パルミジャーニ・フルリエから ブガッティ タイプ390

 From : PARMIGIANI FLEURIER (パルミジャーニ・フルリエ ) , BUGATTI (ブガッティ)
※11/29付で一部画像を差換えて再構成しました。



ブガッティタイプ 390
手首に装着するエンジンブロック




  ◆自動車にインスピレーションを受けたエンジン / 内装/ ボディ構造
  ◆ブガッティシロンへのトリビュート
  ◆フライングトゥールビヨンを搭載した円筒型機械式キャリバー PF390
  ◆ムーブメントで 1 件の特許を取得済み:三角形の香箱連結システム
  ◆1 件の特許を申請中: 12°の関節可動ケース
  ◆世界最小のボールベアリングを含む
  ◆ローズゴールドおよびホワイトゴールドのモデルを用意
  ◆各 10本の限定エディション




モルスハイムに拠点を置く高級車メーカーの最新モデル、ブガッティシロン。「世界最強、最速の車」は、驚異のパワーと信頼性とパフォーマンスを際限なく発揮し、無類の個性を備えています。
2004年からブガッティのパートナーとなったパルミジャーニ・フルリエは、このスーパーカーの真の本質を抽出し、比類ない時計を創り出そうと試みました。その結果として誕生したブガッティタイプ 390 は、数々の偉業を成し遂げました。



シロンの1500 馬力を発生するクワッドターボチャージャー搭載 W16 エンジンと同様に特別なのは、この卓越した腕時計のために開発されシリンダーに収められた、パルミジャーニ・フルリエの特許取得済みのキャリバーPF390 です。
このムーブメントは、直列に配置されたツインバレルにより80 時間のパワーリザーブを備え、円筒型構造から垂直位置に配置された文字盤への情報伝達は、ウォームスクリューによって実現しています。


さらに、このムーブメントはモジュール構造となっているため、あたかも大規模な点検のためにエンジンをスーパーカーから降ろすように、ムーブメントをハウジングから取り外すことが可能です。




このモデルにインスピレーションを与えたスーパーカーと同様に、パルミジャーニ・フルリエのブガッティタイプ 390 のボンネットの下には、多くのものが収められているのです。


従来の時計設計分野の新境地となるブガッティタイプ 390 は、まさしく手首に装着するエンジンです。
過剰な装飾や、ただ飾るためだけの要素を排し、すべては性能と本質にフォーカスしています。
「私たちは、持てる技術を必要な場所に注ぎました」とマニュファクチュールは説明します。つまり、あらゆる部分で性能と信頼性という最終目標を常に目指したのです。

これは、名高い時計ブランドと伝説の自動車メーカーがパートナーシップを結んだ当初から変わらない考え方です。2004年、パルミジャーニ・フルリエは慣習を覆し、ブガッティヴェイロンに採用されたテクノロジーから直接インスピレーションを得ました。実際、ブガッティヴェイロン16.4の公開に合わせてパルミジャーニ・フルリエが立体的な「エンジン」(ブガッティタイプ 370)で腕時計を設計するまで、時計業界にこのようなものはまったく存在しませんでした。



以来、パルミジャーニ・フルリエは明確なビジョンを持った21世紀の時計製造における先駆者としての道を歩み続け、ブガッティコレクションを確立しました。ブガッティコレクションは、パルミジャーニ・フルリエのコレクションの中でも唯一自由な創造性を制限なく表現できる「コートジェスター(宮廷道化師)」のようなコレクションです。

ブガッティ社は、「当社は他社が止まったところから始める」と言います。パルミジャーニ・フルリエはモルスハイムの工場で製作されるスポーツカーのイメージをもとに、実証済みのテクノロジーを使って革新的な腕時計(特にブガッティ タイプ 370、ブガッティタイプ 370 サントネール、ブガッティスーパースポーツ、ブガッティヴィテッセおよびブガッティスーパースポーツサファイア)を設計することで、彼らの信念を自社に当てはめました。

時計という形のブガッティシロン
このプレステージなコレクションの最新作、そして4年間の開発の成果であるブガッティ タイプ 390 も同様です。それには十分な理由があります。世界最速のクルマにインスピレーションを受けながら、革新的な方法を取入れない開発は不可能です。事実、見事なブガッティシロンの最初の納車に合わせて、パルミジャーニ・フルリエはブガッティタイプ390 を公開しました。



