T-REX MB&F + L’EPÉE 1839 ジュラシックアート

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )

「芸術が芸術を生む」と言うように、創造的な活動は、さらなる創造物を生み出すものです。まさにその好例と言えるのが、MB&Fとスイス高級時計メーカー L’Épée 1839(レぺ)との11番目のコラボレーションである「T-Rex」です。



かぎ爪の脚の間で絶妙なバランスを取るムラーノガラスとスティール製の極めてシンプルな文字盤。その佇まいは、その名の通り、恐竜ティラノサウルス・レックスを思わせます。力と存在感を示す脚部分など、ディテールに注目することで、T-Rexと言う名前がデザイン的要素によるものであることが、より明確になります。球体のスケルトンボディからからなる「タイムカプセル」は、実際のティラノサウルス・レックスの骨をモデルにデザインされており、有史以前の生命を彷彿とさせます。

ムラーノガラスで作られたダイヤルの中央から伸びる2本の細いスティール製の針によって、時間と分を表示。ダイヤルの背後にある138点の構成部品からなるムーブメントは、すべてL’Épée 1839により製造されました。また2.5 Hz (18,000 vph)で振動するテンプが正確に時を刻みます。巻き上げは、鍵をムーブメントの背面に差し込んで行い、パワーリザーブは8日間。時刻合わせは、同じ鍵をダイヤルの中央に差し込んで行います。



T-Rexはこれより前、世界で最も有名な時計専門チャリティオークション「オンリーウォッチ」のために特別に製作、発表されました。これまで、オンリーウォッチに出品されたMB&Fの時計はすべて、既存コレクションからの作品でした。しかし、2019年のオンリーウォッチでは、初の試みとして未発表の新作「Tom & T-Rex(トム&Tレックス)」を発表したのです。この違いは名前から分かります。オンリーウォッチは、デュシャンヌ型筋ジストロフィーの治療研究を支援するチャリティイベントで、Tom & T-Rexに乗る少年は、デュシャンヌ型筋ジストロフィーを患う子どもたちを象徴して「トム」と名付けられています。

オンリーウォッチのために製作されたTom & T-Rexは、一般販売向けコレクションとしても展開されます。この作品は、MB&Fの創立者であるマキシミリアン・ブッサーのデスクの上に置いてあった、鳥の脚の形をした金属の台の上で美しくバランスを取りながら輝くクリスマスデコレーションのボールに起源を発しています。そして、のちにT-Rexとなる実際のコラボレーションにおいて、ブッサーとデザイナーのマキシミリアン・マーテンスは、このオブジェを1つの作品として昇華させました。マーテンスの想像力から生まれたこの有機的及び無機的素材の融合は、示唆に富み、より大きく、力強く、創造性豊かな、MB&Fらしい作品として完成したのです。



T-Rexの脚は、ティラノサウルス・レックスの実際の骨をモデルにしたもので、恐竜の化石の3Dスキャンを参照するなど、最終デザインでのリアルさを追求しています。 T-Rexの総重量は約2 kg 、脚は強固に固定されているにもかかわらず、サンドブラストとポリッシュを組み合わせた表面の仕上げによって生まれるボディのメリハリある輝きで、今にも動き出すかのような躍動感を演出しています。

T-Rexは、絶滅した恐竜の存在だけではなく、病を患う子どもたちの日常を象徴的に想起させることでしょう。そして、その長く俊敏な脚は、時の流れが誰にとっても、等しく早いものであることを表現しています。限られた時の中で、すばやく行動する。人生を生き、創造性を発揮するのだ、と。

T-Rexは、グリーン、ディープブルー、レッドのムラーノガラス製ダイヤルを備えた限定3バージョンで展開(各カラー100本限定)。

T-Rex詳細

インスピレーション

力強く、この世のものとは思えない存在感を持つT-Rex。そのインスピレーションは、誰でもわかる、でも少し奇妙なオブジェに端を発しています。MB&Fの創立者マキシミリアン・ブッサーのデスクには、金属製のニワトリの脚に乗ったクリスマスデコレーションのボールが飾られていました。現在の鳥類は恐竜の子孫と言われていますが、T-Rexのユーモラスな雰囲気は、作品が完成するはるか前の出来事からインスピレーションを得て生まれています。

