ワンハンドの珍しいダイバーズウオッチ
By : @kikuchiファーブル・ルーバという時計ブランドをご存じですか。2016年10月から日本での展開が始まったようですが、私の記憶では恐らく7年ぶりの再上陸ですね。今回、そのファーブル・ルーバのコレクションにちょっとユニークなモデルがあったので取り上げてみました。
さて、ファーブル・ルーバとはどんなブランドかと言いますと、ブランド創設は1737年。何とブランパン創業の2年後にできた世界で2番目に古い（創業時期が）時計ブランドということになります。
●1800年代後期のものと思われるファーブル・ルーバの広告
日本ではあまり知られていませんが、19世紀から20世紀の初頭にかけては、ヨーロッパはもちろん、特に中近東やインド、南北アメリカ、ロシアなどに販路を精力的に拡大したマニファクチュールとして、ヨーロッパではよく知られる存在です。
ちなみにアンティーク市場では、ファーブル・ルーバとゼニスの名前を併記したWネームの懐中時計や腕時計をみかけることがあります。（同族だった両者は1908年トップに就いた7代目アンリ・ファーブル・ルーバの時代から関係を深め1960年代まで続いたらしい。ただこれについての正式な資料は未確認。ちなみにゼニスの創業者はジョルジュ・ファーブル=ジャコ）
● 写真：クールオークション
http://cool-auction.net/pcweb/ZENITH/zenith-021.html
そして、1960年代に入るとけっこう革新的なモデルをリリースしておりました。62年に発表した高度と気圧を測定できる世界初の腕時計「ビバーク」を筆頭に、68年には水深計を搭載した「バスティ50」、現在深度も表示できる世界初の機械式時計「バスティ160」などを生み出しているのです。おもしろいことに70年頃には毎時36000振動のハイビード自動巻きムーヴメント、Cal.FL1164を搭載した角形モデルも展開していました。
その後、クォーツ時計の台頭により経営が悪化。以降、何度か所有者が変わるなど紆余曲折があったものの、最終的には2011年にインドのタタ・グループに買収され、現在に至るというわけです。
【ビバーク】1962年発表。高度と気圧を測定するアネロイド気圧計（外の気圧に応じて膨らんだり凹んだりする動きを、針の動きに変えて気圧を表示）を搭載（写真：スイス プライム ブランズ）
【バスィ 50】1968年発表。赤い針で最大50mまで計測可能な水深計を搭載。メートル表示仕様、フィート表示仕様の2種類があり （写真：スイス プライム ブランズ）
【バスィ 160】現在深度も表示できる世界初の機械式腕時計。ひとつ上の写真のバスィ 50のほうはメートル表示だが、こちらはフィート表示（写真：スイス プライム ブランズ）
そんなファーブル・ルーバですが、今年（2017年）はちょうど創業から280年目となる記念すべき年。そのため、聞くところによると、バーゼルワールド2017において新生ファーブル・ルーバとして正式に発表された後、世界展開がはかられるとのこと。ただ、日本は重要なマーケットのひとつとして位置づけられていることから先行リリースされたのだそうです（編集部談）。
そして、新生ファーブル・ルーバを象徴するモデルがこのライダーシリーズに属するハープーンなのです。
●写真：笠井修／パワーウオッチ91号
見た目はワンハンド（1本針）のダイバーズウオッチですが、この針、実は分針なのであります。ワンハンドといえば時針のみ1本というのが本来のスタイルですね。しかしこのモデルはあくまでも潜水時間の計測を優先しているため時針ではなく分針となっているのです。
●写真：笠井修／パワーウオッチ91号
では、現在時刻を知るにはどうしたらいいのか・・・。
文字盤外周のアワーリング（1〜12の数字がある白いリング）が「時」を示し、その内側の長方形のインデックスが「分」を表します。白いアワーリングは1本針の分針と連動しながらゆっくりと右回転（12時間かけて1周）。つまり時を知るには分針の指し示すアワーリング上の数字を読み取ればいいわけです。1本で同時に「時」と「分」を指し示す。何ともユニークではありませんか。ちなみにセンター軸に設けられたディスク型の小さな針（全体写真参照）が秒針の代わりです。
ライダーシリーズにはこのハープーンのほかに、300m防水で通常タイプのダイバーズモデル「ディープブルー」28万800円。200m防水のクロノグラフダイバー「シースカイ」58万3200円がラインナップされています。前回（恐らく2007年から2009年頃）日本で展開されたときは、価格が100万円オーバーだったことを考えると、ずいぶんと魅力的なプライスレンンジになっています。さて今後、どのような展開をするのか、ちょっと気になるところですね。
●ケースサイズは46mm、ケース厚は16.5mmとだいぶ大振りで存在感はかなりのもの（写真：笠井 修／パワーウオッチ91号）
●暗闇でも文字盤全体がブルーにしっかりと発光するため非常に見やすい（写真：笠井 修／パワーウオッチ91号）
FAVRE-LEUBA （ファーブル・ルーバ ）
ハープーン
Ref.00.10101.08.13.31
ケース径：46mm
ケース素材：ステンレススチール
ムーヴメント：自動巻き（SELLITA200ベース）
防水性：500m
税込価格：￥534.600
●問い合わせ
