カシオ ”G-SHOCK”、中国における不正競争訴訟に勝訴~異例の高額賠償金も認める判決

 By : KITAMURA(a-ls)


”G-SHOCK”が、中国における不正競争訴訟で勝訴

中国ではパチもの販売は当たり前だし、それに対して日本企業がいくら訴訟を起こしても、(政治的なスタンス含め)司法の独立に問題があるとされる中国では、ほとんど勝ち目はないというのが大方の思うところだが、このほど、カシオ計算機が起こした裁判で、広東省最高裁判所が控訴審判決を下し、カシオが勝訴した。


カシオ計算機が訴えていたのは、広州市特遠表業有限公司および深セン市特斯高時計有限公司(以下、両被告)の2社だ。
世界的にも有名な耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”「GA-110」シリーズを、両社がほぼ丸パクリで製造・販売していた事実に対し、広東省最高裁判所は、『カシオ"G-SHOCK"は「一定の影響力を持つ商品の装飾」に該当することを認め、両被告が「GA-110」に類似したデザインを許可なく使用したことが消費者を混同させる不正競争行為に当たると判断』、両被告に対して、日本企業の起こした裁判では異例とも言える高額な損害賠償金、300万元(約6,500万円・1元=21円で換算)の支払いを命じる判決を下した。


“G-SHOCK”「GA-110」

中国の裁判所が、中国側の企業の敗訴を認めたということは、今回のパクリが "よっぽどのモノ"だったと察するに余りあるが、なにはともあれデザインという意匠権が認められたことで、これが今後中国からの不正商品が減少する契機となれば喜ばしい限りである。


以下、
カシオ計算機からのコメント

今回の裁判は、意匠権が満了した商品デザインに関して、不正競争防止法による保護が認められた当社にとって初めてのケースです。

2010年に中国で発売した“G-SHOCK”「GA-110」は、2016年から2020年の5年間で中国において1位の売り上げを誇る人気シリーズです。当社はその販売実績や広告宣伝などを証拠として提出することで、「GA-110」の特徴的なデザインが市場における一般的な腕時計と区別できる顕著なデザインであり、中国の消費者に広く認知されていることを証明しました。また、その販売実績や被告の侵害行為と悪意性が考慮され、300万元という高額な賠償額が認められました。

“G-SHOCK”「GA-110」
当社の“G-SHOCK”は、「落としても壊れない丈夫な時計を作りたい」という開発者の思いから1983年に誕生した耐衝撃ウオッチです。以来、耐衝撃性能とブランド独自のデザイン性から世界中の人から愛され、現在では世界140か国以上の国々に対して累計1億5千万個を出荷するなど、グローバルブランドに成長しました。

当社は「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」をパーパスとして掲げ、革新的な製品やサービスの提供を通じて社会に貢献してきました。今後も、お客様が誤って模倣品や類似品を購入することのないよう、当社の特許、意匠、商標およびその他の知的財産権の不正使用や侵害に厳正に対応し、ブランド価値の維持と向上に努めてまいります。