セイコー プレザージュ に、自然の豊かな表情を連想させる青緑色の琺瑯ダイヤルモデルが登場

 From : SEIKO (セイコー )

日本に暮らす人々は、昔から自然と共存してきました。そんな人々の心に息づく自然の豊かな表情を連想させる青緑色の琺瑯ダイヤルモデルが、セイコーブティック専用として登場。

セイコーブティック専用モデル



Features

自然の豊かな表情を連想させるダイヤル

頭上に広がる瑞々しい木々の緑、足元を流れる穏やかな渓流。
様々な表情を見せてくれる森の様子を、琺瑯の質感と色で表現しました。



琺瑯ならではの質感と色

ダイヤル表面の質感とサブダイヤルのカーブにより、角度によって表情を変える瑞々しい青緑色の琺瑯。森の生き生きとした表情を思い起こさせます。



匠の手によって生み出される琺瑯ダイヤル

琺瑯に40年以上携わるベテラン職人 横澤 満氏の監修により生み出される琺瑯ダイヤル。
その日の気温や湿度により微調整が必要となる繊細な作業のもと、琺瑯ダイヤルは作られています。




琺瑯職人 横澤 満氏|時の技

琺瑯職人
横澤 満氏
昭和46年、富士ホーロー株式会社へ入社。40年以上、ほうろうに携わり続けているベテラン職人。これまで培ってきた実績を数値として捉えることで、高い品質を持った製品造りの再現性を高めることに成功しているだけでなく、豊富なノウハウの蓄積により、塗布面の厚さ、わずか0.01mm刻みの仕上がりを見抜く眼力を持つ匠でもあります。一般的なほうろう製品は、小さい物でも10cm四方程度ですが、セイコーで使われているダイヤルは、3cm程度と小さく、厚みなどにも制限があります。繊細に造り込まれるダイヤルにほうろうを施すことができる、日本で数少ない職人です。



琺瑯とは

もともと西洋から伝わった技術で、金属などの素材の表面にガラス質のうわぐすりを焼きつけたものです。西洋では「エナメル(enamel)」と呼ばれ、日本では「琺瑯(ほうろう)」や「七宝(しっぽう)」と言われています。鉄やアルミなどの金属を下地にしたものを「ほうろう」と呼び、食器などの日用品に使われています。「七宝」は、金や銀、銅などを下地にしたもので、装飾、美術品として使われるものを呼びます。

独特の柔らかい光沢から感じる、温かみのあるほうろうの質感により、美しい色合いを保ち続ける腕時計の表情は、持つ人の目を楽しませ続けます。
人類に長く愛されてきたほうろうと、長く使われ続けるセイコーの腕時計の組み合わせは、世代を超えて愛される価値をもちます。




「心・眼・体」をひとつにものづくりを極める
琺瑯職人 横澤 満氏 インタビュー

Q: セイコーの製品に採用されているダイヤルはどのように作られるのですか?

前処理として金属の脱脂や酸洗、そして下塗りをします。乾燥が済めばあらかじめ作ったうわぐすりを塗布してさらに乾燥させ、焼成させます。そして検査して出荷です。


Q: 特に難しい部分やご苦労される点などはありますか?

製品の仕上がりを決めるのは下塗りです。これが一番肝心で、薄いと欠陥が出やすくなり、厚いと仕上がり基準をオーバーしてしまったり、希望色が出しづらくなったりします。厚さにして0.10mmから0.12mmの範囲になりますが、0.12mmで塗るのがベストです。


Q: その0.02mmの差はどのように見分けるのですか?

塗布する時間で測ることができますが、目で見た感覚でも分かります。表面の濡れ具合を見ていれば、薄い状態が分かるのであとどれぐらい塗布すればベストへ持って行けるか見当がつくのです。


Q: ほかにご苦労される点はありますか?

ほうろうダイヤルは、初代ローレルから始まり、現在はプレザージュに採用されていますが、デザインも3針だったものが多針に、サブダイヤルが凹んだタイプやカレンダー窓が開いているタイプなどへ変化しています。デザインが変わればうわぐすりを塗布するスプレーガンの使い方や指先の加減も変わりますし、うわぐすりそのものの比率なども変わります。それぞれのデザインに合わせて、脳と目と手がマッチングしないとよい製品に仕上がりませんから、対応する能力も必要なのです。



Q: デザインに合わせたうわぐすりの調合や吹き方ひとつで仕上がりも変わるというのは驚きですね。

それだけでなく、気候によっても変わります。真夏の晴天で湿度がどんどん落ちていく環境だと、吹きつけたうわぐすりの乾燥具合も変わりやすく、ムラができやすいのです。もちろん、そういった気象状況の変化の中で一定の品質を保つためのデータも揃っているので、環境に併せることは可能なのですが、そこへ夕立などがくると…… そうなると作業を続行するのが難しいほど環境が激変してしまうのです。気候的にベストなのは秋から春の曇天の日などですね。



Q: そのような大変な作業を続けている中で、1日に何枚ぐらい生産できるのですか?

