パルミジャーニ・フルリエから、ミシェル・パルミジャーニ 70歳の誕生日と彼の功績を祝して「 トリック ヘリテージ」 世界70本限定モデルが発売

 From : PARMIGIANI FLEURIER (パルミジャーニ・フルリエ )





 


ミシェル・パルミジャーニ
70 歳の誕生日と彼の功績を祝して「トリック ヘリテージ」世界70本限定モデルを発表


時計師・修復師のミシェル・パルミジャーニは、2020年に70歳を迎えます。先人が培ってきた技術の保全と新しい世代の時計師への継承から、スイス・ジュラの町フルリエの歴史的なウォッチメイキングの伝統を復活させることまで、現代の時計学へ影響を与えた献身の生涯を振り返ります。ミシェル・パルミジャーニが1996 年に設立したメゾン、パルミジャーニ・フルリエは、彼が初めて設計した腕時計のDNA を受け継ぐ限定版の時計『トリック ヘリテージ』の誕生をもって、このマイルストーンの記念とします。



ミシェル・パルミジャーニ1950 年にスイスのヌーシャテル州に生まれたミシェル・パルミジャーニは、技術と芸術性を組み合わせたふたつの分野、時計製造学と建築の両方に熱心に取り組んで育ちました。最終的に、若きミシェルがキャリアとして選んだのは時計学でした。ヴァル・ド・トラヴェールにあるラ・ショー・ド・フォン テクニカムという時計学校で、技術を学び、スキルを磨いた後、実力の高い時計職人だけに認められた時計の修復の道へ進みました。

●1967 年:時計学を勉強して4 年目のミシェル・パルミジャーニ


“時計作品を修復することは稀にしかない幸福です。時や人間の悪弊から作品を解放するということは、私たちの記憶に必要な、移ろいやすい真実の中に、その作品をよみがえらせるということなのです。


1976 年、時計業界のクォーツ危機が本格化し、ミシェル・パルミジャーニの愛する機械式時計は歴史に埋まってしまうかと思われるほどまでに切迫しました。ところが、時代の潮流など気にしない性格の彼は、アジアから押し寄せる安価な電池式時計の波に逆らい、自身の修復アトリエを設立。その後、この大胆な行動は、高級時計関連のクライアントのエリートリストとして実を結び、パテック フィリップ博物館にある貴重な作品や、ブレゲのシンパティッククロックのような伝説的な作品を修復するなど、もっとも困難な仕事の修復師としての名声を築きました。

 

そのような計時機械の修復にあたり、ミシェル・パルミジャーニは何百年にもわたり蓄積されたウォッチメイキングの知識と、サヴォアフェールを取り込み、同時に妥協のない職人技と先人の時計職人たちが見せる細部へのこだわりに深く感銘を受けました。その職人たちの多くは、ミシェルがアトリエを構えたフルリエの町の出身でした。

「周囲が反対するのを聞かずにこの冒険の船に乗り出した私は、少し社会ののけ者のように感じていたことを覚えています。」とミシェル・パルミジャーニは回顧します。
「多くの過去の傑作に触れて作業する機会に恵まれていた私には、伝統的な時計製法が消滅していくなどと考えることはできませんでした。他の人たちが時代遅れだと言った時計製作の夢を追いかける自信を与えてくれたのは修復の仕事でした。」


修復とメンテナンスを依頼しにミシェル・パルミジャーニを訪れた顧客の中には、歴史的な時計とオートマタの貴重なコレクションを所有していた、スイスのサンド・ファミリー財団がありました。彼の驚異的な才能と無限の創造性を確信した財団は、財団の全面的な支援のもとで自身の時計ブランドを設立することを勧めました。これが、1996 年に設立されたパルミジャーニ・フルリエの始まりです。その後の数年間で、ブランドとマニュファクチュールの両方が飛躍的に成長しました。

パルミジャーニ・フルリエのウォッチメイキングハブには、スイスの専門企業五社が含まれていて、すべての製造工程が社内で行われていることを保証します。五つの工場はそれぞれが、他社の高級時計ブランドへ部品を供給しており、そのクライアントのひとつが高名なフランスのメゾンの時計部門であるラ・モントル・エルメス(La Montre Hermès)で、エルメスはムーブメントメーカー、ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエの共同所有者でもあります。


●フルリエにある本社、 Rue du temple 11


しかし、製造プロセス全体で五社すべてを活用しているのは、パルミジャーニ・フルリエのみです。ミシェル・パルミジャーニは、自身が創業したブランドを今なおリードし、そのクリエイティビティを指導している、現存する中では稀な時計師で、アブラアン=ルイ・ブレゲなどの先駆者たちが灯りを照らした道を今なお歩み続けています。設計から最終の組立てまで、時計ができるまでのすべてのステップを、細心の注意を払ってコントロールすることで、自身の名を冠した時計がそ彼の価値観とビジョンの産物であることを保証します。




