逆境の中を生き抜いてきたパテック フィリップ

 By : Kamine
Patek Philippe Floorブログ | 逆境の中を生き抜いてきたパテック フィリップ

1839年創業のパテック フィリップ歴史の中でも、
1932年は特に重要な年と位置づけることができます。
当時はアメリカの株価大暴落に端を発した世界恐慌の真っただ中でした。

 

経営が厳しくなった当時の創業家から、
パテック社に文字盤を供給していたスターン家が
経営を引き継いだのがこの1932年でした。

 

以来パテック フィリップ本社は現社長のティエリー・スターンに至るまで
4代に渡りスターン家による経営が続いています。

 

またこの1932年は、現行カラトラバシリーズのルーツとも言える
Ref.96モデルが発表された年でもあります。
経営を引き継ぐと同時に歴史的なモデルを発表した事は、
今考えても大きな節目であると同時に快挙と言えることでした。
ただ、この96モデルが当時すぐにカラトラバと呼ばれたかというと、
どうもそれは違うようです。

カラトラバという名称は、1887年から商標登録されている
パテック社のロゴのカラトラバ十字に由来しています。
カラトラバ十字とは、12世紀にカラトラバ要塞をムーア人の攻略から守った
スペインの宗教騎士団のシンボルマークであり、
勇猛果敢で知られたその騎士団にあやかり
そのシンボルマークをパテック フィリップがロゴとして採用しました。
そのデザインは4つの百合の花と剣をモチーフとした十字と言われています。
現在の基本的な定義である「シンプルな丸型時計」を
カラトラバと呼び出したのは、1980年代前半の事のようです。
当時の社長は現名誉会長のフィリップ・スターンであり、
スイス時計産業全体がクォーツショックに立ち向かって
時計業界の存亡をかけていた時代でした。

 

型番からもRef.96の正統な後継機と言えるRef.3796の発表が1982年。

 

今からさかのぼること数十年前の1968年に発表した
名作の楕円形モデルに「ゴールデン・エリプス」
という名称を付けたパテック フィリップ。

 

そして1976年には「ノーチラス」という

スポーツラグジュアリーモデルを発表します。

クルードパリ・ベゼルにストレートなラグを備え、
96系と並びカラトラバのスタンダードとなるRef.3919の発表が1985年。

様々な輝かしいコレクション発表の中
全ラインナップで最も重要なモデルであるシンプルな丸型時計に、
ロゴ、つまり社章である「カラトラバ」という名前を与えた事は
ある意味で必然であったのかもしれません。

径が小型のRef.3796は2000年頃まで生産されました。
(径31㎜)

 

その後2004年に後継モデルのRef.5196が発表され現在に至っています。
径が現代風に大きくなり37㎜になっています。

 

このようにパテック フィリップ社は長い歴史の過程で
逆境に立ち向かいながら、その時代に応じたコレクションを発表し、
そのDNAは現代にまでしっかり活かされているのです。

 

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