複数の工程がありますから、一概に1日何枚という計算はしづらいのですが、前処理を半日、上塗りを次の日といった具合にある程度、ルーチン化しています。それでも、やり直しのきかない作業ですので、その後の検査などの工程を考えると、製品になるのは、1ヵ月に200~250枚くらいです。(2014年時点)


Q: 1枚ずつ手作業のうえ、天候にも左右されるから、大量生産という訳にはいかないのですね。それだけ、製造難易度が高く、セイコーだけが採用している、貴重なほうろうダイヤルですが、製品が仕上がるとどのような感情をもちますか?

正直、「ホッ」としますね(笑)。時計造りは私一人ではなく、完成するまでにさまざまな作業と、多くの人が携わるのです。ですから、この工程で作業が滞ると全部の人に迷惑が掛かってしまう。ですから、納期には気を使いますね。


Q: なるほど、まさに職人らしい責任感があるのですね。横澤さんにとって、ほうろうの魅力とはどんなところにありますか?

ほうろう独特の美しさと、その美しさを何年、何十年と保てるというのは素晴らしいと思っています。それだけでなく、使い方次第ではありますが、調理器具などの場合、味が良くなるという特長もあるのです。むき出しのステンレスやアルミだと、微妙なのですが素材に影響を与えることがありますが、ほうろうの場合はそれがないのだといいます。


Q: 今後の目標はなんでしょう?

今もっとも力をいれているのは人材の育成です。先ほどもお話しましたが、ほうろうの加工ノウハウをなるべく数値で捉えるようにしているのは、それに役立つからという理由もあります。うまく数値を活かせる人材を育てれば、ほうろうダイヤルの技術も受け継いでもらえますしね。



— 次世代が育つのが楽しみですね。ありがとうございました。



琺瑯ダイヤルができるまで(作業工程)


素地成形加工工程
銅や鉄などの素材を切断したり、抜き加工や絞り、曲げ、溶接等をおこない製品の原型を作る工程です。セイコーの製品に用いられるダイヤルの下地は別の工場で生産され、横澤氏の元へ送られます。


前処理工程
原型となる金属には酸化防止の油分が付着しています。その油分を抜くために脱脂をしてから、酸洗、ニッケル処理、中和処理を行います。ほうろう製品の品質を左右する大事な工程です。



うわぐすり製造工程
ガラスおよびほうろう釉薬を作ります。うわぐすりは製品の特長に合わせて、各成分の比率を微妙に変えたりすることで、仕上がりが変わります。これを利用し、個々の製品にベストマッチしたうわぐすりを作りますが、豊富なノウハウが必要とされます。



くすり掛け
製品の表面にうわぐすりを塗布します。うわぐすりは気温や湿度の影響を受けやすいため、その日の天候に合わせた調合をしなくてはなりません。また、吹きつけ方でも仕上がりに違いが出るので、豊富なノウハウと熟練の腕が必要です。



焼成工程
うわぐすりを塗ったダイヤルを乾燥させて炉で焼きます。気候に合わせて炉の温度や焼成する時間などを調整する繊細な作業です。この工程によって、うわぐすりのガラス質が溶け、ほうろう独特のやさしい美しさがうまれます。


検査・出荷
仕上がった製品を検査します。狙い通りの色調が表現されているか、規定内の厚さに仕上げられているかなど、厳しくチェックされます。検査をパスした製品は出荷され、みなさまのお手元へと届いて行きます。





製品スペック



SARW059
プレザージュ
165,000円 (税込)
(税抜 150,000円)
セイコーブティック専用モデル





ムーブメント


キャリバーNo: 6R27
駆動方式: メカニカル 自動巻(手巻つき)
精度: 日差+25秒~-15秒
駆動期間: 最大巻上時約45時間持続


外装

ケース材質: ステンレス、 裏ぶた - ステンレスとサファイアガラス
ガラス材質: デュアルカーブサファイア
ガラスコーティング: 内面無反射コーティング
中留: ワンプッシュ三つ折れ方式


その他仕様
防水: 日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁: あり

ケースサイズ
 厚さ: 12.8 ㎜
 横: 40.5 ㎜
 縦: 47.8 ㎜
 重さ:156.0 g
 腕周り長さ(最長): 210 ㎜

その他
 シースルーバック
 スクリューバック (製造上の理由により、裏ぶたの向きには個体差があります)
 琺瑯ダイヤル
 裏ぶた「SPECIAL EDITION」表記


その他特徴

カレンダー(日付)機能つき
パワーリザーブ表示機能
日付針つき
石数 29石
秒針停止機能



【お問い合わせ】
セイコーウオッチ(株)お客様相談室
0120-061-012(通話料無料)

セイコーウオッチ(株)の公式Webサイトアドレス
https://www.seikowatches.com/

<セイコー プレザージュ>の公式Webサイトアドレス
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/presage
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