ジラール・ペルゴ「ネオ コンスタント エスケープメント」~エネルギーを自在にコントロールする最新進化形

 From : GIRARD-PERREGAUX (ジラール・ペルゴ )




「ネオ コンスタント エスケープメント】~エネルギーを自在にコントロール



ジラール・ペルゴがコンスタント エスケープメント L.M. を発表して批評家から高い評価を受けたのは 2013 年のことで、同年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)で「金の針」賞を獲得しました。このモデルで採用されたコンスタントフォース・エスケープメント機構は、蓄えられているエネルギーに関係なく、驚くほど安定した歩度を実現します。ネオ コンスタント エスケープメントは、エネルギーを自在に操るジラール・ペルゴの画期的なアプローチの最新の進化形であり、美的・技術的な進歩の数々が組み込まれています。スイスでレバー脱進機が開発されるまでには 250 年の歳月が必要でしたが、ジラール・ペルゴはわずか 20 年でコンスタント エスケープメントを完成の域にまで高め、発明の精神に恵まれていることを示しました。この新しいタイムピースは、機能的な要素の美しさを現代的な方法で表現するというコンスタン・ジラールの独特な考え方も受け継いでいます。




精度の歴史とブリッジ コレクションの起源
19 世紀、コンスタン・ジラールはクロノメーターの発展に精力的に取り組みました。そして、トゥールビヨン脱進機を搭載した非常に精密な懐中時計をいくつも製作しました。これらのタイムピースの卓越性はすぐに認められ、数々の賞を受賞しました。
1860 年、コンスタン・ジラールは 3 つの平行したブリッジを取り付けたムーブメントのデザインをスケッチしました。この懐中時計には、3 つのニッケルシルバー製ブリッジを搭載して 1867 年に完成しました。同年、この時計はヌーシャテル天文台で 1 等賞を獲得しました。その精度は、17 年間、他の追随を許しませんでした。さらに、この時計はゴールドのケースに収められ、パリの万国博覧会で金賞を受賞しました。

コンスタン・ジラールの作品は、精度が高く評価される一方で、抜群の美しさにも定評がありました。1867 年、コンスタン・ジラールは 3 つのブリッジが美しくデザインされた懐中時計を制作しました。このとき、ブリッジは単なる機能的な部品から芸術的な要素へと変貌を遂げたのです。その後、1889 年に 3 つのブリッジはゴールド製となり、よりスタイリッシュになりました。こうして伝説のスリーブリッジのデザインが完成し、現在に至っ
ています。

しかし、ジラール・ペルゴはこうした成果を誇りに思う一方で、常に進化を続けています。2014 年、ジラール・ペルゴは「ネオ ブリッジ」を発表しました。その精巧なフォルムは、最先端の CNC マシンを使用することによってのみ可能となりました。
繊細な曲線を描くブリッジは、それ以来、単体としてはもちろん、さらには 3 つをセットにした建築的フォルムとして発表されてきました。ブリッジ コレクションでは、クラシックなモデルと現代的なモデルが共存していますが、いずれもジラール・ペルゴの多様性とノウハウを物語っています。


ジラール・ペルゴのチーフ・マーケティング・オフィサー、クレマンス・デュボワは言います。
『ブリッジ コレクションは、非常に歴史のある、特色豊かな機械式時計であり、ジラール・ペルゴの重要な柱となっています。ブリッジの形、素材、仕上げは、1867 年以来、たえず進化してきました。しかし、このコレクションに新たに加わったネオコンスタント エスケープメントは、まぎれもなく現代的なもので、革新的なコンスタント エスケープメントがクロノメーターに新たな基準を打ち立てています。』


名前に込められたもの
ネオ コンスタント エスケープメントという名前は、前述のように、このモデルが「新しい」ものであることを示すとともに、「コンスタント」な力を「調速機構」に伝達するというムーブメントの稀有な能力を示しています。さらに、クロノメーターの発展に生涯を捧げたコンスタン・ジラールにも敬意を表するものとなっています。




