ランゲ1をめぐる25年の軌跡 【#1】

 By : KITAMURA(a-ls)



ランゲ1をめぐる25年の軌跡 【#1】




◆イントロダクション~25周年記念モデル予測


今年初頭のSIHHで、A.ランゲ&ゾーネのファーストコレクション発表から4半世紀、25年周年を迎えたことを記念して、今年の10月まで毎月1本ずつ、計10モデルの限定時計を発売することが報じられたのだが、先月5月をもってそれもいよいよ折り返し点に到達した。

ここまでのモデルを振り返ってみると、基本デザインはどれもホワイトゴールド・ケースに青針という仕様で統一されており、各月の発表作は以下のようになっている。

①2019年1月(SIHHにて)発表「ランゲ1」(Ref.191.066)・限定250本


②2019年2月(ロンドン・ブティックオープンにて)発表「グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ」(Ref.139.066)・限定25本



③2019年3月発表「リトル・ランゲ1」(Ref.181.066)・限定25本



④2019年4月発表「ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー」(Ref.720.066)・限定25本

●4月24日シュミットCEOが来日して開かれた日本でのお披露目会にて実機画像


⑤2019年5月(イタリア・コモ湖の″コンコルソ・デレガンツァ″にて)初披露「ランゲ1・タイムゾーン」(Ref.116.066)・限定25本


この流れから、すでに予想されている方もいると思うが、毎月発表される10モデルとはたぶん、全部が「ランゲ1ファミリー」になるのではないかという気がする・・・。
当初は、同じく25周年を迎えた「サクソニア」とか「アーケード」とかが混ざる可能性も夢見たが、もちろん確証を得ているわけではないものの、この流れの中に、他のラインの作品が今後ひょっこり入ってくることは、さすがに考えにくい。

ランゲ1ファミリーの大きな柱には「ランゲ1」「リトル・ランゲ1」「グランド・ランゲ1」の3つがあるが、それぞれムーンフェイズ・モデルがあるので、×2と計算すれば、これだけで6モデル。これに既発の「タイムゾーン」「ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアル」を加えると残りは2モデル。

ちなみに、A.ランゲ&ゾーネの自社カタログには上記に「デイマティック」を加え“9モデルを擁するランゲ1ファミリー″という記述がある。

●9モデルを擁するランゲ1 ファミリー:(上段左から)ランゲ1、ランゲ1・ムーンフェイズ、グランド・ランゲ1、グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ、リトル・ランゲ1、リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ、ランゲ1・デイマティック、ランゲ1・タイムゾーン、ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー。

つまりこの9モデルに、最後のピースとして、カタログモデルにはない「ランゲ1 トゥールビヨン」を加えると、見事に全10モデルが完成するというのが、この流れからの予測なのだが、果たしてどうだろう。

でもまぁ、ホワイトゴールド+青針ヴァージョンという、実に清楚なランゲ1フェイスが10本並んだ様は、かなり圧倒的な美観なので、これはこれでアリなのではないだろうか。

またこの月刊ランゲ1、発表日の毎月の24日には、シュミットCEOが世界のどこかでゲストやメディアとともにそのお披露目を祝うという流れも恒例となりつつある。
我が国はかなり早い段階の先月の4月に、しかもランゲ1ファミリー中でも最も高額なハイエンドモデル、「ランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダー」の発表月の来日ということで、ドイツ本社もジャパン・マーケットを重視してくれているようで、これもちょっと嬉しい。


●右段上から、スピーチするシュミットCEO、展示された25thアニヴァーサリーの4モデル、会場エントランス


というわけで、この稿では「ランゲ1」についていろいろと考えてみる。
まずはそのヒストリカルな部分を、A.ランゲ&ゾーネ社が発表しているプレスリリースで振り返ってみる。



◆ランゲ1誕生25周年
A.ランゲ&ゾーネを代表するプロダクトファミリーの年譜(1994~2019年)
A.ランゲ&ゾーネ発行プレスリリースより引用)

