リシャール・ミルが「RM 21-02 トゥールビヨン エアロダイン」を発表

RM 21-02 トゥールビヨン エアロダイン


ホワイトクオーツTPT®、カーボンTPT®、チタンを使用したRM 21-02 トゥールビヨン エアロダインが新たに登場。手巻きトゥールビヨンキャリバーRM21-02の第2弾であるこのモデルは、精度、軽さ、耐久力の融合により、創造性の限界を再定義し続けます。



リシャール・ミルは、時計製造とはかけ離れた分野のエンジニアリング素材を常に活用しており、特に航空産業からは強い影響を受けています。この絶えることのないインスピレーションの源が、ブランドの研究開発オフィスに複数の特性を持つ素材をもたらしてきました。
カーボンTPT®️は航空産業だけでなく、自動車産業（飛行機の機体からF1マシンまで）にも広く使用されており、RM 21-02 トゥールビヨン エアロダインでは地板の中心とケースに使われています。そして、特殊なガスタービン部品（ハニカムシールや燃焼器スプラッシュプレート、その他の静的酸化を制限する部品など）の厳しい環境に適用するブラックPVD処理を施したHAYNES®️ 214®️合金[※1]を使用したハニカム構造が組み合わされています。



この合金のハニカム構造は、もともとNASAが超音速航空機の翼に応用するために研究したものです。どちらの素材も、空気とスピードの概念を間違いなく体現しています。



この空気力学的構造の中で、香箱とトゥールビヨンは中央に配置されています。両側には4本のアームがあり、軽量のチタン製ブリッジで優雅にバランスを取っています。これらの部品を取り囲むように、トルクインジケーター[※2]とパワーリザーブインジケーターが配され、香箱に蓄えられたエネルギーの質と量を知ることができます。また、ファンクションセレクター[※3]により、さらに高度なコントロールが可能です。



RM 21-02のケースは、クオーツTPT®とカーボンTPT®のベゼルとチタン製ミドルケースをシームレスに組み合わせた、驚くべき建築的複雑性を備えています。



この入念な素材の組み合わせは、見た目の美しさだけでなく、日常的な使用にも耐えうる非常に頑丈なケースを生み出しました。この構造により、RM 21-02はリシャール・ミル史上最も洗練されたケース構造のひとつとなっています。



ケースとダイヤルからムーブメントの各部品まで、この時計の設計と製作には、ムーブメント、ケースおよびダイヤルに関するコンセプトに基づく包括的なアプローチが反映されています。その結果、すべてが極めて厳密な仕様に合うよう構築されました。ケーシングリングは取り除かれ、ムーブメントはシャーシに4本のグレード5チタン製ネジとサイレントブロック (ISO SW) で固定されています。



ベゼルには、カーボンTPT®とクオーツTPT®という、独創的な表情を持つ2つの特別な素材が使われています。際立つ表面には規則的な波模様が見られますが、それはカーボンファイバーまたはシリカファイバーを分離して得た並列の繊維層が何枚も重ねられているためです。



層の厚さは最大でも45ミクロン程度で、これ母材を含浸させ、特殊な機械を使って45度ずらしながら重ねていきます。6バールの圧力をかけて120度で熱処理した素材は、リシャール・ミルのケース工場のCNC機械で加工を施します。



ケースバックにはクオーツTPT®が、ミドルケースにはサテン仕上げのグレード5チタンが使用され、カーボンTPT®のピラーが備わっています。



3層構造のケースには2つのニトリル製O-リングガスケットが使用され、50mの防水性を保持します。ケースの組み立てには、20本のグレード5チタン製スプラインネジと、316Lステンレススティール製の耐摩耗性ワッシャーを使用しています。



革新への揺るぎないこだわりと最先端の素材を時計に使用することで知られるリシャール・ミルは、RM 21-02 トゥールビヨン エアロダイン特有の美学を再構築することに挑みました。


[※1]ヘインズ®214®合金：オーステナイト系鍛造材料に対して最適な高温耐酸化性を付与すると同時に、従来の成形および接合が可能なように設計されているニッケル-クロミウム-アルミニウム-鉄合金です。214®合金は主に955°以上の温度で使用することを目的としており、このような温度下で、ほぼすべての従来の耐熱鍛造合金をはるかに上回る耐酸化性を示します。カーボンTPT®のコアと組み合わせることで、ハニカム構造の幾何学模様を成すヘインズ®214®合金は、稀に見る剛性と熱による延性係数の低さ、そして並外れたねじれ抵抗を発揮します。この斜方晶系の地板には、独自の構造を引き立てるためにブラックPVD処理が施されています。


[※2]トルクインジケーター：インジケーターは、12時と1時の間に位置し、数字の目盛りによって、主ゼンマイのテンションを視覚化し、ムーブメントの刻時を最適な状態に保つことができます。5.3 N.mm以下のテンションは緩すぎ、6.5 N.mm以上は強すぎとなり、強すぎるとムーブメントの動作に影響を与えることがあり、損傷につながることもあります。


[※3]ファンクションセレクター：リューズの中央に配されたプッシュボタンを押すと、車のギアチェンジのように、巻き上げ、ニュートラル、時刻合わせのいずれかの機能を選択することができます。4時位置にある表示では、選択されている機能が針で示めされます。



