名著復刻シリーズ「わかりやすい最新時計学」(誠文堂新光社刊)レポート~読者3名様にプレゼント企画もあり!!

 By : CC Fan

名著復刻シリーズ、「わかりやすい最新時計学」を拝読させていただきましたのでレポートします。



この本は誠文堂新光社から1968年に刊行された同名書籍の復刻版であり、当時の資料をそのまま読むことができます。


公式ページより引用

はしがきにも記されているように、①時計に関心のある一般の人たち、②時計技術を取得したい人、および時計技術者の国家試験を受験される人、③時計の販売・製造に携わり、時計の常識を持ちたい人、④中学校の技術・家庭科の参考書、に向けて書かれたとされています。

特に、④の試みが素晴らしく、中学校の理科・技術・家庭科の範疇で理論の解説を試みており、時計の専門書は専門用語が多すぎてちょっと…という事が無いように平素な説明が心がけられている印象です。
個人的に現在の時計用語にも感じる、「定義と日本語表記のあいまいさ」にも触れ、JIS規格での見直しを提唱しています(もっとも現在も…)

内容としては、各章の概要を羅列すると、日時計・水時計から時計の歴史、時刻とこよみのはなし、時間はどうやって決められるか、置時計の構造と部品、置時計の分解・組み立て・修理の方法、電気時計の原理と構造、腕時計の常識(Q&A集)、腕時計の種類と構造、腕時計の分解・組み立て・調整、特殊な腕時計、時計メーカー、時計理論となっています。

見ての通り、網羅的な内容でもちろん最初から読んで理解していくも良いですが、個人的には「参考書」的に調べたいこと・興味のあるところから読んで理解していき、それ以外は「概要」だけ覚えておき、必要な時に読み返す…と言う使い方が良いのではと思いました。、

歴史の説明では時計の進歩だけではなく、こよみとは、時間とはそもそもどういうものなのかと言う事を天文学的なバックグラウンドも含めて説明しています。
「近時差」「平均太陽時」などのキーワードは知っていてもいまいち自信がない…と言う概念を改めて理解してみるのも良さそうです。


公式ページより引用

腕時計・置時計の構造・組み立ての解説についても一通り必要なことは網羅されており、もちろん工具の用意・器用さにもよりますが、この本の知識だけで組み立て・調整することはできるような内容になっていると思います。
組み立て後の調整についても「最新」のタイムグラファーの読み方が書かれており、これは現代のWitschiにも応用できます。

日差だけが注目されがちな精度に関しても、日較差をはじめとした評価基準について平素に説明してあり、「精度が良い」と言う意味が分かるのではないでしょうか。

刊行された1968年はクオーツ腕時計が実用化される以前であり、各社が「電気・電子式」と呼ばれたトランジスターを使用した時計の開発にしのぎを削っていた頃であり、「最新技術」としてそれぞれのメーカーが独自の方法を模索していました。
電磁テンプ、音叉式、電磁振り子、そしてラジオの時報で機械的に時刻を合わせる初期の電波時計…と各社の取り組みが見られるとともに、あまり顧みられることのない機械式とクオーツの間の進化の系譜を当時の空気感で感じることができます。
「機械式とクオーツはやってることは同じ」と思っていますが、この言葉が何を示しているか感じていただけるかもしれません。


【書籍概要】
わかりやすい 最新時計学
1960年代国産アナログ時計の全技術
著者: 国友 秀夫 / 著者: 佐藤 政弘
仕様:A5判・498ページ
定価(税込):7,700円
発売日:2024年01月06日
ISBN:978-4-416-82310-1

書籍情報・立ち読みはオフィシャルサイトへ
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/general/85367/

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