パルミジャーニ・フルリエが「トンダ PF シィアリーカレンダー」を発表~世界初のコンプリート中国暦搭載時計

 From : PARMIGIANI FLEURIER (パルミジャーニ・フルリエ )






トンダ PF シィアリーカレンダー~世界初のコンプリート中国暦搭載の時計


シィアリーは、単なるカレンダー時計ではありません。それは、パルミジャーニ・フルリエが大切にするスイスの機械式芸術で表現した、文明と、多様な文化が生み出した暦への讃美です。『シィアリー』という名前は、中国の伝統的な暦である夏暦を意味します。


人間は歴史を通して、時間をコントロールし、その流れを予測し、図式化することで、社会、宗教、農業生活のリズムをより整えようと努めてきました。世界共通のカレンダーによって、人は時間の流れの中でマイルストーンのように刻まれた日付を確認することができます。パルミジャーニ・フルリエはつねに、時間という文化現象に魅了されてきました。そしてこの度、『トンダ PF シィアリーカレンダー』を発表いたします。これは、グレゴリオ暦とイスラム暦を再現したスペシャルエディションに続く、非常に複雑な作品で、パルミジャーニ・フルリエが開発するカレンダー領域を代表する三作目となります。

暦は、文明や社会、信仰の対象、そして影の動きや季節の移り変わり、月の満ち欠けの神秘など、定義しがたい現象を映し出すという、もっとも興味深い機能を備えた発明のひとつです。これらの現象は一体となり、人間の活動にとって重要な役割を担っています。


太陰太陽暦
中国の暦は、太陽暦と太陰暦を別々に計算し、それを同期させるという複雑なものです。これは、太陰月またはうるう月を追加することで実現されています。約三年ごとに導入される13ヶ月目の月によって、ふたつの周期が一致するようになります。また、中国の暦では太陽年を二十四節気に分割し、これが農暦を象徴します。



新年は正確な規則に従って決められ、その直前にある月の名前を冠します。この計算は複雑ですが、季節に沿ったものであり、旧正月を春の到来に合わせることができます。より一般的な新暦で言うと、一月末から二月末の間(1 月21日から2月19日)にあたります。


60年周期
中国暦は、月に名前をつけて年に数字を充てるグレゴリオ暦とは違い、月に数字を充て年に名前をつける暦です。年号は60年周期(六十進法)で繰り返されますが、日、曜日、月などの暦は天文観測に基づいた計算により変動します。このように計算が変動するため、中国暦の永久カレンダーをつくることは不可能なのですが、パルミジャーニ・フルリエはもっとも完全なる、かつ正確な中国暦を時計の形で実現するという点において可能な限り前進しました。この時計の時間単位は、10進法の「十干」と12進法の「十二支」の組み合わせで構成されています。
十干は、季節や惑星に水、木、金、火、土の要素を割り当てる役割を担っています。十二支は星座に対応し、それぞれ動物で表され、その動物が60年周期とその年に生まれた人に与える運命や性格への影響を表しています。


要素が多く、情報が複雑なカレンダー
パルミジャーニ・フルリエは、複雑な情報をすべてダイヤルに集約することに成功しました。ダイヤルに表示されている情報は、時、分、月の表示とその番号、三年ごとの追加月、短い月(29日)または長い月(30日)、黄道に沿った太陽の進路を視位置によって15度ずつ24分割した二十四節気、ポインターと年号、陰陽の色分けによる十二支の動物や五行説の元素の表示、そして日数とムーンフェイズなど多岐にわたります。すべての情報はひと目でわかり、ミドルケースの両脇にある様々な補正装置によって素早く調整することができます。

この時計は、新しいキャリバーPF008に搭載された非常に高度なメカニズムにより、これらの情報を繁体字で表示します。中国の暦は周期的なものではないため、情報は機械的にプログラムされ、カムシステムによって12年の期間をカバーします。12年の期間を過ぎると、時計はリセットされ、新たな12年間が始まります。
この期間中は時計が止まらない限り、調整も必要なく、すべての情報は正確なまま保たれます。もし時計が止まってしまっても、長期間分の調整を容易にする補正装置によって、曜日と月の数字を変えるだけで元に戻すことができます。