この時計は、独創的です。その卓越した性能と注ぎ込まれたテクノロジーは、ブガッティシロンを時計の形で再現するように設計されています。革新とこれまでにない方法を数々備え、この手首に装着するエンジンブロックは水平の円筒型構造が特徴的です。

一方には、420km/hの最高速度(公道使用のための制限)に加速する1500馬力を発生するクワッドターボチャージャー搭載 8リッター W16エンジンがあります。また一方には、円筒型の「エンジン」と、ブガッティのサドルタンクを模して直列に配置されたツインバレルを搭載し、80時間のパワーリザ-ブを誇るフライングトゥールビヨンを備えたキャリバーPF390 があります。この新たなタイプの「エンジン」は、秒を示す 60秒トゥールビヨンの調速機構の直径を上回らないようにスリム化されています。必要な慣性力に基づいて直径が決定すると(テンプの慣性力は10 mg.cm 2)、この寸法が収まるように全体の構造(「エンジン」を駆動する香箱を含む)で均整のとれたシリンダーを構成します。



もちろん、この独特な手巻き機械式ムーブメントを開発した際に、パルミジャーニ・フルリエにより特許が登録されました。
この「エンジン」が伝統的な腕時計の設計の限界を押し広げる一方、このモデル自体が型破りなものでした。デザイナー達は、シロンの生産の背景にある原則にインスピレーションを得て、エンジン/ 内装/ ボディ構造の考え方を組み入れました。特に、水平シリンダーのムーブメント(“エンジン”)はウォームスクリューで垂直に配置された文字盤および表示(“インテリア”)に接続されています。これらがゴールドとサファイアクリスタルのケース(“ボディ”)に収められ、これを通して作動するメカニズムを鑑賞することができます。



世界最小のボールベアリング

点検のためにエンジンを車両から降ろすのと同じように、モジュール構造によってムーブメントをハウジングから取り外すことでき、そのため多数の画期的な方法が採用されています。特に、キャリバー PF390 はギアトレインとそのレイアウトによって傑出しています。
目標は、他のすべての腕時計と同様、香箱から脱進機へのエネルギー伝達です。しかし、このモデルはムーブメントの円筒型の形状のため、従来の歯車/ カナ / 歯車/ カナの相互構成が、3つの遊星ギア装置を使った伝達方法で置き換えられています。これら3 つの遊星ギア装置のそれぞれには、中心歯車、3つの遊星ギア、および金属製の固定式リングギアが備えられます。この遊星ギア装置は新たなタイプの部品で、時計の輪列に初めて採用されました。


この全く新たな遊星ギア装置には、世界最小のボールベアリングが採用されています。直径わずか 1.28mm で、直径0.2mm のセラミックボールを12 個使用しています。ブガッティシロンに使用されているボールベアリングは、寸法の点では大きく異なりますが、テクノロジーとしてはきわめて類似しています。3つの遊星ギアトレインのそれぞれには 3 つのベアリングが使用され、計 9個のボールベアリングが採用されています。もうひとつの重要なポイントは、この部分には潤滑の必要がないことです。これは、信頼性とメンテナンスの点で有利です。

さらに、2つの香箱の巻き上げと時刻の調整の二重の機能を果たすため、設計者たちは通常の腕時計のムーブメントの4つの部品(オシドリ、オシドリジャンパー、巻き上げ機構のカンヌキおよびカンヌキバネ)を置き換えるロッドクランプを設計しました。この最適化された開発によって、メカニズムの性能が飛躍的に向上しました。4つの部品ではなく、ひとつの部品を使うことで、構造が単純化され、信頼性が向上し、よってメンテナンスの間隔が長くなります。
これはまさに私達が技術の進歩に求めることです。このロッドクランプ機構は、同軸に直列配置された2 つの接続された香箱(エネルギータンク)を巻き上げるためにも使用します。