MB&FとL’Épée 1839のコラボレーション11作目にあたるT-Rexは、デザイナーのマキシミリアン・マーテンスの創造性から誕生しました。マーテンスは、子どもの頃初めて観た映画『ジュラシック・パーク』(1993年)に大きな影響を受けたと言い、次のように語っています。「僕の頭の中には、何となく恐竜というアイディアがあり、その一方で、当時マックス(・ブッサー)は生体力学的デザインに関心を持っていました。そこで、この2つの要素とマックスのデスクにあったオブジェを組み合わせて、次のステップを考えたのです」



T-Rexは、ティラノサウルス・レックスの実際の骨をモデルにして製作。恐竜の化石の3Dスキャンを参照し、脚のバランスや位置など、完全なリアルさを追求しています。

T-Rexのデザインにおいて、機械と有機的要素の完璧なビジュアルバランスを生み出す過程について、マーテンスはこう説明しています。「MB&Fの過去のプロジェクトから発展させて、宇宙船で新しい惑星を探しに行くパイロットの物語を考えました。宇宙はるか遠くに到達し、そこから地球へ戻るにはブラックホールを通るしかない。けれども、そこでタイムワープが起こり、恐竜時代へ飛んでしまい、宇宙船が孵化しつつある恐竜の卵と合体する、という物語です。時計のボディ部分やムーブメントに宇宙船の名残が現れているのがわかると思います。恐竜は脚の部分に、ブラックホールは時を刻む中央部分に嵌め込まれたダイヤル部分で表現しています。」




ムーブメントとボディ

ダイヤルの背後にある138点の構成部品からなるムーブメントは、すべてL’Épée 1839社内で製造。スイス時計製作技術が誇る最高水準の仕上げが施されています。スケルトンボディから見える手巻きムーブメントの最上部では、2.5 Hz(18,000 vph)で振動するテンプが正確に時を刻みます。8日間のパワーリザーブの巻き上げは、ムーブメントの背面のバレル軸から、時刻合わせはダイヤルの中心部で行います。どちらも同じ鍵を使用して行います。



T-Rexのダイヤル部分はムラーノ手吹きガラス製。MB&FとL’Épée 1839がコラボレーション作品10作目にあたる「Medusa (メデューサ)」で採用した素材です。T-Rexは、グリーン、ディープブルー、レッドのムラーノガラス製ダイヤルを配しており、その鮮やかな彩色は金属塩を使用した伝統的な吹きガラス製法で実現しています。

高さ30 cmのT-Rexは、ステンレススティール、パラジウムコーティングの真鍮およびブロンズ製。重量は約2 kgで、美しいデザインの脚にバランスよく支えられています。

T-Rex:技術仕様

T-Rexは、グリーン、ディープブルー、レッドのムラーノガラス製ダイヤルを備えた限定3バージョンで展開(各カラー100本限定)。

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時と分

寸法
サイズ:265 mm(高) x 258 mm x 178 mm
部品総数(ムーブメント ボディ):201
重さ:約2kg

ボディ/フレーム
ダイアル:ムラーノ手吹きガラス
素材:ステンレススティール、パラジウムコーティングの真鍮、ブロンズ
仕上げ:ポリッシュ、サテン仕上げ、サンドブラスト
ボディ構成部品:63

エンジン
L’Epée 1839による自社設計・自社製造のムーブメント
テンプの振動数:2.5Hz(18,000vph)
パワーリザーブ:8日間
ムーブメント構成部品:138
石数:17
時刻合わせ:同じ巻き鍵を、時刻の設定(ダイアルの中央)とムーブメントの巻き上げ(背面のバレル軸)に使用

Retail price is CHF 22’500 VAT.

L’EPEE 1839 –スイス第一級の時計製造所

L'Epéeは175年以上、置時計製造の最前線を歩んでいます。今日、高級置時計製造に特化したスイス唯一の専門メーカーとなっています。Auguste L’Epée(オーギュスト・レペ)がブザンソン近郊で1839年に創業したL'Epéeは当初、オルゴールと腕時計の構成部品製造に携わっていました。L’Epéeの顕著な特徴は、全ての部分が手作りであることです。

1850年以来、製造所は目覚まし時計、置時計、ミュージカルウォッチに特化したレギュレーターのメーカーとなり、「プラットフォーム」エスケープメント生産においてリーダーシップを発揮しました。1877年までに、年間24000点のプラットフォームエスケープメントを製造していました。同製造所は、アンチノッキング、オートスタートそしてコンスタントフォースエスケープメントなど特殊なエスケープメントの特許を多数保有する著名な専門メーカーであり、また現在世に知られている複数の腕時計メーカーへのエスケープメントのサプライヤーでもあります。L'Epéeは、国際展示会において数々の金賞を獲得しています。

