ペキニエが協賛するレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ(Gault&Millau) 2019』のトランスミッション賞受賞、日本料理の文化伝承に貢献する村田吉弘(菊乃井本店)氏インタヴュー

 By : KITAMURA(a-ls)


ペキニエが協賛する
レストランガイド『ゴ・エ・ミヨ(Gault&Millau) 2019』のトランスミッション賞受賞、
日本料理の文化伝承に貢献する村田吉弘(菊乃井本店)氏
インタヴュー



天才料理人が語るペキニエ「リュー ロワイヤル 4 フォンクション」の絶妙!



美食大国フランス発の革新的なレストランガイドブック『ゴ・エ・ミヨ(Gault&Millau) 』は、日本をはじめとする世界23か国で刊行されており、「新しい才能の発見」や「刊行国の地域性の尊重」を特徴とする編集手法によって、『ミシュラン』などとは異なる独自性を打ち出し、着実にその愛好者を増やしている。
今年初めに開かれた日本版第3号の刊行記念パーティの席上では、今最も注目すべき「今年のシェフ賞」をはじめ、「明日のグランシェフ賞」、「期待の若手シェフ賞」、「イノベーション賞」といった料理人にフォーカスした賞以外にも、店そのものの魅力を評価する「ベストPOP賞」、「ホスピタリティ賞」や「ベストソムリエ賞」、地産の食文化を称える「テロワール賞」といったゴ・エ・ミヨが重要と考えるレストラン空間すべてに関わる方々、それも東京のみならず全国の素晴らしい才能が表彰されたのだが、その中でひときわ画期的だったのは「トランスミッション賞」という耳慣れない賞だった。

この賞は、『培ってきた知識と技術を、時に国を超え、世代を超えてトランスミッションする(=伝える)ことに多大な貢献が認められた料理人へと贈られる賞』であり、この賞のスポンサーこそ、まさにフランスの時計文化を現在に継承(トランスミッション)しているペキニエで、受賞者には同社の貴重な日本限定タイムピース「リュー ロワイヤル 4フォンクション ブルー」が贈られた。
今年この「トランスミッション賞」を受けたのは、日本料理界を牽引する京都の老舗料亭「菊乃井」の3代目主人、昨年度の文化功労者でもある村田吉弘氏だった。この村田氏、実は知る人ぞ知る時計愛好家でもあるということで、お忙しい中お時間をいただき、ペキニエの使用感やインプレッション、ひいては時計と料理の伝統技術継承についてなど、様々な角度からお話を伺ってきた。

 


――本日はよろしくお願いします。まず村田さんにとって、時計とはどのような存在かを教えていただけますか?
「昔からネジとかゼンマイとか機械の仕組みが好きだったから、時計は好きやったけど、若いうちは高い時計が買われへんやろ。それでも安い電池のは嫌で、高くても宝石だらけの時計は嫌いで(笑)、複雑な機械式がエエとずっと思ってる。料理でもね、お湯かけたら食べれる安価なものもあんのやけれど、それでもウチ(菊乃井)にきて、それこそ何万かかかる料理を食べてくれはるわけでしょ。それはね、料理っていうのは、体の栄養と心の栄養を同時に与えるもんやからだと思ってるんです、僕は。時計も一緒で、普通はスマホ1台持ってたら終わりやんか(笑)、これがいちばん正確な時間や言われたら、時計なんていらんやん(笑)。だけども何百万もする時計も売ってる。それはそこにロマンがあるからだと思うんです、言うたらそれが心の栄養やね。」

――お話伺ってると、料理と時計の世界って似てますね。
「料理人仲間でも機械式時計を好きな人は多いし、料理人ってナチュラリストが多いと思うんです。だから調味料でも出来るだけ自然なもんを使う。仕事でも、ファッションとしても、なんでもいいやではなくて、時計もそうでしょ、時という情報を伝えるだけのものではないわけや。嵌めてることによって、嬉しかったり、ひとつのファッションになってたり、自己主張の一環であったりするわけでしょ。時計の機能が時を見るだけやったら、もうあり得ないもんね。」