ドイツ製品のデザインの特徴を端的に表わす言葉と言えば、直線的、機能的、効率的の3語に尽きます。ただし、完璧なフォルムを求めるのであれば、何よりも情熱が必要です。バルセロナチェア、ブラウン社製ラジオ、あるいはポルシェ911のような時代を先取りしたデザインが、何十年を経た今もなお人々の心を惹きつけて止まないという事実を説明する言葉は、情熱をおいて他にありません。これらのデザインの多くは発表当時、評価が賛否両論に分かれましたが、最終的には新しいスタイルとして受容され定着しています。ランゲ1もそんなデザインの一つです。

ランゲ1は1994年10月24日に初披露されて以来、A.ランゲ&ゾーネの理念とアイデンティティを具現する時計として愛されています。昔ながらの要素と革新技術を巧みに融合したこの時計は、ドイツのザクセン州で世界最高の時計を製作するのだという気概を象徴しています。
A.ランゲ&ゾーネの代名詞とも言えるこのプロダクトファミリーの人気は、誕生から25年経った今も衰えを知りません。
1994年10月24日に発表されるや否や、ランゲ1はオフセンターのダイヤル、72時間のパワーリザーブおよび世界初のアウトサイズデイトを標準搭載した一般モデルとして注目を集めました。その凜としたデザイン、革新技術、そして手作業による仕上げの素晴らしさが時計の愛好家の目に止まり、一部では熱狂的とも言える反響を呼びました。それから四半世紀を経た今、ランゲ1はその見紛いようのない容姿で、20世紀を代表するクラシックモデルに数えられるまでになっています。だからこそ、当時よりも技術的に進歩したムーブメントを搭載してはいるものの、25年前とほぼ同じ外観を維持しているのです。

根強い人気を誇るランゲ1は、現在9モデルを擁するランゲ1 ファミリーのベースモデルになっています。ケース直径の異なるモデル、手巻きモデルもあれば自動巻き時計もあります。さらにムーンフェイズ表示、第二時間帯あるいはトゥールビヨンと永久カレンダーのコンビネーションなど魅力的な機能を搭載したモデルも登場し、ファミリーはより多様になっています。特
別モデルや限定モデルは稀少モデルとしてコレクターの羨望の的となり、オークションでは常に高値で落札されています。



◆ランゲ・アウトサイズデイトの仕組み

ランゲ・アウトサイズデイトの大きさは、同じようなサイズの腕時計にある日付表示のほぼ3倍にも及びます。フレームに縁取られた二窓型のデザインは、ドレスデンのゼンパー歌劇場にある有名な五分時計にならったものです。
この五分時計の製作には、若かりし頃の創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲも深く関与しました。







限られたスペースに可能な限り大きく日付を表示するため、この日付表示機構には二つの独立した表示窓を設けました。
環状の一の位表示用ディスクには0~9の数字が刻まれ、1日に1回進みます。ただし、31日から1日に変わる時は、ディスクは回転しません。十字形の十の位表示用ディスクは1~3の数字と空白からなり、10日に一度だけ1単位進みます。
3が表示されている時だけは例外で、2日後には次の空白のプレートに切り替わります。この切替えプロセスを制御するプログラム車の歯は、各月の日数に対応できるように厳密に計算されたものです。



一の位表示用ディスクと、その上に取り付けられる十の位表示用ディスクの間隔はわずか0.15ミリしかありません。そのため、この巧妙な機構の組立てには、非常に繊細な指先の勘が求められます。



◆ランゲ1の公式

ランゲ1のダイヤルは、各表示要素が中心からずれた場所に配置されているにもかかわらず、整然として調和を保っています。これは、各表示要素が幾何学的に見て相互にバランス良く配置されているためです。黄金比や二等辺三角形に沿った位置合わせという、見た目に美しい構図を描くための原則にしたがっているのです。



数学では、二つの長さの合計を大きい方の値で割った商と、大きい方の値を小さい方の値で割った商が等しくなるとき、この二つの長さは黄金比の関係にあるといいます。この比を数字で表すと、1:1.1618になります。この魔法の数字は、古代ギリシャ・ローマ時代およびルネサンス期の思想家たちのアイデアの源泉となり、レオナルド・ダ・ビンチやル・コルビュジエ
などの芸術家の作品にも幾度となく使用されています。ランゲ1では、この黄金比が2カ所に見られます。ダイヤルの直径と時分サークルの直径の比が、この黄金比になっています。