ミシェル・パルミジャーニは、ウォッチメイキングのさらなる高みに到達するために、数々の複雑な暦からインスピレーションを受けてきました。パルミジャーニ・フルリエの複雑カレンダー機構の歴史は、グレゴリオ暦のアニュアルカレンダーから始まり、2019年には『トンダ ヒジュラ パーペチュアルカレンダー』(イスラム太陰暦)が続きました。ヒジュラ暦の小型化という革新は、2020年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)のイノベーション部門賞受賞という形で評価を得ました。この流れに継ぐ中国暦モデルは、メゾンの複雑カレンダー機構第三作目となります。


インペリアル・ピュリティ
『トンダ PF シィアリーカレンダー』は、パルミジャーニ・フルリエにとって重要な複雑カレンダー機構のテーマを発展させるだけでなく、トンダ PFコレクションのサルトリアルなスタイルも保持します。開発と設計のプロセスには、デザインと機能のバランスを保つことが必要でした。複雑な機構であることは、必ずしも複雑な構造である必要はないからです。このようなカレンダーをつくる上での挑戦は、トンダ PFコレクションのデザインコードを尊重しながら、最後のディテールまで突き詰める作業でした。ロジウムコーティングされた18Kホワイトゴールドのアプライドインデックスと、スケルトンの時針・分針を備えた複数の層にわたるダイヤルは、インペリアルレッドで彩られ、表面にはバーリーコーン(麦の穂)模様のギョーシェで飾られています。



ステンレススティールケースの、プラチナ950製のベゼルにはローレット加工が施され、ステンレススティール製の一体型ブレスレットは、手首に巻いたときの快適さとエレガントな見た目が特徴です。パルミジャーニ・フルリエでは当然のオープンケースバックからは、サファイアクリスタル越しにムーブメントとその装飾を楽しむことができます。コート・ド・ジュネーブ仕上げの18Kピンクゴールドのスケルトンローターが、特別なキャリバーに軽快さと開放感を与えます。
あとは、2023年1月22日に卯年を迎える、中国暦の旧正月のお祝いの準備をするのみです。


「暦は文明のレントゲン写真です。人間と自然の観察から生まれるものであるため、神秘性を備えています。
自然を見渡せば、美しい規則に満ちています。都市部にいると、自然について語るのが難しくなります。創作活動を行うときは、自然やそのリズムの中に身を置くと、創造力が刺激されます。自然を観察することで、人は歴史を旅し、文明の発展をたどることができます。私は、中国暦ととてもよく似た暦を使用していたヤ文明やトルテカ文明についても思いをめぐらせています。暦は、自然の季節を理解し、種まきや収穫の時期を計画し、冬の寒さや夏の暑さを予測し対応するために生まれました。暦が存在するのは、自然が育む現象を予測する必要があるからです」ミシェル・パルミジャーニ(創業者・時計師)


「今年は実に特別な年です。このプロジェクトは、私にとって思い入れのあるものであり、今年のコレクションの核となるものです。パルミジャーニ・フルリエの『トンダ PF シィアリーカレンダー』は、ミシェル・パルミジャーニの文化暦への情熱から生まれた中国暦を完全網羅した時計です。私にとっても、異な文化を尊重し、理解するという意味において、とても大切な作品です。文明の違いは、時間をどのように解釈するかにあります。中国暦は、太陽暦と太陰暦が一体化されているため、掌握するのがもっとも困難な暦のひとつです。周期的でない暦の要素のすべてを、初めて手首の上に見ることができるようなったのです。これを成し遂げるのは、大変な挑戦でした。」グイド・テレーニ(パルミジャーニ・フルリエCEO)


ダイヤル
- 3時位置のカウンターで月の日数(月の長さに応じて1~29または1~30)を表示
- 現在の月の大小を表示(3時位置の小窓から)
- 6時位置のカウンターによるムーンフェイズ表示(日の数字と連動)
- 9時位置のカウンターによる月番号(1~12)の表示
- 9時位置の小窓による閏月の表示
- 12時位置のカウンターで年号/動物と対応する要素を表示



