ジラール・ペルゴ 「ロレアート 42mm エタニティエディション」~エナメルを纏ったスポーツ モデル

 By : KITAMURA(a-ls)


多くのウォッチメイカーと会ってきた印象からいうと、良い時計の作り手には常に独創的なクリエイティヴを考えその手段を探している感がある。しかしその使い手であるユーザーは、意外と保守的でスタイルに縛られている人が多いイメージがある。
特にファッションで、「ジーンズにこの時計はダメだろう」とか「スーツにこの時計は無い」とか、その用途を型にはめたがる人が多いのはとても不思議。

ファッションとは自己表現の大事な手段であるからして、他人の顔色をうかがうようなものではなく、自分の思うように、やりたいようにすべきだ。だいたい、新しい流行のほとんどは"型破り"から生まれてくる。もしも皆が既存のファッションを模倣し続けていたらそこからは何も生まれない。

第一、数万から数十万、モノによっては数千万もする時計というアイテムを選んでいる時点で、多くの他人からみたら"変人"なんだから、感じたままに自信を持って堂々と使うべきで、いまさら"ジーンズに着けたら変に見られるのでは"とか心配している方が変だと思うのだが、どうだろ?

えーと、だいぶ遠回りした感があるけれど、何が言いたかったのかというと、プチ型破りな時計を紹介したいのである。
「ジラール・ペルゴ ロレアート 42mm エタニティエディション」。



いわゆるスポーツ・ウォッチの範疇にあるこのモデルのドバイ・ウォッチ・ウイークで発表された新作に、スポーツ・ウォッチとはちょっと遠い特性を持つエレメンツである、エナメル・ダイヤルが採用されているのだ。



実はこの10年、いろんなブランドのマーケティングの偉い人に、「エナメルのスポーツ・ウォッチ作ればいいのに」と言ってきた。
たいていは、「ハードな使い方が予想されるモデルなので、繊細で傷つきやすいエナメルは難しい」、「エナメルは金属ダイヤルよりも厚みが必要なので、ケースを設計し直さないといけない」、「針の軸の長さが問題となる」とか、なかなか色よい反応はなかった。

今回の「ロレアート 42mm エタニティエディション」だが、プレスリリース上には特に触れられてはいないが、ジラール・ペルゴが自信をもって市場に投入してきたからには、衝撃試験などを含む技術的な困難は克服されているに違いない。
エナメル好きの人間としては、各社がこぞってこの流れに乗ってくれることを強く希望する次第である。

以下、プレスリリースをどうぞ。




ロレアート 42mm エタニティエディション~永遠の魅力

1975 年に発売されたジラール・ペルゴ ロレアートは、大きな商業的成功を収め、今では時計愛好家の間で広くアイコンと
みなされています。この度、マニュファクチュールは、壮麗な自社製のグラン・フー エナメル文字盤を採用したモデル、ロレアート 42mm エタニティ エディションを発表いたします。この光沢ある表面の作りたてのような外観が、色あ せたり失われることは決してありません。実際、ロレアートの精神と一致するこの最新モデルは、決して衰えない永遠の魅力をもたらすように運命づけられています。


ロレアートは、機械式ムーブメント、異なる素材、さまざまな複雑機構を採用しながら、長年にわたって進化してきました。実際、ジラール・ペルゴは、1975 年のオリジナルデザインに忠実であり続ける一方で、革新を避けたことは一度もありません。
この度、マニュファクチュールは、アイコニック ウォッチの新バージョン、ロレアート 42mm エタニティ エディションを発表いたします。このモデルの構成は、1975 年のオリジナルのロレアートデザインの永続的な魅力に敬意を表しながらも、グラン・フー エナメル文字盤によってその不朽の外観を強化しています。この光沢のある表面は、年月を経ても決して色あせず、その作りたてのような外観をいつまでも保ち続けるでしょう。



ジラール・ペルゴの CEO パトリック・プルニエは次のように述べています。
「2021年、ジラール・ペルゴは、創業 230 周年を迎えます。記録を読むたびに、私たちには昔の時計職人、工芸人、職人たちの遺産を維持する責任があることを思い出させてくれます。当社が大切にしているこうしたスキルを絶対に忘れるべきではありません。2020年に発売されたインフィニティ エディションと同様に、私たちは、エタニティ エディションによって、私たちの技術を後世の人々に楽しんでもらうために、限定生産の時計を作りたいと考えました。私たちは、何十年経っても魅力的な時計を作りたいという思いから、自社内の施設で作られるグラン・フー エナメル文字盤をこれらのモデルに採用しました。これらの文字盤は、年月が経っても色あせしません。その美しさは永遠に存続し、未来の人が楽しめるように運命づけられています。」



グラン・フー エナメル文字盤は、自社内の施設で作られます。エナメルは、粉末状に砕いたシリカ、鉛丹、炭酸カリウム、ソーダの混合物から成ります。これに金属酸化物を加えることで、さまざまな色のエナメルを生み出します。粉末を文字盤の上に振りかけたら、通常、およそ 800°C の炉に入れて焼きます。望みどおりの光沢のある外観が得られるまで、この工程を 5 ~ 10 回繰り返します。



