レイモンド・ウェイル CEO Elie Bernheim氏インタビュー ~GPHG受賞作「ミレジムコレクション」を語る

 By : CC Fan

セクターダイヤルを備えた新作、ミレジム(Millésime)が2023年のGPHGにて、CHALLENGE WATCH PRIZEを獲得、デザインと品質、そして価格のバランスで注目を集めているレイモンド・ウェイル。
今回、本国よりCEOのElie Bernheim氏、Asia Sales ManagerのDING KAKINUMA Xueqing氏が来日し、日本市場に対する新作のプレゼンテーションを行いました。

個別インタビューを行うことができましたのでレポートします。



Elie氏、50年続くファミリービジネス(家族経営)であるレイモンド・ウェイルの3代目として指揮を執っています。

『過度に高級を追求するのではなく「アクセシブル・プライス」としてドル建てで1000~5000ドル程度のプライスレンジをターゲットに、品質と価格のバランスを両立した手の届く機械式時計を作る、という行動原理の元時計作りを行っています。コレクションは男性向けのみならず、女性向けも充実しており、男性向けが70%、女性向けが30%という割合になっています』とのこと。

元々、2010年に発表されたタイムレスなドレスウォッチのデザインを備えた「マエストロ」コレクションが知られていましたが、転機が訪れたのは、新型コロナウィルスのパンデミックによるロックダウンの時だったそうです。

『(パンデミックによって)色々止まってしまったために、この時間を使って「なにか新しいことを考えよう」と新たなるコレクションのデザインを考え始めました。変わらない良さを持つタイムレスなドレスウォッチ、そして、よりヴィンテージ色の強い「ネオ・ヴィンテージ」とも呼べるデザインをイメージした結果、セクターダイヤルを備えたミレジムコレクションが誕生したのです』

ミレジム コレクションは、昨今のトレンドである小ぶりなアンダー40mmの39.5mmケース、薄型自動巻きを備えています。

『特徴的なセクターダイヤルはインハウスデザイナーと何度も検討を重ねてバランスを決めたとのこと、社内で完結するフレキシブルさによってさまざまさ試行が可能となり、納得いくまでデザインを検討することが可能になった』そうです。



上の画像がスモールセコンドモデルで、正面からでは伝わりにくいかもしれませんが、ボックス状のサファイアクリスタル風防で針のクリアランスを確保し、ベゼルに相当する金属ケースが薄いため、数値上の10.25mmと言う厚みよりも薄く感じるケースデザインです。
文字盤は4つのパーツに分割されてそれぞれの異なる仕上げによってコントラストを強調し、読み取りを容易としています。

そして、下の画像がセンターセコンドのモデル。



セクターダイヤルのシンプルさをより活かすためにはこちらも良い、と感じます。
ケースもキッチリと仕上げられており、「普通に良い時計」として安心して使えそうです。
ムーブメントは汎用ムーブメントにイニシャルを象ったW字型ローターを追加した、と言う仕様で、個人的には「潔い」と感じる構成です。



スモールセコンド、センターセコンド共にストラップはカーフレザー。
ヴィンテージ感を強調するためにDバックルではなく、通常の尾錠(ピンバックル)が採用されています。
よりドレスっぽい装いを習得するためのピンバックルの「練習」にも良いかもしれません。

GPHG受賞の影響は?と伺ったところ、
『会社の内部にはそれほどの変化はないが、外面(市場からの反応)は大きく変わった。ミレジムコレクションは現在、しばらくは生産を集中しなければならないほど非常に好調で喜ばしい』、と語ってくれました。



最後に、日本マーケットについて伺うと、
『日本マーケットには注目しており、ミレジムのようなシンプルなデザインで小径の時計がどのような反応を持って迎えられるか期待している』とのことでした。

来るウォッチ&ワンダーズにも出展予定のレイモンド・ウェイル。
次はジュネーブで!




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TEL:03-5828-9080



[レイモンド・ウェイル]
時計職人レイモンド・ウェイルが1976年に創業した、スイス・ジュネーブに本拠を置く独立系時計ブランドです。クオーツ式時計の台頭で危機に陥るスイスの伝統的な機械式時計産業を守るため、逆境の中であえて新しい時計ブランドを作り出したことから、歴史が始まりました。時計造りの核となっているのは、パーツ一つひとつに求めるクオリティです。針一本にも妥協せず、最高品質を追い求めます。選び抜かれたパーツを熟練の職人が丁寧に組み立て完成するプロダクトは、実直にものづくりに向き合うレイモンド・ウェイルの姿勢を表しています。長い歴史をもつスイス時計産業では珍しく、創業者一族による経営を持続しており、揺るぎないアイデンティティを確立しています。一族に脈々と流れる ミュージック&アート」への深い造詣をコレクションに反映し、クラフツマンシップが感じられるクリエイティビティ、技術、品質、優雅さを兼ね備えたタイムピースを生み出し続けてきました。クラシックながら時がたっても色褪せない洗練された上質なデザインで評価されている『マエストロ』を始め、時代を超えて愛される気品あふれるコレクションを数多く残しています。また、著名な芸術家、有名音楽レーベル、世界的コンサートホールなどと国際的パートナーシップを組み、現在世界90ヵ国3000以上の店舗で展開しています。
レイモンド・ウェイル オンラインストア: https://raymond-weil.jp/