時間の流れ
時計の各表示が正確に情報を伝え、高い信頼性とともに動くようになるには、ムーブメントで作用する「時間の流れ」と呼ばれることの多い力を巧みにコントロールする必要があります。エネルギー源となるのは、香箱の中に収められた張力のかかったゼンマイで、これが最終的に文字盤の針や表示を動かします。「輪列」と呼ばれる一連の歯車にエネルギーを伝達する過程で、だんだんエネルギーが小さくなっていきます。実際、輪列は変圧器のような役割を果たし、いわば電圧を希望するレベルまで下げていくわけです。

輪列に連結された脱進機は、調速機構にエネルギーを送り、これによって脱進機の爪が外れ、針が決められた量だけ動くと、再び爪が掛かります。この爪が外れてまた掛かる繰り返しによって、「時間の流れ」はコントロールされています。




コンスタントフォース機構
ほとんどの時計が抱える問題は、完全に巻き上がったとき、香箱から最終的に調速機構に伝わる力が大きくなりすぎてしまうことです。これによって精度が低下する可能性があり、またムーブメントにとって有害となる可能性があります。逆に、香箱内のエネルギーが弱まり、使い果たされる直前になると、調速機構に伝わる力が不十分になり、やはり精度が低下します。

このシナリオをグラフで表現すると、力は対角線として表すことができます。理想的には、調速機構に伝わる力は直線的であるべきで、グラフ上では連続したフラットな水平線となるべきです。しかし、コンスタントフォース機構が備わっていない時計では、力がフラットである期間、つまり最適な精度を示す期間は、比較的短くなってしまいます。

高級時計の開発部門では、香箱から最終的に調速機構に伝わるエネルギーが均一に保たれるよう、時計職人たちはたえず努力してきました。何世紀もの間、この「コンスタントな力」と呼ばれる願望を多くの時計職人が抱き、夜を徹して取り組んできたのです。こうして、フュジー(円錐均力車)、ジュネーブ・ストップワーク、ルモントワール・デガリテなど、脱進機とは別に、さまざまな機構が考案されてきました。

調速機構にコンスタントに力が伝達されれば、時計の歩度が安定します。歩度の安定性は、精度と同じではなく、もっと重要だといえます。実際、コンスタントフォース機構によって動きをコントロールすれば、歩度が変動しなくなり、優れたクロノメーター級の性能が実現されます。ただし、精度に関しても言い添えておく必要がありますが、ネオ コンスタント エスケープメントは COSC 認定クロノメーターであり、その計時能力は第三者による折紙つきです。これは、1860 年代にこのマニュファクチュールが懐中時計をクロノメーター検査に提出したときに、ヌーシャテル天文台百周年記念賞を授与されたことの再現だともいえます。

調速機構(テンプとヒゲゼンマイ)をよく見ると、テン輪は時計方向と反時計方向に交互に回転しています。各方向への回転は「ビート」と呼ばれ、この往復の大きさを度数で表したのが「振幅」です。一般に、調速機構に伝わる力が小さくなると、振幅が低下し、動きが遅くなります。


コンスタントな力を得るための独創的な方法
先ほど触れた各種の機構とは異なり、ネオ コンスタント エスケープメントはコンスタントな力を得るためにまったく異なったアプローチを採用しています。実際、この時計のムーブメントには、後述する独創的なシリコン製ブレードが採用されており、香箱に蓄えられたエネルギーの量にかかわらず、テンプの振幅が一定に保たれるようになっています。



このマニュファクチュールの研究開発部門で働く天才時計師のマチューは、コンスタント エスケープメントを完成させるために 10 年以上もの歳月を費やし、試作品の製造、仕様の改良、数々の特許の申請を行ってきました。この開発プロセスで、コンスタントフォース機構に磨きをかけ、実験室コンセプトから、量産用タイムピースに採用可能な技術へと高めてきました。
数年間に及ぶ研究の末、ジラール・ペルゴは独自のシリコン製ブレードを組み込んだコンセプトウォッチを2008 年に発表しました。このノウハウは数年かけて完璧なものにされ、2013 年にはコンスタントエスケープメント L.M. の量産バージョンが発表されました。これは同年の GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)で権威ある「金の針」賞を受賞しています。


