バーゼルワールドが 2022年春に予定していたイベントの開催を断念

 From : Others (その他)


【※追記】当記事は本来「BLOG」として投稿すべき記事でしたが、誤って「NEWS」区分で投稿してしまいました。
ご参考までに、当サイトの投稿区分は次のように取り決めています。
「NEWS」:ブランドや販売店などから発信された情報を、基本的に原文のまま掲載した記事。
「BLOG」:記事執筆者もしくは当サイトからの情報・意見・考えなどを主体に書かれた記事。



もしかして、あと数年もしたら、若者相手にこんな会話をしているかもしれない。
「昔ね、ウォッチズ&ワンダースともうひとつ、バーゼルワールドっていう時計の展示会があったんだよね。知ってる? ロレックスやパテック フィリップの新作は、まずバーゼルワールドで展示されたんだよ。ああ、あの頃は楽しかったのなぁ~……」とか。

主要な出展ブランドの多くを失いながらも、来年春の開催を打ち上げていたバーゼルワールドが、11月12日、ついに来年の開催をギブアップする宣言をした。論調は新しいコンセプトのさらなるブラッシュアップに時間をかけるためと、新型コロナ感染が再拡大している欧州の状況を鑑みてと、あくまでも前向きなものではあるが、先行きのあやしさは、もはや誰の目にも明らかではないだろうか。

●今年8月のジュネーヴ・ウォッチ・デイズでのPOP-UP出展の模様




とりあえず、バーゼルワールド発表のコメントを抄訳ではあるが掲載する。

『バーゼルワールドの主催者は、新しいコンセプトの発表に、さらに時間をかけることを決定しました。したがって、2022年春に予定されていたバーゼルワールドは開催されません。この決定は、ジュネーブ・ウォッチ・デイズでのポップアップ・イベントで得られた経験と、メーカーや小売店との集中的な話し合いに基づいています。一方で、COVID19の状況が再び悪化し、それに伴うお客様の不安感から、新しいターゲットセグメントに向けて新コンセプトを打ち出すことが、非常に困難であるという事実も考慮してのことです。

 MCHグループのCEOであるBeat Zwahlenは次のように述べています。
「この数ヶ月間、私たちは時計・宝飾品・宝石のエコシステムを詳細に調査し、主要な業界関係者との話し合いから重要な洞察を得ました。その結果、中堅・専門メーカーと独立系小売業者を結びつけるB:B:Cプラットフォームの市場が存在することがわかりました。しかし、彼らのニーズをより詳細に分析する必要があります。つまり、そこに至るまでには、かなりの時間が必要だということです。」

そこで今後数ヵ月間、MCHグループの学術チームがターゲットセグメントを分析し、メーカーや小売店との密接なやりとりの中で、彼らのマーケティングや取引のニーズを深く掘り下げます。その際、アフター・コロナを視野に入れたマーケティングと流通の最新動向、特に国際化とデジタル化に注目していきます。国際的に定着しているバーゼルワールドのブランドと革新的なプラットフォームを用いて、ターゲット市場におけるコミュニティのビジネスに付加価値を生み出すことを目標としています。

2022年のバーゼルワールド開催中止に伴い、マネージング・ディレクターのMichel Loris-Melikoff は組織を去り、新たな挑戦をすることになりました。Loris-Melikoff 氏は2018年、困難な状況下でバーゼルワールドの経営を引き継ぎ、2019年には成功裏に実行に移していました。短期間のうちに、彼は業界へのアクセスを獲得し、その尊敬を勝ち取ることに成功しました。彼は、バーゼルワールドに必要な変革とリポジショニングを開始し、その形成に貢献しました。
MCHグループは、彼の決断を残念に思うと同時に、彼のたゆまぬ努力に感謝し、彼の今後の活躍を願っています。




以上である。
今のところ最後の開催となっている2019年から2020年までの、ドタバタ&後手後手ぶりはCCFan氏の昨年のブログにまとめられている( https://watch-media-online.com/blogs/3918/ )。
2021年に入ってからもバーゼルワールドの迷走ぶりは続いており、簡単に整理しておくと、昨年末の段階では「アワー・ユニヴァース(HourUniverse)」という名称になっていたイベントを、2021年中に開催するとしていた。

2021年 2月 夏に「アワー・ユニヴァース」を室内&室外イベントとして開催すると発表
2021年 6月 「アワーユニヴァース」の名称をやめ、バーゼルワールドを復活させ、2022年3~4月に開催すると発表
2021年 8月 「ジュネーブ・ウォッチ・デイズ」にPOP‐UP出展、2022年のバーゼルワールド開催に向けたキックオフ・イベントと位置づけ
2021年11月2022年春の開催断念を発表 (←いまココ)
 
という感じで、バーゼルワールドの命運はほぼ"風前の灯"状態にも感じられるのだが、果たしてバーゼルワールドの次なる展開はあるのだろうか。続報を待ちたい。