Watches and Wonders Geneva 2023  A.ランゲ&ゾーネ 2023年新作を予想する

 By : KITAMURA(a-ls)


毎年恒例のA.ランゲ&ゾーネの新作予想だが、本来はもう少しWatches&Wandres開幕に近い時期に書くはずが、今年はある事情でそれを早めなければならないこととなり、もし書くならば今日・明日中か…、ま、あわよくば書かないで済ませるという考えもあったのだけれど、最近あまりたいしたブログも書いていないので一念発起、とりあえず思いつくままに書いてみる。


予想の軸はいくつかあって、一番シンプルなのは周年からの予想なのだが、今年は、昨年以上に周年にエポックメイキング的なものがあまりないので、この線からの予測は厳しい気がする。

次は機構面からの予想。最近ご無沙汰な複雑機構に注目するパターンだ。
昨年の「リヒャルト・ランゲ ミニッツリピーター」予想はここからつなげたのだが、たとえばトゥールビヨン、パーペチュアル・カレンダー、サウンド機構、新発明的な機構...といったローテーションで考えると、今年はいよいよ「テラルーナ」以来の画期的新機構の順番であって欲しいし(強い願望)、なんか今年はクロノグラフ系に光が当たってそうな予感がある。

それから機構面ではもうひとつ、基幹モデルの進化形アップデイトのローテションという見方もある。
例えば、1994年デヴューの「ランゲ1」は21年後の2015年にリニューアルされた。1999年発表の「ダトグラフ」は約13年間第一線に君臨した後、2012年の「ダトグラフUP&DOWN」にモデルチェンジされたといったようなパターンだ。
その線から言うと、2006年登場のセンターセコンドの「リヒャルト・ランゲ」のオリジナル辺りが、そろそろ匂わないでもない。"リヒャルト・ランゲのロング・パワーリザーブ・モデルへの進化"とかね。ただその場合、昨年の"ミニッツリピーター"と似たフェイスになってしまうのが弱点。なので、"貴石ダイヤル"採用の可能性なんかもプラスしての予想…。




で、この線でもうひとつ気になるのが、ダトグラフ系のリニューアルかもしれない。「ダトグラフUP&DOWN」にしても発売から11年が経過しているので、たとえば"ダトグラフ ラトラパント"などは、175周年の「1815 ラトラパント」の流れがあるわけだから、充分に実現可能だろう。


●画像上+画像下


最初に周年からの予測は厳しいとは書いちゃったけれど、うすーい線で、ないわけでもないのが、去年も書いてる角形(レクタンギュラーもしくはスクエア)モデルの新作ね。下を見て。

・25周年(1998年発表)=カバレット、1815UP&DOWN 
・20周年(2003年発表)=グランドランゲ1 ルナムンディ
・15周年(2008年発表)=カバレット・トゥールビヨン
・10周年(2013年発表)=グランドコンプリケーション 1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー

25周年と15周年にカバレットがいるのだけど、ディスコン・モデルに周年記念というのもなんなので、そこで妥協案として"角形の新ライン"という推測。またこのシェイプには、ランゲでは割と手薄なレディースモデルを補いやすいという利点もある。ま、毎年予想に挙げておけば、いつかは当たるというパターンかな(笑)。


●去年も載せてるw「カバレット」のオリジナルデザイン(上)とファイナル・デザイン(下)


逆に、あってもおかしくないけど絶対にやって欲しくはないのが、175周年記念限定モデルとか、過去の限定モデルのケース・ダイヤルの色違い。去年早速「1815ラトラパントPT」を出してるけど、あのやり口はダメだぞ!




最後に捕捉として念押し。
以下は昨年書いた文章だけど、あえて再掲で。

『2016年以降に着手した新ムーブが、いまだ発表されていないのだ(例外として、おそらく2017年だろうといわれている「ウォルター・ランゲ・オマージュ」があるが、あのモデル搭載キャリバーはウォルター・ランゲ翁に敬意を表して氏の生年であるL1924とされたのでカウントしないとすればの話)。
ということは、開発中ムーブメントがかなりの数で進行中ということになるので、ここ数年、既存モデルに新機能を追加したパターンが多かったランゲの新作ではあるが、なにかアッと驚くような機構を持つ新ムーブ搭載モデルが出る可能性は非常に高いのである』
ということで、なにかとてつもない新機軸時計が登場する可能性は充分に秘められている、ということもお忘れなく。

こんなところかな。
たとえWatches&Wandres新作にはなかったとしても、2023年中にこれらが出たら、情けを汲んで"当たり"とカウントしてね。正解は3月27日のジュネーブて、乞うご期待である。