日付表示窓の縦横の辺の比も、同じく黄金比を示しています。
アウトサイズデイト、パワーリザーブおよびスモールセコンドが右側の直線上に配置されています。それら表示の中心点を結ぶ線の両端と時分針軸をつなぐと、二等辺三角形を描くことができます。


◆ファミリーの年譜(1994~2019年)

【ランゲ1】

ランゲ1は、1994年10月24日に発表されるやいなや、話題の的となりました。ランゲ1は、A.ランゲ&ゾーネの代々受け継がれてきた価値観を威厳をもって現代に伝えるモデルです。それができるのは、このモデルでは4分の3プレート、ビス留め式ゴールドシャトン、チラネジテンプといったザクセンの名門マニュファクチュールの特徴である要素と、オフセンターのダイヤルデザイン、アウトサイズデイト、パワーリザーブ72時間という革新性が見事に融合していたからです。


2015年には、ランゲ1に新たに開発したムーブメントが採用されました。このムーブメントは自社製ヒゲゼンマイとフリースプラング式偏心錘付きテンプを備えています。また、アウトサイズデイトも深夜12時になると同時に、翌日の日付を表示するようになりました。その見紛いようのないデザインには、ごく小さな変更が加えられただけです。それは、旧モデルと並べて比べないと分からないほど軽微な変化です。2019年になっても、このアイコンウォッチは25年前と変わらぬ新鮮な印象を放ち続けています。

●主なリファレンス
ムーブメント |L901.1
 機能: 、手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル  発表年 Ref.    ケース  ダイヤル            
ランゲ1  1994  101.021  YG   シルバー無垢、シャンパン
ランゲ1  1994  101.025  PT    シルバー無垢、ロディウム 
ランゲ1  1997  101.031  PG    シルバー無垢、ブラック
ランゲ1  1997  101.032  PG    シルバー無垢、シルバー
ランゲ1  1997  101.027  WG    シルバー無垢、ダークブルー
ランゲ1  1997  101.028  YG   シルバー無垢、ダークブルー
ランゲ1A 1998  112.021  YG   ゴールド無垢、ギョーシェ仕上げ  限定100本
ランゲ1  2003  101.029  WG    シルバー無垢、ブラック、夜光性 “ルミナス”
ランゲ1  2003  101.030  WG    シルバー無垢、グレー
ランゲ1  2003  101.033  PG    シルバー無垢、グレー
ランゲ1  2009  101.039  WG   シルバー無垢、シルバー、夜光性
ランゲ1  2014  101.061  PT     シルバー無垢、ロディウム、ギョーシェ仕上げ “20th アニバーサリー”限定20本
ランゲ1  2014  101.062  PT     シルバー無垢、ブラック、ギョーシェ仕上げ “20th アニバーサリー”限定20本 
ランゲ1  2014  101.063  WG   シルバー無垢、ブルー、ギョーシェ仕上げ “20th アニバーサリー” 限定20本 
ランゲ1  2014  101.064  PG     シルバー無垢、シルバー、ギョーシェ仕上げ “20th アニバーサリー”  限定20本
ランゲ1  2014  101.065  PG     シルバー無垢、ブラック、ギョーシェ仕上げ “20th アニバーサリー” 限定20本

ムーブメント |L121.1
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、瞬転式アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル  発表年 Ref.    ケース  ダイヤル  
ランゲ1  2015  191.021  YG   シルバー無垢、シャンパン
ランゲ1  2015  191.025  PT    シルバー無垢、ロディウム
ランゲ1  2015  191.032  PG    シルバー無垢、シルバー
ランゲ1  2016  191.039  WG    シルバー無垢、シルバー
ランゲ1  2017  191.028  WG    シルバー無垢、ディープブルー 
ランゲ1 2019  191.066  WG   シルバー無垢、シルバー “25th アニバーサリー”  限定250本



【リトル・ランゲ1】

ランゲ1の高い人気に応え、1998年にはひと回り小さなモデルが登場しました。直径が2.4ミリ小さくなったにもかかわらず、大好評を博したランゲ1と同じく、パワーリザーブ72時間を蓄えるツインバレル、パワーリザーブ表示、そしてランゲ・アウトサイズデイトを備えています。