ボックス 1 ‒ 干支の動物
元素と動物を組み合わせて時間を区切る中国暦の歴史は、殷王朝(紀元前1570年~1045年)にまでさかのぼります。六十進法のシステムは、「十干」と「十二支」を組み合わせたものです。
十干は、陰陽五行説の原理に結びついており、木、火、土、金、水の五つの元素に基づいています。十二支は、干支の動物で表されますが、中国、日本、朝鮮半島、ベトナムなど、東アジアの国によって若干の違いがあります。
十干と十二支の組み合わせに基づいて60通りの番号の組み合わせによって年号が付きます。これが六十進法です。
十干は、陰陽周期と五行(木・水・土・金・火の五つの元素)の思想が関連します。新しい年が来るたびに、十干と十二支がひとつずつ増えていくことで、60年周期、つまりは60年以上の年号を網羅することができるのです。この番号付けは、年の経過を示すのにもっともよく使われます。

言い伝えによると、ある正月に玉皇大帝(天の支配者)が、褒美の約束とともに、すべての動物を彼のもとに呼び寄せたといいます。そして、たった12匹の動物が以下の順番で天界を訪れました。大帝はその12匹に、自分の名を冠した一年を到着した順番に与えました。アジアの多くの人々にとって、個人的、経済的、政治的に重要なことは、十二支の動物たちに相談して行われます。

[干支の順番]
鼠(子)
牛(丑)
虎(寅)
兔(卯)
龍(辰)
蛇(巳)
馬(午)
羊(未)
猴(申)
鷄(酉)
狗(戌)
豬(亥)
西洋では新年の当日だけを祝いますが、中国では旧正月は15日間にわたってお祝いが続き、ランタンフェスティバルで締めくくられます。


ボックス 2‒ 二十四節気: 農暦を定める自然の摂理
二十四節気とは、太陽の位置を干支に見立て、気候や農業の変化など、人間の生活に影響を与える現象を映し出すカレンダーです。黄道(地球から見た太陽の道)を15度ずつ24分割したもので、古代中国の農民によって考えられました。
一年を四つの季節に分け、各季節に計六つ(一ヶ月にふたつ)の節気を設けています。中国の伝統的なお祭りの中には、節気に合わせているものもあります。
それぞれの節気には中国語の名前がついており、自然界やその現象、主に季節や気候の変化に関連して名付けられています。節気の名前には、自然は私たちの師であり、私たちは自然から学ぶべきであるという信仰が込められています。二十四節気は、古代中国において、気候の変化に応じて土地から最良の収穫を得るための農耕に重要なものでした。その後、中医薬学や道教の内丹術に取り入れられ、自然のサイクルに合わせてより良い治療法を処方するようになりました。

[中国暦の二十四節気]
1. 立春(りっしゅん)
2. 雨水(うすい):雨量が増え、気温が上がる。大地が芽吹き始め、川の氷が解け、雁が南から北へ移動し、木や草が青く茂っていく。
3. 啓蟄(けいちつ):虫の声が聞こえ、冬眠していた動物たちが目を覚ます春の訪れは、農業活動のピークを迎える。
4. 春分(しゅんぶん):太陽が赤道の真上にあり、昼と夜の長さが等しくなる日。その後、太陽が北上し、北半球では昼が、南半球では夜が徐々に長くなっていく。
5. 清明(せいめい)
6. 穀雨(こくう):「雨が降って百穀を潤す」ということわざ通り、早生の作物の新芽が出始める。収穫を迎える大切な時期である。
7. 立夏(りっか):この時期の太陽光は、地球に対して45度の角度を持っている。中国南部では気温が急激に上昇するが、中国北部では穏やかな気候が続く。
8. 小満(しょうまん):穀物は熟し始めるが、まだ成熟には至っていない。
9. 芒種(ぼうしゅ):大麦や小麦などの作物が成熟すると、農家は夏の植え付けを始める。
10. 夏至(げし):昼が最も長く夜が最も短い。この時期、北半球の多くは最高気温が上がらないまま何時間も日照を受ける。猛暑の到来は20~30日後。
11. 小暑(しょうしょ):もっとも暑い時期が到来しているが、猛暑はまだ来ていない。
12. 大暑(たいしょ):この時期、中国のほとんどの地域では一年でもっとも暑い季節を迎え、多くの都市で気温が35度以上になる。
13. 立秋(りっしゅう):夏が終わり、実りの季節が近づく。
14. 処暑(しょしょ):中国のほとんどの地域では、夏の暑さに別れを告げ、秋を迎える。
15. 白露(はくろ):気温が徐々に下がり、空気中の水蒸気が結露して白い露となり、夜には草木を覆う、まさに秋の涼しさの始まり。
16. 秋分(しゅうぶん):この昼と夜の長さが等しい日を境に、秋は2つに分かれ、直射日光は南下し、北半球では昼が短くなり、夜が長くなる。
17. 寒露(かんろ):この時、中国のほとんどの地域で白露の時よりも気温がずっと低くなる。露は厚く冷たくなり、降雨も徐々に少なくなる。
18. 霜降(そうこう):秋の最後の節は、気候がぐっと寒くなり、北国では霜が降りるようになる。
19. 立冬(りっとう):冬が来て、農家が秋の収穫物を運ぶ。
20. 小雪(しょうせつ):中国北部を中心に雪が降り始め、気温も下がり続ける。
21. 大雪(たいせつ):中国北部では気温が0度近くまで下がり、雪が深く重く地上に積もる。
22. 冬至(とうじ):昼の時間が最も短く、夜の時間が最も長い。
23. 小寒(しょうかん):中国の大部分が厳冬期に入る。地面や川が凍りつく。北からの寒気が南へ届く。
24. 大寒(だいかん):二十四節気の最後は、雪や雨、凍てついた気候が人々の生活に重くのしかかる。






