【連載】WATCH MEDIA ONLINE スイス時計製造現場視察ツアー レポート"番外編Ⅳ”~関口陽介氏 ルロックルワークショップ訪問、プリムヴェール制作中!

 By : CC Fan

昨年10月に行ったWATCH MEDIA ONLINE主催の海外工房を巡るツアーのレポート、最終日の自由行動中に訪れた「番外編」その第4回をお送りします。

前回ベルナルド・レデラーの工房(MHM社)のハイテク部門を紹介したあと、書くのが遅れ、時間が空いてしまって申し訳ありません…今回は「工芸」の方…のつもりだったのですが、いまいち上手くまとまらないので、先に同日午後に訪れたル・ロックル在住の日本人時計師 関口陽介氏の工房にお邪魔したレポートをお送りします。

関口氏のご厚意でMHM社前でピックアップしてもらい、氏の運転で高速道路を通りル・ロックルの工房へ。

工房は氏が生活するアパートメントと同じ建物内の別の部屋に作られています。



ル・ロックルの風景が一望できます。



逆光ですみません…
工房には氏がスイス生活の中で集めた工作機械が据え付けられています。

現在はプリムヴェールの制作の真っ最中。



エボーシュ設計と部品製造も終わり、一通りの部品が揃って現在は仕上げと組み立てを行っている…と言うプリムヴェールのムーブメント群。
後ろの伏せ瓶?に10個、手前に2個のムーブメントが置かれています。

それぞれの部品は氏が納得するまで仕上げ、組み込んだ後も納得するまで追い込んでいます。



アンティークのバイメタルテンワを氏が青焼きし、古典に見られるツートンカラーのテンワのように仕上げたもの。
バイメタルテンワは温度補正のために慣性モーメントが温度で変化するようにテンワの一部をカットして使用されましたが、現代のヒゲと組み合わせたためにカットは不要と判断、そのまま使用するそうです。

このテンワもそうですが、すべてのコンポーネントの仕上げは自分自身で行い、少しでも納得できないものは出したくない…と言うのが氏のやり方です。



古典的な工作機械が使いこまれています。



標準時計然としたレギュレータークロック。



アンティークの置時計?ムーブメントも…



こちらは懐中時計のムーブメント(プリムヴェールとは別の机)。



工具が整然と…



時計旋盤、脱進機模型、エンジンの模型?

こんな感じでやってます、と一通り案内していただいた後は最初の窓の部屋に戻り、コーヒーを飲みながら歓談。
プリムヴェールが形になり、期待して待ってくれているお客様が居るのは嬉しいというような心情を伺いました。



クラーレ社勤務の時に拝見した懐中時計(WMOの記事は2016年!)とプリムヴェールのツーショット…
思えば遠くに来たものですネ(カンタロスはまだ安定しませんが)。



プリムヴェールの素晴らしさは今更ですね…
筆記体でYosuke Sekiguchiと書かれた専用のトレイも作られていました。



取材なのか、単純に駄弁ってるだけなのか、と言うのは去年末に書いた通り…

またジュネーブイベントのあたりで!とヌーシャテルでお別れ、いつもありがとうございます!

公式サイト
https://yosuke-sekiguchi.com/index.html