ドイツ時計メーカー ダマスコ(DAMASKO) が、最新の自社製ムーブメント「キャリバー C51-6」を搭載した新作クロノグラフを発表。

 By : KITAMURA(a-ls)

最近、少しずつだが、その名前を耳にする機会も増えてきたドイツの新進時計メーカー、ダマスコ。

金属加工会社というオリジンを持つダマスコは、高度な金属加工技術による時計製作の追求、つまり、時計のための材料選びから設計・品質にいたるまで、金属にこだわりながら、時計の機能性と堅牢性を追求し続けている。
ダマスコが他のドイツメーカーと比べて異彩を放つのは、まさにこの点である。

WATCH MEDIA ONLINEでは初めての紹介となると思うので、ここで少しダマスコのヒストリーに触れておこう。
1990年といえば、かのA.ランゲ&ゾーネが復興された年であるが、同じ年にドイツ南部のレーゲンスブルグで、「ダマスコ金属加工会社」というダマスコ夫妻を中心とする小さな工場が設立された。
それから4年後、A.ランゲ&ゾーネがドレスデンでランゲ1を含む最初の4モデルを発表した1994年に、レーゲンスブルグで金属加工業を始めていたこの夫婦は、「ダマスコ時計コレクション会社」という時計メーカーを立ち上げた。
コンラッドとペトラのダマスコ夫妻が始めたこのファミリー・ビジネスが、ダマスコの母体となっている。
時計師でもなかったこの夫妻が時計作りの工程に取り入れたのは、まさにその本業である金属加工技術だった。


●絵にかいたようなファミリービジネスからのスタート

以後ダマスコは、ETAなどの汎用ムーブをベースとしながら、その一部に注油とは異なる高度なコーティング部品を採用したり、 脱進機部品にシリコンやDLCコーティングを開発したり(2000年)、摩耗を軽減させるフリーベゼル構造を開発したり(2004年)、時計製造上の幾多の難題に対する打開策とその実装に、金属加工のスペシャリストとしての視点から取り組み、徹底した新素材の研究や開発や発明において多くの重要な特許や権利を保護された工業デザインを所有するなど、いつしかこのフィールドにおけるリーディングカンパニーのひとつに数えられるまでに成長を遂げていった。

そして新たな転機が2006年に訪れる。
ETAムーブメントの供給制限がさらに悪化していたこの頃、生産を進めていた特許取得済みのシリコン製ゼンマイと脱進機のコンポーネント部品が完成したことで、自社ムーブメントの開発研究と製造技術への投資に踏み切り、4年をかけて生産ラインを構築、そして2011年、ついに初の自社ムーブメントH35手巻キャリバーを完成させたのだ。


●特許取得済みのEPSひげゼンマイ®

翌年には、H35をベースにした自動巻キャリバーA35を発表。
2013年に、時計生産事業を中心とするダマスコGmbHを設立し、今日に至るのである。

本業だった金属加工業からの自社ムーブ製作へのアプローチにおいての利点には、たとえばシリコン生成のマイクロボールベアリングがある。主ゼンマイが巻き上がる際の収縮やノックに対する抵抗を抑え、極端な摩耗の回避に成功している。


●シリコン生成のマイクロボールベアリング

そしてもちろん金属加工の集大成でもあるケースの製造ラインも自社で持っている。
ダマスコの腕時計は、潜水艦やスペースシャトルの燃料タンクにも使用される硬化ステンレススティールを採用している。
特許を取得しているこの素材は、時計産業でいう一般的なステンレススティールの約4倍もの硬度を実現。さらにケース内に搭載されたインナーケースは80,000(A/m)もの高い耐磁性を誇り、ダマスコはすべてのモデルにこのスペックを採用、他のブランドにはない堅牢な外装・耐磁という個性と独自性を誇っている。
●硬化ステンレススティールケース



そして以下がダマスコからの最新ニュース。
センター60分積算計、インダイヤルの12時間積算計が完備された新作クロノグラフ。あのエアバス社も認めた、まさにプロフェショナル志向のパイロット・ウォッチの発売開始というニュースだ!
(以下プレスリリースを引用)

 