キャリバー PF390で採用されている三角形の連結システムによって、2つの香箱の自動センター調整が可能です。また、この直列タイプの連結により、シロンの燃料圧レギュレータのようにエネルギーの一定した伝達と最良の計時性のための安定した歩度を保証します。次にエネルギーは遊星ギア装置を経由して伝達経路の最後にある 4Hzで(振動28,800回 /時)振動するフライングトゥールビヨン調速機構に伝わります。可変慣性テンプおよびブレゲひげは、パルミジャーニ・フルリエの製造工房のひとつであるアトカルパ社で生産されています。
ブガッティシロンと同様に、このモデルは卓越した容積 / パワー/ 重量の比率と注目すべき精度を誇り、ブガッティタイプ 390 は卓越したタイムピースのカテゴリーに分類されます。このキャリバーPF390 のもうひとつの革新は、巻き上げ中にムーブメントを保護するトルクリミッターで、フリーリターン機能によってあらゆる偶発的な破損を防ぎます。



「形状はパフォーマンスに従う」
また、ブガッティシロンで採用されている部品からインスピレーションを得て、PF390のムーブメントにはパワーリザーブを表示するための円錐ディファレンシャルギアが装備されています。ムーブメントの周りに表示チューブ(サファイア製)を設計して、パルミジャーニ・フルリエマニュファクチュールは、パワーリザーブの輪列がチューブ内の固定式歯付きリングギアを駆動するこのユニークな構造を開発しました。このディファレンシャルギアは 2つのガイドリング上で回転し、チューブの固定された針を使ってパワーリザーブを読み取ることができます。

円筒型の「エンジン」であるキャリバー PF390 は、パルミジャーニ・フルリエマニュファクチュールが開発したもうひとつの進歩の恩恵を受けています。つまり、ブリッジを同軸に配置することで、きわめて精密な組み立てを保証します。そのような精密さは、従来の機械式腕時計に使用されるブリッジと地板の2層式ムーブメントよりも必要となります。キャリバーPF390 は 7 層構造、計 302 個の部品で構成されます。ブラックのブリッジは、ムーブメントのハイテクな特性とモジュール構造を強調します。

ムーブメントの構造としては、円筒型のエンジンブロックが「コンロッド」的な原理を使って表示モジュールに固定されています。これは、自動車エンジンのピストンの配置方法からインスピレーションを得たもので、コンロッドキャップを模った部品で固定されます。

ブガッティの「形状はパフォーマンスに従う」というモットーの通り、ブガッティタイプ390 のキャリバーのもうひとつの特徴は、輪列から文字盤に情報を伝達するためにウォームスクリューが採用されていることです。このウォームスクリューは、エンジンシリンダーから90°角を2度経た文字盤表示への伝達にも使用されます。
これは、時計業界では初めての採用です。
この角度伝達機能には、3つの狙いがあります。これによって、クローズドのシリンダー回路から文字盤の表示への90°のエネルギー伝達が可能になります。中央の遊星ギア装置が文字盤への伝達を行います。さらに、ウォームスクリューが通常の腕時計に頻繁に見られる筒かなの締め具合(針が軸上ですべる)のすべての問題を解消します。最後に、ウォームスクリューの先端のスプリングが、リューズを使ってムーブメントの時刻の調整を行う際の安定性と快適性を約束します。


ハイテクなクラフツマンシップ
革新的な製造技術を備えても、タイムピースに施される伝統的な仕上げを損なうことはまったくありません。これは、高度にハイテクなクラフツマンシップについての話です。精密な技巧と時計職人の類い希な技術の融合です。
事実、この未来的な腕時計のキャリバーPF390 は、すべての部品に卓越した仕上げが施されています。作用する力を変形なく制御するために設計されたチタンケージに収められた 2つの香箱のひとつには Louis Chiron(ルイ・シロン)の署名、もうひとつにはこの伝説のレーシング・ドライバーの「le vieux renard」(老いた狐)というニックネームが刻まれています。
この腕時計の革新的な特徴と、それが提供する独自の方法により、このキャリバー PF390はパルミジャーニ・フルリエのブガッティコレクションの新時代の幕開けを告げます。
事実、これは今後のブガッティモデルの開発プラットフォームとして設計・完成されました。


並外れたメカニズムがのぞくウインドウ

ブガッティシロンのスポーティな精神を引き継ぎ、ブラックのオープン構造の文字盤によって、これは軽量でありながら高性能なタイムピースとなっています。夜光塗料が塗られたインデックスおよび針が、最適な読み取りやすさのための明確なコントラストを創り出しています。シリンダー外端のサファイアクリスタルの拡大ルーペで60 秒のトゥールビヨンが刻む秒を読み取ることができます。