出発点となった列車の旅
シリコン製ブレードのアイデアは、発明の才能に恵まれたある時計職人が、列車の切符を人差し指と親指の間に挟み、眺めていたことに端を発します。
列車の切符が折り曲げられるとその形は C 字になり、不安定になります。これを「湾曲」と呼びます。ここに横方向から力を加えると、切符に均一な量のエネルギーが蓄積されていき、不安定なポイントに達すると跳ね返って、効果的に逆 C 字形になります。圧縮状態から屈曲状態へと切り替わるこのダイナミックな挙動こそ、コンスタント エスケープメントの核心をなすものです。

従来の多くの時計とは異なり、ネオ コンスタント エスケープメントのムーブメントには、輪列に「五番車」が追加されています。五番車は、それぞれ 3 つの歯を備えた 2 つのガンギ車にエネルギーを伝達し、ムーブメントの振動数(3Hz)に調整します。この 2 つのガンギ車から、同時にではなく交互にエネルギーが伝達されます。
その後、エネルギーは切換えレバーを介して、湾曲するシリコン製ブレードに伝わります。コンスタント エスケープメントは、湾曲するシリコン製ブレードの「弾性と双安定」の特性を利用したものです。このブレードは、人間の髪の毛の 6 分の 1 の薄さで、レバーと噛み合うことで、テン輪にエネルギーを伝えます。この目にも鮮やかな精密な動きは、1 振動につき 20 シーケンス行われます。この非常に独創的な配置により、コンスタントな力が伝達され、つねに振幅が一定となります。ブレードの形を左右対称として、テン輪の両側にガンギ車を配置したことで、調速機構の中心に力が作用し、妨げられることなくスムーズに回転運動するようになっています。



この非常に独創的で類い稀な機構により、抜群の歩度の安定性とクロノメーター級の性能が実現されます。
この時計職人が自分のアイデアに賛同してくれる人を探したところ、当時ジラール・ペルゴの会長だったルイジ・マカルーゾが理解を示しました。ジラール・ペルゴは、コンスタント エスケープメントを実現させるという発明家の夢を喜んで支援しました。


DRIE によって実現した極薄シリコン製ブレード
1990 年代、DRIE(深部反応性イオンエッチング)が登場し、ジラール・ペルゴは専門企業のシガテック社と協力して、シリコン製ブレードを製造する手段を手に入れました。ちなみに、このブレードの厚さはわずか 14 ミクロンで、人間の髪の毛の 6 分の 1 の薄さです。

2006 年創業のシガテック社は、ジラール・ペルゴの信頼できるパートナーであり、時計産業向けシリコン部品の大手メーカーです。シガテック社は、ソーウインド・グループ(ジラール・ペルゴの親会社)と、UV-LIGA 技術のリーディングカンパニーであるミモテック社が共同所有しています。

シガテック社の製造施設にはクリーンルームがあり、この管理された環境で部品を製造することで、製品汚染のリスクを低減しています。この専門企業では、完璧な結果を得るために、さまざまな形状、コーティング、寸法を試しながら、数多くの製品の試作を行ってきました。

シリコンは、シリカから電解冶金によって抽出されます。その後、高純度のシリコン結晶にします。この最先端素材は、軽量で、腐食しにくく、摩擦が少ないという、時計製造分野で重宝される特性を備えています。この素材は、従来のフライス加工やスタンピング技術では実現不可能だった、複雑な形状に成形することができます。この部品の場合、ジラール・ペルゴはシリコンの高い弾性を利用しています。シリコンは、ブレードが繰り返し湾曲することでテンプにコンスタントな力を伝達することを可能にする、唯一の素材です。


シリコン製ブレード - 製造工程
シリコン製ブレードの製造は、実験室環境で行われます。まず、大きなシリコン結晶を、非常に薄い「ウェハー」と呼ばれる円盤状に切断します。さらに、「フォトリソグラフィー」と呼ばれる技法を駆使し、ウェハーに幾何学的形状を与えます。

– このシリコンウェハーを、酸化層によってシリカ担体に接着します。材料の深度限界は、その後のエッチング段階で確認することができます。

– ウェハーを高速回転させながら、「フォトレジスト」と呼ばれる液体ポリマーを表面に塗布します。ウェハーの回転による遠心作用によって余分な液体が除去され、樹脂材料の滑らかで薄い均一な層が残ります。