【技術仕様】
RM 21-02 トゥールビヨン エアロダイン
50本の限定エディション

ケースサイズ：42.68 x 50.12 x 14.30 mm
キャリバー ：RM21-02(手巻トゥールビヨンムーブメント)
-ムーブメントサイズ: 30.20 mm x 29.20 mm
-厚さ: 7.14 mm
-トゥールビヨン直径: 12.30 mm
-テンワ直径: 10.00 mm
-石数: 27、ホワイトゴールド製シャトン (石座) にセッティング
-テンプ: グリュシデュール®製、2アーム型、4個の調整ネジ、慣性モーメント10mg、リフトアングル53º
-振動数: 21,600振動/時 (3 Hz）
-ヒゲゼンマイ: ニヴァロックス®製エリンバー
-トルクインジケーター: Nmmを単位とした基準測定
-耐震装置: KIFエラスター KE 160 B28
-香箱真: ニッケルフリーのクロニファー®（DIN x 46 Cr 13 S)、 耐錆性・耐磁性を備え、熱処理に最適の特性を有しています
機能：時・分表示、ファンクションセレクター、パワーリザーブイ ンジケーター、トルクインジケーター。
パワーリザーブ：約70時間 (± 10%)、11時位置の目盛りに表示されます。
ケース素材：クオーツTPT®・カーボンTPT®・チタン製ケース
インナーベゼル：マイクロブラスト加工が施されたチタン製にブラック ガルバニック加工が施されています。
ダイヤル：両面反射防止コーティング サファイアクリスタル製 (厚さ：0.40 mm)、上下インナーベゼルの溝にシリコン製留め具を8個挿入して保護。
ベゼル側風防：両面反射防止コーティング サファイアクリスタル (ビッカース硬度1,800）、1.50mm厚
ケースバック風防:両面反射防止コーティング サファイアクリスタル
・厚さ: 中央は1.20 mm、外周は2.04 mm

[仕上げ]
ムーブメント
- 手作業によるポリッシュ仕上げを施した面取り部分
- 手作業によるポリッシュ仕上げを施した係止部
- サファイアブラスト加工が施された切削部分
- ラップ加工およびポリッシュ仕上げを施した接続部分
- 艶出しした軸
スティール製パーツ
- サファイアブラスト加工を施した表面
- 手作業によるポリッシュ仕上げを施した面取り部分
歯車
- ダイヤモンドツールによる凹面面取り
- 円形装飾を施した表面
- ロジウムメッキ加工（歯をカットする前）
- 歯の形状と性能を維持するため、加工後の処理は最低限に留める


[主な特徴]
◆カーボンTPT®をコアにしたハニカム構造の斜方晶系ヘインズ®214®合金製地板
◆グレード5チタン製ブリッジ：ブリッジはグレード5チタン製で、生体適合性と腐食に対する高い耐性を持ち、極めて硬い合金であるため、輪列をスムーズに作動させます。合金の組成は、グレード5チタンが90%、アルミニウムが6%、バナジウムが4%。この組成によって素材の機械特性がさらに強化されるため、航空宇宙、飛行機や自動車産業でこの合金がよく使用されています。 ブリッジにはブラックとグレーのPVD処理が施されています。


◆可変慣性フリースプラングテンプ：衝撃を受けた場合やムーブメントの組み立てと分解の際に、より高い信頼性を約束し、長期間にわたり優れた計時精度を保証します。


◆高速回転バレル（1回転/6時間。従来は7.5時間）※この香箱は以下の長所を備えています。
・主ゼンマイの周期的な貼り付き現象を大幅に減少させ、性能を向上させます。
・主ゼンマイにおける、理想的なパワーリザーブと精度との優れた相関関係を表すデルタ曲線を示します。
◆反復しながら累進するバレルの歯車
この機構によって大幅な巻き上げ効率の向上 (約20％) が可能となり、特に巻き始めにおいて効果を発揮します。また、 主ゼンマイのテンションが均等に分配されます。


◆ケースバックのモジュール式時刻合わせ機構　
※この機構には以下の長所があり、高い耐久性を確保し、メンテナンスを容易にします。
・この時刻合わせ機構は、部品がムーブメントの外側に取り付けられているため、不具合が生じた場合やメンテナンスのため時間計測部分の組み立てを行うにあたり、地板全体が影響を受けずに交換が可能です。
・このモジュールをケースバックに取り付ける、あるいは取り外す際、針や文字盤を取り外す必要はありません。
◆回転式時刻合わせ機構（ムーブメント裏側）
・この構造によって、歯車が噛み合うときの摩擦を除き、回転式にしたことでスムーズな時刻設定を可能にします。
◆セントラル・インボリュート歯形を採用したバレルの歯と三番車のカナ
・香箱の歯とカナのセントラル・インボリュート歯形では、20度という理想的な圧力角で圧力がかかります。これにより、回転運動の効率が高まるとともに、輪列の誤差も相殺することができ、優れたトルク伝達効率と性能の大幅な向上が実現されました。
◆ブリッジおよびケース用のグレード5チタン製スプラインネジ
・このスプラインネジにより、組み立ての際にネジの締め付けトルクを最適に制御することができます。組み立てや分解時の作業による物理的な影響を緩和するため、部品の寿命を延ばします。



【お問い合わせ】
リシャールミルジャパン
Tel.03-5511-1555
http://www.richardmille.jp/