A.ランゲ&ゾーネ新作発表・第2弾 「ランゲ1・タイムゾーン」、自社製の新キャリバーで刷新されたGMTモデル~実機画像レポート付!

 By : KITAMURA(a-ls)


こんなご時世で、今年の新作がまだ画像や動画でしか見られていないため、実機・実機と騒ぎつつ新作「ツァイトヴェルク・ミニッツ・リピーター」の記事とかを書いていたら、なんと願いが通じたようだ!

本日急きょベールを脱ぐことになった新たな新作の、その実機が見られる手はずになっていたじゃありませんか!!


それは、完全にリモデルされた新ムーブ搭載のランゲ1・タイムゾーン!!!


24の都市リングを備えたデュアルタイム機構という、A.ランゲ&ゾーネのアイコンである「ランゲ1」ファミリーの中でも、もっとも実用的な機能を持ち、海外を飛び回るようなビジネスマンには必携の『ランゲ1・タイムゾーン』が、オリジナルの登場から15年目となる節目の今年、完全に生まれ変わり、3つのケース・ヴァージョン(PG、WG、YG)での発表となった。

拝見できたのは緊急に届けられたPGケースだけなのだが、まずはその実機画像を!!




ケースバック。



大きな改良点は、読み取りやすくなったデイ・ナイト表示サークルと、新しく組み込まれたサマータイムマーカー。
それによって、サマータイムを採用している都市が一目でわかるようになった。

そして以前のモデルと比べ、なんとなくだが、さらに"品の良い”感じになっているように感じないだろうか。しかしそんな実機のインプレッションを書く前に、まずはA.ランゲ&ゾーネからのプレスリリースとオフィシャル画像を引用して、この新作の概略を説明しよう。




ランゲ1・タイムゾーン~GMT機能搭載モデルを新開発の自社製キャリバーで刷新!


ランゲ1・タイムゾーンは、自分が今いる時間帯ともう一つ別の時間帯の時刻を同時に表示します。初めてこのモデルを発表してから15年を経た今、新たに開発した自社製キャリバーを搭載して登場します。デイ・ナイト表示サークルは読み取りやすく、新しく組み込まれたサマータイムマーカーで夏時間を採用している都市が分かります。






世界の24の時間帯を腕元に — ランゲ1・タイムゾーン
グローバル化が進む中で世界中を飛び回り、異国で仕事をし、外国の人々とコミュニケーションする人々が増え続ける現代の高級時計産業界では、付加機能「第二時間帯」は特に便利な複雑機能に数えられます。
A.ランゲ&ゾーネは2005年、ランゲ1をベースに、世界にある24の時間帯の時刻を簡単に表示させることができる、二つの時間帯を表示する機能を持つ時計を開発しました。
今回発表される新ランゲ1・タイムゾーンは、機能性と読み取り易さ、そして美しい仕上げ装飾が一体になった時計です。二つの時刻表示サークル、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示がオフセンターに配置された特徴的なダイヤルが、視線を集めます。さらに、第二時間帯を容易に設定できるおなじみの回転式24都市リングも健在です。




二種類の時間帯を一目で把握
ランゲ1・タイムゾーンはワールドタイム機構付きの時計と異なり、ホームタイムと第二時間帯の時刻をひと目で読み取ることができます。大きな時刻表示サークルは現在地の時刻を示し、小さな時刻サークルでは24都市リングを使って第二時間帯を設定します。リューズを使って時刻合わせをすると、二つの時刻を同時に修正できます。




リング状のデイ・ナイト表示
この新しいランゲ1・タイムゾーンの最も重要な進化は、従来の小さな回転式の三角マーカーを付けたホームタイムとゾーンタイムのデイ・ナイト表示を、それぞれの時刻表示サークルの中央に組み込んだことです。



これにより、時針でそれぞれの時間帯が日中または夜間のどちらなのかが分かるようになりました。このデイ・ナイト表示サークルは、ダイヤルにより自然に溶け込んでいるだけでなく、直観的に読み取れる印象を与えます。青い半円弧がプリントされたダイヤルは24時間で1回転し、その24時間に時針が2周します。時針がダイヤルと同じ色の部分にある時は日中(午前6時から午後6時)を、そして青い半円部分にある時は夜間(午後6時から午前6時)を意味します。





革新的なサマータイムマーカー
新しいランゲ1・タイムゾーンにはもう一つ、実用的な表示機能が追加されています。その機能は、5時位置にあるゴールドの三角インデックスの底辺側にある小さな窓に潜んでいます。このインデックスは、設定した時間帯の代表都市を示します。そしてその窓が赤色になると、その地域ではサマータイム制を採用していることを意味します。