トリック ヘリテージ

その大多数が非常に独創的な傑作の、ミステリアスな深みに魅了されるクリエーターには、技術的および美的な選択肢が広がります。パルミジャーニ・フルリエは、過去に試行錯誤され確立された方法から尽きることのないインスピレーションを得て、未来の作品を生み出す知識が蓄積されています。

トリックは、ミシェル・パルミジャーニが初めて設計した腕時計で、特にそのケースデザインが特徴的です。「時を祝う」ために細心の注意を払って開発され、製造され、装飾されたムーブメントと、完璧な設計で、ウォッチメイキングの本質に敬意を表します。ミシェルの70 歳の誕生日を記念するために誕生した時計は、2017 年に復活しよりエレガントに再設計されたトリックコレクションから選ばれました。

ミシェル・パルミジャーニが時計をデザインするときは、輪郭から始めます。輪郭の描き方が特徴的なことで、メゾンの本質的なデザイン要素は無理なく継承され、新しく誕生する時計それぞれにもブランドアイデンティティが尊重されていきます。他のすべてのパルミジャーニ・フルリエの時計と同様に、『トリック ヘリテージ』のケースの調和のとれた曲線は、黄金比によって生まれ、フィボナッチ数列にリンクします。不思議なほどに整ったバランスで、かつ数学的な原理に厳密に則った黄金比は、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」やモンドリアンの「赤・黄・青のコンポジション」などの芸術や、エジプトのピラミッドなどの象徴的な建築物によく見られます。

●ミシェル・パルミジャーニによるトリックコレクションのデッサン

ポリッシュ仕上げのステンレススティールケースは、古代ギリシャ建築のドーリア式の柱と、ミシェル・パルミジャーニがマレーシアの海岸で見つけた巻き貝を着想源としています。職人の手で彫られたローレット加工と、二重のゴドロン装飾が、ケースに湾曲した輪郭を与え繊細で薄く見えるような目の錯覚をつくり出しています。トリックのデザインのあらゆる箇所は、この古くからある錯覚のルールに根ざしています。長針と短針の比率、リューズを飾るコインエッジの角度、長さと幅の比率、ケースから繋がるラグのテイパードの曲率、ケースバックのデザインとサファイアクリスタルの配置などが、黄金比で計算されて生み出された設計です。


「子供の頃、父は繰り返し私にこう言っていました。『見ることを学んだ者が、芸術を手にする。』アートは私たちの周りのいたる所に存在します。自然の中にも、プロポーションの調和の中にも、ひとつひとつの細部へのこだわりの中にも。素晴らしい世界は、見るということを学ぶ者にのみ、全貌を明らかにします。」”





ミシェル・パルミジャーニの生涯にわたり研究する建築原理がもたらしたものは、放射状に刻まれた麦の穂のモチーフのギョーシェが飾る青いダイヤルです。自然界に見られるフィボナッチ数列の例のひとつである、大麦の発芽を描いた有機的なパターンです。それは、イタリアのレオナルド・フィボナッチによって考案された、科学的および数学的原理であり、黄金比は原子から天体まですべての比率を決定します。力強いダイヤルの上で時間を指すのは、ギリシャの女神アテナの槍を描いた、トリックコレクションを象徴するスケルトンの槍型針です。優雅で軽やかなアラビア数字は、18K ホワイトゴールドがロジウムでコーティングされています。日付は6 時位置の湾曲した窓に表示されます。『トリック ヘリテージ』には、歴史、芸術、自然の要素が散りばめられています。


COSC 認定の自社製キャリバーPF441 ムーブメントは、ミシェル・パルミジャーニが芸術性と精度に対するこだわりの表れです。可変慣性テンプを使用しているため、長期安定性、耐衝撃性が向上し、時計の向きに対する感度が大幅に低下して最適な等時性が実現します。精度と信頼性が確保されているのです。ムーブメントの動きの堅牢な一貫性は、従来の時計機構の中心に一般的に見られるひとつの香箱よりも安定した、直線のエネルギー分配を可能にするふたつの香箱によって強化されています。ダブルの香箱の動きによって、55 時間のパワーリザーブが確保され、毎時28,800 振動で鼓動します。


高級時計の証である装飾には、コート・ド・ジュネーブのストライプ、磨かれた角、円形のグレイン模様、スパイラルが含まれます。さらに、七つのブリッジ(タイマー、コンバインド、歯車、テンプ、中間車、アンカー、日付ブリッジ)は、すべて職人の手で面取りされています。22 カラットの無垢のローズゴールド製ローターは、ダイヤルと同様にライスグレイン模様のギョーシェが特徴的です。