技術面で唯一異なる点は、ケースにアウトサイズデイト用の埋込み式調整ボタンが付いていることです。2018年以来リトル・ランゲ1でも、ランゲ1と同様に、新たに開発された自社製キャリバーL121.1が搭載されています。

ムーブメント | L901.4
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル     発表年 Ref.    ケース ダイヤル 
リトル・ランゲ1 1998  111.021  YG   シルバー無垢、シャンパン
リトル・ランゲ1 1998  111.025  PT    シルバー無垢、ロディウム
リトル・ランゲ1 1998  111.032  PG    シルバー無垢、シルバー
リトル・ランゲ1 2008  813.044  WG  ゴールド無垢(白地にマザーオブパール) “ソワレ”
リトル・ランゲ1 2014  811.062 PT    シルバー無垢、ブラック、ギョーシェ仕上げ・"20th アニバーサリー"限定20本
リトル・ランゲ1 2015  113.041 PG    シルバー無垢(ブルー地にマザーオブパール)
リトル・ランゲ1 2015  113.043 WG    シルバー無垢(ブルー地にマザーオブパール)
(Refの頭数字が「8」のものはベゼルにダイヤモンドをセッティング)

ムーブメント | L121.1
機能:手巻き、パワーリザーブ72時間、瞬転式アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル     発表年 Ref.   ケース ダイヤル 限定数
リトル・ランゲ1 2018  181.039  WG  ゴールド無垢、パープル、ギョーシェ仕上げ・限定100本
リトル・ランゲ1 2018  181.038  WG  ゴールド無垢、グレー、ギョーシェ仕上げ
リトル・ランゲ1 2018  181.037  PG    ゴールド無垢、ココアブラウン、ギョーシェ仕上げ



【ランゲ1・トゥールビヨン】

新しい千年紀への変わり目に、A.ランゲ&ゾーネはトゥールビヨンを搭載したランゲ1を発表しました。このランゲ1は、トゥールビヨン、アウトサイズデイト、パワーリザーブ72時間を蓄えるツインバレル、そしてパワーリザーブ表示を同時に搭載する世界初の腕時計でした。新しく開発されたキャリバーL961.1では、トゥールビヨンとその光沢研磨された長い受けを、ランゲ1ではスモールセコンドがある場所に、すなわち中心からずらして配置しました。



ランゲの開発技師たちはそれ以前から、回転するトゥールビヨンキャリッジ内でテンプを一瞬の遅れもなく止める試みを続けていましたが、2000年の時点ではまだ完成できずにいました。その後に発表されたランゲ1・トゥールビヨン“165周年記念— F. A. ランゲへのオマージュ”とランゲ1・トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト”の2モデルには、特許を取得したトゥールビヨン・ストップセコンド機構が組み込まれています。

ムーブメント |L961.1
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、ワンミニッツトゥールビヨン、L961.2とL961.3には特許技術ストップセコンドを搭載、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル           発表年 Ref.    ケース  ダイヤル
ランゲ1・トゥールビヨン 2000   704.025  PT    シルバー無垢、ロディウム  限定150本
ランゲ1・トゥールビヨン 2000   704.032  PG    シルバー無垢、シルバー    限定250本
ランゲ1・トゥールビヨン 2010   722.050  HCG    ゴールド無垢、シルバー、ギョーシェ仕上げ 限定150本
                 (“165周年—F.A. ランゲへのオマージュ”)
ランゲ1・トゥールビヨン 2014   704.048  PT    ブラックエナメル仕上げのホワイトゴールド 限定20本
                 (“ハンドヴェルクスクンスト”)



【ランゲ1・ムーンフェイズ 】

技術の粋と心を奪う優美さが宿るランゲ1・ムーンフェイズは、2002年に発表されました。その滑らかに動き続けるムーンフェイズ表示は、実際の月にほぼ忠実に月の満ち欠けを再現します。ムーンフェイズ表示と実際の月の動きとの誤差は、122.6年間でわずか1日分です。


発表から15年後、ランゲ1・ムーンフェイズに新たに開発した手巻きムーブメントが採用されました。その自社製キャリバーL121.3では、ムーンフェイズにデイ・ナイト表示が統合されました。ゴールド無垢製のムーンディスクの下で、同じくゴールド無垢製の天空ディスクが24時間かけてちょうど1周します。天空の色調は、1日の時間経過に合わせて、日中のライトブルーから夜間のダークブルーに変化します。

