「時計フェスタ610」@ヒコ・みづのジュエリーカレッジ

 By : KAIROS
皆さん、おはこんばんちは。

去る6月10日は何の日だったか意識していた人はいるでしょうか?
そう!時の記念日。
1年とは早いもので、昨年ヒコ・みづのジュエリーカレッジ様にて「渋谷時計フェスタ610」を取材したのが先月の記憶のようで。。。という事で今年も行ってきました「時計フェスタ610」
以前にも告知した通り、今年は大阪でも開催するという。
大阪校ではムーブメントの分解組立ても行われていたようで、来年は時間が合えばそちらにも行ってみたいですね!


さて今年もフロアごとに見ていきましょう。
昨年は1階に古い懐中時計などを展示していましたがすそれはなく、2階からスタートです。
階段を上がって、左側の教室へ


入口には時の記念日の由来と時計をバラバラにした標本!ここまで詳しくなっているのはさすがですね。
このテーブル横では時計診断が行われていて、熱心に学生に質問している人が印象的でした。

そのテーブルの向かいには今年もやっていましたゲームコーナー

そして時計の奉納と技術五輪のブースがありました。
み、み、巫女さんがいる・・・本格的です。


向かいの教室に移動すると今年も工具や時計の販売。午前中には、いいモノが売れてしまうと言う。
これを目当てに来場する人もいるとか。何に使うかわかる方来年行った方がいいですよ~
その様子を画像で見てください。





  


3階へ移動しましょう。
ここでは電池交換の体験ができる教室が開かれていました。
丁度、間の時間だったので人は居ませんでしたが、予約でいっぱいになる程の盛況ぶり!
お子さんに体験してもらうのにいいですね!参加費は500円ですが、電池を入れた時計をもらえて、良い時の記念になると思います。私が教室に入ったときは、お父さんと娘さんが一緒に体験していました!


その向かいの教室はカフェと時計展示
セイコーミュージアムよりお借りしたそうです。



VFAもある。。。同じ歳なんです(笑)

そして館内放送が流れ、今年もイベントの目玉でもある菊野氏と牧原氏の対談が始まると言うので私も地下に。
既に地下の会場は満席状態。会場に入る前にお話をしていたら偶然にもお二人が来られたので、パシャリ(表現がオジさん汗。。。)
これから対談だというのにリラックスの笑顔。

今回、お二人とも作務衣を着て登場。その理由は。。。

今回のテーマが「和」なのです。
日本人がもつ感性や歴史を時計で表現する時計師。そう、二人の時計作りの共通点が「和」なのです。

特に牧原氏は今年、WMOでも紹介した江戸切子を施したガラス文字盤で菊を表現し、桜をエングレービングしたムーブメントを発表しているだけに参加者も興味津々。菊と桜は日本国花なんです!

牧原氏の時計を菊野氏が解説している姿、なんて贅沢な・・・こんな事、見られないですよー!

そして今回、江戸切子文字盤のメイキング動画が紹介されると会場は驚きの声!0.5㎜のガラスに約0.1㎜の線を入れて模様をつける。それも手作業
実際の映像をご覧ください。


牧原氏は、日本の伝統工芸にについて色々と話をしてくださったが、この映像を見るとその奥深さにただただため息。

前回掲載の写真から
  


そして続いて菊野氏
自身の作品の紹介から始まった。
「和時計改」
日本古来の不定時法についての説明

「朔望」
夜の照明がわりとして使われていたであろう満月の月明り
不定時法に関連して、満月の夜長にくり広げられる歴史な行事や月が及ぼす漁業関係などの歴史など
朔望の思いを説明

日本の歴史や伝統を時計で表現する。そして日本の魅力を時計の魅力と組合せ、芸術作品にする。ある意味これは、これからも受け継がれていかなくてはいけない伝統工芸ともいえるでしょう。
そして、「自分だけの価値」として、これらの作品を考えていただけるような方に使っていただきたいと云う。



そんなあっという間の1時間でしたが、対談終了後は作品を見るために長蛇の列が印象的でした。

そして私もウロウロとしていた時、スタッフとして参加していた学生の方の腕に目が留まりました。
それがこれ!

アンクル受けにもエングレービングが!
そして文字盤側

聞けば、ムーブメントも文字盤も自分でエングレービングしたとか。
恐るべしヒコ・みづのの学生・・・誰に見せるわけでもなく、自分で作った時計をさらっと腕にしているとは!


そんな楽しい1日はあっという間に終わってしまいました。
今回で2回目の「時の記念日」取材となりましたが、如何だったでしょうか?

喜んでもらえる企画作り、イベントを運営する団結力、和に特化した講演会等、
コンセプトを持って表現し、自分に出来る事を考える。そして、それを良い方向に指導するヒコ・みづのという学校。
とても自由に伸び伸びと学び、良い環境なんだなと感じました。


時の記念日。それは昔の風習ではなく、今もその意味を考え、受け繋いでいく大事な日なのです。
故きをたずね新しきを知る。そんな発想が、今後誕生する時計師たちにも大きな影響を与えると思います。

昨年と同じになりますが、1年に1度は“時”について考える良い日だと思います。是非、皆さんも6月10日は、“時”について何かしてみませんか?

菊野氏、牧原氏、ヒコ・みづのの皆様、ありがとうございました。

【お問い合わせ先】
http://www.watch-hiko.jp/