ブレゲ、「トゥールビヨン・デイ」に先駆けて~そのイベントの全貌と2019年新作実機展示!
By : KITAMURA(a-ls)
何度かお伝えしてきたが、6月29日はトゥールビヨンの特許が取得された日である、それも今からなんと281年前の1801年のこと。申請者は、いうまでもなく、ブレゲ創始者アブラアン-ルイ・ブレゲである。
【参考】→ https://watch-media-online.com/blogs/2353/
そんな時計史における記念すべき日を、その当事者ブランドであるブレゲは、「トゥールビヨン・デイ」として例年祝ってきていたわけだが、バーゼルワールドを欠席した今年は、さらにそこに国内向けの新作発表会を合わせた大きな展示イベントも併設した形で、大々的に「トゥールビヨン・デイ」をアピールするということで、早速、出かけてみた。
開場はパークハイヤットホテルの巨大バンケットルーム。
お伺いした日はまだ「トゥールビヨン・デイ」前なので、タイトル的には“ブレゲを発見しよう”という感じ。
しかし会場に一歩足を踏み入れると、まず出くわすのはいくつかのブースをオブジェと映像でマッチングさせた「トゥールビヨン・ワールド」だ。
もちろん、トゥールビヨン実機も一堂に集結。
またご本家ならではの、様々なパネル展示も充実。
さらには、トゥールビヨン・ムーブの組み立て・解体の実演まであり、まさにトゥールビヨン・デイを祝うにふさわしい催しであった。
そしてもう一つの実演展示が、ギョーシェ・マシーン。
文字通り、文字盤に複雑なギョウシェ紋様を描く機械だが、この日使われていたのは通常は銀座ブティックに展示されているもの。ブティックで拝見した際には、まさか現役マシーンとは思わなかったが、なんと19世紀に作られた、現存数もわずかなオリジナル・マシーンだという。
●ギョウシェ・マシーンと、製作工程を表す文字盤のサンプル
この機械、紋様を選ぶ歯車の組み合わせから、その回転速度、彫りはじめ開始位置の設定、そして削るノミのような道具を押しあてる角度も強さも、すべてが人間の力なので、この日のために来日した技術者は、「マシーンという名がついてはいるが、ボタンを押せばすぐ出来上がるようなイメージは決して持たないで欲しい。長い時間をかけて、ブレゲはこの機械を使いこなせる職人を育成してきた。そして今、ようやく25人が扱えるようにまでなった」ということだった。
なお開場では、ギョウシェ・マシーンの体験も行われていた!
そして、続くスペースは、ブレゲのハイエンド・モデルならびにジュエリーの数々が鎮座している部屋だった。
とりあえずまず、新作を中心に紹介していこう。
まずは注目の、「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」
この薄さにしてスケルトンである。すべてを白日の下に明らかにしたムーブメントデザイン性と細工の美しさには脱帽である。
PTケースで税込予価¥28,134,000、RGケースで税込予価¥26,341,200。
次に興味があったのは、ラッカーを使った新しい表現を施された文字盤を持つコチラの「マリーン・レディ」
色の異なる液状のラッカーを攪拌し、まだ混合する前の段階で文字盤に固着させるという。
そのため、1個として同じ紋様の文字盤は存在しない。
自動巻きだが、ローターにMOPをあしらい、さらにそこにギョウシェを彫り込むという、これまた驚愕の新技術が施されている。
ベルトをクロコに換えれば男性も全然普段使い可能なのでは。。。と、ちょっと真剣に実用性を考えてしまう(笑)。
ローターにMOPギョウシェができれば、当然、ダイヤル前面にもできるわけで、本年度の「マリーン・レディ」の工芸破壊力は恐ろしい!!
当然のことながら、MOPへのギョウシェ彫は大変に高度な技術が必要とされるため、前述した25人の技術者の中でもたった2人しか携わることができないのだということだった。
お待ちかねのマリーンのチタンブレスは、とても軽くて、ブレスの取り回しもたいへんに扱いやすかった。
文字盤色に好みが分かれるかもしれないが、チタン素材による来年以降の展開もたいへん期待できそうだ。
価格などの詳細はこちらで。
https://watch-media-online.com/news/2274/
その他も駆け足で。。。。
「クラシック 9068 マザーオブパール」
こちらもMOPで、マリーンほど派手なギョウシェではないが、実は非常に高邁ところにその技が散りばめられている。
おわかりだろうか?
ミニッツ・レールを挟んだ長方体の段差が、ギョウシェ彫りなのである!!
リューズだってルビーのカボション(RGケース)。WGケースはサファイア!!
そして、「クイーン・オブ・ネイプルズ」。
仕様と価格はこちらで。 https://watch-media-online.com/news/2275/
今年のブレゲは総じてとても良くできているというか、非常に意欲的で、伝統や職人技に根ざしつつもどこか新しさ・モダンさを大きく取り入れてきている。つまり、日本人の好きなパターンなのだ、これが。
これからの展開がほんとうに愉しみなブレゲ2019新作は、6月30日まで、銀座ブティックで全モデルを観ることができるので、お時間のある方は、ぜひとも足を運んでみて欲しい!!
【お問い合わせ先】
ブレゲ ブティック銀座
東京都中央区銀座 7-9-18
ニコラス・G・ハイエックセンター 3 階
TEL 03-6254-7211
ブレゲのトゥールビヨン・デイにつきましては、こちらの記事もご参照ください。
https://watch-media-online.com/news/1570/
https://watch-media-online.com/blogs/799/
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