その場合には、北半球では春から秋、南半球では晩夏から春までの間は、そのゾーンタイムに1時間を加える必要があります。その地域が1年を通じて標準時であるという場合には、窓は淡色のままです。この表示を可能にするため、24都市リングの下側に夏時間制を見分けるための工夫が施されています。


時間帯の切替えも簡単
前モデルから、第二時間帯を簡単に設定できる回転式24都市リングを踏襲しました。このリングには、1884年に定められた世界の24の時間帯の代表都市がプリントされています。



8時位置にある調整ボタンを押すと、24都市リングが西から東へ回転し、次の時間帯に切り替わります。それと同時に小さなサブダイヤルの時針が1時間進み、ゴールドの三角インデックスが指す時間帯の代表都市の時刻を示します。

大きな時刻表示サークルには、ホームタイムあるいは自由に選んだ時間帯の時刻を表示させることができます。ホームタイムとゾーンタイムを間違えないようにするための工夫もなされています。ホームタイムのインデックスを立体的なゴールド製のローマ数字で表示する一方、ゾーンタイムにはアラビア数字をプリントしました。




同期メカニズム
小さなサークルのゾーンタイムを大きなサークルに移行させるというユニークな同期メカニズムも、前モデルから受け継ぎました。これは、外国に長期滞在するときにゾーンタイムとホームタイムの表示を入れ替える場合に便利な機能です。リューズを引き出して針を動かすと、両方の時間帯の時刻を同期できます。その際に、第二時間帯の時刻合わせ用ボタンを押したままにすると、ゾーンタイムの時針は動きません。こうして、ゾーンタイムとは別に新しいホームタイムの時刻に針を合わせることができます。時刻合わせができたら、10時位置のボタンを使ってホームタイムと連動するアウトサイズデイトの日付を修正します。




新開発の自社製キャリバー
自社製キャリバーL141.1が新しく開発されたことにより、ランゲ1 ファミリーのベースキャリバーL901を使用していたすべてのモデルに新しいムーブメントが搭載されることになりました。ランゲの自主開発キャリバー65個目となったこの新しいキャリバーには、これまでに培われた経験が活かされています。このモデルでは香箱1個で、パワーリザーブ72時間を実現しました。それ以外にも、古典的なチラネジテンプや、1時間に21,600回振動する自社製フリースプラング式ヒゲゼンマイなど、ランゲならではのディテールが盛り込まれています。


●キャリバーL141.1


サファイアクリスタルのシースルーバックからは、素材の特性を生かした洋銀製4分の3プレート、ビス留め式ゴールドシャトン、ブルースクリュー、テンプ受けおよび中間車の受けなど、ランゲならではの品質の証しを見ることができます。二度組方式で仕上げられたムーブメントの随所に施された手彫りの装飾模様が、A.ランゲ&ゾーネの最高品質基準を物語ります。


三つのバリエーション
新しいランゲ1・タイムゾーンのサイズは従来のモデルと同じで、ケースの直径は41.9ミリ、高さは、10.9ミリです。このランゲ1・タイムゾーンにはケースとダイヤルの組み合わせが3通りあり、ホワイトゴールド/ブラック、ピンクゴールド/シルバー、そして100本限定製作のイエローゴールド/シャンパンからお好みのカラーコンビネーションを選択できます。



●YGのみ、ブティック限定(世界限定100本)



そしてさらなる朗報だ!

日本3か所のA.ランゲ&ゾーネ ブティックで、この新作タイムゾーンのサンプル巡回展が、下記日程にて実施される。


<ランゲ1・タイムゾーン サンプル巡回展>
A.ランゲ&ゾーネ銀座  6月26日(金)& 27日(土)、30日(火)、7月1日(水)~6日(月)
A.ランゲ&ゾーネ伊勢丹新宿店  7月8日(水)~15日(水)
A.ランゲ&ゾーネ 阪急うめだ本店 7月17日(金)~ 22日(水)
※日本に届いたばかりのWGモデルと、PGの実機サンプルを店内展示。実機サンプルを手にとってご覧いただけます。


●ブラック・ダイヤルのWGモデルはかなりの人気となりそうな予感



以上が、ブランドからの資料だが、いかがだろう。
リモデルということで、新作としてのインパクトはさほど強烈ではないものの、実機に触れ細部を見ていくと、じわじわとくるタイプの新作と言える。

まずは旧作との比較。
ちなみに、ここから先の画像は、すべて実機を撮影したものである。


新旧比較。左が新作、右が旧作。


プレスリリースにもあったように、デイ・ナイト表示のデザインがとても自然にセンス良く処理されているほか、ランゲ1が新ムーブに切り替わった際の約束事であった、A.ランゲ&ゾーネのロゴを細い字体へ切り替えるという変更もなされていて、以前以上に洗練された印象を受ける。



