ローマン・ゴティエ限定モデル「ロジカル・ワン BTR」日本展示開始~その機構的な革新を再検討する

 From : Romain Gauthier (ローマン ゴティエ )

ローマン・ゴティエ限定モデル「ロジカル・ワン BTR」

「高い加工精度」と「伝統的な手仕上げ」がもたらす
「機械式時計の進化のその先」



「ロジカル・ワン BTR」は、2013年の「ジュネーブウオッチメイキンググランプリ(GPHG)」でメンズコンプリケーション部門グランプリを受賞した、「ロジカル・ワン」のリミテッド・エディション(5本限定)です。


「ロジカル・ワン」は、懐中時計などに使われていた古典的なフュゼチェーン(鎖引き機構)を再解釈した革新的な機構を持つ腕時計です。
2013年に時計界のオスカー賞とも称される「ジュネーブ ウオッチメイキング グランプリ」において、メンズコンプリケーション部門のグランプリに輝きました。
今回「ロジカル・ワン」のリミテッド・エディションが世界限定5本で作られ、そのうちの最終シリアル番号5/5の展示販売が日本でも開始されます。
フュゼチェーン機構はもちろん、この特別モデルは、「ブルーのグランフーエナメル文字盤」が吸い込まれるほど美しく、「ブラックチタンとローズゴールドの輝きが織りなすコントラスト」は時計愛好家の方にも新鮮な印象を与えます。
このモデルの美しさから、「高い加工精度」と「伝統的な手仕上げ」がもたらす「機械式時計の進化のその先」を感じていただけるのではないでしょうか。
※本モデルは、日本においてもタカシマヤ ウオッチメゾン 東京・日本橋にて展示販売が開始されました。


■リミテッドエディションとしての2つの特徴

吸い込まれるほど美しい「グランフーエナメルのブルーの文字盤」
伝統的な手作業により高温焼成されるエナメルのブルーは、深く、美しい色をしています。この色の奥深さや輝きは、残念ながらこのプレスリリースの写真では表現しきれません。ぜひ店頭にて実物をご覧いただきたいです。なお、見えないところではありますが、異なる素材の熱運動の違いによるクラック(ひび割れ)を防ぐために、18Kゴールドの文字盤地板の両面にエナメルが施されています。
ブラックADLCチタンと、ローズゴールドの輝きが織りなすコントラスト
高い加工精度が実現した「様々な曲線を有するブラックADLCチタンケース」はモダンでスポーティーな印象を与えます。対をなすのが、ディテールに使われている伝統的なローズゴールドです。ブルーの文字盤に浮かぶ長短針および秒針、そしてケース左側の巻き上げのためのプッシュボタンには18K ローズゴールドが使われています。また、同色のゴールドプレートの施された「受け(ブリッジ)」にはらせん状のヘアライン仕上げや、面取りなど様々な仕上げが共演しています。これらの「ブラックADLCチタンと、ローズゴールドの輝きが織りなすコントラスト」がフュゼチェーン機構やブルーの文字盤を引き立てています。


ここで「ロジカル・ワン」の革新的な機構
フュゼチェーン機構
・プッシュボタン式巻上げ機構
・文字盤側から見えるテンプ
・サファイアのインサートが組み込まれた香箱
等々を改めて解説しておきます。

この作品を設計したローマン・ゴティエ本人は次のように述べています。
「技術者出身の私にとって、動力が変動する状態で精密機器を作動させるのは奇妙に思われました。そのため、動力を一定に保つほうが良いという前提で開発を始めたのです。」
そこで動力機構の前提とされたのがフュゼチェーン(鎖引き)機構でした。

フュゼチェーン機構
フュゼ(フランス語で「円錐形」の意味)は、香箱に取り付けられたコードまたはチェーンで巻き上げられる円錐形の滑車です。この機構は、主ぜんまいから供給されるトルクを一定にする働きがあります。(主ぜんまいが巻き上がられた状態と、ほどけそうな状態では、供給されるトルクが変化するため。)

懐中時計の時代にもよく使われた機構ですが、伝統的なフュゼチェーンには、以下の2つの問題があります。
1).フュゼに複数回チェーンを巻きつけるため、個々のリンクを小さくする必要があり、一つ一つのリンクが脆い。
2).チェーンは、フュゼと香箱の間を、角度を伴って動力を伝達することが多いが、これでは効率が悪く、負荷が加わる。