ムーブメント |L901.5
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト、ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示

モデル            発表年 Ref.   ケース ダイヤル
ランゲ1・ムーンフェイズ  2002  109.021 YG   シルバー無垢、シャンパン
ランゲ1・ムーンフェイズ  2002  109.025 PT    シルバー無垢、ロディウム
ランゲ1・ムーンフェイズ  2002  109.032 PG    シルバー無垢、シルバー

ムーブメント |L121.3
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、瞬転式アウトサイズデイト、デイ・ナイト表示兼用ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示

モデル            発表年 Ref.    ケース ダイヤル
ランゲ1・ムーンフェイズ  2017  192.029  WG  シルバー無垢、ブラック
ランゲ1・ムーンフェイズ  2017  192.025  PT    シルバー無垢、ロディウム
ランゲ1・ムーンフェイズ  2017  192.032  PG    シルバー無垢、シルバー




【グランド・ランゲ1】

2003年、A.ランゲ&ゾーネを代表する時計ランゲ1に、直径が3.4ミリ大きくなったモデルが仲間入りしました。直径41.9ミリ、二色使いのダイヤルデザインを特徴とするグランド・ランゲ1は、袖口でその存在感を主張しました。
2012年には、新キャリバーL095.1を導入したことにより、ケース高さが11ミリから8.8ミリになりました。さらに、時刻、アウトサイズデイトおよびパワーリザーブの各表示が、ランゲ1と同様に、重なることなく配置されています。


2013年には、グランド・ランゲ1“ルーメン”が話題をさらいます。初めて、半透明ダイヤルから夜光性のアウトサイズデイト表示が動く様子が見えるようになっているのです。

ムーブメント |L901.2
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト

モデル       発表年 Ref.   ケース  ダイヤル
グランド・ランゲ1  2003 115.021 YG   シルバー無垢、シャンパン/ゴールド
グランド・ランゲ1  2003 115.025 PT    シルバー無垢、ロディウム/シルバー
グランド・ランゲ1  2003 115.031 PG    シルバー無垢、ブラック/グレー
グランド・ランゲ1  2004 115.029 WG    シルバー無垢、ブラック、夜光性“ルミナス”
グランド・ランゲ1  2008 115.022 YG   シルバー無垢、シャンパン
グランド・ランゲ1  2008 115.026 PT    シルバー無垢、ロディウム
グランド・ランゲ1  2008 115.032 PG    シルバー無垢、シルバー
グランド・ランゲ1  2010 115.028 WG    シルバー無垢、ブラック、夜光性“ルミナス” —

ムーブメント |L095.1
機能:手巻き、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル        発表年 Ref.   ケース ダイヤル
グランド・ランゲ1  2012  117.021 YG   シルバー無垢、シャンパン
グランド・ランゲ1  2012  117.025 PT    シルバー無垢、ロディウム
グランド・ランゲ1  2012  117.032 PG    シルバー無垢、シルバー
グランド・ランゲ1  2013  117.028 WG    シルバー無垢、ブラック
グランド・ランゲ1    2013  117.035 PT    シルバー無垢、ブラック、半透明サファイアクリスタル “ルーメン”限定200本



【グランド・ランゲ1“ルナ・ムンディ”】

A.ランゲ&ゾーネ初の2本セット「グランド・ランゲ1“ルナ・ムンディ”」。ホワイトゴールドモデルは北半球の月相を右回りで、ピンクゴールドモデルは南半球の月相を左回りで、高精度で表示します。北半球に対応するのはキャリバーL901.8、南半球に対応するのはキャリバーL901.7です。後者では、ムーンディスクの回転方向を逆回りにするため、歯車を1個追加しました。

この2本セットも、2002年にランゲ1・ムーンフェイズに初めて搭載された、実際の月の満ち欠けとほぼ同じ月相を表示するムーンフェイズを備えています。そのメカニズムは常に回り続ける筒車(時針車)に連結されています。そのため、秒表示サークル内に上っては沈む月も、肉眼ではほとんど認識できませんが、時計が動き続ける間ずっと滑らかに動き続けます。

