リシャール・ミル 「RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール」を発表~長期のパートナーシップが到達したさらなる究極点
From : RICHARD MILLE (リシャール・ミル )「RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテール」~長期のパートナーシップがさらなる高みへ
マクラーレンとの長期パートナーシップ。絶え間ない技術革新、完璧さの追求、進歩への飽くなき渇望は、リシャール・ミルとマクラーレンを結びつける共通の要素だ。リシャール・ミルと英国の高級スーパーカーメーカー、マクラーレン・オートモーティブとのパートナーシップが5年目を迎えた今、2つのブランドは、これまでで最も野心的な最新のコラボレーションの成果である「RM 40-01オートマチック・トゥールビヨン マクラーレン・スピードテール」を発表した。
この新たなるリシャール・ミルのエクストリームウォッチは、その名の通り、マクラーレン史上最速、最先端、そして最も卓越したロードゴーイングスーパーカー(公道走行可能車)である「スピードテール」を称賛しそのデザインを踏襲、そして、マクラーレン・オートモーティブが製造した「スピードテール」の台数と同じ、106本のピースを限定製作するモデルである。
スピードテイル
ギョーム・ミルが監督した「Speed Tale」は、情熱に突き動かされた2つのブランドの物語です。砂漠の道をワイルドに走り、特別な車のハンドルを握るという、喜びのビジョンです。彼のお気に入りのミュージックビデオのひとつであるJamiroquaiの「Cosmic Girl」へのオマージュであるこの作品は、彼の子供時代のフォーム、スタイル、ファッションを超越しています。
この作品は、本質的にノスタルジックであると同時に、現代のテクノロジーを駆使して撮影されたモダンな作品でもあります。90年代には、ある種の狂気と奔放な創造性があり、それは加速や望遠ズームなどのいくつかのショットにも見られます。
ハイパーカーからハイパーウォッチへ
自然界に存在するフォルムからインスピレーションを受け、空力学的に最も効率的なティアドロップ形フォルムのスピードテールは、流線形スーパーカーの真骨頂で、マクラーレンアルティメット シリーズ第3弾の3人乗りのグランドツアラーです。
スピードテールは1,070馬力のハイブリッドパワートレインを搭載し、最高速度250MPH/402KPHを記録する、これまでのマクラーレンで最速のロードカーです。マクラーレンの空気力学に対する絶え間ない探究が、RM 40-01 オートマティック トゥールビヨンマクラーレンスピードテールの設計の出発点となりました。
テクニカルディレクターのジュリアン・ボワラが率いるリシャール・ミルの外装開発チームは、18ヵ月にわたり、過去最長となる2,800時間をかけて、完璧なフォルムを完成させました。
RM 40-01はスピードテールと同様に、ケースのフォルムもティアドロップを模しています。ベゼルのくぼみがボンネットの吸気口を、プッシュボタンがフロントホイールの後ろにある排気口をイメージさせます。
「スピードテールのティアドロップのフォルムからインスピレーションを得ただけでなく、既存のリシャール・ミルとマクラーレンの各部位をシームレスに組み合わせるという課題にも直面しました。
このウォッチは、リシャール・ミルで最高レベルの仕上げを施しています。 面取り加工職人や研磨職人とも多くの研究開発を行いました。さまざまなパーツの鏡面仕上げ、ブラスト仕上げ、サテン仕上げ、およびチタンとカーボンTPT®の組み合わせなど、ディテールへのこだわりは格別です。ケース自体は69個のパーツで構成されています」
ジュリアン・ボワラ(テクニカルディレクター)
マクラーレン・オートモーティブのデザインディレクター、ロブ・メルヴィルは、2つのブランドが理想的なパートナーである理由を、RM 40-01が見事に体現しているとして、次のように述べています。