――そうですね、正確さで競うと、スマホのほうがアレなので(笑)、やっぱりロマンですね…。
「時計を見るたびに、“ああ俺の時計は綺麗やなぁ”と思ったりな(笑)。」

――まさに心の栄養ですね。
「うん。京セラの稲森さんが昔、時計見せてくれて、『これは僕が初めて給料もらった時に、月賦で買ったんだよ』と。『僕らみたいに、秘書が2人も3人もいて、いつも公用車で移動してるとな、謙虚でいたいと思っていても、ついつい横着になんのや。この時計は毎日もう何回も見るやろ。で、そのたびに初めて給料貰った時のことを思い出して、謙虚でいなぁあかんと、反省するための材料としてこういうのを嵌めてんのや』と、言ってはった。」

――いい話ですねぇ。
「と、会長言ってはったけど、この前見たら違う時計嵌めてはった(笑)。でもな、大企業の社長さんというのは、たいてい、おとなしい背広着て、おとなしいネクタイして、おとなしい時計して、おとなしい靴はいてはんねん。ほんで、公用車も国産やん(笑)。公用車が国産やったら会社の規模がそこそこ大きいんやなぁっていうのはある。公用車でベンツ乗ってはったりすると、新しめのお客様…いう感じやね(笑)。うちら本店(京都)でも、駐車場に黒塗りの公用車がずらっと並んでると、“あ、今日のお客さんは”ってチェックしたりするけども、なんやら派手な車がズラズラ並んでる日もある(笑)。」

――今回受賞されたトランスミッション賞の大きなテーマとして、文化の継承ということがあるのですが、まずはペキニエさんのほうから、その意図を説明していただけますか?
ペキニエ:「ゴ・エ・ミヨ」から協賛のお話をいただいたとき、9部門の賞があった中で、「今年のシェフ賞」というのが一番の賞のように見えたのですけど、よくよくお話を訊くと、「トランスミッション賞」という文化継承の賞があって、「ゴ・エ・ミヨ」側も『内容が一番濃いのは実はこの賞なんです』と。ペキニエの時計も、フランスの時計文化を継承するためにメイド・イン・フランスを復活させた面もあるし、なおかつ製作技術を進化させた完全自社設計の新しい駆動システム(トランスミッション)を載せてるというところで、『ああ、トランスミッション賞とペキニエって、方向性が似てますね』となり、『ではそこに協賛させていただきます』と。で、今回が2回目なんです(前年の受賞者はレストラン タテル ヨシノ銀座の吉野建シェフ※正式な「吉」は土に口)。

「フランスの時計だって聞いてね、僕は学生時代フランスに長いこと行ってたから、フランスのものに対する愛着はすごくあんのね。ただね、フランス人の時間感覚ってあんなんやから(笑)。だいたいね、6時半って集合かけて、6時半に来たヤツはもう馬鹿みたいやわ(笑)。たいてい1時間経って始まる。で、『もう時間やから帰るわ』って言っても、『あと5ミニッツ待て』と。でもその5ミニッツが30分待つことになる(笑)。そやから、終わってからも帰れへんねん、みんなべチャクチャべチャクチャ喋りまわって。メシ食い始めるまでが長いし、メシ食い終わってからも長いし、挨拶も長い(笑)。パンフレットに載ってる予定の時間が平気でズレれていく。スピーチでもね、なんか詩みたいに喋るから、どんどん長くなんねんのや。翻訳機で聴いてても何言うてんのかわからへん。そやから、“そんな国の時計、大丈夫かいな”って最初は思ったけど(笑)、これはいいね。着けやすいねん。バックルも最初は、どうやって着けんのやわからへんねんけども、慣れると非常に着けやすい。あと、着けた感じ、そない重さを感じないわね。金の時計は重たいやろ(笑)。それから、仕事中は指輪も時計もしないんやけども、仕事中に外してても、長いことちゃんと動いている。」

――パワーリザーブ機能が88時間となってますから。
「88時間ゆうたらほとんど4日間やろ。しかも88は末広がり(笑)。」

――フランスの時計が、末広がりまで意識してるとは(笑)。
「僕が学生の時にフランスにずっと行ってたのは、“フレンチやろう”と思ったからで、『もう料理屋の跡継がへん』言うてフランス行ってた。で、帰ってきて、『やっぱフランス料理やめて日本料理やります』言うて、日本料理やり始めたんやけども、そやから今でもフランスの友達は多いし、フランスにはホンマに縁がある。」

