蝶とフェアリーを称えて

SIHH（ジュネーブサロン）2017にて発表されるレディ アーペル パピヨンオートマタ ウォッチは、自然の持つ魔法のような魅力をこれまでにないほど精密に形にした作品です。特別なオートマタ モジュールを搭載し、自然のままの蝶の羽ばたきを見事に表現しながら、優しい風景の中に移ろう時の流れを描きだします。スイスのメイランに構えるヴァン クリーフ＆アーペルの時計制作のアトリエにおいて、さまざまな伝統技術が集結し、この美しい情景が完成しました。




のどかな風景にのぼる月。銀色に輝くその天体は水面や草花を照らし、蝶は微風に揺られながら花冠にそっと止まり、その動きは通りかかる人の心を捉えます。思わず引き寄せられて近づくと、蝶はこの世のものとは思えない優雅さですばやく羽を震わせます。その動きのリズムにつられるように、人は再び歩きはじめます。歩みを進めるほどにこの不思議な共生関係は深まり、蝶と人はこのとき、自然と調和する瞬間を共有しているのです。

今回ヴァン クリーフ＆アーペルは、新作レディ アーペル パピヨン オートマタにおいて、この関係を再現しました。文字盤のガラスの下に広がる詩情の世界、その右側では時分針が控えめに時を告げる一方、左側の蝶はパワーリザーブ量に応じて連続して1 ～ 4回、ランダムに羽をはためかせます。

この動きが行われるのも不規則で、時計が身に着けられていないときは2 ～ 4分ごと、着用されている時はより多くの頻度で蝶が羽ばたきます。蝶の生き生きとした様子は、身に着ける人のそれと呼応し、穏やかな時と活発な時が交互に現れます。また、文字盤上で繰り広げられるこのスペクタクルは、プッシュボタンで作動させることもでき、いつでもお好きなときにボタンを押せば蝶の羽ばたきを見ることができます。




ヴァン クリーフ＆アーペルの時計制作アトリエによるサヴォアフェール
この作品には、不規則的に蝶を羽ばたかせるという技術と、その背景にレリーフ効果を用いて奥行きのある舞台を表現する技術とが融合しています。自然の躍動感を描写するために、メイランにあるヴァン クリーフ＆アーペルの時計制作アトリエの職人が、それぞれ専門とする装飾技法を活用しました。

文字盤には、多くの要素が組み込まれています。ホワイトゴールドの蝶は彫刻されたマザーオブパールの花の上を舞い、その羽は2色のプリカジュールエナメルで着色されています。周囲の植物はシャンルヴェエナメルで装飾され、中でも丸みを帯びた草の葉はプリカジュールエナメルのグリーンがかったブルーのグラデーションで装飾されています。ヴァン クリーフ＆アーペルが特別に開発したこの新しい技術は、モチーフの立体的な形状をエナメルによって生み出すことを可能にしました。素材の透明感がボリュームを出す効果とあいまって、文字盤の奥行きを深めます。

一方、遠近感を強調した背景では、パイヨンエナメルの月がブルー、モーヴ、バイオレットのサファイアをセットした水面に反射します。さらにこの光景にはラウンドダイヤモンドとペアシェイプダイヤモンドが散りばめられ、光り輝く花冠を作ります。物語はケース前面の浮き彫りとケース背面の回転錘にも続き、装飾されたサファイアガラス越しに見ることができます。   






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