ノモス、バーゼルワールド2019新作・続報~シンプル&機能美という100年の遺伝子!

 By : KITAMURA(a-ls)

さて、ノモスの続報である

前稿では、新ムーブDUW6101を積んだ、すなわち40mmオーバーのブレスモデルを主に紹介したのだが、今年のノモス新作は、ブレス以外に大きな改変がなされなかった分、非常にバランスがよいと思う。

それを証明するのが、こちらの"duo(デュオ)"シリーズである。



誕生から四半世紀以上の歴史を持つタンジェント、オリオン、ラドウィッグ、テトラという、ノモスのDNAの根幹をなすファミリーから、より繊細な腕元のために、あえて33mmという小径(テトラは1辺が27mm)でピック・アップされたシリーズなのである。



しかもこの"duo(デュオ)"という名は、針が2本のみ、すなわち「デュオ(=2つ)」からきているなのだ!
まさに、シンプル&機能美、ノモスの本分とするバウハウスを象徴するようなデザイン・コンセプトではないだろうか!!



それを踏まえて、わたしは問いたいのである、「今年は西暦何年なのか」を!!


2019年だろがぁ~ツ!!




では、ヴァルター・グロピウスによってワイマールにバウハウス校(ドイツ語で「建築の家」の意)が創設された年は??


1919年だろがぁ~ツ!!


つまり今年は、
バウハウス100周年なのだッーー!!!!
「バウハウスって何??」とかいう方々のために、短文を書いておく。

20世紀に入り、社会や生産性が急激に近代化されていく中で、まさにその落とし子ともいうべき大量破壊兵器が主役となった第一次世界大戦を経験したヨーロッパ社会は、その価値観を大きく変えつつあった。
19世紀までの貴族的な装飾性に富んだデザインは時代遅れとなりつつあり、近代的工業生産から生まれる量産品が、急増した市民階級の消費ニーズに応える中で、大衆にむけた20世紀ならではのデザインが求められていた。
量産品をベースとしつつも、美しくある存在とは何か?
その答えを見出したのが、敗戦国として最も疲弊し激動の中にあったドイツだったのは皮肉でもあり必然でもあった。
ある無名なドイツのデザイン・スクールが、失望ゆえの変革への待望が蔓延したこの国で、20世紀の近代テクノロジーおよび機械文明をデザインにとりいれるという本質的な冒険に踏み込んだ。1919年、ヴァルター・グロピウスによってワイマールに創設されたバウハウス校(ドイツ語で「建築の家」の意)がそれである。
彼らが行きついたのは「形式よりも機能」、つまり機能を最優先として無駄を省き、使いやすさに特化した時、そこにはおのずと「機能美」という近代の美しさが生まれるという信念を、バウハウス校は決して手放さなかったのである。
その結果、建築、家具、デザインというような基本分野の生活必需品において、大衆も「美」を感じられるような実用性の高い作品が、そこに生み出されていくことになる。後にヒトラーのナチス・ドイツによって閉校に追い込まれるまでの、わずか14年という短い活動期間にもかかわらず、大きなムーブメントとなったバウハウスの概念は、現在のグラフィックデサイン界にも計り知れない影響を与え、第二次大戦後に勃興していく芸術と産業との融合への素地を築いたとも言えるのである。


さて実機画像だ。



改めてみると、時間を知るという機能に特化し、それ以外の無駄をそぎ落としたデザインおよびラインとで構成された作品であることが良くわかるだろう。


なぜこれをバウハス100周年記念ウォッチとしなかったのか・・・・。


シンプルではありながら、ケースの中の機械はノモスでも最も多く生産されている安定・鉄板のキャリバー、アルファ2が時を刻んでいる。
文字盤は他のノモス・クラシック製品と同様にホワイトシルバーメッキが施され、モカ・ブラウンのインデックスに合わせたベージュのベロア・レザー(ベロア・カーフ)・ストラップが純正で付属している。
価格は、タンジェント、ラドウィックはそれぞれ183,600円、オリオン、テトラがそれぞれ205,200円。
(※上記価格はメタルバック仕様のもの。日本展開はサファイアスタイル・バックがメインとなるので、上記価格に20,000円プラスとなります)

