シチズンのルーツをミュージアムで探る

 By : CC Fan

ギンザタナカとの100年の時を超えたコラボレーション
が発売となったシチズン。
以前、機会がありシチズン社内のミュージアムを見学させていただいた際に、今回のキーパーソンとなる山﨑龜吉氏に関する展示も拝見いたしましたが、記事として紹介するタイミングを逃してしまいました。
いい機会なので紹介いたします。



シチズンの前身となる「尚工舎時計研究所」と田中貴金属ジュエリーの前身となる「山﨑商店」を創業した山﨑龜吉氏。
ミュージアムで初代会長として紹介されています。



初代社長 中島興三郎氏、工場管理人 鈴木良一氏とシチズンの立役者となった3名と共に紹介されています。



山崎氏の直筆の業務日誌、今回のコラボレーションのデザインのモチーフともなった16型懐中時計が展示されています。



昭和天皇もご愛用された…同型機。
日本製はまだまだ不正確と申した紳士に、天皇陛下が国産品もとてもよく合うよと示したエピソードは有名だそうです。
今回のプレス写真に使われているものと同個体!?



陛下の御常愛を賜る(陛下ご愛用)を伝える新聞報道。
舶来信仰が強かった時代に国産の底力を見せたと理解しています。



直筆の業務日誌。
とても細かく記録されています。



1918年に創業された尚工舎時計研究所から、1924年に懐中時計1号が完成、1930年に時計の名前として使っていたシチズン(CITIZEN:市民)の名前を冠するシチズン時計株式会社として設立、1931年には最初の腕時計を作っています(会社沿革より)。



時計も時系列順に展示されています。
とてもすべては紹介できませんが、いくつか興味深かったものを。



クオーツ同時期の電気(電子)式腕時計として、テンプを共振器兼モーターのようにして動かす電磁テンプ(てんぷモーター)方式(電磁クロックと基本原理は一緒)の総括となると書かれたコスモトロンスペシャル。



ボタンとカムによって秒針のみならず分針もリセットする時合わせ機構を備え、「毎朝時報にあわせて正時にリセットする」という習慣づけをすれば、リュウズで合わせなくても毎日充分正確な時刻が得られるというシステムです。
これは、秒は通常のハートカムによるリセット機構ですが、時分は正時±3分の時だけリセットされ、それ以外は空振りするような形のカムが設けられており、正時±3分の時は時分と秒合わせが行われ、それ以外は秒だけをリセットするという仕組みです。
仕組みからわかるように大きく時間がずれたときには使えませんが、電磁テンプ(機械式と同程度か少し良い程度)日差を補正するのには十分な仕組みで、朝の時報を聞きながら合わせれば十分でしょう。
”使うため”の機構ではないでしょうか。



年差±1秒のCal.100との対比でよく登場するクリストロン メガ。
現在でも驚異的な年差±3秒を誇る高振動機です。



3000個限定、当時としては驚異の4,500,000円。
電池寿命が約1年と言うのも精度全振り感が…



初めての腕時計だったキンダータイム。
親戚からのお下がり…



世界初の多局受信(複数の周波数に対応)電波時計。
文字盤中央にある茶色の部分が受信用のアンテナコイルです。



重要科学技術史資料に指定されています。

このほかにも太陽発電のエコ・ドライブはもちろん、人の体温で発電する熱電対を使ったエコ・ドライブ サーモ、世界初の衛星電波時計エコ・ドライブ サテライトウェーブももちろん展示されています。
機械式は?と言われそうですが写真の写りが微妙なのしか…

良い機会に紹介できてよかったです。


【お問合わせ先】
シチズンお客様時計相談室 TEL 0120-78-4807(フリーダイアル)
〔受付時間 9:30~17:30 祝日除く月~金〕