グラスヒュッテ・オリジナル 新作実機画像

 By : KITAMURA(a-ls)
●4/18付更新:Cal.36について追記。


今年のグラスヒュッテ・オリジナルの新作はなかなかに清々しい。

同社の優れた技術・開発力の象徴ともいえる「Grande Cosmopolite Tourbillon」のような超コンプリ系新作を今年は出さず、その主力を2016年に好評を得た「セネタ・エクセレンス」のラインに置いた、非常にリーズナブルな機種を投入してきた。


●「セネタ・エクセレンス・パーペチュアルカレンダー」。42mm径。
SSケースは2,548,800円(RGは4158000円)、SSにはブレス仕様(2,700,000円)もある。



そのエンジンは、もちろん自社製ムーブメントCal.36である。
シリコンヒゲゼンマイ、フリースプラング、シングルバレルなのだが、双方向巻き上げ可能なローターの最適な伝達率によってわずか 1,900 回転で 100時間パワーリザーブを実現するなどの高性能を、摩耗に弱い部品を徹底的に削減した最小限の部品数で達成しているという優秀なムーブメントだ。


グラスヒュッテ・オリジナルは、部品の自社比率を公開している数少ないブランドであるが、その調達率たるやなんと95%なのである! 開発に4年を要し、グラスヒュッテ・ブランド初のシリコンヒゲを積み、ドイツのクロノメーター規格よりも厳しい24日間ものテストを課し、5姿勢・3温度帯で+4秒~-6秒という歩度を達成した事実が、つまり超コンプリを作らずとも、このムーブメントの存在そのものが、同社の技術力・開発力を示しているのである。



●"エクセレンス”という銘が付くモデルはすべて、この厳しい規格をパスしていることを示してる。

自社調達率の残る5%にしても、その多くを占めるのはスウォッチ・グループのヒゲゼンマイ・サプライヤー、ニヴァロックス社との共同開発部分である。シリコ ン製ヒゲゼンマイは当然として、100時間作動を可能にするために新設計された香箱(直径を拡大し香箱芯を小さくすることで、巻き数を大幅増し全長680mm というゼンマイの収納に成功)のために、きつく巻き上 げた際にも主ゼンマイが破損することのないよう、ニヴァロックス社の Elinflex という新素材を採用したことなどによるものだ。
 


「セネタ・エクセレンス・パンラマデイト・ムーンフェイズ」。40mm径。
SSケースは1,360,800円(RGは2,700,000円)、SSにはブレス仕様(1,512,000円)もある。



「セネタ・エクセレンス・パンラマデイト」。40mm径。SSケースは1,231,200円(RGは2,570,400円)、SSにはブレス仕様(1,382,400円)もある。

以下はプレスシートからの引用だが、
「セネタ・エクセレンス」コレクションは、3針のモデルであろうと、パノラマデイト付きのモデルであろうと、パノラマデイトとムーンフェイズ両方が付いたモデルであろうと、すべてのモデルで、一つ一つのタイムピースが24日間におよぶ厳しいテストを受けている。
これらのテストは、ドイツのクロノメーター認証テストに要求される基準をはるかに超える厳格な条件下で実施され、タイプの違いや複雑機構の数に関わらず、このコレクションの全モデルにすべての検査要件が適用され、一つ一つの時計の裏蓋に刻まれる特別なエングレービングは、確かな品質の証なのだ。
さらに「セネタ・エクセレンス」には、テストの結果を証明する個別の検査証明書が付属する。
専用のオンラインポータルサイトでも、個別の検査結果を参照したり、特定のテストの内容を確認することができる。

またサファイアクリスタルのケースバックから見える、伝統的な3/4 プレートや 21K ゴールドの錘付きスケルトン加工ローター、ペ ルラージュ、青焼きしたネジ、精巧に施された装飾など、典型的なグラス ヒュッテの装飾と構造的特徴の美観については言うまでもないだろう。



新作について、これは今年のSIHHやバーゼルの新作全般に言えることだが、各ブランドとも、数千万円クラスの“ドリーム・コンプリケーション”を控えて、愛好家にとって現実感のある価格帯を充実させるとともに、レディースのヴァリエーションを増やしてきた。GOの「パボニーナ」ラインにも10種類以上の華やかなバリエーションが加わっている。


 ●31mm径・クォーツ。RGケースのブレス仕様の2,775,600円から、RGで色あざやかで華やかなベルト仕様1,684,800円、SS/RGのコンビネーション896,400円、そしてSSの550,800円まで、多彩なバリエーションが楽しめる。







ドイツ南部のプフォルツハイムは、ランゲにもたいへんにゆかりの深い土地なのであるが、グラスヒュッテ・オリジナルはその地に自社の文字盤工場を持っている。それだけに、ダイヤルの美しさはグラスヒュッテ・ブランドの中でも白眉の仕上がりで、その点はレディース・ウォッチによく映えるアドバンテージでもあり、パボニーナはぜひ一度実機を見て欲しい作品群である。


そして、その文字盤クォリティーを感じるため・・・という口実を自分に言い聞かせて、セネタ・クロノメーターのブルーダイヤルを見せてもらう。


うーん、この風合、いつ見ても、いい。
ずーっと気になっている1本。

もうひとつ話題の新作、セネタ・クロノグラフ・パノラマデイトについては、稿を改めて書きたい。







さらなる詳細は下記にて。
http://www.glashuette-original.com/collection/new-timepieces




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スウォッチグループジャパン株式会社
グラスヒュッテ・オリジナル