カール F. ブヘラ 「カプセルコレクション」~マネロ ペリフェラル パーペチュアルカレンダー ブラックをインプレッション・レポート

 By : CC Fan

本日発表されたカール F. ブヘラの新たなるコレクション、カプセルコレクション。
ブラックをテーマにしたフォージドカーボンケースの3本DLCステンレススティールの2本を擁する最新作です。


カプセルコレクション専用の什器に収まったコレクション。

今回、ブランドを象徴する「ペリフェラル」技術を用いたハイコンプリケーションのなかでも新規開発となるパーペチュアルカレンダームーブメントを搭載した注目作、マネロ ペリフェラル パーペチュアルカレンダー ブラックを一週間ほどお借りして評価させていただくことが出来ましたのでレポートします。



今までもマネロコレクションにパーペチュアルカレンダーはありましたが、今回は初めてとなるペリフェラルロータームーブメントA2000系との自社製永久カレンダーモジュールの組み合わせが搭載されました。

永久カレンダーは12時位置に月と閏年、3時位置に日付、9時位置に曜日を表示し、6時位置のムーンフェイズは二つの窓で北半球と南半球の月齢を同時に表示するタイプです。
ムーンフェイズが北半球・南半球同時表示になったおかげか、他のサブダイヤル同様に丸い外観となり、バランスが取れているように感じます。
また、サブダイヤルとバランスを取るためか、通常のブランドネームではなく、円の外周に控えめにCARL F. BUCHERERとPERPETUAL CALENDERと入れられています。



レターはサブダイヤルとの配置の関係なのか、通常の12時6時ではなく、10時30分と4時30分の位置に斜めに入れられていることで、よりシックな印象になりロゴの存在感があまりない方が良いという個人的な嗜好に合致していて好ましい印象です。
針やインデックスの造形は今までのカール F. ブヘラのキャラクターを踏襲していますが、このロゴの入れ方だけでずいぶんと印象が変わるものだと思いました。
今までのブヘラとは少し異なった印象で、元からのファンだけではなく、新しい層にも訴求しそうです。

この、「円に沿ってレターを入れる」方法は3つのインダイヤルとムーンフェイズを持つかなり密な文字盤レイアウト設計になったことから採用されたそうですが、結果的にクラシックなレイアウトの永久カレンダーとの組み合わせが一風違ったモダンな見せ方になり良い解決策になったとのことです。

特徴的なケースは「フォージド」カーボン素材とチタン製のムーブメントコンテナを組み合わせたものです。
フォージド、すなわち鋳造カーボンと言うのは、比較的短いカーボン繊維に硬化樹脂を含侵させたプリプレグ材を金型にランダムに押し詰め、圧力をかけながら過熱して硬化させる方法で、型に流し込む様子を鋳造に見立てて、フォージドカーボンと呼ばれるようになりました。

このケースはあらかじめ硬化されたフォージドカーボンのブロック材を切削プロセスによって削り出して作られており、フォージドカーボン特有のランダムな繊維方向によりそれぞれが異なる表情を見せます。



今回、同時に入荷した2個体でもカーボンの模様が異なっていることが分かります。
繊維の方向がランダムであるため、カーボンの欠点である積層の剥がれなどに強いこともメリットでしょう。
外装のフォージドカーボンに加え、防水を担当しムーブメントを保持するためのチタンコンテナが内部に据え付けられ、ムーブメントを保護しています。
フォージドカーボン部分が万が一破損した時に備え、ケースは個々の部品として交換ができるように設計されているそうです。



ムーブメントはブヘラが誇る「ペリフェラル」技術であるペリフェラルローター自動巻きを搭載したA2000の永久カレンダーバージョンA2055。
永久カレンダー機能は文字盤側に集約されているため、ムーブメント側からは特に違いは見受けられません。

ペリフェラルローターは通常のフルローターに比べるとムーブメントを遮らず、機構が重ならないため薄くすることが出来ます。
ムーブメントのデザインは直線を基調にした現代的なもので、キッチリと面取りをしながらシャープに仕上げられています。



ケース自体が軽量なこともあり、装着感は良好、ワイシャツの袖に収まります。
付けていて気が付いたこととして、ペリフェラルローターは重心移動が少ないのか、通常のフルローターほど「錘が回転している感覚」が手首に伝わってこないという印象でした。
注意深く振ってみると僅かに動いている感じはありますが、腕に巻いてしまえばほとんど気になりません。

その状態で、巻き上げ効率はどうか?と、通勤や仕事で1日装着し、1~3時間程度歩く、それ以外はデスクワークという条件で止まってしまう事はありませんでした。
精度も秒針がない二針でそこまで厳密には確認していませんが、1週間で分レベルの進み・遅れが気になるようなズレはありませんでした。
COSC認定クロノメーターも取得しています。



バックルは尾錠型のDバックルが付属し、ラバーストラップと合わせてシーンを選ばずアクティブに使えます。
ラバーストラップは永久カレンダーの「永遠・宇宙」というイメージから「ミルキーウェイ(天の川)」テクスチャが採用され、それぞれのピースに専用のテクスチャが用意される拘りです。



宇宙のイメージはムーンフェイズディスクに使われたアベンチュリンからも感じることが出来ます。
立体感のあるムーンディスクは手彫りで装飾を施したホワイトゴールド製です。

さて、一週間使ってみてですが、初日に拝見した時に強く感じた控えめなロゴの処理がただものではない…という印象が最後まで続きました。
永久カレンダーは文字盤上の文字数が比較的多く、煩雑な印象を感じてしまいがちなのですが、機能として意味のある文字がメインになっていて装飾の文字は控えめという事が好印象に繋がったのでしょうか。

軽快なフォージドカーボンケースとラバーストラップで普通に「日常使い」できる組み合わせのパーペチュアルカレンダー、是非実物をご覧ください。



【お問い合わせ】
SwissPrimeBrands株式会社
電話: 81 (0)3 6226 4650



[カール F. ブヘラ]
カール F. ブヘラは1888年の創業以来、卓越性、革新性、情熱の代名詞となってきました。創業者のパイオニア精神とホームタウンであるルツェルンで育まれたコスモポリタン精神を特徴とし、今では世界中でその存在を認められるグローバルブランドとして成長しております。また、スイスでも数少ない独立したオーナー経営による時計メーカーのひとつで、現在は3代目となるヨルグ・G・ブヘラがグループを率いています。
カール F. ブヘラが製造するコンテンポラリーな時計は、独自のデザインと最高の精度、優れた機能性を兼ね備えています。そして技術の革新に取り組んだカール F. ブヘラは、ペリフェラル技術のマーケットリーダーです。ペリフェラル式自動巻きシステムの特許だけでなく、外周で支えるトゥールビヨンキャリッジとミニッツリピーターレギュレーターで、「フローティングトゥールビヨン」 の特許も取得しました。カール F. ブヘラ - 世界のどこにいても中央スイスの故郷との繋がりは変わらずに。