――フランスでフレンチを学んだうえで日本料理に戻ったわけですか?
「そう。ヨーロッパの世界地図を見てみ。フランスが真ん中に描いてあんねん。その地図を見ると極東って意味も良くわかる。大学の4回生の時、もう前期で単位取れてるから、後期はフランスに行ってて、もう就職活動してたんや。『フランス料理の料理人になんのやったら、フランスで就職してこい』って親父が言うたからフランス行って、リュック担いでもう…半年間ヨーロッパ中を廻った。今から46年前のフランスって、日本人もおらへんで、田舎の方行ったら、おばちゃんがサムライの載ってる本を持ってきて、頭の上のチョンマゲね、『これなんや、ピストル載せてんの?』って(笑)、まだそんな時代やもん。そらまぁもうね、電話するにも、郵便局行って30分も待たんと、日本まで電話繋がらへんような時代やから。結局ね、フランス料理やろうと思って行ったけれども、その頃の日本で食べてたのは、まぁお店も萬養軒くらいしかなかったし、それだって今で言う洋食やから、コースだって読めへんわけや。前菜、スープ、ポワソン、メインって書いてるけど、そんなん日本のメニューやったら、エビフライとか、ハンバーグやろ(笑)。そやからもう分からへんわけや。見たことないもんばっかり出てくる。その頃だと、鴨のオレンジソースとかね。“オレンジって果物やん!”と(笑)。果物と鴨ってねぇ…日本で鴨言うたら治部煮とか鍬焼きとかやろ。貧しい食生活をしてる中で切り詰めてレストラン来たのに、鴨とオレンジなんて頼まんと避けてたんやけども、どこのレストラン行ってもメニューにあるから、一回食べてみよう思って頼んだら、見た目は“わ、ママレードみたいのが乗ってるやん”と。でも食うたら美味いんや、これが(笑)。」

――それがなぜ日本料理に戻られたんですか?
「この調子やったら、“どんだけ知らんことあんにゃろなぁ”と思って、ヨーロッパ中廻って修行した。で、厨房に入ると、日本とはシステムが全然違う。日本はね、料理長の言うことが全部正しくて、一年目は、『はい』と『すいません』だけで過ごせみたいな(笑)、人を育てるようになってない、うん。でも向こうのシェフらは、コックの子らに対しても平気で議論する。『なんでこれをこうすんのかというと、こうしてこうなるから美味しゅうなんのやから、君のこの仕事はもっと丁寧にやらなアカンやろ』みたいな話になるわけ。むこうではコックは考えることが仕事やって言われる。日本では『言われたことやっておけ。お前がそんなこと訊くのは10年早いんじゃ』となる。で、“これはアカンわ”、と。日本料理の文化的クォリティは、フランス料理にも負けてない。せやけども、日本料理ってその頃はまだ誰も知らんし、このままではその良さを伝えることもできない。ほんで、“世界の人にちゃんとした日本料理を伝えることを自分のライフラークにしよう”、“日本料理やらなぁアカン”と、日本に戻ったわけや。そういう活動を今だにずーっと続けて、で、文化功労者も貰らい、日本料理を世界に伝えたいうことで、今回のトランスミッション賞もくれはったん(笑)。」

――素晴らしい! 料理のテーマが見事に時計にまとまりました(笑)。
「そうそう。トランスミッションっていう、ミッションを伝えて、フランスの時計を貰ろうた、と(笑)。うん、だからフランスのものに対する愛着は、やっぱりすごくあんのね。そやから身の回りのものは何でもかんでもフランスのものが多いんやわ。」

――お車もですか?
「あ、車はドイツ(笑)。大型ポルシェ。やっぱり機械好きやから、機械的にポルシェ好きなんやろうなぁ、料理人でポルシェ乗ってるヤツは多いわ。それに僕はほら、孫を乗せなあかんから4ドアのやつ。」


――時計にまつわるレストランのマナーでうかがいたいことがあるのですが、たとえば、お鮨屋さんなどで大将によっては、一枚板のカウンターを傷つけないよう、お客のブレスの時計は外すのがマナーだとか、おっしゃられる方がいますが…。
「あぁそれはね、そいつが病気なんです(笑)。とくに鮨屋って、非常に慇懃無礼なヤツらおる(笑)。」