グラン・フー エナメル加工を習得するには多くの専門知識を必要としますが、たとえ経験があっても、焼成を繰り返すと、ひび割れ、気泡、不完全な発色が生じることがあります。必然的に、多くの文字盤が検査に合格できず、廃棄されます。けれども、この時間のかかる工程の最大の利点は、完璧なグラン・フー エナメル文字盤がその色をいつまでも保ち、永遠の楽しみを約束することです。



さらにジラール・ペルゴは、ギョーシェ仕上げのサンレイ モチーフで文字盤の表面に活気を与えました。この模様は、半透明のエナメル面を通して見え、文字盤の表面の壮麗さを強調します。将来のオーナーには、ブルーまたはグリーンの文字盤オプションを選択するという楽しみが与えられます。

文字盤の表面は非常に特徴的かもしれませんが、他の要素は安心できる見慣れたものです。ロジウムプレートのバトン型の針が、時と分を示します。12 時位置にあるブランドのイニシャルは、アワーマーカーとともに文字盤の表面に植字されています。ほっそりした中央のスウィープセコンドは、ジラール・ペルゴ ゴールドブリッジの側面を模したカウンターウェイトを特徴としています。3 時位置の日付表示は、カラーディスク上にホワイトの数字が配置されており、時計製造の作法が定めるように文字盤本体の色合いと調和しています。



1975 年の DNA を継承するロレアート 42mm エタニティ エディションは、一体型ブレスレットを特徴としています。各リンクには、ポリッシュ仕上げまたはサテン仕上げが施され、時計愛好家から常に高く評価されてきた見事な相互作用をもたらします。この対照的な仕上げの融合は、ケースとベゼルにも及び、贅沢な感覚を全体に与えています。
キャリバー GP01800は、マニュファクチュールであることにならい、ラ・ショー・ド・フォンにある自社の生産施設で作られます。この自動巻きムーブメントは、コート・ド・ジュネーブ装飾が施されたピンクゴールド製ローターを特徴としています。ムーブメントの優雅さをさらに高めるのが、ブリッジに施されたコート・ド・ジュネーブ装飾、面取り、鏡面仕上げのネジ、地板のペルラージュ仕上げ、エングレービングされた金箔文字などで、いずれも自社の妥協のない基準に従って実施されています。




【技術仕様】
ロレアートエタニティ 42mm エディション
リファレンス:81010-11-432011A(ブルーの文字盤)
リファレンス:81010-11-433011A(グリーンの文字盤)

[ケース]
素材:スティール
直径:42mm
厚さ:10.68mm
風防:無反射加工サファイアクリスタル
裏蓋:サファイアクリスタル
文字盤:ギョーシェ仕上げサンレイモチーフのブルーまたはグリーンエナメル
針:「バトン」型、ロジウムプレート
防水:100m(10ATM)

[ムーブメント]
リファレンス:GP01800
機械式自動巻きムーブメント
直径:30.00mm
厚さ:3.97mm
振動数:28,800振動/時(4HZ)
部品数:191
石数:28
パワーリザーブ:約54時間
機能:時、分、センターセコンド、日付

[ブレスレット]
素材:スティール、ポリッシュ/サテン仕上げ

限定:各188本(シリアルナンバーなし)
価格:1,815,000円(税込)/国際価格:CHF13,460
※「ロレアート 42mm エタニティ エディション」は両バージョンともドバイ・ウォッチ・ウィークで発表、2021年12月からSeddiqiで販売された後、ジラール・ペルゴ正規販売店全店とブランドのインターネットサイトでも販売されます。


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[ロレアート]
1969 年、ジラール・ペルゴは、水中での使用を目的とした腕時計、ディープ ダイバーを発表しました。そのクッション型ケースは、用途にかなうようにデザインされましたが、その曲線美は、視覚にも大いに訴えました。とりわけ注目されたのは、モデル独自のベゼルデザインでした。このデザイン要素は、元来機能的な時計を美の対象に変えました。ベゼルの 14 の面は、光と戯れ、ブリリアントカットダイヤモンドのようにきらめきます。多くのダイバーズウォッチが実用的なものであるのに対し、ディープ ダイバーは、美的にも楽しめることを証明しました。
1970 年代の半ばからは、スティール製スポーツウォッチが大きな人気を博しました。1975 年に発売されたロレアートもそのひとつです。このモデルは、完全一体型ブレスレットを特徴とし、最初は当時の最先端ノウハウであるクォーツ ムーブメントを搭載していました。興味深いことに、そのデザインは対照的なシェイプを巧みに組み合わせていました。例えば、ラウンド型の文字盤は、トノー型ケース上の円形台座の頂上にある八角形ベゼルで囲まれていました。こうしたシェイプの大胆な組み合わせは、見事にまとまった外観によって正当化されました。ロレアートの考案に関わったデザインチームは、賢明にもディープ ダイバーのベゼルデザインに戻ることを選び、これを機に、ベゼルに 14 面の変わりに 8 面を与えました。それでも、光との相互作用が、同じく印象的であることを実証しました。