ジャガー・ルクルトが企画する今夏のアジアでのイベント~上海とパリで「カフェ 1931」をオープン、ソウルでは「サウンド・メーカー」展示

 By : KITAMURA(a-ls)



コロナ禍の中、時計業界に限らず、接触・対面形式のイベントが自粛され早2年が経つ。ワクチン接種が進む欧米の環境はは徐々に変わりつつあるようだが、日本をはじめとするアジアはまだまだ油断できない状況にある。
そんな中、アフターコロナの可能性を探るような、しかもアジアを含んだ企画を、業界の"パイオニア"であり続けるブランドのひとつたるジャガー・ルクルトが進めている。
未来への光を感じるジャガー・ルクルトの企画2つを紹介する。


ジャガー・ルクルトが、上海とパリに「カフェ 1931」をオープン

6月13日より、ジャガー・ルクルトは、アールデコ デザインを象徴する時計、レベルソの90周年に合わせ、エレガントで心躍るニュースポット、「カフェ 1931」をオープンし、パリと上海のゲストを迎えることを発表した。レベルソが誕生した時代のスタイルと雰囲気を存分に堪能できるこのポップアップ カフェは、6月に上海に、そして今秋にはアールデコ ムーブメントの発祥地であるパリに開設される。(以下、プレスリリースを引用する。)



アールデコへのオマージュ

1920年代に登場したアールデコ様式は、伝統的な装飾を否定し、その時代を定義する現代性と進歩の精神を見事に捉えたシンプルな幾何学模様を特徴としていました。1931年にこれと同じ精神で制作された レベルソは、伝統的な時計デザインの典型を根本から逸脱したものでした。
その巧妙な機能性と極めて個性的なデザインは、建築、自動車、グラフィックアートから家具、映画、ファッションに至るまで、あらゆる分野のデザインを変革してきた進歩的な価値観を表現しています。
アールデコ様式の真髄を感じさせる表現として、カフェ 1931では、1930年代の遠洋定期船のエレガントな室内装飾や映画セットのような魅力的な雰囲気が取り入れられています。
ブラックとホワイトの色調を使用し、温かみのある、鮮やかな光が取り込まれたデザインは、クロム、ベルベット、ガラス、ラッカー仕上げされた木材などのアールデコのシグネチャーとなっている素材を採用しており、大理石の床にはこの時代の特徴である幾何学模様がちりばめられています。中央に取り付けられたすりガラスのシャンデリアから、レベルソ ケースの3つのゴドロン装飾を反映した3本のメタルバンドを備えた椅子まで、あらゆるディテールが特注デザインになっています。



シェフのニナ・メタイエとのユニークなコラボレーション
これらのデザインをさらに引き立てるため、ニナ・メタイエによるケーキとペストリーの特別なコレクションが制作されました。パリを拠点に活躍しているこの若きシェフは、ペストリーシェフ・オブ・ザ・イヤーに2度選出されており、その独創性、芸術性、卓越した味わいが高い評価を得ています。



カフェ1931のために、シェフであるメタイエはいくつものお菓子を作り上げましたが、それはインテリアデザインとしてのアールデコの美学を反映しているだけでなく、ジュウ渓谷にあるジャガー・ルクルトの工房への旅にゲストを誘うものでもあります。
マウンテンベリー、ナッツ、ハチミツ、そして当然ながらスイスチョコレートなど、渓谷に由来するフレーバーを使用することで、ゲストの皆さまがこれらのフレーバーを通じてその世界観を体験したり、繊細に手作りされた芸術作品のようなペストリーを楽しんでいただけるようになっています。カフェ 1931のために特別に制作された ピースの中には、中央にぎっしりと詰め込まれた夏の果実を隠しながらも、冬のジュラ地方の雪景色をほのめかす楽しいサプライズや、アールデコ様式に敬意を表するヘーゼルナッツとチョコレートのエレガントな長方形のお菓子などがあります。



「ジャガー・ルクルトとのこのコラボレーションで私にとって一番魅力的だったのは、2つの全く異なるクラフツマンシップの表現を組み合わせるというプロジェクトの考え方でした」 とニナ・メタイエは述べています。「パティシエと時計職人は同様の深遠な価値観を共有しており、我々の行動は同じ願望によって突き動かされています。それは、自分たちのために創作しているのではなく、受け取り手に喜んでもらうためにより磨きをかけているということです。」


パリから上海へ - スタイルの物語
カフェ 1931の開設地として選ばれた2つの都市は、アールデコの物語において重要な役割を果たした場所です。
パリはアールデコ発祥の地であり、そこには1920年代にパリの建築や応用美術に最初に登場したこの新しいスタイルのベースとなる要素がありました。決定的な瞬間は、フランスの首都パリで万国博覧会が開催された1925年に訪れました。これは、1930年代を通じて優勢になるこのスタイルの世界的な流行のきっかけとなりました。ただし、この展覧会の名前に由来するアールデコという用語は、1960年代後半に美術史家によって造られたものです。



上海の歴史においては、アールデコは独自の位置を占めています。東洋と西洋が混ざりあった独特の「中国のアールデコ」様式は、1930年代に開花し、上海は東アジアの社会的、文化的、経済的中心地となりました。このような伝統から、上海はカフェ 1931を開設するのに特にふさわしい場所であり、居住者とビジターの両方にレベルソのデザインを生み出した美しく、文化的な世界を体験する機会を提供します。
6月13日から8月15日まで開設されるカフェ 1931は、上海の中心部にあるアートとファッションの中心地、K11に設営されます。また、このカフェ 1931は、秋にはパリ中心部に再オープンします。