ファーブル・ルーバ ジャパン
スイス プライム ブランズ株式会社
TEL：03-4360-8669
さて、ファーブル・ルーバとはどんなブランドかと言いますと、ブランド創設は1737年。何とブランパン創業の2年後にできた世界で2番目に古い（創業時期が）時計ブランドということになります。
●1800年代後期のものと思われるファーブル・ルーバの広告
日本ではあまり知られていませんが、19世紀から20世紀の初頭にかけては、ヨーロッパはもちろん、特に中近東やインド、南北アメリカ、ロシアなどに販路を精力的に拡大したマニファクチュールとして、ヨーロッパではよく知られる存在です。
ちなみにアンティーク市場では、ファーブル・ルーバとゼニスの名前を併記したWネームの懐中時計や腕時計をみかけることがあります。（同族だった両者は1908年トップに就いた7代目アンリ・ファーブル・ルーバの時代から関係を深め1960年代まで続いたらしい。ただこれについての正式な資料は未確認。ちなみにゼニスの創業者はジョルジュ・ファーブル=ジャコ）
● 写真：クールオークション
http://cool-auction.net/pcweb/ZENITH/zenith-021.html
そして、1960年代に入るとけっこう革新的なモデルをリリースしておりました。62年に発表した高度と気圧を測定できる世界初の腕時計「ビバーク」を筆頭に、68年には水深計を搭載した「バスティ50」、現在深度も表示できる世界初の機械式時計「バスティ160」などを生み出しているのです。おもしろいことに70年頃には毎時36000振動のハイビード自動巻きムーヴメント、Cal.FL1164を搭載した角形モデルも展開していました。
その後、クォーツ時計の台頭により経営が悪化。以降、何度か所有者が変わるなど紆余曲折があったものの、最終的には2011年にインドのタタ・グループに買収され、現在に至るというわけです。
【ビバーク】1962年発表。高度と気圧を測定するアネロイド気圧計（外の気圧に応じて膨らんだり凹んだりする動きを、針の動きに変えて気圧を表示）を搭載（写真：スイス プライム ブランズ）
【バスィ 50】1968年発表。赤い針で最大50mまで計測可能な水深計を搭載。メートル表示仕様、フィート表示仕様の2種類があり （写真：スイス プライム ブランズ）
【バスィ 160】現在深度も表示できる世界初の機械式腕時計。ひとつ上の写真のバスィ 50のほうはメートル表示だが、こちらはフィート表示（写真：スイス プライム ブランズ）
そんなファーブル・ルーバですが、今年（2017年）はちょうど創業から280年目となる記念すべき年。そのため、聞くところによると、バーゼルワールド2017において新生ファーブル・ルーバとして正式に発表された後、世界展開がはかられるとのこと。ただ、日本は重要なマーケットのひとつとして位置づけられていることから先行リリースされたのだそうです（編集部談）。
そして、新生ファーブル・ルーバを象徴するモデルがこのライダーシリーズに属するハープーンなのです。
●写真：笠井修／パワーウオッチ91号
見た目はワンハンド（1本針）のダイバーズウオッチですが、この針、実は分針なのであります。ワンハンドといえば時針のみ1本というのが本来のスタイルですね。しかしこのモデルはあくまでも潜水時間の計測を優先しているため時針ではなく分針となっているのです。
●写真：笠井修／パワーウオッチ91号
では、現在時刻を知るにはどうしたらいいのか・・・。
文字盤外周のアワーリング（1〜12の数字がある白いリング）が「時」を示し、その内側の長方形のインデックスが「分」を表します。白いアワーリングは1本針の分針と連動しながらゆっくりと右回転（12時間かけて1周）。つまり時を知るには分針の指し示すアワーリング上の数字を読み取ればいいわけです。1本で同時に「時」と「分」を指し示す。何ともユニークではありませんか。ちなみにセンター軸に設けられたディスク型の小さな針（全体写真参照）が秒針の代わりです。
ライダーシリーズにはこのハープーンのほかに、300m防水で通常タイプのダイバーズモデル「ディープブルー」28万800円。200m防水のクロノグラフダイバー「シースカイ」58万3200円がラインナップされています。前回（恐らく2007年から2009年頃）日本で展開されたときは、価格が100万円オーバーだったことを考えると、ずいぶんと魅力的なプライスレンンジになっています。さて今後、どのような展開をするのか、ちょっと気になるところですね。
●ケースサイズは46mm、ケース厚は16.5mmとだいぶ大振りで存在感はかなりのもの（写真：笠井 修／パワーウオッチ91号）
●暗闇でも文字盤全体がブルーにしっかりと発光するため非常に見やすい（写真：笠井 修／パワーウオッチ91号）
FAVRE-LEUBA （ファーブル・ルーバ ）
ハープーン
Ref.00.10101.08.13.31
ケース径：46mm
ケース素材：ステンレススチール
ムーヴメント：自動巻き（SELLITA200ベース）
防水性：500m
税込価格：￥534.600
●問い合わせ
ファーブル・ルーバ ジャパン
スイス プライム ブランズ株式会社
TEL：03-4360-8669
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