ブガッティシロンの流体的な曲線にインスピレーションを受けたケースは、ゴールド製(ホワイトゴールドまたはローズゴールド)で、裏蓋には「EDITION  LIMITEE 10 PIECES」(10本限定エディション)と刻まれています。



このケースは、パルミジャーニ・フルリエ マニュファクチュール部門のひとつであるレ・アルティザン・ボワティエ社が製作したものです。円筒型構造を中心に構成され 3気圧の防水性を誇るこのケースは、人間工学上あらゆる手首にフィットするよう、ムーブメントを中心に 12°関節可動する機能(特許出願中)で目を引きます。


この時計の卓越した技術的な洗練は、きわめて複雑な方法で作られたサファイアクリスタルで覆われた大型の開口部を通して愉しむことができます。円筒型構造の上と端のサファイアクリスタルを通して、この腕時計の心臓部(「エンジン」およびフライングトゥールビヨン)の驚異的な複雑さのメカニズムを見ることができ、また、文字盤上下の開口部からは多数のギアがのぞき、時刻を読み取ることができます。アリゲーターレザーストラップにはエルメスの署名が記され、ゴールドの3ブレード式フォールディングバックルが備えられています。
ブガッティタイプ 390 によって、パルミジャーニ・フルリエは時計にすべてのテクノロジーと、今日の市場で最も感動的なスーパーカーであるブガッティシロンが想起させるパワーを注ぐことを目指しました。この卓越した時計の4年間にわたる開発期間に、パルミジャーニ・フルリエマニュファクチュールは一切の妥協を許しませんでした。このように、ブガッティタイプ 390 は単に自動車メーカーのロゴをあしらっただけの腕時計ではありません。それは、ブガッティシロンの腕時計としての生まれ変わりなのです。


[技術仕様]

Ref.  PFH390-1201401-HA1442、PFH390-1001401-HA1442

ムーブメント
PF390
巻き上げ:手巻き
パワーリザーブ:80 時間仕上げ:オパール光沢
振動数: 4 Hz .28,800 振動
サイズ:25.0 x 37.5mm
部品数:302
石数: 32
香箱:直列配置されたツインバレルストラップ
装飾:ブラック

機能
時、分
60 秒フライングトゥールビヨンバックル
パワーリザーブ

ケース
サイズ: 42.2 x 57.7 mm    12°の角度が付けられたケース
厚さ: 18.4 mm
素材: 18 K ホワイトゴールドまたはローズゴールド
仕上げ:サテン/ポリッシュ仕上げ
引き出し可能のリューズ:直径 10.5 mm
ガラス:4 つの反射防止加工されたサファイアガラス、トゥールビヨンケージに拡大鏡
ケースバックのエングレービング:「EDITION LIMITEE 10 MODELES」
防水性:30 m


ダイヤル
カラー:ブラック
インデックス:ローズゴールドめっき、夜光塗料
仕上げ:オパール光沢
針:ローズゴールドプレート夜光付きデルタ型


ストラップ
素材:アリゲーター
カラー:ブラック
ブランド:エルメス

バックル
タイプ:3 ブレード式 フォールディングバックル
素材:18 K ホワイトゴールドまたはローズゴールド


ホワイトゴールド、ローズゴールド  
各10本限定 34,000,000円(本体価格)



【パルミジャーニ・フルリエ】
時計師であり修復師でもある創始者のミシェル・パルミジャーニの名を冠した高級時計メゾンは、1996年にヴァル・ド・トラヴェール(スイス)のフルリエに誕生しました。時計産業の垂直統合がもたらす独立性により、製造工程が隅々までコントロールされ、ユニークな創造の自由が可能となっています。パルミジャーニ・フルリエの個性は、大きな敬意を集めるその製品に 20 年にわたって受け継がれ、時計製造の伝統に加えられるタイムピースをその特徴としています。それは、ミシェル・パルミジャーニの人生、彼を支える有能な人々、そして何より過去の製品から大胆に未来を創り上げるマニュファクチュールとしての試みがひとつになった成果です。



問合せ:
パルミジャーニ・フルリエ・ジャパン株式会社
https://www.parmigiani.com/en/watch/BUGATTI/bugatti-coaxial/pfh390-1201401-ha1442