[レベルソ]
1931年、ジャガー・ルクルトは、20世紀のデザインのクラシックとなるタイムピース、レベルソを発表しました。ポロの激しい試合にも耐えられるように作られており、すっきりとしたアールデコ調のラインと独自のリバーシブルケースを備えたこの時計は、瞬時に識別することができます。誕生から90年間、レベルソはアイデンティティに妥協することなく自らの存在を常に変化させてきました。50種類以上のキャリバーが搭載され、何も描かれていないメタルの裏面はクリエイティブな表現のためのキャンバスとなり、エナメル、エングレービング、ジェムストーンなどで装飾が施されました。今年、90周年を迎えたレベルソは、変わることなく、その誕生にインスピレーションを与えた現代の精神を象徴し続けています。




今夏、ジャガー・ルクルトが特別展示「サウンド・メーカー」をソウルで開催

ジャガー・ルクルトは、この夏にソウルで特別な展覧会を予定している。それはいわゆる"鳴り物"に関する展示で、6月16日から7月4日までソウルのDDP(東大門デザインプラザ)で開催される「サウンド・メーカー展」だ。期間中、ブランドの新しいフレンズ・オブ・メゾンである俳優、キム・ウビンがフィーチャーされる。


ジャガー・ルクルトは"鳴り物"分野の先駆者として、これまでも「サウンド・メーカー」というキー・ワードのもとで、いくつかの示唆的な企画や新作を発表してきた。 (参考→ https://watch-media-online.com/news/3286/ : https://watch-media-online.com/news/3637/
また、昨年から取り組んできたスイス本社工房にユーザーを招いて行う公開ワークショップ、「アトリエ・ド・アントワーヌ ディスカバリー・ワークショップ」でも、その記念すべき第一回目のテーマが「サウンドメーカー」だった。
(参考→ https://watch-media-online.com/news/4330/https://watch-media-online.com/news/4330/
内容の詳細についてはまだ発表されていないが、以上のヒントから想像するにその展示内容は、「アトリエ・ド・アントワーヌ ディスカバリー・ワークショップ」の出張バージョンに近いものと予想している。
以下、現時点での発表内容をプレスリリースから引用する。




THE SOUND MAKER
6月16日から7月4日までソウルのDDP(東大門デザインプラザ)で開催されるこの『サウンド・メーカー展では、ジャガー・ルクルトのクリエイティブで文化的な世界を体験していただくことができます。ジャガー・ルクルトのチャイム機構を搭載した時計の独特で豊かな伝統――過去、現在、未来――を掘り下げ、1833年から本拠地を置くジュウ渓谷の自然の音にオマージュを捧げます。




以上の、とても興味深いジャガー・ルクルトからの2つのイベントだが、現状では、日本からの参加はちょっとハードルが高いと思われる。ま、いずれにせよ、東京オリンピックが"無事に"終幕するまでは、どのブランドも積極的な日本開催イベントは企画しないと思われるので、秋以降につながる希望への第一歩の取り組みとして、上海とソウルでのこれらイベントの成功を祈ってやまない。




【お問合せ先】
ジャガー・ルクルト コンタクトセンター
TEL:0120-79-1833
営業時間:平日の月曜から金曜 11:00~19:00




[サウンド・メーカー]
ジャガー・ルクルトはTHE SOUND MAKER(サウンド・メーカー)を称え、ジュウ渓谷の日々の生活の背景をなす自然の音と、ミニッツリピーター機構を搭載した時計の素晴らしい伝統にオマージュを捧げます。150年に渡り培ってきた卓越したミニッツリピーターの職人技を新たな方法で表現します。ジャガー・ルクルトが1870年に初めてミニッツリピーターを製造してから150年経った今でも、ミニッツリピーターはメゾンの極めて得意な分野でありつづけ、比較的簡易なアラームから非常に複雑なグラン・ソヌリやミニッツリピーターにいたるまで、あらゆる種類の200以上のキャリバーがその技術力を示しています。同時に、ジャガー・ルクルトの時計職人もデザイナーも、音質と美の基準を一新する数々の革新的技術で特許を取得しています。




[キム・ウビン]

韓国の俳優であるキム・ウビンは、高い評価を得ているテレビドラマや、ラブコメディー 、ドラマ、アクション映画など様々なジャンルのヒット映画で魅力的な存在感を示し、アジアを通して人気を博しています。31歳の彼は、俳優としての情熱に加え、社会貢献活動にも熱心に取り組んでいます。
「188年という長い歴史と偉大な時計製造の専門技術を持つジャガー・ルクルトのフレンズ・オブ・メゾンを務めることを光栄に思います。ジャガー・ルクルトとの新しい旅が楽しみです。」
キム・ウビンは2011年のテレビドラマ、『ホワイトクリスマス』で役者としての キャリアをスタート。その後、『紳士の品格』(2012年)で注目を集め、『ゆれながら咲く花~学校2013~』(2012年-2013年)や『相続者たち』(2013年)でブレイクしました。彼は、その後、ヒット映画の『チング 永遠の絆』(2013年)や『技術者たち』(2014年)、二十歳(2015年)に出演し、2016年には、テレビドラマ『むやみに切なく』で主役を務めました。次は、チェ・ドンフン監督による新作のSF映画『エイリアン』に出演します。この映画は、道人たちが神剣を手に入れようする高麗時代と、エイリアンがいる2021年の現在がつながった型破りな物語です。