【プロダクト テクニカルスペック】
トンダ PF シィアリーカレンダー
PFH982-1022301-1001821
価格:8,734,000円(税込)/7,940,000円(税抜)
コンプリートチャイニーズカレンダー、高精度ムーンフェイズ

[キャリバー]
PF008 - コンプリートチャイニーズカレンダー、ムーンフェイズ
・パワーリザーブ:54 時間
・振動数:28,800振動/時 (4 Hz)
・石数:42
・部品数:353
・直径:32.6mm
・厚さ:6.9mm
・装飾:コート・ド・ジュネーブ, 面取りされたブリッジ
・ローター:22Kローズゴールド, スケルトン, サンドブラスト加工, ポリッシュ仕上げ

[ケース]
ポリッシュ/サテン仕上げのステンレススティール、プラチナ950ローレット加工ベゼル
・直径:42mm
・厚さ:12.2mm
・リューズ:Ø6mm、ねじ込み式
・ガラス:ARunic 反射防止加工のサファイアクリスタル
・ケースバック:サファイアクリスタル
・ケースバックの刻印:シリアルナンバー、“PARMIGIANI FLEURIER”
・防水:100m
[ダイヤル]
・カラー:インペリアルレッド
・仕上げ:バーリーコーンギョーシェ
・インデックス:18Kゴールドのロジウムプレート、アプライド
・ムーンフェイズ:ブルーアベンチュリン
[針]
・時、分:18Kゴールドのロジウムプレート、スケルトン、デルタ型
・秒、カレンダー:ロジウムプレート、ステンレススティール
[ブレスレット]
・素材:ポリッシュ/サテン仕上げのステンレススティール
・バックル:ステンレススティール製フォールディングクラスプ




【お問い合わせ】
パルミジャーニ・フルリエ
03-5413-5745



[パルミジャーニ・フルリエ]
時計師であり修復師である創業者ミシェル・パルミジャーニの名を冠した時計メゾンは、1996 年にスイス、ヴァル・ド・トラヴェールのフルリエに誕生しました。時計製造に関わるすべての会社をグループ内に保有し、95%以上を自社で製作するマニュファクチュールです。そのため、製造工程の隅々までが自社でコントロールされ、またグループに属さない独立性を大切にし、自由な創造を可能にしています。パルミジャーニ・フルリエの個性の根幹となる過去の傑作の修復の仕事は、遥かな未来においても修復するに値するタイムピースを生み出す原動力となっています。それは、過去の作品から大胆に未来をつくりあげるマニュファクチュールとしての試みであり、自然、黄金比と共に枯渇することのないインスピレーションの源です。