ま、わたしの個人の中では、立派な「バウハウス100thアニーヴァ―サリー・ウォッチ」として心に刻んでおこう(笑)。


【仕様】

タンジェント 33 duo

ケース:ステンレススチール、2ピース、ステンレススチールバック
ガラス:サファイヤクリスタルガラス
巻き:手巻き

サイズ:直径 32.8mm・厚さ 6.5mm
防水性:約 3 気圧・日常生活防水
文字盤:亜鉛メッキ、白銀仕上げ
針:ゴールドプレート加工
ストラップ:ベロアレザー ベージュ
ラグ幅 :17mm
品番:120
キャリバー:Alpha.2 – 自社製ノモスキャリバー、手巻き、ムーブメント高さ・2.6mm、直径10 ½ リーニュ(23.3mm)
パワーリザーブ:約43時間
特別な機能:グラスヒュッテ式コハゼ、グラスヒュッテ¾プレート、6姿勢での調整、ルビー17石、青焼きネジ、ロジウムメッキを施したムーブメント表面にグラスヒュッテ・ストライプ仕上げおよびノモス・ペルラージュ仕上げ、角穴車および丸穴車にグラスヒュッテ・サンバースト仕上げ



オリオン 33 duo

ケース:ステンレススチール、3ピース、ステンレススチールバック
ガラス:ドーム型サファイヤクリスタルガラス
巻き:手巻き

サイズ:直径 32.8mm・厚さ 7.6mm
防水性:約 3 気圧・日常生活防水
文字盤:亜鉛メッキ、白銀仕上げ、型押しインデックス、ダイヤモンドポリッシュゴールド
針:ゴールドプレート加工
ストラップ:ベロアレザー ベージュ
ラグ幅 :17mm
品番:319
キャリバー:Alpha.2 – 自社製ノモスキャリバー、手巻き、ムーブメント高さ・2.6mm、直径・10 ½ リーニュ(23.3mm)
パワーリザーブ:約43時間
特別な機能:グラスヒュッテ式コハゼ、グラスヒュッテ¾プレート、6姿勢での調整、ルビー17石、青焼きネジ、ロジウムメッキを施したムーブメント表面にグラスヒュッテ・ストライプ仕上げおよびノモス・ペルラージュ仕上げ、角穴車および丸穴車にグラスヒュッテ・サンバースト仕上げ



ラドウィッグ 33 duo

ケース:ステンレススチール、3ピース、ステンレススチールバック
ガラス:サファイヤクリスタルガラス
巻き:手巻き

サイズ:直径 32.8mm・厚さ 6.5mm
防水性:約 3 気圧・日常生活防水
文字盤:亜鉛メッキ、白銀仕上げ
針:ゴールドプレート加工
ストラップ:ベロアレザー ベージュ
ラグ幅 :17mm
品番:240
キャリバー:Alpha.2 – 自社製ノモスキャリバー、手巻き、ムーブメント高さ・2.6mm、直径10 ½ リーニュ(23.3mm)
パワーリザーブ:約43時間
特別な機能:グラスヒュッテ式コハゼ、グラスヒュッテ¾プレート、6姿勢での調整、ルビー17石、青焼きネジ、ロジウムメッキを施したムーブメント表面にグラスヒュッテ・ストライプ仕上げおよびノモス・ペルラージュ仕上げ、角穴車および丸穴車にグラスヒュッテ・サンバースト仕上げ



テトラ 27 duo

ケース:ステンレススチール、2ピース、ステンレススチールバック
ガラス:サファイヤクリスタルガラス
巻き:手巻き
サイズ:サイズ 27.5 x 27.5mm・厚さ 6.1mm