「リシャール・ミルとマクラーレンは、軽量化すること、振動の影響を減らすこと、抵抗を最小限にすること、など様々な問題に取り組む姿勢に多くの共通点があります。RM 40-01の設計に際し、スピードテールの特徴とその背後にあるフィロソフィーを共有するべく、多くの情報を提供しました。スピードテールにおいては、芸術作品のようなクオリティを持つ車の
製造を目指していました。それはRM 40-01にも確実にあらわれています。妥協のないデザインや素材、仕上げにおいて、スピードテールの様々なディテールを本当に美しく反映しています」
この時計の設計と製作には、ムーブメント、ケースおよびダイヤルのコンセプトに関する包括的なアプローチが反映されています。つまり、全てが非常に厳密な仕様に基づいて構築されているのです。例えば、ケーシングリングは用いず、ムーブメントは、チタン製ネジで固定したシャーシのマウントラバー(ISO SW)に取り付けます。
ケース
ベゼルとケースバックにはグレード5チタンを、ミドルケースにはカーボンTPT®を使用しています。カーボンTPT®は、分離したカーボン繊維から得られた600以上の平行繊維層で構成される極めてテクニカルな素材です。厚さわずか30ミクロン以下のこの繊維層にブラック樹脂を染み込ませてから特殊な機械で各層の繊維の方向を45度ずらしながら織り込んでいます。さらにこの複合素材は、航空産業部品製造で用いられるような高圧窯の中で6気圧の圧力下で120°Cで加熱され、その後リシャール・ミルで機械加工されます。
3層構造のケースには2つのニトリル製O-リングガスケットが使用され、50mの防水機能を有します。ケースの組み立てには、12本のグレード5チタン製スプラインネジと、316Lステンレススティール製の耐摩耗性ワッシャーが使用されます。
また、チタンとカーボンTPT®を組み合わせて、ミラーポリッシュ、プレーン、サテンといった様々な仕上げを施しています。
こうした、かつてないほど複雑なデザインのため、最適な形状が得られるまでに5つのプロトタイプが制作されました。課題は6時側よりも12時側のケース幅がはるかに広いことでした。カーボンTPT®製のミドルケースと長さの異なるチタン製ピラーによって分離されているチタンベゼルとケースバックの間は、テーパーを施しています。
また、リシャール・ミルは、RM 40-01のアートともいえるムーブメントを守るために、ベゼルのテーパーと厚みの変化を考慮した「3次元曲面」を特徴とする、「トリプル・コンター」と呼ばれる独特な表面クリスタルガラスを開発しました。この開発には18ヶ月を要しました。
ストラップもユニークなデザインで、上下非対称になっています。ラバーバージョンにはBIWI社のVULCULOR®テクノロジーが採用されています。これは、カラーラバーを成型加工することができる特殊なプロセスです。これにより、ムーブメントの6時位置にあるマクラーレンのアイコンであるオレンジのアクセントカラーを手首までまっすぐにつなげることを可能にしています。
前例のないカスタムメイドのムーブメント
このような並外れたケース構造にもかかわらず、リシャール・ミルのテクニカルディレクター、サルヴァドール・アルボナは、利用可能なすべてのスペースを余すところなく使い、非常に洗練された時計の「エンジン」であるムーブメントを作り上げました。これにより、RM 40-01は、スーパーカーのスピリットを受け継いだスピードテールの理想的なパートナーとなりました。
グレード5チタンは、ブリッジ、ブリッジネジ、地板、ローター芯などの主要パーツに使用されました。RM 40-01のムーブメント CRMT4には、自社製トゥールビヨンでは初めて、パワーリザーブ表示、オーバーサイズデイト、ファンクションセレクターという3つの複雑機構を搭載しています。
完璧を追求するために、3つのパワーリザーブシステムが開発され、時計に搭載される最終版が完成しました。
例えばリムはバフ研磨が施され、アングルやべべリングは何段階もの手作業で仕上げられています。
忘れられがちなディテールですが、仕上げは目に見える部分だけでなく、内部の部品の表面など、隠れている部分にも施されます。