ムーブメント |L901.7/L901.8
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト、北半球対応および南半球対応ムーンフェイズ
表示を搭載するペアモデル、パワーリザーブ表示

モデル                           発表年 Ref. ケース  ダイヤル 限定数
グランド・ランゲ1“ルナ・ムンディ/Usra Major”   2003  119.026 WG  シルバー無垢、シルバー 101本
グランド・ランゲ1“ルナ・ムンディ/Southern Cross”  2003  119.032 PG   シルバー無垢、シルバー 101本




【ランゲ1・タイムゾーン】

画期的なホームタイム・ゾーンタイム表示機能およびダイヤルを取り囲む24都市リングを備えるランゲ1・タイムゾーンは、世界中を飛び回る人々やコスモポリタンにとって理想的な時計です。開発にあたっては視認性を最優先しました。ホームタイムともう一つの時間帯の時刻を一目で読み取ることができるように、明快ですっきりとしたダイヤルデザインになっています。工夫をこらした精巧な調節メカニズムにより、ゾーンタイムを優先して、その時間帯の時刻をホームタイムとして設定したい場合には、二つの時刻表示を入れ替えることができます。


A.ランゲ&ゾーネは2012年より、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステを後援しています。この名高いクラシックカーコンテストの「ベスト・オブ・ショー」部門の優勝者には、裏蓋に「Como Edition」の文字がハンドエングレービングで刻まれたランゲ1・タイムゾーン コンコルソ特製モデルが贈呈されます。

ムーブメント |L031.1
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、デイ・ナイト表示付きホームタイム表示、デイ・ナイト表示および24都市リング付きゾーンタイム表示、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示

モデル          発表年 Ref.    ケース ダイヤル
ランゲ1・タイムゾーン 2005   116.021 YG   シルバー無垢、シャンパン
ランゲ1・タイムゾーン 2005   116.025 PT    シルバー無垢、ロディウム
ランゲ1・タイムゾーン 2005   116.032 PG   シルバー無垢、シルバー
ランゲ1・タイムゾーン 2009   116.033 PG   シルバー無垢、グレー
ランゲ1・タイムゾーン 2012   116.039 WG   シルバー無垢、シルバー、夜光性
ランゲ1・タイムゾーン 2012-18 116.049 WG   シルバー無垢、シルバー ・年1本限定製作(エングレービング入り裏蓋
ランゲ1・タイムゾーン 2016   116.050 HCG  ゴールド無垢、シルバー 100本限定



【リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ】

2009年、A.ランゲ&ゾーネを代表するランゲ1 ファミリーに、人気の高いムーンフェイズ機構を搭載するレディースモデル、リトル・ランゲ1・ムーンフェイズが加わりました。そのケース直径は36.8ミリと小ぶりですが、月の魅力を十分に楽しむことができます。ランゲ1・ムーンフェイズに続き、2017年にはリトル・ランゲ1・ムーンフェイズのムーブメントも新しくなりました。


ムーブメント |L901.9
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、アウトサイズデイト、ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示


モデル                発表年 Ref.   ケース ダイヤル ・ 限定数
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ 2009  819.048 WG  シルバー無垢(白地にマザーオブパール)・150本
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ 2009  819.049 WG  シルバー無垢(黒地にマザーオブパール)・150本
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ 2011  826.033 PG    シルバー無垢(白地にマザーオブパール)“ソワレ”・50本
(Refの頭数字が「8」のものはベゼルにダイヤモンドをセッティング)

ムーブメント |L121.2
機能:手巻き、ツインバレル、パワーリザーブ72時間、瞬転式アウトサイズデイト、ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示

モデル                発表年 Ref.   ケース ダイヤル
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ 2017 182.030  PG  ゴールド無垢、シルバー、ギョーシェ仕上げ




【ランゲ1・デイマティック】

ランゲ1 ファミリー初のこの自動巻きモデルは、A.ランゲ&ゾーネを代表するプロダクトファミリーのサクセスストーリーに新たな1ページを加えました。手巻きモデルを鏡に映したかのようなダイヤルデザインが、ランゲ1・デイマティックのさりげない特徴です。自動巻き時計ではそれほど必要性のないパワーリザーブ表示に代えて、レトログラード式曜日表示を搭載しています。