ドイツ時計メーカー DAMASKO(ダマスコ)が、最新自社製ムーブメント「キャリバー C51-6」を搭載した新作クロノグラフ「DC86」を発表。



ドイツの高級時計メーカー、DAMASKO(Damasko Uhrenmanufaktur)は最新作「DC86」シリーズを発表しました。
このモデルには新開発の自社製クロノグラフムーブメント キャリバー C51-6が搭載さています。銘機レマニア5100の系譜を受けぐ自社ムーブメントは≪スリーカウンター≫センタークロノグラフ秒針、センター60分積算計、インダイヤルの12時間積算計が完備された本格派パイロットウォッチです。


■最新自社製クロノグラフムーブメント キャリバー C51-6


キャリバー C51-6の開発目的はクロノグラフの読みやすさの向上です。センターのクロノグラフ秒針と特許取得済みの60分積算計の2本構成になっています。これは既存の自社製ムーブメント キャリバー C51-1(DC80シリーズに搭載)、キャリバー C51-2(DC82シリーズに搭載)にも採用されています。それらに加え、インダイヤル6時位置に12時間積算計を配することで瞬時に経過時間を認識することができます。

■スリーカウンター
前述のセンターのクロノグラフ秒針と60分積算計、インダイヤル6時位置の12時間積算計が配置されており、計3つのカウンターが存在感を放ち、クロノグラフの醍醐味を十二分に味わえる仕様になっています。

■堅牢な外装と耐磁性
ケースは一般的な腕時計用316Lステンレススチールの4倍硬度を誇るアイス硬化ニッケルフリーステンレススチール、80,000A/mの帯磁性を持つインナーケース、ねじ込まれていなくても入水しない特許取得済みのリューズ。この3条件により、いかなる環境下でも安心して使用することができます。


【仕様】
「DC86」
型番:DC86L
 
素材:アイス硬化ニッケルフリーステンレススチール(316Lステンレススチールの4倍の硬度)
ケース径:43.3mm(ベゼル含む)
厚さ:13.80mm
防水性:100M
耐磁性:80,000A/m

駆動方式:自動巻き(キャリバー C51-6)
機能:デイト、クロノグラフ(クロノグラフ秒針、60分積算計、12時間積算計)、24時間計、スモールセコンド
価格:¥550,000(税込)
発売中※2020年4月1日より保証書がオーナークラブ登録制となり保証期間が5年に延長されます。

 

 


■ABOUT DAMASKO
ドイツのマニュファクチュール
DAMASKO(ダマスコ)は1994年にドイツのレーゲンスブルクで創設した金属加工会社を母体にした時計メーカーです。創業者のコンラッド・ダマスコ氏は金属加工のスペシャリストであり、同社では潜水艦やスペースシャトルに使用される先進の素材や技術をもとに一般的な時計ブランドとは違ったアプローチ方法での開発に挑戦し続けています。

AIRBUS社も認めたテクノロジー
過酷な環境下でのパフォーマンスが求められるパイロットウォッチ。DAMASKOはユーロファイターのパイロットウォッチとして10年以上採用されているだけでなく、AIRBUS社の公式タイムキーパーとして認定されており、その信頼性が世界最高峰のものだと実証されています。



さて、このダマスコには、今回紹介したクロノグラフのライン以外にも、ETA社製7750を積んだ「パイロットクロノグラフ」や、ETA社製 2836-2の「スリーハンド 回転ベゼル」など、いくつかのラインがあるので、興味を持ったかたは公式サイトなどで、ぜひ調べてみてほしい。

●パイロットクロノグラフ「DC56 B」(左)と「スリーハンド 回転ベゼル」DA47 B(右)

自前のケース製造ラインやシリコン採用の自社ムーブという、他のブランドと比べると180度異なる方向性から時計製作にアプローチしたダマスコ。見た目もガチガチな、いかにもジャーマン・インドストリアルな"いでたち"ではあるが、こういうドイツ製品は間違いなく実用性を極めている。
で、文頭でなんとなく設立年代でランゲと比べてみたけれど、ダマスコの故郷レーゲンスブルクは世界遺産で(ちなみにランゲの故郷ドレスデンは2009年に世界遺産の登録を抹消されてる)、ドイツ最古のソーセージ屋さんとかドイツ最古のケーキ・カフェなどのある美しい古都。クリスマスマーケットも有名で、やはりどこかドレスデンを彷彿とさせる雰囲気もあるようなので、いつか訪れてみたいと思っている次第。
"我が陣営”のちょっと風変わりな新鋭マニファクチュールの登場に注目!!




【問い合わせ】
ブレインズ
TEL 03-3510-7711
■公式サイト
URL:http://damasko-watch.jp/

 

 

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