いくつかの歯車は、スピードテールのボンネットを飾るマクラーレンのロゴの形が型抜きされています。また、トゥールビヨンのブリッジに見られるように、スピードテールの曲線を表現するために、ふくらみを持った新しい表面形状をしたパーツが採用されています。
時計の全体的なバランスとラインの滑らかさを維持するために、デイト用のプッシュボタンは8時位置に配置されました。これは、一般的な11時位置よりも技術的には複雑ですが、見た目の美しさを重視しました。
プラチナとレッドゴールドの巻き上げローターはスピードテールのボンネットから、バレルはルーフラインからインスピレーションを得ています。また、12時位置から6時位置にかけての緩やかな曲線は、車のコックピットと車体の間にあるブラッシュドメタルの仕切りを連想させます。この仕切りは、マクラーレンがこれまでのリシャール・ミルのウォッチからインスピレーションを得て採用したものです。その一方で、ムーブメント下部からストラップまで続くオレンジラインは、スピードテールの後部スクリーンに取付けられているブレーキランプからの着想です。
<主な機能と技術特長>
・グレード5チタン製の地板とブリッジ:
地板とブリッジにはエレクトロプラズマ処理を施したマイクロブラスト加工のグレード5チタンを使用したため、地板とブリッジに優れた硬度が得られ、表面は完全に平らに仕上げられています。これにより、輪列の極めてスムーズな動作が確保されます。スケルトン加工を施した地板とブリッジは、個々に徹底した検証テストを経て、最高の強度条件を満たしています。
・オーバーサイズデイト表示:
日付は12時位置の窓に横長に設置され、スケルトン仕様の2枚のカレンダーディスクによって白地の背景に日付を表示。日付が変わる際は、ほぼ瞬間的に切り替わります。日付は8位置のプッシュボタンで簡単に調整できます。
・ファンクションセレクター:
自動車のギアチェンジさながら4時位置に設置されたプッシュボタンを押すと、「ニュートラル」、「巻き上げ」、および「時刻合わせ」のいずれかのモードを選べます。3時位置にある表示窓に、N(ニュートラル)、W(巻き上げ)、H(時刻合わせ)のうち、選択した機能が表示されます。
・可変慣性フリースプラングテンプ:
究極のイノベーションを象徴するテンプ。衝撃を受けた場合やムーブメントの組み立てと分解の際に、より高い信頼性を約束し、長期間にわたり優れた計時精度を保証します。一般的なインデックスはなく、テンワに直接取り付けられている4つの調節可能な小型の重りにより、正確で反復可能な調整が可能です。
・可変慣性モーメントローター:
- プラチナ製ローター
- グレード5チタン製コア
- 錘の一部にレッドゴールドを使用
- ブラックPVD加工を施したガイドレール
- セラミックス製ボールベアリング
- セラミックス製ボールベアリングを使用した自動巻きシステム OneWay®と反転システム機構
- 両方向巻き上げ方式
可変慣性モーメントローターは、ユーザーの使用環境に合わせて巻き上げ効率を調整できます。ウェイトは正しい位置にスライドさせて2つのスプラインネジで固定できるようになっており、設定の変更はこのウェイトの調整を通じて行います。ムーブメントの慣性はウェイトが外端に位置する時に最大となり、香箱がより早く巻き上がります。ウェイトがローターの中央に位置すると慣性が減少し、香箱はゆっくりと巻き上がります。
・高速回転バレル(1回転=5時間、従来は7.5時間):
この香箱は以下の長所を備えています。主ゼンマイの周期的な貼り付き現象を大幅に減少させ、性能を高めます。また、 主ゼンマイにおける、理想的なパワーリザーブと精度および安定性の関係において優れた相関関係を表す曲線を示します。
・高効率なインボリュート歯車:
この時計では、ムーブメント全体を通じて動力を伝達する主要機構である輪列において、20°の圧力角が採用されており、この機構では、温度変化や通常の使用によって各歯車の軸間に生じうるズレが補正され、テンプへのトルク伝達効
率を高めて、優れた計時特性をもたらします。