さらにいうと、ベゼルのデザインや文字盤の色味や仕上げ処理など、技術的なディティールも年々高度になっているので、それによる存在感・高級感も、前作から15年を経たなりの進歩が実感できる。



機能面では、サマータイム表示が組み込まれたことで実用性が一段と高まった。サマータイムを採用するゾーンタイムを設定すると、5時位置にある三角矢印の底辺が赤く表示されるので一目瞭然なのだ。画像でいうと、上のミッドウェーにはサマータイムの採用はなく白表示だが、下のロンドンの場合は三角の底辺が赤く表示されるので、サマータイム期間は(脳内で)1時間プラスすると覚えておくとと非常に便利だ。



ケースサイズに関して、径は同じだが、厚さはほんのわずか、0.1mm薄いのとケースバックのサファイアクリスタル面が増えていることもあって、装着感は前作よりもかなり良い。


●ケースバックの新旧比較。左が新作、右が旧作。サファイアクリスタルの面積が増えてるのがわかる。

手に載せた感じの着け心地は、非常にしっくりと馴染む。




新しいムーブメントは当然自社製のひげゼンマイを採用しているはずであり、ムーブメントにおけるA.ランゲ&ゾーネの信頼性は揺るぎのないものだが、もうひとつ言うと、今回のムーブメント「L141.1」は、2012年に発表された新グランドランゲ1のムーブ「L095.1」がベースとなっていると思われるので、数年のアドバンテージとノウハウの蓄積がある分、信頼性はさらに高いと言えるだろう。


●新型グランドランゲ1のムーブメント「L095.1」(左)と新タイムゾーンのムーブメント「L141.1」(右)。
画像ではサイズが違って見えるが、両ムーブとも径は34.1 mmの同寸。







では最後に動画をどうぞ!
おなじみのアントニー・デ・ハス(開発責任者)主演による商品解説動画(ただし英字幕)!



もうひとつ、プロダクト・イメージ動画もご覧ください!





今回は、先にも書いたように、読者のみなさんもすぐに実機が見られるような展示会があるので、是非ご自分の眼と感覚でこの新作を吟味して欲しい!!





【仕様】

ランゲ1・タイムゾーン


[ムーブメント]

ランゲ自社製キャリバーL141.1、手巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、ハンドエングレービング入りテンプ受けおよび中間車の受け

ムーブメント部品数:448
石数:38
ビス留め式ゴールドシャトン:3
脱進機:アンクル脱進機
調速機:耐震機構付きチラネジテンプ、自社製の最高品質ヒゲゼンマイ、振動数21,600振動/時、スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能なビートエラー修正機構
パワーリザーブ:完全巻上げ状態で72時間
機能:ホームタイム表示およびゾーンタイム表示それぞれに専用デイ・ナイト表示/ストップセコンド機能搭載スモールセコンド/第二時間帯設定用24都市リング、サマータイム対応/ホームタイム対応アウトサイズデイト表示/パワーリザーブ表示AUF/AB
操作系:ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ/日付調整プッシャーおよびタイムゾーン切替えプッシャー
ケース寸法:直径:41.9 mm、高さ:10.9 mm
ムーブメント:直径:34.1 mm、高さ:6.7 mm
風防ガラスおよび シースルーバック:サファイアクリスタル(モース硬度9)




[ケース]
寸法:直径:41.9mm、高さ:10.9 mm
風防ガラスおよび シースルーバック:サファイアクリスタル(モース硬度9)



Ref.136.021
ケース:イエローゴールド

ダイヤル:シルバー無垢、 シャンパン
針とインデックス:イエローゴールド
ベルト:手縫いのレザーベルト、ブラウン
バックル:イエローゴールド製ピンバックル
限定数:100本/ブティック限定モデル




Ref.136.029
ケース:ホワイトゴールド

ダイヤル:シルバー無垢、 ブラック
針とインデックス:ロディウム仕上げのゴールド
ベルト:手縫いのレザーベルト、ダークブラウン
バックル:ホワイトゴールド製ピンバックル




Ref.136.032
ケース:ピンクゴールド

ダイヤル:シルバー無垢、 シルバー
針とインデックス:ピンクゴールド
ベルト:手縫いのレザーベルト、レディッシュブラウン
バックル:ピンクゴールド製ピンバックル


[税抜予価]
PGケース・WGケース : 各551万円(税抜)
YGケース : 585万円(税抜) ※世界限定100本、ブティック限定

[発売予定時期】
PG・WG:2020年8月以降
YG:2020年9月以降




【インターネット】
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