自動巻きキャリバーを心臓部とする時計は、パルミジャーニ・フルリエのウォッチメイキングセンターを形成する、五社のエキスパートによって生み出されます。ネジからメインスプリング、ダイヤル、ケースに至るまで、メゾンの時計の構成要素すべてがこれらのエキスパート集団から供給されるのです。そして、パルミジャーニ・フルリエの長年のパートナーであるエルメス社からは、アビスブルーのアリゲーターストラップが提供されています。

パルミジャーニ・フルリエの『トリック ヘリテージ』は70本限定で、一本一本がミシェル・パルミジャーニ本人と、21世紀を過ぎ71歳以降も衰えることなく続く、ミシェルが与える時計業界への計り知れない影響への敬意を表しています。



【ミシェル・パルミジャーニ・バイオグラフィー】

1950.12.2: ミシェル・パルミジャーニ誕生 - スイスのヴァル・ド・トラヴェール、クヴェにて
1966 ‒ 1969: フルリエの時計学校で学ぶ
1969 ‒ 1971: ラ・ショー・ド・フォンのテクニカム(技術学校)で学んだ後、ル・ロックルのテクニカムでマイクロメカニカルコンストラクションを学ぶ
1973 ‒ 1975: ジュベニアでテクニカルアシスタントとして働く
1976: クヴェにアトリエを開設
1980: サンド・ファミリー財団の公認修復師となる
1985: パーペチュアル カレンダー機能付きの超薄型懐中時計を開発
1988: 8 日間パワーリザーブのコンスタントフォース瞬時日送り式永久カレンダーの置時計を開発
1990: 9月、ムジュール・エ・アール・ドゥ・タン創業
1990: ブレゲの自動巻き懐中時計キャリバー90 を製作
1991: ブレゲ「サンパティーク(Pendule Sympathique)」置時計の修復
1993: 30 年カレンダーの発明と特許申請
1995: 3月21日、時計製造に関わるアワードのGAIA で起業家精神を称賛され受賞
1995: ピボット型デテント脱進機の開発
1996: サンド・ファミリー財団と共にパルミジャーニ・フルリエを創立
1998: ヴァンクリーフ&アーペル「プラネタリウム」の修復
1998: マチルド・ボナパルト妃が夫のアナトーリー・デミドフ伯爵のために注文したブレゲのポルティコ型クロックを修復。パリ装飾美術館所蔵
2010: 11月、世界初のイスラム太陰暦の置時計の製作
2012: 2月、ヴァル・ド・トラヴェール地方の名誉市民となる
2016: メゾン20 周年を記念して初の一体型クロノグラフを搭載した「トンダ クノール アニヴェルセール」を発表
2017: ジュネーブ時計グランプリでパルミジャーニ・フルリエの「トリック エミスフェール レトログラード」がトラベル部門賞を、「トンダ クロノール アニヴェルセール」がクロノグラフ部門賞を受賞
2018: 世界初の三角形の連結システムのツインバレルを搭載した「ブガッティ タイプ390」を発表
2019: 12月、世界初のイスラム太陰暦永久カレンダーの腕時計「ヒジュラ パーペチュアル カレンダー」を発表
2020: 11月、ジュネーブ時計グランプリで「ヒジュラ パーペチュアル カレンダー」がイノベーション賞を受賞



【技術仕様】

トリックヘリテージ
70本限定
リファレンス: PFC909-0000300-HA3282
本体価格: 2,040,000円


[
ケース]
ステンレススティール、ポリッシュ仕上げ
【サイズ】直径42.8 mm [厚さ]10 mm
【リューズ】直径6 mm
【ガラス】反射防止加工のサファイアクリスタル
【ケースバック】サファイアクリスタル、シリアルナンバーと«Héritage»の刻印

[ダイヤル]
【カラー】ブルー
【仕上げ】バーリーコーンギョーシェ
【インデックス】18Kローズゴールド/ロジウムコーティング

[針]
夜光塗料つき槍型

[キャリバー]
PF441 自動巻きムーブメント
【機能】時、分、秒、日付
【パワーリザーブ】55時間
【振動数】4Hz ‒ 28,800振動/時
【石数】29石
【香箱】連結したツインバレル
【部品数】192
【サイズ】直径25.6 mm、厚さ3.7 mm
【装飾】コート・ド・ジュネーブ、面取りされたブリッジ
【ローター】22Kゴールド

[ストラップ]
【カラーと素材】エルメス社製アビスブルーカラーのアリゲーター
【バックル】フォールディングバックル

[防水性]
30m



【お問い合わせ】
パルミジャーニ・フルリエ
03-5413-5745