【技術仕様】
RM 40-01 オートマティックトゥールビヨンマクラーレンスピードテール
ケース サイズ:41.80 x 48.25 x 14.15 mm
キャリバー:CRMT4(自社開発キャリバー・自動巻きトゥールビヨンムーブメント)、可変慣性モーメントローター。
ムーブメントサイズ:径30.48 x 35.35x6.81 mm/厚6.81 mm
石数:37
テンプ:CuBe(ベリリウム銅)製、4アーム型、4個の調整ネジ、慣性モーメント7.5mg•cm2、リフトアングル50º
振動数:28,800振動/時(4 Hz)
ヒゲゼンマイ:AK 3
-耐震装置:インカブロック 908.22.211.100(透明)
パワーリザーブ:約50時間(± 10%)9時位置に遊星差動歯車機構によって表示
ダイヤル:時・分。オーバーサイズデイト、ファンクションセレクター
リューズ:チタンとカーボンTPT®
ベゼル:グレード5チタン
ミドルケース:カーボンTPT®
ケースバック:グレード5チタン
インナーベゼル:ガルバニック処理を施したチタン
防水:50m106本の限定エディション
ストラップ:ラバー
世界限定:106本
予価:¥109,000,000(税抜)/¥119,900,000(税込)
[マクラーレン・オートモーティブ]
マクラーレン・オートモーティブは、ラグジュアリーで高性能なスーパーカーを開発している企業です。車両はすべて、イギリスのサリー州ウォーキングにあるマクラーレンプロダクション センターMPCにおいて、手作業で組み立てられています。2010年に設立されたマクラーレン・オートモーティブは、マクラーレン・グループの主要企業として展開されるようになりました。GT、スーパーカー、モータースポーツ、アルティメットモデルの同社製品ポートフォリオは、世界40の市場で85を超える小売業者を通じて販売されています。マクラーレンは、常に限界を押し広げ続けるパイオニアです。 1981年には、軽量で強力なカーボンファイバー製シャシーをマクラーレン MP4/1でF1に導入しました。
その後1993年に、マクラーレン F1 ロードカーを設計・製造。以来、カーボンファイバーシャシーを用いない車は製造していません。 アルティメット シリーズの一環として、マクラーレンは世界で初めて、ハイブリッドスーパーカー(マクラーレンP1™を誕生させました。
2016年には、新しいハイブリッドスーパーカーGTを発表し、2018年には次のアルティメットカーがスピードテールとなることを発表しました。 2019年、マクラーレンは600LT スパイダー、新型GT、サーキット専用のマクラーレン セナ GTRを発表しました。また、620Rとマクラーレン エルバも発表、翌年には765LTを発売しています。最近では、新型高性能ハイブリッドスーパーカーのマクラーレン アルトゥーラを発表しました。アルトゥーラは、マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャーMCLAを享受する最初のマクラーレンの車です。MCLAは、世界初の手法を用いて、英国シェフィールド地域のマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センターで設計、開発、製造され、ブランドの輝く未来をけん引することになります。
また、マクラーレン・オートモーティブは、それぞれの分野での境界も押し広げ、世界のリーディングカンパニーと協力しています。 そうした企業にはアクゾノーベル、アシャースト、デル・テクノロジーズ、ガルフ、ピレリ、リシャール・ミル、トゥミなどが含まれます。
[マクラーレン・グループ]
マクラーレン・グループは、ラグジュアリーなオートモーティブとテクノロジーにおける世界的リーダーであり、マクラーレン・オートモーティブ、マクラーレン・レーシングおよびマクラーレン・アプライドという3つのビジネスで構成されています。
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