– エスケープメント スプリングの形に形成された、型板のようなマスクをウェハーの上に置いてから、紫外線で強力に処理します。こうして化学反応を起こしてから、特殊な溶液を使用してフォトレジストの残留物を除去します。

– 洗浄すると、ウェハーの表面に、多数のエスケープメント スプリングが見えるようになります。これをウェハーから切り出すために、DRIE(深部反応性イオンエッチング)と呼ばれるエッチング工程を使用します。この技法は、事実上 3D プリンティングの逆のもので、前述の酸化層に達するまで、ごく少量のミクロ層ずつ、シリコンと樹脂を除去していきます。

– シリカ担体と酸化層は、「剥離」工程で除去されます。その後、ウェハーに熱処理を加え、この段階でシリコン部品に酸化層が生成されます。これにより、部品の機械的耐性が向上し、また特定の色が備わります。この場合、ブルーと紫の中間のような色です。湾曲ブレードを中央に配置したエスケープメント スプリングは、1 つずつ手作業で慎重にウェハーから切り離します。

– 以上の結果、エスケープメント スプリングの厚さは 120 ミクロン、ブレードの幅はわずか14 ミクロンになります。ちなみに、人間の髪の毛の太さは、通常、50 ~ 90 ミクロンです。

– 従来のヒゲゼンマイは、1 枚のウェハーで 500 個製造することができます。コンスタント エスケープメントの場合、1 枚のウェハーで 30 個のエスケープメント スプリングしか得られないので、製造コストが高くなります。


新しいデザイン、おなじみのアプローチ
ネオ コンスタント エスケープメントは、ほかのどの時計とも似ていませんが、ブリッジ コレクションのほかの現行モデルとは共通している点も一部あります。
文字盤の上にサファイアクリスタル「ボックス」が取り付けられ、光が降りそそぐようになっており、文字盤のさまざまな要素を横方向から見ることができます。

2013 年当時のコンスタント L.M. は、オフセンターの文字盤で時と分を表示していましたが、ネオ コンスタント エスケープメントでは、針は文字盤の中央に取り付けられています。
スケルトン加工されたドーフィン型の時針と分針は、ロジウム加工が施され、現在時刻を明確に示すとともに、蓄光塗料によって暗い場所でも視認することができます。フランジに設けられたブラックの円環の帯状部分には、ホワイトのマーキングが施されています。また、蓄光インデックスが外側に弧を描くように取り付けられており、文字盤のメインエリアから浮かんでいるように見えます。
センターセコンドは、先端がスカイブルーに輝き、1889 年のコンスタン・ジラールの名高いゴールドブリッジに着想を得た矢形のカウンターウェイトが備わっています。

ネオ コンスタント エスケープメントにおいて、ジラール・ペルゴは時計デザインへの新たなアプローチを考案しました。こうしてできたグレード 5 のチタンのケースに収められたタイムピースは、とりわけその機構の複雑性を考慮すると、軽量かつ魅力的で、驚くほど着用しやすくなっています。ムーブメント、とりわけ独自の湾曲ブレードを備えたエスケープメント スプリングは、明らかに機能的でありながら、美的魅力も高めています。



その左右対称な見た目は、ジラール・ペルゴの象徴となっている伝説のスリーブリッジや、ロレアートの八角形ベゼルとも響きあっています。
文字盤の上半分には、大きな香箱が 2 つ並んでいます。ムーブメントの色は、ブラック PVDとアンスラサイト NAC のコンビネーションです。この処理により、文字盤はモダンな見た目となっており、高級時計に着想を得たきわめて精巧な仕上げが施されています。

9 時位置に配された直線状のパワーリザーブ表示は、ツインバレルにどれだけのエネルギーが残っているかを示します。ムーブメント、キャリバーGP09200 は、7 日間以上のパリニアパワーを蓄えます。ネオ コンスタント エスケープメントは、エスケープメント スプリング、テンプ、ガンギ車などの機構が作動している様子を部分的に眺められるデザインとなっています。


ネオ ブリッジ
このモデルでは、ガンギ車を支えているのは、ステルス風のブラックの色あいの 2 つの独立したブリッジで、どちらも光り輝くネジで固定されています。ブリッジのデザインは 19 世紀の名高いブリッジに着想を得ていますが、ここでは現代的なスタイルで仕上げられています。その下には別のネオ ブリッジがあり、文字盤の下部で広がってテン輪を支えています。

