ブレゲが2020年のハイライトとなる大作「クラシック ダブルトゥールビヨン 5345 “ケ・ド・ロルロージュ”」を発表!

 From : BREGUET (ブレゲ )




クラシック ダブルトゥールビヨン 5345 “ケ・ド・ロルロージュ”



この新しいモデルは、中央のディファレンシャルギアを通じてダイヤル・プレート自体を回転させるというダブルトゥールビヨンのムーブメント機構が完全に露わになり、機械機構の高度な専門技術と美的デザインの妙技が見事に融合されています。部品はすべて手作業で仕上げが施され、ケースバックから見えるムーブメントには、アブラアン-ルイ・ブレゲが生涯を過ごしたパリの建物 “ケ・ド・ロルロージュ”のメゾンがエングレービングされています。



新しい「クラシック ダブルトゥールビヨン 5345 “ケ・ド・ロルロージュ”」に搭載されているのは、時計を占有するモニュメントのようなムーブメントです。ブレゲ・マニュファクチュールは、ムーブメントの非常に限られたスペースに取り組んで、そこに物理法則に挑戦するかのような複雑で調和の取れた世界を構築しました。



繊細に刻まれた彫刻作品を思わせるムーブメントは、全体を露に見せながら軸の回りを12時間で1回転します。ムーブメントには、それぞれ1分で1回転する二つの独立したトゥールビヨンが搭載されています。こうした仕組みで調速装置が相互に連動する二重の回転を成し、トゥールビヨンのブリッジ自体が大胆にも時針を担っています。



その驚くべき表示スタイルを持ったムーブメントを構成する部品が、かつてのグランド・コンプリケーションのようにゴールドで作られているのも特色です。今ではすっかり失われた伝統ですが、ブレゲはメゾンに今後も継承されるように努めています。なぜならゴールドの部品を作るのは、まさしく専門職人の技術だからです。
この時計は、ブレゲの熟達したクラフトマンシップが見事に表現されています。とりわけケースバック側に施された彫金です。そこに描かれているのは、アブラアン-ルイ・ブレゲがパリのケ・ド・ロルロージュで手に入れた建物です。




何世紀もの時を永らえた発明
マスターウォッチメーカーのアブラアン-ルイ・ブレゲが世にあまねく知られ、何世紀のもの時を永らえるようになるトゥールビヨン機構を発明したのは、職人たちが集まるシテ島の中にあるこの場所だったのは言うまでもありません。
当時の時計は、縦の姿勢、すなわち垂直の状態でベストのポケットに収めて携行されていましたが、ブレゲが発明に努めたていたのは、時計の等時性を乱す地球の重力の影響を排除する装置でした。そこで彼がたどりついたのは、ひげゼンマイ付きテンプと脱進機(レバーとガンギ車)の一式を可動式の枠に格納し、それを回転させるという考えでした。



アブラアン-ルイ・ブレゲは、このキャリッジと脱進機の二つが回転する仕組みに対し、長らく忘れられていた天体系の概念を結びつけて「トゥールビヨン」の名を与えました。原理は天才的でその働きも魅力的なこの発明は、特別なオリジナリティを付与されながらメゾン・ブレゲに大切に受け継がれてきました。




巧妙なメカニズム
「クラシック ダブル トゥールビヨン 5345」の時を司る部品は、奇しくもオリジナルのトゥールビヨンと技術的によく似ています。スティール製のひげゼンマイには特徴的な外端曲線が備わり、ゼンマイが同心円を保って収縮するようになっています。これも創業者アブラアン-ルイ・ブレゲ自身が考案したもので、その後「ブレゲ・オーバーコイル(ブレゲひげゼンマイ)」と呼ばれるようになりました。
ひげゼンマイは今でも手作りされ、トゥールビヨンのキャリッジの平衡といったさまざまな調整も手作業で行われています。現行のコレクションにおいて、高級時計の最も高度な仕上げとされるブラックポリッシュ仕上げがスティールのフレームに施されるのは、トゥールビヨン機構の外装だけです。



二つのトゥールビヨンは、それぞれの香箱から動力を得て互いに独立して稼動しますが、二つのテンプは、中央の差動装置の中で回転するペアになった第二の歯車に連結されています。この複式の機構はまた、各トゥールビヨンの歩度の平均を決定することができ、トゥールビヨンを載せたプレートが12時間毎に1周するように指令します。分針に
ついては、中央に軸を置くクラシカルな表示スタイルです。時刻表示が完璧に正しく行われるように、この装置全体には歯車の遊びを最小限に抑えるシステムが備わっています。

この傑作時計に搭載されるキャリバーは、ブレゲ・マニュファクチュールがこれまで開発した最も複雑なシステムの一つ数えられます。この時計の強烈な個性のおかげで、エンジニアは今や2系統に独立した輪列への手巻機構を全面的に見直す必要に迫られたのもその一例です。
二個の香箱のうちの一方には、自動巻時計に用いられるのと同様のスリップバネが組み込まれ、その巧妙な仕掛けのおかげで、一番目の主ゼンマイは、いったん充分に巻き上げられると、二番目の主ゼンマイが完全に巻き上がるまで、巻き上げから解放されます。さらにリュウズに主ゼンマイの巻き過ぎを防ぐ安全システムを採用しました。




