Watches and Wonders Geneva 2022直前 A.ランゲ&ゾーネ 2022年新作を予想する

 By : KITAMURA(a-ls)



Watches and Wonders Geneva 2022直前
A.ランゲ&ゾーネ 2022年新作を予想する


今年もこの時期がやってきた。
2022年の新作を一斉に発表する「WATCHES&WONDERS 2022」の開幕が、いよいよ3日後にせまった。
で、毎年恒例化しているA.ランゲ&ゾーネの新作予想をそろそろ書かねば、と。

個人ブログ時代のネタとして始めて以来、毎年、"当たらずも遠からじ"的、もしくは"少し掠った"的な成果をあげてきているのだけれども(昨年も『自動巻きパーペチュアルカレンダーの新作が出るのでは』というヤケっぱち予言が「ランゲ1パーペチュアル」に救われた)、しかし今年は昨年以上に、本当にヒントが少ない。



◆周年からの予想
まず周年にエポックメイキング的なものがあまりない。過去をさかのぼってみると、こんな感じ。

・25周年(1997年)=ランゲマティック(キャリバー)発表
・20周年(2002年)=ランゲ1ムーン
・15周年(2007年)=ランゲ31
・10周年(2012年)=ランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアル発表

うーん、ランゲ31の記念モデルとか、あまり想像しずらいしなぁ。


もっとさかのぼって無理くり探せば、
・145周年(1877)=ジャンピング・セコンドのドイツ特許を取得
・140周年(1882)=ルモントワール機構とスプリング・デテント式脱進機搭載のチェーンフュジー懐中時計を製作

とかあるけど、さすがにねぇ・・・。

あと周年ではないが、オデュッセウスの新型(ケース素材や文字盤カラーの変更)も、ヒット・モデルだけにあり得ないことではないが、現時点の受注分も遅配気味であるような状況の中、新作というのはどうかな、と。。。


◆レクタンギュラー・モデルの可能性
細い線ではあるが、昨年突如ハンドヴェルクス クンストとして復活した「カバレット・トゥールビヨン」が何らかの伏線であったという読みから、カバレット・ラインの復活もしくはレクタンギュラー(角形)モデルの登場という可能性はあるかもしれない。






●カバレットのオリジナルデザイン(上)とファイナル・デザイン




◆機構からの予想
ランゲの場合、規模的にも作り込み的にも、大きなプロジェクトは一年一作ペースとなることが多い。たとえば、トゥールビヨン、パーペチュアル・カレンダー、サウンド機構、新発明的な機構...といったローテーションがそれにあたるのだが、そのローテーションから見て今年辺りそろそろミニッツ・リピーターが来てもいいような気がする。
クラシックなフェイスやケース形を特徴のひとつとするランゲにあって、ミニッツ・リピーターが(グランド・コンプリケーションという超例外を除けば)ツァイトヴェルクだけに存在するというのも気になる点ではあるので、これは願望だが、リヒャルト・ランゲ・プール・ル・メリットのデザイン(つまり典型的な懐中時計顔のデザイン)での、シンプル・リピーターの登場があったら本当に嬉しいが。。。


●グランド・コンプリケーション(上)とリヒャルト・ランゲ・プール・ル・メリット(下)


またもうひとつ、機構面の分析からいうと、ランゲの新キャリバーはそのムーブメントナンバーから開発着手年がわかる仕組みになっているのだが、それを見ていくと2016年以降に着手した新ムーブが、いまだ発表されていないのだ(例外として、おそらく2017年だろうといわれている「ウォルター・ランゲ・オマージュ」があるが、あのモデル搭載キャリバーはウォルター・ランゲ翁に敬意を表して氏の生年であるL1924とされたのでカウントしないとすればの話)。

ということは、開発中ムーブメントがかなりの数で進行中ということになるので、ここ数年、既存モデルに新機能を追加したパターンが多かったランゲの新作ではあるが、なにかアッと驚くような機構を持つ新ムーブ搭載モデルが出る可能性は非常に高いのである。
この10年内では、テラルーナ(2014)、トリプルスプリット(2018)があったが、そこからの"4年周期"説という視点からみても(笑)、2022年の今年、なにかとてつもない新機軸時計が登場する可能性は充分に秘められている。


ということで、あと3日。
当たるも八卦当たらぬも八卦、結果はどうか、今年ばかりはあまり自信ないのですが‥‥どうぞご笑覧ください。