防水性:約 3 気圧・日常生活防水
文字盤:亜鉛メッキ、白銀仕上げ
針:ゴールドプレート加工
ストラップ:ベロアレザー ベージュ
ラグ幅 :18mm
品番:405
キャリバー:Alpha.2 – 自社製ノモスキャリバー、手巻き
ムーブメント高さ:2.6mm
直径:10 ½ リーニュ(23.3mm)
パワーリザーブ:約43時間
特別な機能:グラスヒュッテ式コハゼ、グラスヒュッテ¾プレート、6姿勢での調整、ルビー17石、青焼きネジ、ロジウムメッキを施したムーブメント表面にグラスヒュッテ・ストライプ仕上げおよびノモス・ペルラージュ仕上げ、角穴車および丸穴車にグラスヒュッテ・サンバースト仕上げ




最後はこちら。
昨年のバーゼルで発表され、栄誉あるジュネーブウォッチグランプリ(GPHG)を受賞、さらに本年初頭にはiFデザイン大賞も獲得した、「タンジェント・ネオマティック41アップデイト」の新バージョンだ。


ルテニウム仕上げの文字盤を採用し、深みのあるダークな色合いを実現したモデル、正式名称は「タンジェント・ネオマティック41アップデイト・ルテニウム」となる。

以下、プレスリリースを引用すると。。。。

「ルテニウムはレアメタルのプラチナであり、この極めてエレガントな文字盤は、光の当たり具合によってダークグレイとゴールドブラウンの間を気高くゆらめきます。一方、日付リングはノモス グラスヒュッテ独自のスタイルで、今日の日付が2つの赤いマーカーで囲まれています。「この日付は、このキャリバーの高い可能性を表しています。その構造の中に秘められた高度な時計製作技術を示しています。」と、タンジェント・アップデイトを担当したノモスのデザイナー、マイケル・ポール(44歳)は説明しています。ノモス グラスヒュッテにとって2つ目の自社製ネオマティック・ムーブメントとなる画期的なDUW 6101により、弊社は時計業界に新たなスタンダードをもたらしました。そして、このキャリバーは厚さわずか3.6mmと驚異の薄さを実現しています。

素早く変更できる日付機能は、リュウズをどちらかの方向に回しても簡単に調整できます。
直径41mmのタンジェント・アップデイトは頑丈なスチールケースとサファイアクリスタルガラスの裏蓋をもつ大きなサイズのウォッチであり、その裏側からは内部の複雑なキャリバーの動きを見ることができます。 


このモデルのみ実機を見ていないので断言はできないが、やはり、非常にノモスらしい1本だと思う。
価格496,800円





【仕様】

タンジェント・ネオマティック41アップデート・ルテニウム

ケース:ステンレススチール、2ピース、サファイアクリスタルガラス
ガラス:反射防止コーティングを施したサファイアクリスタルガラス
巻き:自動巻き

サイズ:直径40.5mm・厚さ7.9mm
防水性:約5 気圧
文字盤:亜鉛メッキ、ルテニウム仕上げ日付リング
針:黒染め
ストラップ:ホーウィン社製シェルコードバンブラック(ヘリ返し仕上げ)
ラグ幅:20mm
品番:181
キャリバー:DUW 6101 – ノモス自社製ネオマティック日付機能付き自動巻きネオマティック・キャリバー
ムーブメント高さ:3.6mm
直径:15 ½ ライン(35.2 mm)
パワーリザーブ:約42時間
特別な機能:青焼きヒゲゼンマイを用いたノモススイングシステム、両側ネジ固定ノモス・バランスブリッジ、秒針停止メカニズム、ゴールドプレートエンボス加工付き両方向回転ローター、グラスヒュッテ3/4プレート、DUW制御システム、6つの位置で調整、27ジュエル、青焼きネジ、グラスヒュッテ・リブ付きノモス・ペルラージュ仕上げロジウムプレート加工表面、黄金の彫刻


【問い合わせ先】
株式会社大沢商会 
https://nomos-glashuette.com/