20世紀には、L'Epéeは最高級旅行用携帯時計でその評判を高めましたが、多くの人にとってL'Epéeは影響力と権力を持った人が所有する時計であり、フランス政府関係者から上流階級ゲストへの贈与品としても選定されていました。 1976年にコンコルドが超音速航空機として商業就航した際には、L'Epéeの柱時計が客室の装備時計として選定され、乗客への時間の視覚的フィードバックに使われていました。 1994年には、L'Epéeはチャレンジ精神に突き動かされ、調整された振り子が付いた世界最大の時計Giant Regulator (ジャイアント・レギュレーター)を構築しました。 高さ2.2メートル、重さ1.2トン、機械式ムーブメントだけでも120キロの重さがあるこの時計製造には、2800人時の作業を要しました。

L'Epéeは現在、スイス、ジュラ山脈のドレモンに拠点を置いています。L’Epée1839は CEOのアルノー・ニコラス主導の下、洗練されたクラシックな旅行用時計、現代のデザインクロック(Le Duel)、およびアバンギャルドなミニマリスト時計(La Tour)ラインナップを含む、最高級置時計のコレクションを展開しました。 L’Epéeの時計は、レトログラード・セコンド、パワーリザーブインジケーター、万年カレンダー、トゥールビヨン、および打鈴機構を含むコンプリケーションを特徴としており、すべてが社内でデザイン・製造されています。 超長時間のパワーリザーブは、最高水準の仕上げと共にブランドのシグネチャーとなっています。



MB&F – コンセプトラボの誕生


2019年、世界初の時計製作専門コンセプトラボとして傑出した創造性を誇るMB&Fは、設立から14年目を迎えた。ブランドはこれまでに16種類の秀逸なキャリバーを開発し、それらをベースにして製作されたオロロジカルマシンとレガシー・マシンは高い評価を得てきた。そして現在も、創業者でありクリエイティブディレクターでもあるマキシミリアン・ブッサーのビジョンに基づき、従来の時計作りの殻を破ってキネティックアートを思わせる立体感豊かな作品を生み出し続けている。

マキシミリアン・ブッサーは高級腕時計ブランドで15年管理職を務めた後、2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターを辞任、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボなのである。

2007年、MB&Fは初のオロロジカルマシンHM1を世に送り出した。HM1の彫刻のような立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカルマシンの基準となり、その後、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されていく。こうして製作されたオロロジカルマシンでは、宇宙(HM2、HM3、HM6)や大空(HM4、HM9)、道(HM5、HMX、HM8)、水中世界(HM7)を探索するマシンがイメージされている。

2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。これらはMB&Fにとってよりクラシカルなもので、現代的な芸術品を創作するために往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈し、19世紀の腕時計製造の卓越性への敬意を払っている。LM1及びLM2に続いて発表されたLM101は、全て自社開発したムーブメントを搭載する初のMB&Fマシン。そして、コレクションの幅をさらに広げるレガシー・マシン・パーペチュアルとレガシー・マシン・ スプリットエスケープメントの登場。MB&Fは現代的で型破りのオロロジカルマシンと、歴史からインスパイアしたレガシー・マシンを交互に発表している。2019年は史上初のレディース用MB&Fマシン「LM フライングT」の制作によりターニングポイントを迎えた。

MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「フレンド」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きだった。
そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルだった。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品だ。一方、コラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造する。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時を告げるマシンだが、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作された。

ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンに、その魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いついた。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後台北、ドバイ、香港にもM.A.D.ギャラリーがオープンする。

MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきた。全てを網羅することはできないが、名高い「ジュネーブ時計グランプリ」においては4つもグランプリを獲得している。2016年にはレガシー・マシン・パーペチュアルが「ベストカレンダー ウォッチ賞」を受賞。2012年にはレガシー・マシン No.1が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「最優秀メンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞。また2010年の同グランプリでは、HM4サンダーボルトで、「最優秀コンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。そして2015年には、HM6スペースパイレートが、国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞した。


詳細に関するお問い合わせ先:
Charris Yadigaroglou, MB&F SA , Rue Verdaine 11, CH-1204 Genève, Switzerland
Eメール:cy@mbandf.com 電話: 41 22 508 10 33