芸術的な職人技
ブレゲにおいては、芸術的な時計づくりのノウハウは、美観を創る名人芸を抜きにしては決して語れません。
2006年に初めて発表された「クラシック ダブル トゥールビヨン」は、今やダイヤルが取り払われ、メカニズムの美しさを余すところなく伝えています。スティール製の香箱のブリッジはアルファベットのBを象り、丸みを帯びた特別な形にデザインされています。
すべての部品は、ポリッシュや面取り、サテンブラッシュ仕上げさえも手作業で入念に行われています。




このムーブメントではまた、従来のペルラージュに代わり、メゾンのシグネチャーであるギヨシェ彫りの新しい表現が用いられています。ムーブメントを露わにしているため、ケースバンド内壁を見渡すことができ、そこに刻まれたローマ数字のインデックスは上に重なるサファイヤディスクのアワーチャプターに手彫りされたローマ数字を際立たせています。



それにも増してこのモデルのユニークな特徴は、ケースバックに表れています。
このムーブメントのために結集された精巧なメカニズムの至宝は、タイムレスな気品となって息づいています。そして、この時計を完成させるのは、ブレゲ・マニュファクチュールの職人によって施されたエングレービングで、アブラアン-ルイ・ブレゲが1775年から居を構えたパリのケ・ド・ロルロージュ39番地の建物のファサードが描かれています。



ゴールドの上に彫られたモチーフは、建物の窓ガラス越しにムーブメントの歯車が垣間見られるようにするなど、凝ったディテールが豊富に盛り込まれています。真に卓越した二つの世界へと誘う窓です。





【SPECIFICATIONS OF THE WATCH】

クラシック ダブルトゥールビヨン 5345 “ケ・ド・ロルロージュ”
BREGUET CLASSIQUE DOUBLE TOURBILLON 5345 “QUAI DE L’HORLOGE”
REF. 5345PT/1S/7XU

[Case]
プラチナケース、ケースバンドに繊細なフルート装飾。サファイア・ケースバック(透明裏蓋)。サファイヤガラスケース。径46mm。ケース厚16.8㎜。ケースにロウ付け されたラグとネジ留め式バー。

[Dial]
サファイアクリスタル、番号とBreguet のサイン、ローマ数字のチャプターリング。ブルー・スティールのブレゲ針。時針は2基のトゥールビヨン・キャリッジを支えるブリッジの延長部分。

[Movement]
手巻、キャリバー588N、番号と Breguet のサインを刻印。手彫りギヨシェ模様の回転するセンタープレートに搭載された2基のトゥールビヨン。2基のレギュレーターは、2つのムーブメントの平均値を取得するディファレンシャル・ギアと結合。トゥールビヨンの搭載されたセンタープレートは12時間で一回転。50時間パワーリザーブ、径 16½リーニュ(37.22mm )、81 石。部品数738個。ブレゲひげゼンマイ、振動数2.5Hz(毎時18,000振動)。ゴールドの緩急調整ネジによって、テンプの回転を調整するモノメタリック方式テンプ。6姿勢調整済み。ムーブメント裏に手彫りでケ・ド・ロルロージュの初代ブレゲ工房のエングレービング。

[Strap]
ストーン加工のラバーストラップ、プラチナ製トリプルフォールディングバックル。

[価格]
時価(※対ユーロとの為替レートによって毎月変動します。ちなみに下記は2020年10月決済時の時価となります)
税込価格75,680,000円/税抜価格68,800,000円




【お問い合わせ】
ブレゲ ブティック銀座
東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター 3階
TEL 03-6254-7211


ブレゲについて
1747年にスイスのヌーシャテルに生まれたアブラアン-ルイ・ブレゲは、1762年に故郷を出てヴェルサイユとパリで時計職人としての修業を積みました。15歳のとき、時計製作に向いた素質が認められた彼には、当時の偉大な何人かの時計師たちと会う機会が早くも訪れました。
1775年、若きブレゲはパリのシテ島に居を構えます。当時のこの界隈は、文字盤製作者や金細工師、針やケース作りを営む職人たちで活況を呈した中心地でした。ブレゲはその近くで一方がケ・ド・ロルロージュ、もう一方がドフィーヌ広場に面した見栄えの良い家を見つけ、やがてここが終の棲家となりました。
若き天才ブレゲはまさにこの建物の中で時計製造における最も重要な数々を生み出すことになります。1783年のリピーターウォッチ用のゴングスプリング、1790年の耐衝撃機構パラシュート、1795年のブレゲひげゼンマイ、そして何より1801年に特許を取得したトゥールビヨンです。アブラアン-ルイ・ブレゲが時計製造にギヨシェ彫りを導入したのもまた、ここ “ケ・ド・ロルロージュ”のメゾン です。1786年に初めて用いられたギヨシェ彫りの技法は、先端に丸いモチーフを配した有名なブレゲ針によっても特徴づけられるブレゲ・スタイルのシグネチャーに不可欠な要素を演じることになりました。
ケ・ド・ロルロージュ39番地は今もパリに存在していますが、現在のブレゲ・マニュファクチュールが拠点を構えるのは、スイスのジュウ渓谷です。ブレゲは卓越した時計づくりの縮図となり、ヨーロッパの文化遺産を織りなす糸のまさしく一つになっています。メゾン・ブレゲは以前にも増して、創業者が残した素晴らしい遺産を継承し新たに発展させることに全力を傾けています。