パテック フィリップが さらなる新作を追加発表~カラトラバ新作「ref.6119」、画期的な表示機構を持つ永久カレンダー「ref.5236」など4モデル

 By : KITAMURA(a-ls)


Watches&Wonders2021の初日のノーチラス5711/1Aの最終形態発表に続き、パテック フィリップからさらなる新作が追加発表された。

まず特筆されるのは、パテック フィリップの基本形である「カラトラバ」に、まったく新しい手巻キャリバー30-255 PSを搭載したニュー・モデル「 ref.6119R-001」と「ref.6119G-001」が登場したことだろう。


● ref.6119R-001


● ref.6119G-001

なんだろう、現代的な造形ではあるのに、"時計としての美しさ"をここに凝縮したかのような、シンプル・オブ・シンプルズな存在感。



ベゼルのホブネイル・ギョウシェ、ファセット仕上げのゴールド植字インデックス、ドルフィン針(パテック・フィリップの公式呼称はフランス語読みの"ドフィーヌ"だが、ここは馴染みの"ドルフィン"と表記させてください)の時分針・・・まだ実機も見ていないのに、"時計とはかくあるべき"かと唸らせられるような偉容をかもしだしている。最近つい忘れがちだったけれど、自分が初めて機械式時計というものを意識して手にしたのは、パテック フィリップのref.3919だった!



だから最初に覚えた時計用語は「トゥールビヨン」でも「ミニッツ・リピーター」でもなく、「クルー・ド・パリ」と「ホブネイル」だったんだ、今思えば!!



この6119というリファレンスには、長く空位であった3919の後継的な意味合いが込められていることは疑いない。
振り返ってみると、メンズ・ウォッチのリファレンスナンバーといえば3000番台が普通だった1991年に発表されたref.5000、そしてその後継として、2005年の発表当時はまだ処女地であったリファレンス6000番台に踏み込んだRef.6000、そしてそれに続くref.6006(2017年)、新社屋落成記念モデルのref.6007(2020年)を経てのこのref.6119。



ブランドの未来形を切り開く象徴的な作品の系譜に連なるこのモデルの登場をもって、今後、4桁の頭が6000番台のリファレンスは、次代のパテック フィリップを担うであろう新たな基幹ムーブメントを積んだモデルに与えられていくことになると予想する。



そして新キャリバー30-255 PSは、直径31mmにしてツインバレルを備え(最小で)65時間のパワーリザーブを持ちつつ、前任の215 PSと同じ2.55mm厚というその薄型仕様とあいまって、今後十数年の夢を託せる限りない拡張性・可能性を感じる。


"基本=ベーシック"とか、根源=オリジン"とか、そんな普遍の感覚を思い出させてくれたこのカラトラバにはちゃんと向き合ってみたい。







そして、さらなる新鮮な驚きは、新しい永久カレンダー・モデル ref.5236Pだ。





直線状のインライン表示により、たいていのモデルが老眼泣かせだったパーペチュアル・カレンダーを驚異的にシンプルに革新した。70年代に製作され現在はパテック フィリップ・ミュージアムにも収められている懐中時計をモチーフとしているとはいえ、その機構を非常に現代的な形式に変換して腕時計に搭載した"眼からウロコ"の一本だ。






●パテック フィリップ・ミュージアム所蔵のポケット・ウォッチ

このカレンダー・モジュールの閏年送りのメカニズムなどは、おそらく当サイトが誇るCCFan氏の大好物そうなので、おそらく徹底解明してくれるであろうと予測している(笑)。




その他、アニュアル・カレンダーにして初のステンレススチール・ケース・モデルとなるref.4947/1A。これは既発のレディース・モデルのヴァリエーションなのだが、38mm径とブルー・ダイヤルに刺さる紳士が続出する可能性大だ!





そしてレディースモデルと言えば、ギヨシェ装飾を施したブルー・ラック塗装文字盤の手巻きカラトラバ・モデルに、初めて自動巻きを搭載し、ケース径がひとまわり大きい35mm径となったref.4997/200Gもコレクションに加わっている。




以上がWatches&Wonders2021におけるパテック フィリップの全貌となるのだが、この新作の使い発表は同イベントのプラットフォームからではなく、自社のサイトを通じて世界同時発表されている。この試みはとても興味深く、大規模展示会の将来や新作情報の発信に対して、グランメゾンが持ちうる新たなツールと選択肢として、今後の時計業界に少なからず影響を与えるものと思われる。
なので、さらなる詳しい情報や動画は、同社のオフィシャル・サイトにて発信されている。

【パテック フィリップ ホームページ】
http://www.patek.com


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