ヴティライネン ナチュラル脱進機を余すところなく堪能できるアップサイドダウンと工芸ダイヤル

 By : CC Fan
SIHHに続き、バーゼルでも精力的に新作を発表したヴティライネン(VOUTILAINEN)。
"基礎体力"に優れる独自のナチュラルエスケープメントムーブメントを搭載したヴァントゥイット(Vingt-8)を熟成させながら様々なコンプリケーションを追加したバージョンと、素晴らしい技法による工芸ダイヤルを発表しています。

まずは、機構面の新作、アップサイドダウン!



ムーブメントをひっくり返し、常にその動きを堪能できるという表現。
大きなテンワと独自のカーブを持つヒゲゼンマイが、10時30分位置でゆっくりと息づいている様は圧巻です。



ムーブメント側に時分針を配置するためにブリッジを追加し、僅かに厚くなったそうです。
時分針を動かす動力は8時位置に見える軸で、本来の日の裏車から地板を貫通して送られています。



ケースバック側からは、今まで見ることがかなわなかった文字盤側の機構を堪能できます。
日の裏車から噛み合った歯車によって時分針を駆動する動力が反対側に送られています。

6時位置にはパワーリザーブインジケーター、12時位置には4番車とスモールセコンドが配されています。
4番車が文字盤側にあり、ムーブメント側からは見えない、"ミステリアス"配置だったものが堪能できるようになりました。



そしてナチュラル脱進機の"要"、二つのガンギ車を連結する歯車も白日の下に…



ムーブメントを"そのまま"常に堪能できるようにしたといっていい作品だと思います。

続いては工芸ダイヤルに加わったグリーンエナメル。



粒子感を表現した…と言うグリーンのエナメル。



光の当たり方によって表情が変わり、この美しさはとても全て写しこめるものではないと思います。



さりげなく、短針のアップルハンドがロゴに重なる表現も。



もちろんムーブメントは同じくナチュラル脱進機。

最後はSIHHでも驚愕したブラックエナメルの新しい表現。



なんと、チタンケースと組み合わせ、"スポーティーなブラックエナメル"という提案。
ゴールドのアプライドでゴージャスな印象だったインデックスの数字も、厚みを抑えられた貼り付けになり、スポーティーさを強調。



エナメル特有の艶は捉えにくく…



これで艶感は伝わりますでしょうか…

最後は"ファングッズ"感もある…



ギロッシェ文字盤と同じ手法で作ったキーホルダー!
中央にはKとVを組み合わせたロゴが。



バーゼル期間中に売れたとのこと…

ストイックにひとつのムーブメントを熟成し、工芸のテクニックを磨き続けるヴティライネン、これからも堅実な時計作りを続けてほしいと思います。

関連 Web Site

ヴティライネン 日本語サイト
http://www.voutilainen.jp/index.html

ヴティライネン 本国サイト
http://www.voutilainen.ch/