起動しない安全装置も備えられています。
手元に置くことは難しいでしょうが、一度は音を聴いてみたいと思うような素敵な構造です。
ショパール・マニュファクチュール20周年を記念する力作ピースだと思います。
発表ニュースもご覧ください。
長年見たいと思っていた"鳴り物"アワーストライカーのストライク・ワンも拝見できました。
L.U.C Strike One
こちらは2006年発表とのことで、ちょうど10年前です。
正時ごとに単音で時間を知らせ、10時位置のボタンでON/OFFできます。
見た目はかなり好みですが、音が少し慎ましやか過ぎてしまうのが残念でした。
色々書きたいことはあるのですが、まずは出張直前の11月12日にKIHさんの代理として参加した雑誌Chronos主催のChopard Academyについて書きたいと思います。
ショパールジャパン 代表取締役 トーマス ドベリ氏
イベントは2部構成で、前半はChronos編集長の広田雅将氏によるChopardのすごさを紹介するプレゼンテーション、後半は新作を含む既存コレクションを拝見しながら歓談という構成でした。
プレゼンテーションは追ってChronosにも掲載されるでしょうし、広田さんが消されそうなオフレコのお話も多かったため割愛し、主に新作と気になっていたタイムピースについて記したいと思います。
ただ、プレゼンの中でKantharosで謎だった部品の機能が判明した事があったので、これは追って紹介したいと思います。
新作としてGMTのL.U.C GMT One、ワールドタイムのL.U.C Time Traveler One、そしてミニッツリピーターのL.U.C Full Strikeが発表されています。
今回はこのうち、前者の二つについては実際に実機を、後者についてはスイスにて実機を見てこられた広田さんにお話を伺うことができました。
しかし、GMTとワールドタイムについては実機を拝見したものの、機構についてまだ不明な点を問い合わせ中ですので、今回はFull Strikeについてのみをまとめたいと思います。
Full Strikeを最も特徴づけているのは何といってもサファイヤ塊から風防一体で削り出したサファイヤのゴングです。
風防一体型のサファイヤゴング
サファイヤは硬い反面非常に割れやすく(靭性が低い)、この形に加工するだけでも大変な労力を要すると考えられます。
また、ゴングによる衝撃も150万回のテストに合格しており、割れる心配はまずないとのことです。
今までも音をダイレクトに響かせるために風防に"接着"した構造のゴングはありましたが、結晶がつながった一体型というのは前代未聞です。
音を乱す継ぎ目をなくすことで、振動がロスすることなく響きわたり、良い音を奏でるということのようです。
またゴングや付け根が透明なため、ハンマーやリピーター輪列が表面に可視化されているにもかかわらず、ゴングだけが見えないという不思議な光景を目にすることができます。
フロントビュー
目を凝らすとハンマーの根元にゴングの付け根が見えますが、ぱっと見では何もないように見えます。
リピーターの輪列に関しても新機軸が投入されており、構造としては旧来のスライダで起動するリピータよりもむしろグラン・ソヌリから自動起動機能を取ったような構造になっているそうです。
旧来のリピーターは動作エネルギーをチャージするためのスライダにつながるレバーとエネルギー放出先のリピータ輪列が同じ場所につながっており、両者はスライダのワンウェイクラッチ相当の機構で分離しているだけなので、エネルギー放出中に引こうと思えば再びスライドを引くことができました。
しかし、再び引くとレバーの位置などが想定外の状態で無理やり押し込んでいるようなものなので、たいてい壊れます(二度引き)。
これに対しソヌリベースであれば巻き上げ(リュウズ→ソヌリ香箱芯)と放出(ソヌリ香箱→ソヌリ輪列)は分離しているため、動作中に巻き上げても直接破たんには至りません。
また、起動もクラッチを切り離すボタンによって行いますので、スライダに比べれば動作中のブロックもやりやすい構造です。
実際にはボタンとリュウズをリピータ動作状態に合わせて切り離す機構を追加し、さらに安全にしています。
バックビュー
バックビューを見るとクアトロのような2重香箱×2の構造に見えますが、片方が計時用香箱、もう片方がストライク用香箱になっているそうです。
リュウズの回転方向で巻き上げる香箱が切り替わる仕組みで、パワーリザーブインジケータも同軸で2本分備えられています。
また、パワーリザーブインジケータに連動し、パワーリザーブが少ない場合はそもそもリピーターが起動しない安全装置も備えられています。
手元に置くことは難しいでしょうが、一度は音を聴いてみたいと思うような素敵な構造です。
ショパール・マニュファクチュール20周年を記念する力作ピースだと思います。
発表ニュースもご覧ください。
長年見たいと思っていた"鳴り物"アワーストライカーのストライク・ワンも拝見できました。
L.U.C Strike One
こちらは2006年発表とのことで、ちょうど10年前です。
正時ごとに単音で時間を知らせ、10時位置のボタンでON/OFFできます。
見た目はかなり好みですが、音が少し慎ましやか過ぎてしまうのが残念でした。
www.chopard.jp
お問い合わせは、ショパールジャパンまで
ショパール ジャパン 株式会社
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座2-4-14
設立:2006年12月22日
電話番号:03-5524-8975(代表)
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