ジンがクラシックな手巻きクロノグラフ「103.St.Ty.Hd」を発表~世界限定1000本の限定モデル

 From : Sinn (ジン )




ジン新作品発表~クラシック手巻きクロノグラフ「103.St.Ty.Hd」

ジン (Sinn Spezialuhren)の特徴を最もよく現わしている時計はどれだと思いますか?
それは、1960年代半ばからクラシックなパイロットクロノグラフとしてコレクションに加わり、以来、Sinnを代表するアンバサダーと言える103シリーズです。




時計コレクターの中には、自動巻きムーブメントを搭載した時計の他、アクリルガラスと手巻きムーブメントを搭載したモデルもあったことを記憶している方もいらっしゃることでしょう。

当時の手巻きムーブメントを搭載した時計が人気だったということは、Sinnの伝統的な時計製造技術が好まれていたということでしょうか? それとも、時計を巻き上げるという日々の儀式的な行為によって、時計と時間という結びつきがより強くなり身近に感じるようになったからでしょうか?

実際のところ、手巻き式時計の魅力はさまざまな嗜好や価値観から生まれたものと言えます。

そのことを念頭に置いて、103.St.Ty. Hdは名高い先代モデルを褒め称えた現代の腕時計といえます。衝撃耐性のあるアクリルガラス、約58時間パワーリザーブを備えた手巻きムーブメントを搭載しています。
103シリーズの手巻きムーブメントを搭載したSinnの腕時計は、約20年前に公式に発売して以来です。




このモデルで搭載している特別なキャリバーは、機能性に特化したクラシックなトリコンパックス・クロノグラフです。


103.St.Ty.Hd はスペシャルな限定モデルのため、手巻き式SW510Mムーブメントを搭載


マットブラックの文字盤には、3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンドを配置しています。マットシルクのライトイエローのインカウンターをV字型にシンメトリーに配置することで、バランスの美学と独創的なデザインを生み出しています。また、クロノグラフ秒針と分針はダークレッドで強調、クロノグラフ30分計目盛りも赤と黒でデザインし、視認性を高めて時間をより速く読み取ることができるよう配慮しています。



マットブラックの文字盤を飾るのは、高品質なファセット(面を取った)アプライドインデックスです。時分針にも施したファセットとの組み合わせで、この時計は気品を放ちます。夜光塗料により暗闇でも視認性が保たれます。


夜光デザイン。


レッドステッチとのコントラストが映えるグリーンボアレザー仕様。



別の特筆すべき機構であるタキメータースケールは、ベゼルの内側に配置、時速60kmから時速600kmまでの速度を手動で正確に計測したいという時計コレクターの要望に応えています。
この時計は20気圧までの防水性と耐圧性を備え、日常生活における高い実用性を保証しています。



本作「103.St.Ty.Hd」は世界1,000本限定で、なによりもSinnの歴史における名高いシリーズにふさわしい時計です。


ミケーレ・トリピのコメント(オールドジン研究家)
1960年代以来、常に時計のラインナップの一角を占めてきた103シリーズは、クラシックと呼ばれるにふさわしいモデルです。この伝説的なタイムピースは、長年にわたって何世代もの時計愛好家を楽しませてきました。そして今もなお、数え切れないほどのコレクターに愛され続けています。その功績は、この103シリーズをこれほど特別なものにしているのは何なのか、と思わせてくれるものです。

初期
ミケーレ・トリピはすでに知っていたので疑いはありませんでした。機械式腕時計に魅せられた彼は、Sinn社の歴史的な時計に惚れ込んだのです。そして103シリーズが、彼が最も興味を抱くモデルでした。この特別なタイムピースを長年に渡って収集してきた彼は、今やその道の専門家です。実際、彼はその幅広い知識を自身のウェブサイトで世界中に公開しています。トリピのレポートによると、103シリーズの歴史は1960年代後半まで遡ります。機械式時計の受難の時代がすぐそこまで迫っていました。当時を振り返ってみると、初めて登場した103やその次に登場したモデルのデザインは、当時他の有名メーカーが製造していたクロノグラフのデザインとほとんど同じであったことがわかります。文字盤、ケースサイズ、トリコンパックスのレイアウトのムーブメント、そして積算計の色などもすべて同じでした。ロゴが異なることを除けば、細部に至るまでほとんど同じだったのです。


オリジナルの103C  Photos: ミケーレ・トリピ

スイスのサプライヤー
同じということが興味深い問題を提起していました。なぜこのような状況になったのか?誰が最初にデザインを思いつき、誰が誰をコピーしたのか?「実は、誰も真似していない。それはSinnも同じです」とミケーレ・トリピは説明する。「当時、ほとんどのメーカーは自社で時計を製造したり独自のデザインの開発を行っていませんでした。この種の時計は、スイスに委託して作られるのが一般的でした。つまり、ケース、ムーブメント、文字盤は、どのメーカーも同じサプライヤーに頼っていたのです。他の多くの企業と同じように、Sinnも時計を買ってロゴを入れたり、調達した部品を使って時計を組み立てたりしました。」当時の時計業界の常識でした。だからこそ、103シリーズの代表的なデザインは他の多くの時計メーカーが発表しているデザインと同じでした。それから約55年、Sinnは103シリーズを独自のものにするために努力してきました。だからこそ今、このタイムピースがSinnのコレクションの一部であることに間違いはありません。