ムーブメント |L021.1
機能:自動巻き、パワーリザーブ50時間、アウトサイズデイト、レトログラード式曜日表示

モデル          発表年 Ref.   ケース  ダイヤル・ 限定数
ランゲ1・デイマティック 2010  320.021 YG   シルバー無垢、シャンパン
ランゲ1・デイマティック 2010  320.025 PT    シルバー無垢、ロディウム
ランゲ1・デイマティック 2010  320.032 PG    シルバー無垢、シルバー
ランゲ1・デイマティック 2017  320.028 WG    シルバー無垢、ディープブルー
ランゲ1・デイマティック 2018  320.040 WG    ゴールド無垢、シルバー、ギョーシェ仕上げ・限定20本



【ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー】

ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダーは、長い歴史を誇る二大複雑機構をランゲ1の個性的なデザインに統合したモデルです。ダイヤルのすべての情報を一目で読み取れるように工夫し、一斉に切り替る各カレンダー表示を時分ダイヤルの外に配置しました。ランゲ1のオフセンター配置のダイヤルデザインにカレンダー機能を組み込むための条件を整えるため、A.ランゲ&ゾーネの開発チームは、ダイヤル外縁に月を表示する回転リングを取り付ける方法を採用しました。サファイアクリスタルのシースルーバックからは、完成度の高さを誇る特許技術ストップセコンド搭載トゥールビヨンを見ることができます。

ムーブメント |L082.1
機能:自動巻き、ストップセコンド搭載ワンミニッツトゥールビヨン、パワーリザーブ50時間、アウトサイズデイトおよびレトログラード式曜日表示付き永久カレンダー、ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示

モデル                             発表年 Ref. ケース ダイヤル・ 限定数
ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー 2012  720.025 PT  シルバー無垢、ロディウム ・100本
ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー“ハンドヴェルクスクンスト”
                                 2013  720.048 WG  シルバー無垢、ロディウム仕上げWG・15本
ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー 2014  720.032 PG  シルバー無垢、シルバー
ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー 2015  720.038 WG  シルバー無垢、グレー




【グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ】

グランド・ランゲ1・ムーンフェイズの主役は月です。ランゲ1 ファミリーで最も若いこのモデルでは、誤差の修正は122.6年に一度という高精度ムーンフェイズ表示がメインダイヤルの真ん中で存在感を示しています。ムーンディスクを特許技術でコーティングして、天文学の英知が凝集された複雑機構に光彩を添えました。2016年には、ムーンフェイズ表示とアウトサイズデイトが暗闇で発光する“ルーメン”エディションが発表されました。

ムーブメント |L095.3/L095.4
機能:手巻き、パワーリザーブ72時間、瞬転式アウトサイズデイト、ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示

モデル                 発表年 Ref.     ケース ダイヤル
グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ 2014 139.021 YG シルバー無垢、シャンパン
グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ 2014 139.025 PT  シルバー無垢、ロディウム
グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ 2014 139.032 PG  シルバー無垢、シルバー
グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ 2016 139.035 PT  シルバー無垢、ブラック、半透明サファイアクリスタル、“ルーメン”・限定200本



【キャリバー一覧】




思いのほか引用が長くなってしまった。。。。


ランゲ 1という時計は、多くの人を不思議に、かつ熱狂的に惹きつける。
自分が初めてランゲ1を入手した日、思えばその日が、長く深い時計趣味の始まりとなった思う。

あの日、自分は、2本のランゲ1を手に入れた、2本を同じ日に(笑)。
それもこれも、この光景を目の当たりにしたかったからだった。



同じホワイトゴールドケースながら、
針とダイヤルの関係が「ブルー」と「シルバー」とで、まったく逆転の関係にある2本。
「この2本の“対称性”を並べて見たい!」

そんなことを思った私が“変”なのか、
思わせたランゲ 1が“凄い”のか(笑)…

次回は、この日までのいきさつと、この日からの10数年についてまとめようと思っている。
以下次稿に続きます。


※ランゲ1についてのご質問などありましたら、下記のコメント欄に残してくださいませ、
次回以降、可能な限りお答えしていこうと思います。