そこで、ローマン・ゴティエはこれらの問題の解決策として、フュゼの代わりにスネイルカムを使用。
ローマン・ゴティエは、フュゼの代わりに、低速で回転するスネイルカムを時/分ダイヤルの左側(10時位置)に配置することによって、これらの問題を解決しました。

スネイルカムと香箱が同じレベルに配されるため、動力が常に直線状に伝達されます。また必要となるのが、一列の短いチェーンのみなので、個々のリンクがより大きく、頑丈です。そしてルビーのチェーンリンクを採用し、金属に接する部分の摩擦を低減しました。


人間工学に基づくプッシュボタンによる巻上げ
ケースの左側にあるプッシュボタンを使ったローマン・ゴティエの革新的なプッシュボタン式巻上げ機構は、巻上げを楽しい作業へと変えました。プッシュボタンは人間工学に基づくデザインであると同時に、巻き上げの力を効率よく伝えます。

一般的に時計のリューズは比較的壊れやすい細い軸を持ち、リューズと香箱の間で動力を90°の角度で伝えなければなりませんでした。「ロジカル・ワン」を巻上げるためのプッシュボタンは、動力を同じ平面上で香箱に伝えます。



摩擦を低減するサファイアのインサートが組み込まれた香箱
従来の真ちゅう製の香箱で主ゼンマイが巻き戻る際には、潤滑油をさしたばかりでも、ゼンマイの金属によって香箱の金属が擦られます。時間とともにオイルが凝結すると、摩擦が大きくなり、香箱とゼンマイがくっつくようになって、本来のスムーズな回転ができなくなります。

そこで、「ロジカル・ワン」の主ぜんまいを二枚の人工サファイアプレートの間に置きました。サファイアは金属との摩擦が少ないという特性を持っています。また、傷が付きにくいという特性もあります。


ムーブメントの仕上げ
ムーブメントの「受け(ブリッジ)」に施された、高度に研磨された内側の鋭い面取りは、手作業による優れた仕上げを証明するものです。なぜなら、内側に鋭い面取りを行うことのできる機械は今も存在しないからです。
「ロジカル・ワン」においては、内側の鋭い面取りを二重に施すことで、縁取りのような効果を出しました。平行な二つの面取りを施したこの人目を引く仕上げは、名画を収めた額縁の果たす役割と似た効果を上げており、内側にある芸術作品をさらに美しく引き立てています。

例えば、写真のてんぷの「受け(ブリッジ)」(右側写真の円で囲まれた部分)だけでも手作業による仕上げに約15 時間費やします。
コンスタントフォース機構の「受け(ブリッジ)」(左側写真の円で囲まれた部分)は約17時間です。その工程には手で面を削り出し、磨く作業、受け石を置くほぞ穴を手で磨く作業や、フラット部分にフロスティングを施す作業が含まれます。しかし、これは一つのパーツに過ぎません。ロジカル・ワンは約350の部品が幾種の金属で構成され、その全てを一切妥協なく作り上げています。



■ロジカル・ワン BTRスペック
2013年「ジュネーブ ウオッチメイキング グランプリ」メンズコンプリケーション部門グランプリ受賞モデル
のリミテッドエディション(5本限定)



 

ケース径:43mm
ケース素材:ADLCチタン
防水性:5気圧防水
ムーブメント:Cal.Logical One(手巻き、毎時28,800振動、46時間パワーリザーブ、30石)
仕様:K18RGプッシュボタン式巻上げ機構(9時位置にプッシュボタン式巻上げ機構)、K18RGサファイア・カボション付きリューズ(2時位置に時刻合わせ用)

文字盤:グランフーブルーエナメル文字盤 ストラップ:アリゲーターストラップ(スイス製ハンドメイド)               バックル:18KRGフォールディングバックル

税抜価格:17,000,000円

 

 

■取扱店舗
タカシマヤ ウオッチメゾン 東京・日本橋
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-1-8
TEL 03-3211-4111 営業時間10:30〜19:30
http://watch.takashimaya.co.jp/?site=tokyo

 


【お問い合わせ先】
ローマン・ゴティエ日本総代理店 スイスプライムブランズ株式会社
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