新時代
1980年代、Sinnの103シリーズに新時代が到来したことを示唆する証拠が出始めました。明確に販売個数がそれを示していました。それまで各モデルの生産数は100本だったにもかかわらず、Sinnは103Aと103Bの生産数を本格的に増やしました。「大きな転換が始まったのは、特に1970年台終わりから1980年代初頭です。1988年以降のモデルが現在の103シリーズの前身と言えるでしょう。」とミケーレ・トリピは述べます。「その時点では、時計には自動巻キャリバーのValjoux 7750 と 手巻きキャリバーのValjoux 7760を搭載していました。それまではずっとValjoux 72と726でしたから。」時計の文字盤もムーブメントとともに変化しました。クラシックなトリコンパックス・クロノグラフの積算計表示が6時、9時、12時位置に変更されました。
この時、この103シリーズは特徴的なスタイルを確立しました。それが現在まで103シリーズのデザインの特徴になっています。「生産数量が多かったのは、時計の部品がより入手しやすくなっていたからかもしれません。言うまでもなく、Sinnは長い時間をかけてパイロット界隈で評価を高め、ますます業界内では人気が高まっていきました。
1985年の伝説的なスペースラブD1ミッションでは、宇宙飛行士のラインハルト・フラーが140Sを着用していたため、マーケットの需要を押し上げました。

歴史的な家族の絆
現在に戻ると、103.St.Ty.Hdが巨人の肩の上に立っていることは明らかです。Valjoux 726を搭載した限定モデル 103Cのスタイルが新たな103シリーズのメンバーとして輝きを放っています。両モデルに共通するのは、手巻きムーブメント、明るいカラーのクロノグラフ積算計を備えたクラシックなトリコンパックスのレイアウト、そしてタキメータースケールです。3時位置のクロノグラフ秒針が表す最初の10分間も、どちらのモデルも黒と赤で交互にデザインしています。さて、専門家ミケーレ・トリピによる評価はいかがでしょう?

成功の秘訣
「103.St.Ty.Hdは、間違いなく人気が出る素晴らしい時計です。比べてみるとオリジナルに近いことがわかります。文字盤と針は103Cと同じで、日付表記もありません。Sinnはクラシックなものを現代的にアレンジすることで、歴史的なスピリットを保持することに成功しています。これらはすべて、コレクターにとっては非常に興味深いことです。」ミケーレ・トリピによると、この103シリーズの成功の秘訣は、その歴史的なつながりにあるといえます。デザインと特徴的な機能において、最も深いルーツに忠実であり続けたのです。変更は現代の技術の名のもとに、時計の内部にのみ手を加えています。「103シリーズの一貫性こそが、時計コレクターに感動を与えるのです。」と彼は述べます。「私はSinnというブランドをこのようなクラシックな時計から思い浮かべますが、実はそれは私だけではないと思っています。その点で、103.St.Ty Hd.は、完璧に完成された時計です。」

[ミケーレ・トリピ]
ミケーレ・トリピは1980年代から機械式腕時計に魅了されてきました。彼が初めてSinn Spezialuhrenを知ったのは1998年のモデル142でした。しかし、彼自身の特別なヴィンテージ時計への情熱に火をつけたのは、クラシックな103でした。2012年以来、彼は歴史的な時計の熱心なコレクターです。現在、彼は30本以上の希少な時計をコレクションしています。そのうちのひとつが、世界に4本しかない103 Cです。彼のウェブサイト(https://vintage-sinn-collector.de )で詳細や写真を見ることができます。




【仕様】
103.St.Ty. Hd
世界限定:1000本
税込予価¥660,000(本体¥600,000)

サイズ:径41 mm 厚14.8 mm
ラグ幅: 20 mm
時計本体の重さ: 69g
ムーブメント:セリタ SW 510 M 手巻きムーブメント
パワーリザーブ:約56時間
・23石
・毎時28,800 振動
・耐磁性能4,800A/m、DIN8309準拠
ケース:ポリッシュ仕上げステンレススチール
・衝撃耐性のある強化アクリル風防
・ねじ込み式ステンレススチール製裏蓋
・20気圧防水、DIN 8310準拠
・減圧耐性
機能:時、分、秒、クロノグラフ
・夜光塗料付きの両方向回転パイロットベゼル
・タキメーター
Sinn テクノロジー:D3システムのリューズ
文字盤と針:シルクマットのブラック文字盤
・夜光塗料を施したインデックスと時分針
・アプライドインデックス
ストラップ:レッドステッチのグリーンボアレザーと、ホワイトステッチに飾り穴のあるブラッボアレザーが付属


特別ボックス付き(ボアレザーとツール、ばね棒、取扱説明書が特別ボックスに付属)
2024年初夏発売予定


【お問い合わせ】
株式会社 ホッタ
東京都中央区築地 5 6 4 6F
TEL 03-5148-2174
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