――自分の流儀を押してくる人とか?
「うん、そうそう。『握ったらすぐ食べろ』とか、『酒飲まんと、早よ食えや』とか言うたり、でもそれっておかしいやろ。僕らは食事という楽しみを与えるのが仕事なわけで、うん、『俺の寿司が食いたいんやったら、黙って、黙々と鮨を食って帰れ』みたいなアホは、おかしいやろ。僕ら、やっぱりヒューマニケーションやからね、だから料理を食べて『美味しいなぁ』って、で、板さんと『これはなんやかんや』といろいろ喋ってやね、で、『ああ美味しかった。今日はありがとう、また来るで。これでまた明日から頑張って働くわ』って帰っていただくのが仕事やん。それをね、鳥小屋の鳥みたいに黙って鮨を食わされるような、貧しい食事はしたくないがな。結局ね…鮨屋にも親しいヤツぎょうさんおるよ。そやけど、だいたい総じてね、単品でやってるヤツには馬鹿が多いな(笑)。」

――はっきり仰いますね(笑)!
「いっつもね、“鮨屋と蕎麦屋を敵に回してる”ってよく言われるんやけど(笑)、蕎麦屋さんにもな、『(そば粉の)加水の水の量を天気によって微妙に変えてます』って言いよるヤツおるやん。でもな、蕎麦を湯がく釜からボワーって湯気が立ってたら、“関係あるかそれ?”って(笑)。あんなん化学反応やから、どうやったらどうなるかっていうのは分かるハズなんや。それを検証するんが仕事やんか。だから今、僕らは、大学に食学部(京都府立大学・食保健学科、立命館大学・食マネジメント学部)を作ったり、伏木亨先生という方が京大から龍谷大に行かはったから龍谷大に僕らのラボと研究室を作ったりして、料理人の勘と経験を数値にするっていうことをやってるわけ。そやないと、勘と経験を積んであとは先輩の背中を見て憶えろ言うてたんではねぇ、正確な伝承はされへんでしょ。物理と科学は世界共通で、物理が無かったら宇宙は成り立たへんねん。でしょ。それぐらい合理的・論理的な物の考え方してるから、結局、『料理はアートや』とか言いおるヤツは、ロクな料理作らへん(笑)。」

――企業秘密的な部分だと、それを明らかにしたくない方もいませんか?
「前にテレビでな、先祖代々伝承してきた蕎麦タレのかえしを無くしてしもうて、泣いてる蕎麦屋がおったんやけど、ウチのラボの連中がそれを見て、『アホか』言うてた。こんなことになる前に、追い足し追い足しでやってるタレの、何の成分がどう変化してんのか検証ぐらいしとくべきや、と。明らかにせんでも、再製は可能にしておけるでしょ。鰻屋とか焼き鳥屋もそうや。『なにかあったら、この秘伝のタレの甕持って逃げます』言うてるの見ると、“アホかお前”、と(笑)。万一、持って逃げれんかったらどうするの? それより、それまでになんで大学行って、成分検査をしておいて、それがもしか無くなった時にも、ほどなくそれに近いもんは作れるということを、技術者としては持ってなあかんわな。それがトランスミッション言うことや」

――有事のときは何をおいても甕だけ持って逃げろという家訓が、今や変わりつつある?
「そう、そういうのが美徳みたいに思われてるやん。お客さんから下げた皿を洗い場に持ってく途中に舐めるとか、そんなんが、“おお、さすがやな”みたいな話になるやん(笑)。ところが今どきはもう、“そんなんはアホや”いう時代が来てる。医者とか科学者のように、料理人も後から来るもんのために、データは公開すべきなんよ。『俺らは苦労して憶えたんや。そんなもん、ちょっとやそっとでお前に教えられるか』いう人はまだおるけどね、それを教えてあげれば、若い子らはそこからスタートできる。そうすると、より高みに行けるわけや。それが進化と発展に寄与するということ。伝統いうのはな、古いものをただ守るんとは違う。新しいものにも挑戦していって、その経過を後から振り返った時に、それが伝統いうものになっているんや」