グレード 5 のチタンでできた 45mm ケースグレード 5 チタンでできたケースは、最も幅の広い部分で直径 45mm となり、従来のモデルよりも小さくなっています。さらに、複雑な形状のケース側面は、内側に向かって(サファイアクリスタル「ボックス」に向かって、またサファイアケースバック付近で)細くなっています。この狭い部分のサイズは 42.5mm で、これほど複雑な時計としては小さめとなっています。また、ラグが下方に鋭く
カーブしているので、スケール感はさらに小さくなり、手首につけると、表記サイズよりも小さく見えます。

ジラール・ペルゴがグレード 5 のチタンを選んだのは、軽量で、さびにくく、堅牢で、低アレルギー性であるといった、多くの利点がこの合金に備わっているからです。しかし、グレード 5 のチタンは非常に硬いので、フライス加工が難しくなります。
このモデルの場合、ラグ、ベゼル、ケースがひと塊の合金から製造されるので、ケースの製造がいっそう複雑なものとなります。グレード 5 チタンは並外れた硬度を備えていることから、研磨が非常に困難であるだけに、ますますポリッシュ仕上げとサテン仕上げの対照的な表面(直線と円形)が注目に値するものとなっています。対照的な 2 つの仕上げを交互に施すというこのアイデアは、フルーティング加工を施したリューズにまで及んでいます。

キャリバー GP09200
時計を裏返すと、サファイアケースバック越しに、手巻きムーブメント、キャリバー GP09200 の細部をさらに眺めることができます。さらに、ムーブメントの裏面には、文字盤と同じ左右対称なデザインが採用されており、上部にはツインバレル、下部には 2 つのネオブリッジも配置されています。左右対称性を繰り返し使用し、機能的な部品を美的な特徴として見せることは、ブリッジ コレクションの特徴となっています。



時計の裏側から見ると、シルバーカラーの輪列が隠さず明らかになっており、隣接するブラックのムーブメント部品から際立っていることに、時計愛好家なら注目されるでしょう。同様に、エスケープメント スプリング、ガンギ車、テン輪の裏側も至近距離からも見ることができるので、動いている部品を眺め、ムーブメントのきわめて精巧な仕上げを堪能できます。

ネオ コンスタント エスケープメントは、ラバーストラップによって手首に一体化します。このストラップはファブリック効果が特徴的で、チタン製トリプルフォールディングバックルには微調整機構が備わっています。この機構は、6 つの刻み目のある金属部品に沿ってプッシャーをスライドさせることで、ストラップを最適なつけ心地に微調整することができます。


つねに独創的
ジラール・ペルゴの特徴のひとつとなっているのは、独創的な考え方です。ジラール・ペルゴは革新的なアイデアを取り入れ、新しい機構を考案し、時計を進化させています。ネオ コンスタント エスケープメントも例外ではありません。このコンスタント エスケープメントの最新の進化形には、いくつもの新しい技術が組み込まれています。実際、この最新モデルで使用されている特許の 30 %、すなわち合計 13 件が新しい特許です。新しいムーブメントは、2013 年モデルよりも部品数が少なくなっており(従来の 280 個に対して 266 個)、複雑さよりも最適化を優先している、明らかな例です。

使用されている特許の例としては、 「脱進機の効率とパワーリザーブの向上」「テン輪の効率と計時性能の向上」「脱進機の全シーケンスの完全な角度ロック」などがあります。
継続的改善の精神にのっとり、今後ともジラール・ペルゴは数々の革新技術を対象とした特許を申請していく予定です。たとえば、ムーブメントの自動スタートを容易にする部品の形状に関する技術や、ガンギ車の効率を高める部品の形状に関する技術などです。


コンスタン・ジラールに敬意を表するネオ コンスタント エスケープメント
1791 年以来、ジラール・ペルゴは多くの人々の努力と独創的なアイデアによって成長してきましたが、とりわけ一人の人物が忘れがたい足跡を残しました。コンスタン・ジラールです。機械の世界と美しさの世界とを融合させ、今日にいたるまで色あせない伝統を築いた、才能あふれる時計師です。
ネオ コンスタント エスケープメントは、過去に敬意を払いながらも、現在と未来を包み込み、独自の美学とエネルギーのコントロールを融合させる、ジラール・ペルゴの伝統を永遠のものとしています。


