「ウォルター・ランゲへのオマージュ」ならびに、ランゲ・フレンズディナーに寄せて

 By : KITAMURA(a-ls)
ウォルター・ランゲ翁との突然のお別れから一年。
昨年の12月7日、会社にとっての大事な記念日に、A.ランゲ&ゾーネはそのオマージュ作品、「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」を発表し、今年のSIHHを迎えたのはすでに皆さんご存知のことと思うが、それにまつわる幾つかのお話しを、少しだけ語りたい。




YG、RG、WGそれぞれがA.ランゲ&ゾーネにちなむ異なった数の限定モデルとして発表された「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」だが、その3色とは別のSSケースの1本が、ウォルター翁が熱心だったチャリティー目的に使うため、オークションにかけられることになっている。


そのオークションの詳細が、今年1月16日の"ランゲ・フレンズ・ディナー”の席で発表された。
このフレンズ・ディナーというのも、ウォルター翁と浅からぬ因縁がある。
もともとは、A.ランゲ&ゾーネがSIHHに参加することになったばかりのまだ会社の草創期に、手弁当で毎年集まって来る熱心なユーザーたち(のちにその一部がLOGを名乗った)が、年一回の再会を楽しみつつ、手持ちのランゲ・ウォッチを撮影しあうなど、プライベートな食事会としてスタートしたと聞いている。時にウォルター翁が個人的に参加する年もあった。
しかしブランドが成長し名声が浸透するにつれ、年々参加希望者が増えてきたことや、VIPユーザーをアテンドする各国ランゲ支社の要望など諸々の事情によって、数年前からA.ランゲ&ゾーネ本社が統轄するようになり、ウォルター翁も交えてSIHHの2日目の夜に行われることが通例となった。
そして昨年、SIHH2日目は1月17日だった…。つまり、ランゲ・フレンズ・ディナーが行われる日の朝に、ウォルター翁が天に召されたのである。
●昨年のフレンズディナーのテーブルメニュー。17 January 2017という日付けが刻まれている。


今年、2018年の「ランゲ・フレンズ・ディナー」が開かれたのは1月16日、ちょうど一年の喪があける日に開かれる形となったわけだが、そこでちょっと洒落た趣向があった。
A.ランゲ&ゾーネはこのSIHHに合わせて、ウォルター・ランゲ翁の切手を作成していたのだが、


●ウォルター・ランゲ"記念”切手シート(左)と、その切手を貼ったポストカードの表裏

この切手を貼ったポストカードとポストとがデイナー会場に用意されていて、その場で知人に宛てて葉書が投函できるようなサビースがあったのだ。
この切手料金からして日本向けの国際郵便は難しいと思い、1通だけウォルターお爺さま宛てのグリーティングメッセージを残したのだが、お爺さま、届いてますかぁ~!

さてこの葉書をよく見ると、「With horological greetings」というメッセージと、まさに「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」のSSケースのオークションピース、右にはA.ランゲ&ゾーネ社屋、そして左手にうっすらと、よく目を凝らさないと見えない図こそ、いまだ公開されていない「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」の輪列図のように見えるのだが、はていかに(笑)。

●ポストカードも部分拡大と実機の裏、位置をほぼ同じにして比較してみた。


この日のために用意されていたポストカードは他に2種あって、ひとつは今年の花形モデル「トリプル・スプリット」、そしてもうひとつがランゲ時計学校の選ばれた学生たちによるムーヴメント・コンペの最優秀作品のカード(このフレンズ・ディナーはその授賞式も兼ねておりました)。

●ランゲ時計学校の優秀作品(上)とトリプル・スプリット(下)のそれぞれのポストカード

でまぁ、当然と言いますか、残念と言いますか、一番人気があってすぐに品切れてしまったのは、「トリプルス・プリット」のカードであったのだった・・・。元のー数が違ったのかしら?

そしてランゲ・フレンズ・ディナーから、最後にもうひとつ。
各テーブルに置かれていたギフトがこれ。ポストカードと同じシートと「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」のチョコレート作品。

チョコレート色なので、ケース色は不明なのだが、自然とSS黒文字盤を連想してしまうのは仕方ない(笑)。そして個人的な話だが、コレはいまだ食せずに冷凍中である(笑)。

さて、そのピースユニーク、世界1本のSSケースの今後だが、この個体は有名なオークション会社フィリップスに託され、5月12日にジュネーヴでのオークションに出品され、その売り上げは「Children Action」に寄付されることになっている。

SIHH期間中、この時計はA.ランゲ&ゾーネ・ブースの奥の部屋に設置されたガラスケース内に展示されており、触れることは叶わなかったので、重量感やフィット感は全然わからなかったし、おそらく、オークションの終了後は目にすることすら叶わなくなると思われるので、ガラス越しであまり写りは良くないのだが、しばし実機写真を。









また、フィリップスがこのユニークピースをオークションで扱うことを報じた記事に、
https://www.phillips.com/article/28192077/phillips-to-offer-unique-a-lange-söhne-1815-homage-to-walter-lange-in-stainless-steel

おそらくカタログに使われるのであろう、たぶん最初で最後と思われる実機の接写写真が掲載されていたので、そちらもどうぞ。



貴金属ケースで47000ユーロという「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」だが、はたしてこのSSケースは、如何ほどで落札されることになるのか。


この記事を書くにあたっていろいろと荷物をほじくり返していたら出てきたものや、今年戴いたものをおすそ分けしましょう。

①17 January 2017というウォルター翁の命日の日付けが刻まれている昨年のフレンズディナーのテーブルメニュー。
②ウォルター翁の切手を貼った今年のポストカード。
③2018年のコレクションブック。

①~③までのご希望のものを書いて、当記事のコメント欄から申し込んでください。
(まだ連絡先は残さないで結構です。素敵なコメントを残された方に、のちほど当方よりコメント返信の形でご連絡しますので、その後、連絡先や送り先を教えていただきます。)


なにとぞ宜しくお願い致します!