――時計も、何世紀間も職人の世界でしたが、最近は工作機械など、科学的な数値の精度が高まって、それをしっかり押さえたところから、新しい仕組みや発明が生まれるような傾向があります。
「ひとつひとつの歯車の削り方からして、きちっとしてへんかったら、だんだん狂ってくるわけやろ。そんなひとつひとつの細かい部品が寄って、ひとつの集合体ができてるわけやね。これってすごい技術やと思うよ。そやから一年、二年で狂われたら困るわけや。40年50年使こうても、何年経っても全然大丈夫やっていう時計を作ってもらわんと困るわけや。そのためには、歯車のひとつひとつの、磨きっていうのも非常に関係してくるわけで、それがこう…噛み合うときに摩耗して擦り減ったら、だんだん駄目になって狂ってくわけで、そやから、何年に一回かはオーバーホールせにゃあかんやろうけども、それで分解してそれをまた組み立てて、それがまた正しく動くということやね。十何世紀の時計だって今でも動いとる時計はあるし、やっぱそれが時計のロマンやね。でも時計ってな、一個買うて来て、分解したら終わりやん。“ここの歯車はこうなっとるんのやな、ああなっとるやな”って研究できる。仕組みを知りたかったら買うてまえいう話や(笑)。でも、そういう研究でどんどん発展もしていくやん。時計も進化していく。文字盤に針のない時計もあるやん。ねぇ、ランゲの時計なんてね。」

――はい、ディスクで表示します。
「結局あんなんがもう機械で出来てること自体すごいけど、ま、あんなん電池でやったらすぐやん(笑)、一番簡単や。でもそれが機械で出来てるとこがおもろくて、ロマンあるとこや。だから、時計好きなヤツは、同じような時計をいくつもいくつも持っとるわな(笑)。ほんで嫁はんに怒られんねん、『腕、なんぼあんねん』言われてな(笑)。機械で(ワインダーを)回してるだけでも、『電気代もったいない』って叱られる(笑)。」

――まったくそうです。でもこの受賞を機に、時計をもっと集めようとか、そういうことは?
「んー、別にそこは。まぁ…人間っていうのは、満ちれば欠けるいうてな、“いずれあの時計が欲しいなぁ、でも1000万以上するやん”とかって言いながら貯金して、買うぞ思ってるうちが華なんや、“綺麗な時計やな、欲しいなぁ”って、時計も車も、それから女性も一緒よ(笑)。手にするまでが華なんやね(笑)。」

――深いですね。では最後にペキニエの時計に憧れたり、買いたいなと思っていたりする人たちに、すでに使用されている立場から、一言お願いします。
「ペキニエの時計は、非常に洗練されて綺麗やろ。で、わざとらしくない。ちょっとカーブがついたガラスだったり、ちょっとした段がケースにあったりすんのやけれども、みんな上品やろ、やり方が。非常にエレガント。あのね、フランス人にとって、エレガンスであるかどうかっていうのは、ものすごく重要なんよ。そやから、『エレガンスやね』って人から言われんのは最高の誉め言葉。やっぱりエレガントというのには、結局そこに教養が表れるわけですよ。そやから、その人の時計とか、着ているもん見たら、だいたいの人格がわかるわけや。そのためにはやっぱりこう…“洗練されたハイセンスなもん、エレガントなもんを身に着けてへんとダメや”、と思てるわけ、僕はね。こんなに全部が紺色の綺麗な時計ってないやろ? それを着けて、人から、『いろいろ機能付いてんやなぁ、でもこれって電池と違うの?』言われて、『電池と違う、機械式や』って言うのが、やっぱええわなぁ(笑)。それに、日にちと曜日がデカい。これは老眼でも見える、うん。あとは夜になっても、暗めのレストランでも、この文字盤がね、光って綺麗なんや。針も白いやろ。これが暗いところ行くと光るわけ。サファイヤのように光って非常にエレガントな感じがしてる。それがまたホントにお薦めやね。」


●提供された「ペキニエ マニュファクチュール ウォッチ 9010473」は、菊乃井本店がある京都をイメージし、藍色のフェイスに同じ藍色のベルトが印象的な一本。

●針のルミノバは夜空に流れる彗星を表している。

●ケースの裏蓋にはゴ・エ・ミヨの刻印と村田氏のイニシャルが刻まれ、世界で一本の時計となっている。



「スペックと特長」
【RUE ROYALE リュー ロワイヤル】
<ケース仕様>
径:42mm
材質:316Lステンレススティール/50M防水/シースルーバック

<ムーヴメント仕様>
自動巻き/21,600振動
パワーリザーブ88時間(72時間の等時性確保)