ジラール・ペルゴの CEO、パトリック・プルニエは言います。
『コンスタント L.M は、2013 年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)で『金の針』賞を受賞した注目すべき時計です。今やジラール・ペルゴの遺産の一部となっていますが、ほこりをかぶったまま棚に飾っておくべきではありません。蓄積されたノウハウの限界を押し広げ、オリジナルのコンセプトを最新の形に進化させるために、この偉業に挑戦しました。ネオ コンスタントエスケープメントはあらゆる点で優れています。才能豊かなチームの献身的努力を物語ると同時に、時計製造の新時代を切り開くものとなっています。』



このモデルは 2024 年 1 月に発売され、世界中のジラール・ペルゴ正規販売店で販売予定です。
先述の通りですが、ネオ コンスタント エスケープメントは製造期間が長いことから、数量限定での販売を予定しています。



【技術仕様】
ネオ コンスタント エスケープメント
リファレンス:93510-21-1930-5CX

ケース素材:チタン
直径:45.00 mm
厚さ:14.80 mm
防水性:30 m(3 気圧)
風防:無反射加工サファイアクリスタル「ボックス」
ケースバック:サファイアクリスタル
文字盤:蓄光塗料(ブルーに発光)を塗布したサスペンデッドインデックスを備えたリング
針:スケルトン加工、ロジウムメッキ、「ドーフィン」型、蓄光塗料(ブルーに発光)を塗布
ムーブメント:リファレンス GP09200-1153(機械式手巻ムーブメント)
・COSC 認定クロノメーター
・直径:39.50 mm(171/2’’’)
・厚さ:7.40 mm
・振動数:21,600 振動/時(3 Hz)
・部品数:266
・石数:29
・パワーリザーブ:7 日間以上
機能:時、分、センターセコンド、パワーリザーブ表示
ストラップ素材:ブラックラバー ストラップ、ファブリック仕上げ
バックル:微調整機構付きチタン製トリプルフォールディングバックル

希望小売価格:13,101,000円 (税込予価)
(参考価格)84,700 英国ポンド/95,000 スイスフラン/99,600 米国ドル/105,000 ユーロ





[ジラール・ペルゴ]
ジラール・ペルゴは、1791 年以降、永遠に捉えどころのない時のリズムを受け入れてきました。ラ・ショー・ド・フォンの中心に位置するジュラ山脈に抱かれた高級時計のパイオニアであり、すべての製造を自社内で行い、類稀な時計製造の技術を何世代にもわたって守り続けることで 2 世紀以上その地位を堅持してきた独立系マニュファクチュールです。美と優れた技術への情熱に加えて、このノウハウの維持は、ジラール・ペルゴの変わらぬ革新力のカギとなってきました。美しさと機能性の完璧なバランスを追求する高級時計愛好家であればすぐに、ロレアートのブランドを象徴する八角形のベゼルや「スリー・ゴールドブリッジ」を備えた伝説のトゥールビヨンと
いった特徴に目が行くことでしょう。時計業界の基準作りから高度な精密工学によって目に見えないものを見えるようにする技術まで、ジラール・ペルゴは、数々の業界初となるモデルを生み出すことで絶えず時間の流れを変えてきました。時計に関する革新の先導者というこの地位は、1884年に米国で登録された 3 つの矢印型ブリッジの
ムーブメントのようなオリジナルのデザインに関する 100 件以上の特許、そして 2013 年の「金の針」賞や 1889年のパリ万国博覧会で授与された金賞といった実績によって盤石なものとなっています。
ジラール・ペルゴは、その伝統に根差し、常に前を向こうとする本能に導かれ、新しい技術を受け入れて最先端の素材を活用し、ブランドを象徴する形状を見直すことさらなるで喜びをもたらすような独創的な方法を模索してきました。この目標に向かって、徒に組織を拡大することなく人間らしい規模を保ち、2022 年には姉妹メゾンのユリス・ナルダンと共に高級時計マニュファクチュールで構成される独立系集団の一部となりました。