ジュネーブウォッチデイズ速報、CODE41 Mecascape 現代的なデスク・トラベルクロックの実機を拝見

 By : CC Fan

現在開催中のジュネーブウォッチデイズより、「速報で伝えたい」と思った作品を夜なべ(スイス時間基準)でお伝えする企画の第3弾。

インターネットなどで見かけて「見てみたいな」と思いつつなかなか機会がない作品と偶然?に遭遇できるのも展示会の魅力ではあります。

数年前に見かけてよさげと思っていたCODE41というブランドのMecascapeという作品を拝見することができましたのでレポートします。



トラベルクロック、デスククロックとして使うことができるカード型の薄型機械手巻き時計、というニッチなターゲットを狙っています。



かなり薄く、スマホよりも薄いと感じます。
逆にサイズ感は写真で見るよりも大きい、という印象です。
本体のほか、携帯用のレザーケース、デスククロックとして使うときのスタンドが付属します。





レザーケースには引き出すための「ベロ」が設けられており、それを引っ張ることで容易に取り出すことができます。



スタンドを取り付けます。
本体のネジ部分の凸とスタンドの凹部分がかみ合うことで自然にセンターにスタンドが配置されるようになっているデザインです。
時分秒がそれぞれ別の軸で表示されるレギュレータースタイルのメインダイヤルと、24時間表示のGMT時ダイヤル、8日間のパワーリザーブインジケーターが備えられています。
デスククロックやトラベルクロックで見かけられた「一週間巻き」で決まった曜日にふるまきすれば後は気にしなくていい、という利便性です。

リュウズは左右に対称にあり、向かって右側のリュウズで巻き上げとGMT時刻の修正を、向かって左側のリュウズでメインダイヤルの時刻をセットします。
GMTダイヤルは1時間ごとではなくメインと同じ筒カナによるスリップ時合わせのため、手動のクロノグラフ的に使うこともできます。



サイズ感が伝わるかの比較、私物のスタンド付きケースを装着したiPhone 15 Pro Maxと並べてみます。
ポータブルクロックという昔の概念を現代のスマホの文脈で作り直した作品、とみなすこともできるかもしれません。
薄型で風防の開口が大きいですが強固なチタン製ケースにより持っていて不安感はなかったです。



ケースバックからは機構の一部と39石の表示を見ることができます。



カラーバリエーション。



このほか腕時計のモデルも拝見しましたが、まずはMecascapeとCODE41というブランドそのものについて。



左のClaudio D'Amore氏によって2016年にブランドが設立されます。
右は元オートランスのCEOで、今回のミーティングをアレンジしてくれたギョーム・テトゥ氏。

ユニークなCODE41というブランド名は国際電話でのスイスの国番号41とWebの世界でエラーを表すHTTP Code 400番台を捻って名付けられました。
名でエラーの意味がある名前をブランド名にしたのか?というのはエラーというのは現在の状態(現状)から逸脱(変化)している、というニュアンスで新しいことというのは一見エラーにもみえるというような洒落を込めているそうです。

スイスの国番号をブランド名に冠していることから、「SWISS MADE」に拘りがあるのか?と質問してみたところより発展させた発想であるTTOという考え方が説明されました。



TTOはTotal Transparency on Originの略で、日本語に訳すと「総合的な起源の透明性」でしょうか?
SWISS MADEは製造コストを基準に一定以上がスイス製であれば全体をスイス製と見做してよい、という規格であり、基準としては曖昧過ぎる、という批判もありました。
TTOでは見做すのをやめ、すべての部品がどこから来ているのか?ということを正直に公開しています。

例えば、腕時計のケースは中国のサプライヤーから、ムーブメントはセリタ、と正直に公開していますし。Mecascapeのムーブメントはムーブメントサプライヤーのセルクル・ド・オロロジによるカスタム設計のムーブメントである、とTTOの説明の中で告げられました。

個人的にはなんでもかんでも「自社」「SWISS MADE」という方向性よりは応援したい、と思える考え方です。



インターネットで見かけてから気になっていましたが、想像以上でした!

https://code41.com/
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