<インジケーター>
フラット3ディスク・ジャンピングデイデイト/ムーンフェイズ/
パワーリザーブインジケーター
スモールセコンド

Ref. 9010473  ¥1,050,000( 税)

3つの世界初
① 世界初の駆動システム“センターシャフト・ドライブ”は、大きなシングル・バレルによる高トルクゼンマイでありながら、香箱芯及び輪列のズレ/ブレ/ストレスを極限まで無くし、精度安定と長寿命を提供します。
② 世界初の非モジュール式単層地板は、エネルギーロスを極限までそぎ落とし、精度安定に貢献します。
③ 世界初3 ディスクカレンダー は、密接した 3 枚の段差の無い ディスク で 構成され ており、夜中 0 時 許容範囲前後 5
分)に 瞬時に 切替 わ ります 。 手動操作の 禁止時間帯 をも 無くし た 高い技術は、使用者の ストレス を減らします。




 ■『ゴ・エ・ミヨ(Gault&Millau) 』とは
2人のフランス人ジャーナリスト、アンリ・ゴ(Gault) とクリスチャン・ミヨ(Millau) が1972 年に刊行したパリ生まれのレストランガイドブックです。現在23ヵ国で展開され、日本がアジアでは初の進出国になります。フランスをはじめとする各国の優れた食のプロフェッショナルをつなぐ強力なネットワークを擁し、新しい才能や注目すべき食材をより広く世界にアピールしております。2月5日に発刊された『ゴ・エ・ミヨ2019』では、東京や北陸に加え、北海道、東海、関西のレストランも含め500店以上が掲載されています。


■『ゴ・エ・ミヨ』の特徴 
グルメ大国フランス発、本格レストランガイドの2大勢力のひとつ「ゴ・エ・ミヨ」。評価本という形を取りながらも、レストランに寄り添う姿勢を重んじ、シェフたちからの信頼は厚いと言われています。
「今年のシェフ賞」や「期待の若手シェフ賞」などを創設しインタビューを掲載するなど、シェフや生産者・職人などレストランの全体像にフォーカスする姿勢が美食を愛好するフランス人から評価される、信頼の厚い歴史あるガイドブックです。特に、「新しい才能の発見」という特徴を持ち、ジョエル・ロブションなどのグランシェフや、ヤニック・アレノやギィ・サヴォワのような気鋭のシェフをいち早く見出す、先見性に定評があります。また、それぞれの土地の食文化“テロワール”を尊重しており、優れた食材と料理にふさわしい器、行き届いたサービスまでをも評価の対象とします。とりわけその土地ならではの食材や美しく機能的なテーブルウェア、良質なサービスと、それを支えるプロフェッショナルを通して、「レストラン」という舞台の全体像に光を当てます。


■9つの賞、17名の受賞者を表彰
2月に行われた授賞式では、今年最も注目すべき「今年のシェフ賞」をはじめ、「明日のグランシェフ賞」、「期待の若手シェフ賞」、「トランスミッション賞」、「イノベーション賞」といったそれぞれの料理人の魅力にフォーカスした賞、店そのものの魅力を讃える「ベストPOP賞」、そして「ベストソムリエ賞」、「テロワール賞」、「ホスピタリティ賞」といったゴ・エ・ミヨが重要と考えるレストラン空間すべてに関わる方々、東京のみならず全国の新しい才能を表彰しました。歴代の受賞者には、オリヴィエ・シェニョンシェフ、田村浩二シェフなど、今の料理界で注目されているシェフが名を連ねています。


【問合せ先】
<ペキニエに関して>
カリブルヴァンテアン株式会社(ペキニエ日本輸入総代理店)
中央区築地6丁目4-5 シティスクエア築地 804
TEL: 03-6206-2333

<菊乃井について>
菊乃井本店
京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町459
TEL: 075-561-0015
 

赤坂 菊乃井
港区赤坂6-13-8
TEL: 03-3568-6055